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中間評価報告

2024/12/26更新

評価計画事業進捗の評価事業の改善結果広報に関する報告

評価計画

中間評価の目的:事業中間時点でみえてきた事業上の課題とそれを改善するために中間評価で確認したいこと

事業中間時点でみえてきた事業上の課題

○組織基盤や運営体制の不足
・日々の業務に追われる等様々な要因で、子どもたちのスキルアップに繋がる声掛けの時間がとれていない。
・関わる人材によって事業目的の理解度等が様々である為、十分に集積できていない指標がある。
・事務分掌と指揮系統が様々なラインで存在している為、建設的なディスカッションが成り立ちにくい。
○事業効率の悪さ
・専門メンターの配置を行っているが稼働率が低く十分に活用できていない。
・出来ている部分と出来ていない部分の差が激しく、着手出来ていない事業もある。
○周知不足
・まだ当事者(本人+保護者)へ十分な周知が出来ていない為認知度が低い。
・地域(企業、地域住民等)にも知られていない事が多い。
○資金調達の難しさ
・対行政向けの資金獲得を考えた際に、居場所以上に教育拠点としての方がニーズが高い。(先方に取って分かりやすいこともあり)
・一般企業や地域住民向けの資金調達もほとんど稼働できていない。

事業上の課題を改善するために中間評価で確認したいこと

①事業進捗の確認
②理解度が上がってきた直接対象者の分析(これまでの経験や事例より)
③現状に合わせたロジックモデルの見直し
④外部から求められている役割と本事業が持つ意義、弊社のリソース等の整理
⑤その他、事業設計上想定されていない事案の整理
以上5点をもって上記課題の原因を分析し、事業設計の再評価及び見直しを行う

実施体制

1内部/外部内部
評価担当分野進捗やヒアリング情報など取りまとめ、ロジックモデル
氏名鳥谷博史
団体・役職ピコテラス館長
2内部/外部内部
評価担当分野資金計画(執行率や効率性)、行政調査、事業計画
氏名杉村卓哉
団体・役職一般社団法人エンター共同代表
3内部/外部内部
評価担当分野内部の業務体制及びロジックモデル、事業計画
氏名長谷川直人
団体・役職一般社団法人エンター共同代表
4内部/外部外部
評価担当分野評価アドバイス
氏名坂本逸志
団体・役職いつしか

実施状況を把握・検証するために実施する調査

調査方法

①アウトプット及びアウトカムの発言状況の測定(鳥谷)
・指標に関してデータ収集と取りまとめを行う
・指標外に関しても気が付いたことに関しては常時付記を加える
②資金執行状況の確認(杉村)
・予算執行状況の整理を行い、進捗率の確認を行う。
③直接対象者・関係者ヒアリング調査(杉村、長谷川、鳥谷)
・利用者へのアンケート調査を行う。
・直接対象者、保護者、専門メンター、スタッフへのヒアリングを行う。
(当事者や保護者は認知度や意向調査が主、メンターやスタッフは利用者の他、現場の課題感等を確認)
・それ以外では他団体経由やイベントなどで得た当事者情報も整理する。
④外部認識のヒアリング(杉村、長谷川)
・市行政、学校など重要なステークホルダーの本事業の認知状況について直接ヒアリングを行う。

調査実施時期

①9月~11月
②~④10月~11月

調査結果の検証方法

①社内ディスカッション(杉村、鳥谷)
・社内協議にて振り返りと自己評価を行い、検討箇所や事業経過により明確になった部分(対象者や事業運用等について包括的に)の頭出しを行う。
②現状分析ディスカッション(杉村、長谷川、鳥谷、坂本)
・外部人員を交えて課題と実施状況の照らし合わせやディスカッションを行う。
③ロジックモデル検証作業(杉村、長谷川、鳥谷、坂本)
・今までの取り組みと高まった解像度を加味してロジックモデルの最適化を検討する。

事業設計図の検証方法

検証方法

上記、現状分析も反映する形で外部アドバイザーと共にディスカッションを行い、自己評価を行う。
ディスカッションの結果、必要があればロジックモデルや各計画書の変更を行い、再度十分な検証結果となっているか外部人材も交えた議論を実施する。

