中間評価報告
2024/11/21更新
評価計画
中間評価 の目的:事業中間時点でみえてきた事業上の課題とそれを改善するために中間評価で確認したいこと
事業中間時点でみえてきた事業上の課題 | ①出張ビジターセンター、出前講座、教育・普及講座、講演・啓発など外部からの依頼数が増え、それらの内容が多岐に渡ってきており、業務の煩雑化とマイスター個人への負担が増えている。 |
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事業上の課題を改善するために中間評価で確認したいこと | ①長野県内の火山防災と御嶽山の地域振興への貢献を果たすために、普及・啓発・教育の事業・講師を担えるマイスター人材を育成する必要がある。またマイスター個人への負担が増えている事実があるため、交通費など資金を得るための方策を検討する必要がある。 |
実施体制
1 | 内部/外部 | 内部 |
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評価担当分野 | 全般 | |
氏名 | 堀田 剛志 岡本 徹 | |
団体・役職 | 木曽おんたけ観光局 職員 | |
2 | 内部/外部 | 外部 |
評価担当分野 | 全般(意見聴取) | |
氏名 | 丸山 文広 | |
団体・役職 | 御嶽山火山マイスター |
実施状況を把握・検証するために実施する調査
調査方法 | ①総務委員会と運営部会をそれぞれ月1回の頻度で開催し、事業の進捗を報告している。 |
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調査実施時期 | 2024.9初旬~中旬 |
調査結果の検証方法 | ①総務委員会(月1回:参加者数は毎回15人程度。名古屋大学・長野県危機管理の参加あり)。運営部会(月1回:参加者数は毎回5人程度。)②アウトプット数はⅡを参照。アウトカム数:集計中。ニーズ:教育・普及・出張ビジターセンターの回数(集計中)。活動の有効性:新聞記事数:38回(2024年度途中実績)。公共団体の企画への出役:国土交通省利根川砂防事務所普及活動、王滝村共催長野県西部地震から40年シンポジウムなど、国・県・町村・大学・観光事業者との共同多数(集計中) |
事業設計図の検証方法
検証方法 | ①長野県および名古屋大学が出席した月1回の実行団体(火山マイスター)総務委員会における各取り組みの進捗状況の報告・聞き取り調査。 |
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実施時期 | 2024.9初旬~中旬 |
事業計画書や資金計画書への反映実施時期 | 2024.10 |
事業進捗の評価
アウトプットの実績
1 | アウトプット | 御嶽山の安全登山を啓発するための活動の実施 |
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指標 | ・御嶽登山啓発活動実施回数 | |
中間評価時の値・状態 | ・御嶽登山啓発活動実施回数:年間3回程度 | |
事後評価時の値・状態 | ・御嶽登山啓発活動実施回数:年間3回程度 | |
現在の指標の達成状況 | ・御嶽登山啓発活動実施回数:8回 | |
進捗状況 | 2計画どおり進んでいる | |
2 | アウトプット | 御嶽山の安全登山を啓発するためのツールの作成 |
指標 | ・ウェブサイト閲覧数 ・動画コンテンツの制作数 ・動画再生回数 ・X(旧ツイッター)のフォロワー数(現状約2400) | |
中間評価時の値・状態 | ・ウェブサイト閲覧数:5,000PV ・動画コンテンツの制作数2本 ・動画再生回数250回 ・X(旧ツイッター)のフォロワー数2,700ユーザー | |
事後評価時の値・状態 | ・ウェブサイト閲覧数10,000PV ・動画コンテンツの制作数5本 ・動画再生回数500回 ・X(旧ツイッター)のフォロワー数3,000ユーザー | |
現在の指標の達成状況 | ・ウェブサイト未公開 ・動画コンテンツ未作成 ・Xフォロワー数:2541ユーザー(2024.9.16現在) ・御嶽山火山防災協議会(事務局長野県)監修(2024.6より配信開始)のyoutube「御嶽山Safety Climbing Guide」の制作(企画・校正・出演)に協力。 | |
進捗状況 | 3計画より遅れている | |
3 | アウトプット | 活火山への理解を広めるためのイベントなどの実施 |
指標 | ・全国地震火山地質こどもサマースクール ・安全登山・火山学習プログラム冊子作成 【自主事業】 ・県内火山防災学習会(出前授業) ・火山防災学習会@ビジターセンター | |
中間評価時の値・状態 | ・全国地震火山地質こどもサマースクールの開催準備 ・安全登山・火山学習プログラム冊子の作成中 【自主事業】 ・県内火山防災学習会(出前授業):2回以上開催/毎年 ・火山防災学習会@ビジ ターセンター:2023年〜2025年(夏:2回、秋冬:2回) | |
事後評価時の値・状態 | ・全国地震火山地質こどもサマースクール(2025年度) ・安全登山・火山学習プログラム冊子:1,000部(2025年度) 【自主事業】 ・県内火山防災学習会(出前授業):2回以上開催/毎年 ・火山防災学習会@ビジターセンター:2023年〜2025年(夏:2回、秋冬:2回) | |
