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事業完了報告

2024/08/27更新

事業概要

事業期間開始日 2023/05/19終了日 2024/02/29
対象地域離島・僻地
事業対象者

①配信出前授業
直接対象者:小学生~中学生、教員
最終受益者:保護者                        
②配信コンサート
直接対象者:出前授業を体験した生徒、およびその保護者、教員、地域住民   
最終受益者:音楽家

事業対象者人数

小学生~中学生 320名
保護者・地域住民100名  

事業概要

2020年春から約3年間に渡ったコロナ禍で、パフォーミングアーツは表現する場と機会を失ってきた。SNSにおける表現の試行錯誤、無観客での配信コンサートなどを重ね、何とか表現手段を確保してきた期間であった。その経験を活かし、配信での音楽出前授業とコンサートを行う。また、島嶼県である沖縄では、本島と比べて離島では芸術文化の体験機会の格差が課題としてコロナ禍以前より認識されて久しい。配信という技術を用いることで、体験格差の解消の一助としたい。学校別に2コマの配信音楽出前授業(ワークショップ)を行い、最後はホールから同時中継でそれぞれの地域の公民館等から、子ども達・地域住民と交流する②の事業を行う(5拠点)。事業①音楽出前授業「音楽と映像でめぐる世界の旅」:事前に色々な国の作曲家の曲をプログラムし、子どもたちのリクエストを募り演奏する。背景にはグリーンバックでその国の様子が分かる映像やオペラの舞台セットなどを映し、実際にその曲が生まれた場所の雰囲気を感じてもらう。また、作曲家の面白いエピソードを交えたクイズなども行い、双方向での交流を目指す。声楽家2名とピアノの3名編成と、弦楽四重奏でのプログラムを行う。事業②おでかけクラシック:コンサートホールへ出かけて音楽を聴く一連の流れをガイド役(役者)の目線で体験する。ホールに入るところから、受付を通り席に着き鑑賞する。ZOOMのブレイクアウトルームの機能を使い、事業対象者はグループ(地域別)に分かれてガイド役と会話しながら席を選んだりする。また、ハープやコントラバスなど珍しい楽器は、楽器の内部やハープの足下を拡大して見せるなど配信ならではの特色を活かす。他にもガイド役がステージ裏や音響室なども案内し、バックステージツアーも行う。演奏者には、国内外で活躍する演奏家も招き、沖縄で活動する演奏家が一流の演奏家とともに演奏する機会を提供する。

事業の総括およびその価値

音楽配信出前授業では、クラシック音楽の鑑賞がほとんど無い地域で開催された事で、受け入れ校から大変喜びの声を頂いた。通信環境に不安も抱える中での実施だったが、北大東小中では特に反響が大きく、ヒアリングの際にも合唱や音楽の授業の際に(事業で出会った)オペラ歌手の喜納兄弟が未だに話題に上がり、歌い方を意識する姿勢が見られるとの所感を得られた。伊平屋の野甫中学校の校長先生や教育委員会関係者からも、実際にクラシック音楽の演奏を聴く機会がないので、配信で双方向で授業を受けられるのは生徒にとって良い刺激となり、体験の機会として大変有効な手段であるとの感想を頂いた。音楽配信コンサートでは、おおむね音質が良かったとのフィードバックがあり、機会が増えることは村民にとっても有益だが、行事と被らず塾が休みの土日開催が有効ではとの事だった。離島は伝統行事が多いので、丁寧にヒアリングし日程調整する事が必須だと感じた。