実施時期

自己評価終了後~11月

事業計画書や資金計画書への反映実施時期

11月~1月

事業進捗の評価

アウトプットの実績

1アウトプット必要とする人、興味を持った人がアクセスできる
指標施設への問い合わせ件数(延べ)
中間評価時の値・状態70人
事後評価時の値・状態300人
現在の指標の達成状況59件 問合せは予想以上に多く、カウントが出来ていない内容もある為中間評価時の目標値よりも少ない数字となった。興味・関心の度合いが高い対象者が地域問わずアクセスされているが、現指標では「必要とする」直接対象者のカウントができておらず、問い合わせベースだと分類が困難であることから指標の構築が必要である。
進捗状況2計画どおり進んでいる
2アウトプット必要とする人、興味を持った人がアクセスできる
指標見学数(延べ)
中間評価時の値・状態70人
事後評価時の値・状態300人
現在の指標の達成状況500人(利用者をのぞく見学者) 集計方法の整理を行い、今後は直接対象者の数のみを計上し問い合わせが多い行政関係者(学校や支援施設)に関しては別指標で計上することとした。 業務が圧迫されているため対応方法をより簡潔に整備する必要を感じている。
進捗状況1計画より進んでいる
3アウトプット必要とする人、興味を持った人がアクセスできる
指標イベント参加者数
中間評価時の値・状態150人
事後評価時の値・状態500人
現在の指標の達成状況222人 イベントは軒並み好評で良い状態で進んでいる。
進捗状況1計画より進んでいる
4アウトプット子どもたちは気兼ねなく話ができ、過ごせている
指標利用者とのコミュニケーションの履歴のボリューム増加
中間評価時の値・状態コミュニケーションの記録が取れている
事後評価時の値・状態コミュニケーションの記録が継続して取れている
現在の指標の達成状況コミュニケーション履歴の蓄積方法の整備が間に合っておらず、評価に耐え得る指標の蓄積が出来ていない為、業務日報の形式を整備した。 また、現状ではスタッフ・メンターの事業理解の差異により直接対象者の対応方法もばらつきがあることから、日報の多寡では「気兼ねなく話ができ、過ごせている」というアウトプット指標としては弱く、指標の見直しが必要である。
進捗状況3計画より遅れている
5アウトプット子どもたちはデジタルテクノロジーで自己表現出来ている
指標形にして人(拠点内)に見てもらった数
中間評価時の値・状態70点
事後評価時の値・状態500点
現在の指標の達成状況159点 予想よりも多く作成されている。
進捗状況1計画より進んでいる
6アウトプット多様な地域のステークホルダーがピコテラスや受益者と関わっている
指標地域(若者、フリーランス、企業等)が参画した数
中間評価時の値・状態15回
事後評価時の値・状態40回
現在の指標の達成状況16回 多くの方に参加頂けているが、一部の方に限定しており地域連携は弱いと感じられる。コラボイベント等一層の工夫が必要。また、指標の言語表現(特に「参画」)が曖昧である為、測定項目は変わらないが言語表現を見直す必要がある。
進捗状況2計画どおり進んでいる
7アウトプット社内体制の受入れ体制が整う
指標社内(現場以外も含め)での利用者のエピソード共有(月2回)
中間評価時の値・状態14回
事後評価時の値・状態40回
現在の指標の達成状況10回 日常的な会話、議論はなされているが、うまく形となっていない。指標の見直しではなく、組織、役割分担、仕組化等により対応予定
進捗状況3計画より遅れている
8アウトプット社内体制の受入れ体制が整う
指標研修(不登校、特性、マイノリティ等)の実施
中間評価時の値・状態2回
事後評価時の値・状態4回
現在の指標の達成状況1回 日常業務に圧迫されておりなかなか実行できていない。休館等も視野に入れて計画とタスク管理が必要
進捗状況3計画より遅れている
9アウトプット地域・学校・関係団体の認知度が向上
指標他団体の会議への参加数
中間評価時の値・状態3回
事後評価時の値・状態12回
現在の指標の達成状況1回 地盤固めを優先した結果消極的になっている。連動の為の小さな会議帯はあるがロジックモデルに沿ってカウントと共有方法を再検討し、場合によっては指標の変更を行う。
進捗状況3計画より遅れている
10アウトプット地域・学校・関係団体の認知度が向上
指標他団体からの問い合わせ
中間評価時の値・状態10回
事後評価時の値・状態30回
現在の指標の達成状況59回 学校でのワークショップを重ね、関心度が高まっている。引き続き強化する。
進捗状況1計画より進んでいる
11アウトプット資金が調達できる
指標調達額250万
中間評価時の値・状態0円
事後評価時の値・状態250万円
現在の指標の達成状況183000円 クラウドファンディングをしているが難航している。
進捗状況3計画より遅れている
12アウトプット地域住民への啓発や社会に普及啓発できる
指標地域住民への訪問説明の回数
中間評価時の値・状態2回
事後評価時の値・状態8回
現在の指標の達成状況0回 まずは形を作るためピコテラス内のイベントが中心で地域連携が少なかった。当初想定は周辺自治会の行脚であったが地域に入る難しさもある為、きちんと実行できる指標であり、かつ極力直接対象者への周知にも繋がる指標へ変更する必要がある。今後説明会ではなく、地域イベントで指標を取る予定(2024年実績2回)
進捗状況3計画より遅れている
13アウトプット地域住民への啓発や社会に普及啓発できる
指標メディア掲載数・取材数
中間評価時の値・状態3回
事後評価時の値・状態8回
現在の指標の達成状況9回 予想より多くの関心と協力を頂けている。
進捗状況1計画より進んでいる