現在の指標の達成状況 | ・全国地震火山地質こどもサマースクール:2025年度実施予定。準備状況:共同実施団体の地震学会・火山学会・地質学会と月1回の頻度で打合せを開催し、実行委員会の立上げに向けて調整中。問題点:実験機具の費用が予算化されていない。 ・安全登山・火山学習プログラム冊子:2025年度作成計画は遅れている。 【自主事業】 ・県内火山防災学習会(出前授業):2024年度 会開催(2024.9.16開催) ・火山防災学習会@ビジターセンター:2024年度 8回開催(2024.9.16現在) | |
進捗状況 | 2計画どおり進んでいる | |
4 | アウトプット | 他の先進事例などの視察およびシンポジウムの参加 |
指標 | ・視察等の回数 ・シンポジウムでの発表 ・調査結果を整理し報告会をビジターセンターで実施する。(マイスター内で共有) | |
中間評価時の値・状態 | ・視察等の回数:1回 ・シンポジウムでの発表:1回 ・調査結果を整理し報告会の準備 | |
事後評価時の値・状態 | ・視察等の回数:3回 ・シンポジウムでの発表:1回 ・調査結果を整理し報告会をビジターセンターで実施する。(マイスター内で共有) | |
現在の指標の達成状況 | ・視察等の回数:1回 ・シンポジウムでの発表:1回 ・調査結果を整理し報告会をビジターセンターで実施する。(マイスター内で共有):2025年度実施予定 | |
進捗状況 | 2計画どおり進んでいる | |
5 | アウトプット | ドローン操縦のための講習等の受講(御嶽山火山マイスター、木曽おんたけ観光局職員、名古屋大学・御嶽山火山研究施設など) |
指標 | 2023年度 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が定める ・無人航空安全運航管理講習 ・無人航空機操縦技能コース講習 の受講及び修了 | |
中間評価時の値・状態 | 2023年度 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が定める ・無人航空安全運航管理講習 ・無人航空機操縦技能コース講習 の受講及び修了 | |
事後評価時の値・状態 | 2023年度 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が定める ・無人航空安全運航管理講習 ・無人航空機操縦技能コース講習 の受講及び修了 →3 名 | |
現在の指標の達成状況 | 2023年度 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が定める ・無人航空安全運航管理講習 ・無人航空機操縦技能コース講習 の受講及び修了 →3名受講及び終了済み | |
進捗状況 | 2計画どおり進んでいる |
短期アウトカムにつながりそうな、活動直後にみられた受益者、対象者、関係団体等の変化(言動)があれば記載してください。
・火山防災力の向上と御嶽山の魅力発信となり、長野県ならびに地元の木曽町・王滝村の加え・火山マイスターによる勉強会や学習会を行った事により、地元の地域防災と地域振興県内外のメディアで火山防災が取り上げられ、火山マイスターの活動が火山防災と地域振興の一つの原動力とた。内閣府の2024年版防災白書にて火山マイスターが紹介された。
・多様なマイスター(2014年噴火体験者、御嶽の歴史・文化・自然に造詣ある者、学校教員、役場職員)が増えた事により、一般登山者への火山防災・安全登山の啓発の説得性および火山の魅力の発信力がそれぞれ高まった。火山マイスターの活動が活性化され火山防災の安全登山に 係る啓発活動を登山口などで数回実施でき、そのうち地元警察や長野県火山防災協議会と同じ日にも実施できた。Z教育、普及
・御嶽山噴火10年報道による注目度で、長野県や基礎自治体から火山マイスターによる啓発、教育、普及活動にかかる依頼があったが、旅費・謝金の出ないボランティアベースの依頼となっているケースもある
・ドローン免許取得後、消防署との協定を試みたが、行政主導で地域の中での体制を整える方向で進んでいる。
・非常食レシピの発表方法について検討している。
短期アウトカムの進捗状況
1 | アウトカムで捉える変化の主体 | 御嶽山登山者の防災意識を測定。 令和6年の登山シーズン中から、ほぼ全ての登山道の規制が解除されたことから、御嶽山の登山者がよりライト層へシフトしている傾向がうかがえる。このことから、指標の実績値が低下することが見込まれる。 |
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指標 | 1 登山者アンケートで「登山計画書を出した」と答えた登山者の割合 2 登山者の御嶽山山頂(剣ヶ峰)でのヘルメット装着率(目視確認) | |
中間評価時の値・状態 | 1 90% 2 24% | |
事後評価時の値・状態 | 1 100% 2 30% | |
これまでの活動をとお して把握している変化・改善状況 | 1.2024年登山計画書を出した割合(アンケート):90%(n=120) 2.2024年ヘルメットの持参率(アンケート):80.8%(n=120) ※目視確認による装着率は6割程度と推定。 | |
2 | アウトカムで捉える変化の主体 | 学習会の参加者の、学習会に対するポジティブな反応を測定。 理解度アンケートに回答する主体は、毎回変わるため経年による主体の意識の変化は計測できない。そのため、各回の参加主体のポジティブな回答が過半数となるように指標を設定している。 |