課題設定、事業設計に関する振返り

事業を振り返ってみて、年度が始まっての学校側との日程調整が困難を極めた。出来れば、事業実施年度の前年に、予め受け入れ校と日程の調整をしておくと、事業の開始がスムーズになると感じた。加えて、課題設定に関して、事前に開催校の教員や教育委員会関係者などと地域や学校の様子、背景などをヒアリングして設定することが肝要だと感じた。と言うのも、ひとくくりに離島・僻地と言っても、その島の文化や人々の興味・関心が異なるため事業設計や提案などアプローチの仕方も考慮して行う必要があり、それを踏まえた調整を行う事が出来れば、出前授業のコンセプトにも活かせ、配信コンサートの集客などに結びついたのではないかと感じている。また、配信という性格上、出前授業を行うアーティストやコンサートの司会など、説明を行ったり話しかける際は話すテンポも早すぎないように、ハッキリ、少し演技をするつもりで表現すると伝わりやすいかなと感じた。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1対象者①音の鳴る仕組みを理解することが出来、音=空気の振動という仕組みが分かることで、音そのものや音楽、楽器に対する理解が深まり、興味を引き出す。                  対象者①:音楽出前授業を体験した生徒(伊平屋中学校、野補小中学校、北大東小中学校、南大東小中学校、久米島西中学校)                  対象者②音楽や楽器に対する関心が湧き、理解が深まる            対象者②:配信コンサートの聴衆(配信出前授業を体験した生徒の家族、地域住民)
指標関心が湧いた、理解が深まったとアンケートで答えた人
目標値・目標状態アンケート回答者のうち、クラシック音楽や楽器に興味・関心が湧いたと答えた人数が70%
アウトカム:結果対象者①Q1.音楽配信出前授業に参加して、歌を歌ったり、楽器を演奏してみたいと答えたのが回答者のうち76%  Q2.プロの演奏家から歌を習ったり、楽器の演奏を習いたいかという質問に習いたいと答えた回答75% Q3. 音=空気の振動と答えた正解率78%  対象者②Q.1 今日のコンサートをきいてもっと他の曲をきいてみたいと思いましたか?という質問にそう思うと答えた回答者87% Q2. 今日のコンサートで初めてみる楽器はありましたか?また演奏してみたい楽器はありますか?との質問に、48%の方が楽器を演奏したいと回答。
アウトカム:考察対象者①声楽と弦楽器と学校によって授業のプログラムが異なったが、音=空気の振動という仕組みについて正解率が約8割得られた。また、授業を受けて「歌を歌いたくなった、楽器を演奏してみたいと思った」という回答が76%、プロから習いたいという回答も75%にのぼり、音楽や楽器に対する関心の高さが伺える。 対象者②今日のコンサートを聴いて87%の方が他の曲も聴きたくなったと回答したことから、ある一定の興味・関心を引き出せたのでは無いかと思う。また、初めて見る楽器があったと39%の方が答え、48%の方が演奏したい楽器名(ハープ、ヴァイオリン、フルート、ホルン、トランペット)を挙げてくれた。
2コンサートや観劇など舞台芸術に触れたいと思う人が増える  対象者①:音楽出前授業を体験した生徒(伊平屋中学校、野補小中学校、北大東小中学校、南大東小中学校、久米島西中学校) 対象者②:配信コンサートの聴衆(配信出前授業を体験した生徒の家族、地域住民)
指標コンサートや観劇に出かけたいと思う人数
目標値・目標状態アンケート回答者の内50%
アウトカム:結果対象者①出かけたいと答えた回答率58.5%                    対象者②生の舞台であれば鑑賞したいと答えた回答率59%
アウトカム:考察対象者①へは、3つの質問を行った。Q1. これまでにコンサートなどを聞きにいったことがあるか?という質問に対し、54%があると回答。Q2. 配信授業のアーティストの演奏を聴きに行きたいか?という質問に対し59%が聴きに行きたいと回答、Q3. 配信授業以外のアーティストの演奏を聴きに行きたいか?という質問には58%が聴きに行きたいと回答した。Q1.の行ったことがある54%をQ2.3では約4%上回った。 対象者②へは「機会があれば、コンサートや演劇、ミュージカルなどを配信で鑑賞したいと思いますか?」との質問に①生の舞台であれば鑑賞したい59%、②島内であれば鑑賞したい41%の回答が得られた。
3配信での出前授業やコンサートが離島・僻地地域に於いて、芸術体験機会の方法として認識される                    対象者:教員、市町村の教育・文化振興担当者
指標学校の先生方、市町村の教育・文化振興担当者が配信での出前授業・コンサートに対して、芸術体験機会としての可能性を見いだす
目標値・目標状態アンケート回答者のうち、配信での出前授業・コンサートを行ってみたいと思うと答えた人数が50%