短期アウトカムにつながりそうな、活動直後にみられた受益者、対象者、関係団体等の変化(言動)があれば記載してください。

○関係機関
・おんせんキャンパス(不登校支援を行う教育支援センター)の子どもたちで、職員さんがいない状態でも利用して頂く機会が増るなど、他団体からの利用機会が増えた。
・利用者からの紹介や、教育委員会等の場でもピコテラスを紹介して頂ける機会が増え、学校の先生からの問い合わせや視察、利用が増えている。
・学校等からの依頼や相談も多くいただいており、現在様々な企画が進行している。
○直接対象者
・遠方から夏休みを利用し、高校生がイベント企画の相談にきた等IT関連のお悩み相談の場としても機能し始めている。
・不登校の中学生がここが自分の居場所であると発言しており、毎日のように利用してくれている。
・学園祭やクラブ活動用のTシャツ作成など多数あった。音楽部がDTMをしに来ていた。部活、クラブ活動との相性が良い。

短期アウトカムの進捗状況

1アウトカムで捉える変化の主体不登校等児童
指標定量指標①:不登校等児童利用者数 ②不登校等児童利用割合
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態①15人
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況①13人 ②214/672 不登校児等利用割合については事業計画書内で目標値の設定をしていなかった為、改めて設定の必要有。 また、上記同様居場所としての機能評価の為に再利用率等を指標に上げ定着率を測定する必要がある為、指標の見直しが必要。
2アウトカムで捉える変化の主体施設利用者
指標定性的指標②:受け身の状態から自主的な活動に変化する。
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態助けを求めることが出来る、自発的に取り組む、ビジョンを持って取り組む、の3分類を行い、自己表現について1段階でもステップアップできるか
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況初めてでは受け身の状態の子が多いが、すぐに自発的に行動する子が多い。 一部の子どもたちからビジョンを持った変化を見受けられる これらの集計方法として日報を再整備し、引き続き直接対象者の状態に注視していく。
3アウトカムで捉える変化の主体施設利用者
指標定量的指標①:自ら創作を行った子の数とお披露目する作品数 定性的指標②:子どもたちが、デジタル・テクノロジー領域の活動に関心を持ったときに創作活動に取り組むことができているか
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態①120人、240作品 ②自主的に機材に触れるなど、行動に移している
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況①94人、145作品 ②行動に移している。 業務日報等によって行動追跡方法を整備した。
4アウトカムで捉える変化の主体施設利用者
指標定量的指標①:子どもたちの自己肯定感等の変化(USA Computer clubhouseが作成しているアンケート9項目) ②不透明で予測が不可能な時代の自らの在り方 定性的指標③:子どもたちの周囲の大人がその変化を感じているか
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態①9項目で自己肯定感の向上がみられる。 ②やりたいことが分かった結果、行動変容や興味の対象の変化が起き、「好き」「やりたい」等ポジティブな表現が見て取れる ③こどもの変化を肯定的にとらえることができている
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況これから分析予定。11月時点ではアンケート結果からは、同年代の子ども達よりも比較的、自己肯定感の高い結果がみてとれた。 ②、③に関しては業務日報、スタッフMTG、他団体や連携できる学校からの視点など総合的に情報を蓄積、評価していく。
5アウトカムで捉える変化の主体受益者以外のステークスホルダー
指標定量的指標:①交流機会やイベント開催数 ②受益者以外のステークホルダー等の参加者数(学生/企業社員/行政等)
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態①23回 ②200人(延べ)
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況①14回 ②369人(延べ)
6アウトカムで捉える変化の主体施設利用者
指標定性的指標:新たな視野に触れることが出来たか(行動追跡等)
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態行動履歴の追跡を行った結果、異なるデジタルカテゴリーに対して興味が確認できた。
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況興味が確認できたが、まだ一部の子にとどまるため,機会提供を増やす必要性を感じている。 また、ロジックモデルを再検討した所、「新たな視野に触れる」指標は行動追跡ではなく体験会の参加回数の方が適当ではないかという議論がなされ、指標の変更を検討する。
7アウトカムで捉える変化の主体施設利用者
指標定性的指標:デジタルを通じてキャリア観の幅が広がったか(体験会参加回数等)
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態年間3回、日本産業分類中分類における3分野に触れる。
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況提供してる体験会等に一部偏りが見られる。多彩なイベントを企画する必要がある。 また、ロジックモデルを再検討した所「キャリア観の幅の広がり」は参加回数や産業分類という外部的要因よりも本人の内的要因から読み取る方が適切ではないかという議論がされており、本人が降れたスキルの種類を行動追跡する等適切な指標への変更を検討する。
8アウトカムで捉える変化の主体施設利用者
指標定性的指標①:将来の選択について志向が育ち始めているか(アンケート等) 定性指標②:ロールモデルエピソード
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態①自分の将来の選択が多様であり、希望を感じている。 ②ロールモデルエピソードが抽出出来ている
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況11月のアンケートでは将来の選択についての思考を感じられていない状況。 アンケート、ヒアリング、業務日報より抽出予定
9アウトカムで捉える変化の主体受益者以外のステークスホルダー
指標指標①:ステークホルダーマップの作成 指標②:関係者との継続的な連携
中間評価時の値・状態
事後評価時の値・状態①ステークホルダーマップの定期的な更新が出来ている(半期に1度) ②連絡協議会(年1回の開催)
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況①最重要のステークスホルダーマップはあるが、拾いきれていないと思われるため、システム化で改善を検討している。 ②開催に向け準備中(2025年5月開催予定) 今回の中間評価を経て作成に着手している。 ただし、連絡協議会に関しては現在関係団体とは個別に対応及び連携しており、協議会形式が最適解かどうかは結論が出ておらず、場合によっては指標の文言を変更する可能性がある。

短期アウトカムの状態の変化・改善に貢献した要因や事例

平日開催は居場所としての利用割合が大きく、来館する対象者の段階も「安心を形成する」という自己表現の前段階の子が多く見られた。その為、デジタル機材の多彩さや専門的な技術以上に館長を中心とした「対象者を尊重し、一人の人間としてしっかりと向き合う姿勢」が本人の変化に大きく寄与しており、自己表現や活用に至るまでの段階で重要な要因は機材ではなく人の繋がりによる信頼感の醸成と時間であるという事が明確になった。
デジタル活用に関しては、おんせんキャンパスが想定以上に協力的に動いてくれており、来館される火曜日の平均利用人数は水・木と比較し10人近く多いという結果になっている。(平均利用人数:火曜日14人、水曜日5人、木曜日4.5人)
また、これらの他団体経由で適正を見出された「デジタル技術に対して初めから前向きな対象者」は技術を持つ専門メンターと相性が良く、持っている技術を活かした高度なやりとりや対象者のステップアップも散見された。
このことから、既存制度における不登校等児童を対象としたデジタル機会確保事業は順調かと思われる。
更に、デジタルの活用を前面に押し出したイベントを開催している日曜日も平均で11人と来館者が多くなっており、平日の来館者とは違う層の来館が確認できている。来館者の多い日曜日イベントに関しては、技術を持っている専門メンターが主体的にプログラムの作成や運営を担っており、こちらも「興味がある」というベクトルを持つ、所謂「デジタルの機会損失をおこしている」対象者との相性が良いことが分かった。