アウトカム:結果配信出前授業をこれからも行いたい100%        配信コンサートをこれからも開催したい50%
アウトカム:考察開催地の内、離島の北大東村と伊平屋でヒアリングを行ったところ、配信での出前授業について、双方向で行うのはかなり有効な手段であるとの回答を得られた。一方、配信コンサートについては北大東村の担当者から、コンサートの機会がないことから音響のクオリティが今回の様に担保されるのなら、有効な手段であり、機会があれば開催したいとの回答であった。ただし、平日は村直営の東大オンライン塾があり、年間予定をキャンセルをするとキャンセル料が発生する為、土日開催でないと集客が難しいとの事。一方、伊平屋村関係者からは、村民は文化芸能よりもスポーツに関心が高く、演劇や他の文化芸能公演でも集客が難しいとの声が寄せられた。
4クラシックの楽曲や作曲家について知識を得ることで、テレビやゲーム等で子どもたちが親しんでいる音楽の基礎が実はクラシック音楽にあることを理解し、クラシック音楽を身近に感じることが出来る。                                    対象者①:音楽出前授業を体験した生徒(伊平屋中学校、野補小中学校、北大東小中学校、南大東小中学校、久米島西中学校)
指標曲数、作曲家数
目標値・目標状態14曲 作曲家10名
アウトカム:結果平均7名、7曲
アウトカム:考察当初、各学2時間(2コマ)で目標値を設定したが、連続しての授業受け入れ校は北大東中学校のみとなり、同校については喜納兄弟10曲、ピアノトリオ7曲の合計17曲、作曲家14名と目標値を上回った。
5正しい発声法が理解できることで、歌う時の姿勢や発声に気をつけて歌うことが出来るようになる。                          対象者①:音楽出前授業を体験した中学生(伊平屋中学校、野補小中学校、北大東小中学校、南大東小中学校、久米島西中学校) 対象者②:教員
指標正しい発声法に気をつけて歌うようになったと答えた人数
目標値・目標状態アンケート回答者のうち、気をつけて歌うようになったと答えた人数が70%
アウトカム:結果対象者①歌い方を参考にしたいと答えた人数が81% 対象者②50%
アウトカム:考察喜納兄弟が出前授業を行ったのは、北大東小学校、北大東中学校、野甫中学校の3コマだったが、北大東小中では特に影響が大きかったようで、2024年3月初旬に最終ヒアリングを行ったところ、現在でも合唱や音楽の授業で、喜納兄弟のように歌おうと歌い方を意識する発言があるとのこと。今年から伊平屋で勤めている音楽教員からは、伊平屋で音楽専門教員が派遣されたのは久しぶりで、その為、子どもたちは発声の仕方など、専門的な音楽の授業を受けられる環境になく、基礎が培われていないという状況が判明した。
6音の鳴る仕組みを理解することが出来、音=空気の振動ということを理解することで、音そのものに関する興味や楽器に対する興味を引き出す
指標正しい発声法が理解が出来たと答えた人数
目標値・目標状態
アウトカム:結果33行目は事業計画書での消去ミス
アウトカム:考察考察内容については28行目と32行目に記載
7演奏家が他者と演奏する時に、相手の呼吸や表現したいことを感じながら、一緒に音楽を創り、音楽を通してコミュニケーションをしていることが理解できるようになる                       対象者①:音楽出前授業を体験した中学生(伊平屋中学校、野補小中学校、北大東小中学校、南大東小中学校、久米島西中学校) 対象者②:担当教員
指標お互いに聴きあってアンサンブルをした時と、そうでない時の違いが感じられる
目標値・目標状態対象者①歌を歌うときや、一緒に音楽を演奏するときに、他の人の音が聴くようになったと答えた人数が50% 対象者②歌を歌うときや、一緒に音楽を演奏するときに、生徒が他の人の音が聴けるようになったと答えた人数が50%
アウトカム:結果
アウトカム:考察演奏者と相談した結果、配信だと、アンサンブルの息づかいや、視線などの細かいコミュニケーションの違いがもたらすアンサンブルの違いについては伝えるのが困難だということで、プログラムのポイントには入れず、アンケートも行いませんでした。
8演奏家が配信という手法を用いることで演奏する機会を広げ、離島や僻地などに演奏を届ける可能性を認識する                   対象者:参加した演奏家
指標可能性を認識した演奏家の数
目標値・目標状態アンケート回答者のうち、配信での演奏の可能性を認識したと答えた人数が50%
アウトカム:結果可能性を認識した91.9%
アウトカム:考察演奏者50名にアンケートを依頼し、回答数は37名にとどまったが、「離島や僻地、子育て中の方などアクセスが困難な方に演奏を届ける方法として、配信コンサートが有効であると考えますか?」との質問には91.9%の方が有効と回答し、アクセス困難な方へのひとつの手段として、配信コンサートが有効だと認識されていることが分かった。