事前評価時には想定していなかった変化・影響

○明らかになってきた直接対象者の状況について
当初想定とは違い、デジタルとの接触機会に恵まれない対象者と居場所を求める対象者がそれぞれ来館するタイミングや求める支援や対応が合致しない事が多くみられる。
現状では平日はデジタル要素以上に居場所としての機能を求めてくる対象者が多く、休日には最新のデジタル機器を必要として来館する対象者が多い状態となっており、現在の居場所対応を主とした職員と専門スキルを有するメンターで半分ずつという人員配置では個別の支援や情報蓄積に対応しきれない事が多くなっている。実際に、居場所対応としては不十分な対象者との接し方が原因となり再訪が途絶えてしまった平日における専門メンターの事例や専門的な助言を求められつつも人数が多く十分な対応が出来なかった休日の事例等が今回の整理で確認された。実際に現在ユニーク数で204人の利用者の内4回以上通っている「常連」の数は約21%に留まっており、居場所としての質の確保と機会を求める対象者への対応がどちらも必要である事が見て取れる。
なお、繋がることが出来たデジタルに興味がある層からの「祝日でないとこれない」(「本当は行きたい」)という声は非常に多く、不登校児等といった事情が無いパターンでは部活や学校活動、遠方である等の理由が多いことも分かった。
また、デジタルに関し高度なスキルを求めている子どもたちが少なく、必要性を認知している保護者も少ないという地域性が確認された。雲南市外からの問い合わせの多さから島根県内という圏域で見るとニーズは感じて頂けているが、市内というフィールドで見るとまだまだ土壌から育てていく必要がある。
周知の度合いもまだ十分ではなく、市内で存在自体知らなかったという声も多く聞かれている。当初行政の統括官や学校長会を通じての周知で十分に知れ渡ると想定し実行していたが、現場の教諭や保護者、地域の方にヒアリングした結果、あくまで行政の上職の方とは予算獲得のための情報共有で、対象者と繋がる為には出張教室や当事者会、他団体との情報共有など地道な活動が必要であることが整理された。


○組織運営について
外部人材も含め多様な運営体制が組めている一方で、それぞれ核となる理想を持って取り組んでいることや役割分担の不明瞭さ、協議体的な状態である為に統一的な運用が出来ないなどの事情から対象者の対応方法(居場所を前提とした対応)や指標の蓄積などが十分に出来ていない現状となっている。直接対象者の対応から現場の質の管理、シフト調整、データ収集・管理、各所との協議や周知活動、出張教室と内外の業務が館長職に集中しすぎていることが機能不全の原因の一端であると整理された。


○効率性と人材運用について
現状では前述した対象者の来館状況から、平日は専門メンターが遊休人材となっていることも多く、資金運用の効率が非常に悪くなっている。アルバイト以上に付加価値の高い専門人材の運用を考えた際に徹底的な研修により主に居場所を担う人材として活躍して頂くというよりは、技術を活かして子供の創造性という次のステップに対応できる場を運営して頂く方が効率性が高いと言える。

事業進捗の評価

評価の視点自己評価(価値判断)結果
アウトカムが発現するための活動が適切に実施され、アウトプットは想定どおり積み上げられているか

イベントの参加者数や他団体からの問い合わせ・見学数など外部から興味関心を持ってもらえる取り組みや、すでに利用してくれている対象者の自己表現等は当初想定以上に推移している。
しかし、子供たちに安心に係る指標の蓄積や社内での視野共有体制、公以外の地域への普及活動は進捗達成率が非常に低く、見直しや体制整備が必要であると評価した。