アウトプット

1クラシック音楽に触れる機会の少ない、離島・僻地の学校に配信出前授業を行う
指標回数
目標値・目標状態6回(6コマ)
アウトカム:結果5回(5コマ)
アウトカム:考察目標値に達しなかった原因として、年度が始まってからの受け入れ校の調整だったため、授業時数の兼ね合いで中々受け入れ先が決まらず難航し、目標の学校数の半数にとどまったことが大きな要因である。次回からこのような取り組みがある場合は、前年度で受け入れ校と日程を調整することが望ましい。
2出前授業でクラシック音楽に触れる子どもたちが増える
指標学校数、生徒数
目標値・目標状態学校数 6校       生徒数250名
アウトカム:結果学校数 3校(北大東小中学校、野甫中学校、三育小学校)生徒数:150名
アウトカム:考察前述と重複するが、年度が始まっての受け入れ校調整が予想よりも困難を極め、開催校は目標の半数にとどまった。
3クラシックの配信コンサートの開催
指標配信での鑑賞人数
目標値・目標状態大人 150名 中学生以下150名
アウトカム:結果配信会場での鑑賞人数:60名          関係者限定公開でのYouTube鑑賞人数:138(視聴回数)
アウトカム:考察配信での鑑賞人数は開催校が半数になったこともあり、約60名と目標値に満たなかった。原因として北大東ではオンライン塾があったこと、重要な伝統行事の秋祭り前日で準備があったことが推察される。一方、伊平屋では橋を渡った野甫公民館で開催されたことで、改善センターの方が設備も良く、集客出来たのではとアンケートに意見が寄せられたが、受け入れ担当者からの強い要望で野甫公民館となったため、事前調整の難しさを感じた。次回からは事業年度の前年には日程調整を行う事が必須だと考えている。
4まだまだ沖縄では少ない、ライブでの配信コンサートに演奏家が参加し経験する
指標ライブでの配信コンサートを体験した演奏家の人数
目標値・目標状態50名
アウトカム:結果51名
アウトカム:考察アンケートを行ったところ37名から回答が得られ、次回、このようなコンサートを行う場合参加したいかの質問に対し、全員から参加したいとの回答が得られた。