アウトカム発現への貢献要因や阻害要因を把握し、事業改善につなげられているか

中間評価を通して対象者の属性やニーズなどがより明確になった他、人員配置等の阻害要因の明確化が出来、これらの情報を後段の事業計画等変更の議論俎上に載せることが出来ている為、事業改善改善に繋がっていると判断する。

組織基盤強化や、事業活動が円滑に進むための環境づくりができているか。また事業終了後を見据え、活動が継続するための取り組みが進んでいるか

指標の蓄積が不十分であった他、運用体制や予算計画も見えてきた現況に合わせ最適化する必要があると判断された。
中間評価を通じて社内でも本事業が持つ意義、弊社が発信できる価値、当事者や行政から求められる役割等が明確になり、今一度中長期アウトカムに向けて必要な活動が整理出来たことから、事業運用体制や資金獲得に向けた取り組みが進んでいると判断する。

事業の改善結果

事業の改善結果

項目内容
事業設計(ロジックモデル)の改善ポイント

中間評価を前提に現場で収集可能な指標の設定や認識の齟齬が生じない、より明確な言語表現等の設定を行っている他、最終的な集計、報告書の作成まで見通した整理を行った。
また、再訪率(リピーター)などより中長期アウトカムへの繋がり上重要と思われる指標の追加を検討している。
具体的には
・リピーターを具体的に取っていく。行政なのか地域なのかを明確にした。(上下)。アクセスのカウント仕方を問い合わせ件数ではなく単純にイベント参加者数とした。出会いの特筆すべきエピソードはカウントする。
・気兼ねなく話せている→気兼ねなく過ごせている。
・学校関係団体の認知度の向上:問い合わせ数→見学数
・地域住民への訪問説明の回数→ピコテラスが地域のイベントに参加した数とした。
の箇所を変更予定。(検討継続中)

事業計画書の改善ポイント

・館長職の職務内容を現場に集中したものとし、進捗管理や専門メンターとの調整も含めたマネージャー役の設定と指示系統の見直しを行った。
・デジタルを必要としている層にしっかりとアウトリーチしていくにはデジタル技術に係る内容を全面的に押し出した広報と運営をしていく必要があると考えるが、現状のリソースや当事者の様子では平日の居場所開催で機会を確保することは難しく、平日は居場所を重視、休日はデジタル活用を重視した運用を行い、事業の効率化と成果の最大化を図れるように予算と体制の変更を図る必要がある。なお、休日用の業務日報の型を別に作成し、個別のデータ収集等は行う他、最低限の居場所機能の担保はマネージャー役による進捗管理にて維持する予定としている。
・当事者と確実に繋がる為に出張教室などの外部への営業出張を増やすこととした。

その他

・現場で自由に使える予算が少なく、主に居場所として利用している対象者の最初の一歩を踏み出すための資金(消耗品等)が無い為、上記マネージャー役の設定も含め予算変更を検討している。
・上記マネージャー職確保と日曜教室運営に向けた予算の変更を検討した。

事業で最も重視する指標・変化

今回の中間評価でなされた整理により、新たに必要とされた「定着率」が最重要指標であると考えます。
居場所として機能し、また、デジタルテクノロジーに触れる機会を必要とする対象者に必要な機能を届けることが出来ている何よりもの証左になり得る指標であることが要因です。
なお、「定着率」を上げていくには「周囲の大人が感じる変化」という指標が大切であると議論がなされています。
この指標は「対象者のありようを全面的に肯定する視座の共有」を行うことが前提条件となっており、現在の取り組みの質を担保する上でも非常に重要な内容であることから、同様に組織内で大切に育んでいく指標となっております。

広報に関する報告

シンボルマークの活用状況

自団体のウェブサイトで表示

広報制作物に表示

イベント実施時に表示

広報

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

NHK,BSS、夢ネット(ローカルTV)
山陰中央新聞、読売新聞、秋田魁新聞、

広報制作物等あり
内容

施設概要チラシ、Tシャツ作成イベントチラシ、ゆるキャラ作成イベントチラシ
自助具ワークショップチラシ

報告書等なし
イベント開催等(シンポジウム、フォーラム等)あり
内容

ラメール地域イベント参加 島根リハビリテーション学園コラボイベント「自助具作成ワークショップ」 Seedラボ作品発表参加