活動

1①日程調整、受け入れ先決定
活動結果遅延あり
概要北大東小中学校、野甫中学校以外の受け入れが予定していた5月中に決まらなかった。
2②出前授業のプログラム、内容調整
活動結果遅延あり
概要弦楽四重奏、ピアノトリオのアーティストが日程が取れず、内容の調整が遅れた。また、内容については、一部、配信という特性上、効果的でないものを取りやめた。
3③下見、受け入れ先との打ち合わせ(現地へ赴くことを想定)
活動結果遅延あり
概要受け入れ先の確定が北大東小中以外は難航したため、遅延が生じた。また、下見の際に配信コンサート現地担当者を同伴させたかったが、日程調整が出来ず、現地担当者は前日入りとなってしまった。
4④オーケストラとのプログラム調整
活動結果ほぼ計画通り
概要1曲、大型楽器の借用もあり最終確定が遅れたが、その他の曲は早めに決定し、ほぼ計画通りであった。
5⑤配信出前授業 背景映像作成業務、台本・進行表完成
活動結果ほぼ計画通り
概要背景映像作成業務が、実際に前日にテストをしてみて修正・調整が生じたため、直前まで手直しが必要になった。
6⑥アンケート設計
活動結果遅延あり
概要受け入れ先の調整の遅れにより、配信出前授業に関してはすべて予定より遅れたため、アンケート設計も遅れてしまった。
7⑦出前授業リハーサル、ブラッシュアップ
活動結果遅延あり
概要演奏者の都合があり、リハーサルやブラッシュアップが直前にしか行えなかった。
8➇公演1 配信出前授業 音楽と映像でめぐる世界の旅  北大東・南大東
活動結果遅延あり
概要北大東小中学校については受け入れについては早く確定したが、学校側の希望で、こちらが希望していた7月ではなく10月の開催となってしまったため。
9⑨公演1 配信出前授業 音楽と映像でめぐる世界の旅  伊平屋
活動結果計画通り
概要伊平屋での開催については、野甫中学校の校長先生が窓口となって伊平屋中学校・小学校とも合同開催を目指して日程等交渉して下さったが、最終的に断られてしまい、日程の確定が遅くなったが、計画通り10月の開催と鳴った。
10⑩公演1 配信出前授業 音楽と映像でめぐる世界の旅  久米島
活動結果ほぼ計画通り
概要南大東小中学校、久米島西中学校、ともに調整が難しく開催が出来なくなってしまったため、他の離島(渡嘉敷、座間味、竹富島)なども紹介者を通じて打診したが日程が合わず、最終的に本島内で探し三育小での開催となり、開催地が変更になった。実施日については計画通り11月に開催出来た。
11⑪プログラム、チケット、アンケート(コンサート用)等、印刷物作成、印刷物送付
活動結果計画通り
概要離島へのチラシの配布について、早めの配布が効果的かと考えていたが、地域によっては全家庭に1~2週間くらい前に配布するのが通例ということで、直前の配布となったところもあった。
12⑫コンサート演出プランニング、関係者最終打ち合わせ
活動結果計画通り
概要オリジナルコンテンツの演出について、ギリギリまで調整があったが、遅延は生じなかった。
13⑬公演2 おでかけクラシック コンサートホールと公演1の地域、自治体の公民館等を同時中継で開催、周辺住民を聴衆として想定
活動結果計画通り
概要ネット環境による遅延もほぼなく、予定通り終えることが出来た。
14⑭事後アンケート調査、報告書作成
活動結果遅延あり
概要アンケートについてはほぼ計画どおりに行えたが、報告書作成が締め切り直前まで終えることが出来なかった。

資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括

1取り組み

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

伊平屋の開催校の校長先生や音楽教員より、配信音楽出前授業を双方向で交流しながら行った事に対して、キャリア教育という観点からも非常に良かったとの声を頂いた。音楽家や芸術家など、島で暮らしていて普段接することの無い職業の大人と出会うことで、様々な職業があることが実感できたのではないかとのお話しだった。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

北大東小中の音楽教員からは、喜納兄弟の子どもたちに与えた印象やインパクトが大きく、合唱祭などでも「喜納兄弟のように歌いたい」など、発声や強弱など、自主的に気をつけて歌うようになったとの声が寄せられた。また、音楽配信のあと、ヴァイオリンを音楽の授業の中で実際に触る時間を設けたところ、配信で聴いた弦楽器の音と違う、きれいな音を出すのは難しいねなど、比べる対象があることで、楽器演奏の習得の難しさなども感じられたようだった。伊平屋の今年から在籍している音楽教員からは、この数年間音楽教員が島に不在だったため、子どもたちが発声の仕方など基礎的な教育を受けておらず、合唱で歌うときも地声で歌っているのが見られるとの声があった。今回、授業の時数もあり、北大東中学校以外は1コマずつの授業であったが、出来れば予め教員と話し合い、授業の鑑賞教材となっている楽曲を音楽配信授業で実際にアーティストが解説しながら演奏し、生徒からの質問に答えるなど出来ると、CDやDVDで鑑賞するのとは違った、より深い音楽体験が提供出来るのではと感じた。そのような活動が可能な助成を探して、学校現場に提案して行きたい。

外部との連携実績

1活動特定非営利活動法人琉球交響楽団に演奏を依頼
実施内容配信コンサートにおけるフルオーケストラによる演奏
結果・成果・影響等指揮者の角田鋼亮氏は琉球交響楽団と初共演。初めての指揮者での演奏は、県内奏者にとっても貴重な体験であり、音楽性を拡げる事に繋がる。また、フルオーケストラでの演奏依頼は琉球交響楽団にとっても少ないことから演奏の機会を提供することが出来た。ライブ配信でのコンサートも同団にとって初めての経験であり、特に北大東はまだ演奏で訪れていない地域であったため、北大東の来場者からは有名なクラシック曲にひかれて来場したが、琉球交響楽団のオリジナル曲である「沖縄交響歳時記」にとても感動したとの声が寄せられた。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

配信コンサート告知:2023年11月10日沖縄タイムス、2023年11月15日琉球新報、配信コンサート記事:2024年1月20日琉球新報 北大東小中学校ホームページ(10月6日)https://kitadaitojimasyoutyuu.ti-da.net/e12599499.html、伊平屋村ホームページ(11月22日)https://www.vill.iheya.okinawa.jp/site/nohotyu/1269.html

広報制作物等あり
内容

配信コンサート宣伝用チラシフルカラーA4両面(6500部)チケット印刷片面カラー(1000枚)プログラムフルカラーA3(800部)

報告書等あり
内容

アンケート他

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
変更があった規程類に関して報告しましたか変更があり報告済み

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

休眠預金事業の活用時はJANPIAの窓口を利用、それ以外は監事への相談としている

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかいいえ
内容

2月末に設置したため

ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

これまでガバナンス・コンプライアンスの整備を行っていなかったため、JANPIAをはじめとした他団体の規程類を参考に、内容を検討しました。

報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)外部監査
内容

会計年度が5月締めなので、毎年7月初旬~中旬頃、すべての事業について監査を実施している

事業完了した実行団体へ事業完了時監査を行いましたか実施済み
内容

2024年3月28日に監査終了

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

本助成を通じて、当法人は非営利の小規模一般社団法人ですが、ガバナンス・コンプライアンスや規程類を作成し、組織体制を整理することが出来ました。音楽配信事業は当法人にとって初めての試みでしたが、受け入れ先の教育委員会、教員や関係者からは、音楽配信出前授業は双方向で交流しながらの内容で、とても意義深いと好評を得たので需要はあることが判明しました。また、そもそも、音楽教員の話から、離島・僻地では音楽を専門に学んだ音楽教員が派遣されることが毎年あるわけではなく、場合によっては小学校の6年間、別の専門の先生から授業を受けるため、発声の仕方や専門的な授業を受けることが無く、都市部と比べて教育格差があることが分かりました。音楽専門教員が不在の離島僻地の学校現場において、音楽授業の一環として配信授業を行う事が出来れば、このような教育格差の是正の一助となり、とても有効な手段となり得るので、継続できる支援があると僻地や離島の学校現場では喜ばれると感じています。是非、そのような支援を求めたいと思います。

シンボルマークの活用状況

チラシ、プログラムへの掲載