指標 | 3 学習会などで実施する「火山と防災の理解度アンケート」を実施し、参加者の理解度や興味の度合 | |
中間評価時の値・状態 | ・「理解できた」:50%(4段階評価でポジティブな回答をした参加者) ・「興味をもった」:50%(4段階評価でポジティブな回答をした参加者) | |
事後評価時の値・状態 | ・「理解できた」:50%(4段階評価でポジティブな回答をした参加者) ・「興味をもった」:50%(4段階評価でポジティブな回答をした参加者) | |
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況 | 参加者の感想としては概ね「楽しかった」「大満足」が過半数を超え学習会の目的は果たせていると理解 | |
3 | アウトカムで捉える変化の主体 | 旧預金等活用事業の実施前後で、御嶽山火山マイスターネットワークの活動について、マイスター自身の自己認識を評価する。 毎年度、新しいマイスターの加入があるため、新加入のメンバーは経年変化を測定することができない。 |
指標 | 4 御嶽山火山マイスターネットワークにおいて自己評価アンケートを行い、休眠預金事業開始前と比べてネットワークの活動が発展したと感じる割合 | |
中間評価時の値・状態 | ・「活動の方向性が明確である」:50%(4段階評価でポジティブな回答をしたマイスター) ・「より幅広い活動ができている」4段階:50%(4段階評価でポジティブな回答をしたマイスター) | |
事後評価時の値・状態 | ・「活動の方向性が明確である」:50%(4段階評価でポジティブな回答をしたマイスター) ・「より幅広い活動ができている」4段階:50%(4段階評価でポジティブな回答をしたマイスター) | |
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況 | 2024.9.17現在でアンケートを実施し、以下のとおり回答を得た。ただし、回答者数が4人にとどまったため、あくまで参考値である。 ・「活動の方向性が明確である」:75%(4段階評価でポジティブな回答をしたマイスター) ・「より幅広い活動ができている」4段階:75%(4段階評価でポジティブな回答をしたマイスター) | |
4 | アウトカムで捉える変化の主体 | 御嶽山火山マイスターネットワークによる活動が、地域防災の中で果たす役割を評価する。 |
指標 | 5 マイスターを含む免許保有者と消防警察等関係団体との連携協定が結ばれている | |
中間評価時の値・状態 | 関係団体との連役協定に向けて協議を行っている | |
事後評価時の値・状態 | マイスターを含む免許保有者と消防警察等関係団体との連携協定が結ばれている | |
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況 | 行政との協定の締結は未定。10.28の現時点で行政からの協定締結の依頼はない。締結指標の変更が必要であり、行政(危機管理や火山担当)と相談する必要がある。 | |
5 | アウトカムで捉える変化の主体 | 御嶽山火山マイスターネットワークの活動資金の確保を評価する。 |
指標 | 6 開発した商品の販路が確保されている | |
中間評価時の値・状態 | 商品開発および取扱店の開拓を行っている | |
事後評価時の値・状態 | 取扱店5社以上 | |
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況 | 自己資金の確保が難しいため、当初予定していた活動が困難となった。指標の変更が必要。後半に向け、火山マイスターの活動と絡めたプロジェクトとして活動の再構築が必要。 |
短期アウトカムの状態の変化・改善に貢献した要因や事例
御嶽山火山マイスターネットワークの本来的な活動目的に直結しやすい啓発活動や学習会は、当初予定していたよりも活動が活発である。他方、間接的な結果につながるSNSやビデオ作成ならびにエナジーバーの製造・販売については、当初の短期アウトカムの達成が難しい。これらは、その活動結果が、御嶽山火山マイスターネットワークの活動目的に対し、直接的な効果があるか間接的な効果があるかによって差が出てきていると考えられる。また、それぞれの担当の本業の繁閑などが強く影響していると思われる。
事前評価時には想定していなかった変化・影響
・火山マイスターの活動により、木曽郡内だけでなく、県下のいくつかの地域において活火山への意識が芽生えつつある。
・御嶽山が活火山である意識はほとんどの登山者が持っているが、その意識の変化は火山マイスターの活動だけでなく、火山マイスターと連携・協力した行政 やメディアや名古屋大学など多様な主体によるものであり、産官学民の連携が上手くいったケースとして評価されるべきである。
・火山マイスターの法人化へのプロセスが計画されていたが、収益性と計理・総務の人材の確保が課題であり、事務局体制の強化に向けた改善が必要となる。
・資金計画のうち、自己資金(協賛金・寄付金)の確保が難しくなっている。
・事業計画のうち、事前に想定した必要経費以外に必要な経費がでており、経費の見直しが必要である。
事業進捗の評価
評価の視点 | 自己評価(価値判断)結果 |
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アウトカムが発現するための活動が適切に実施され、アウトプットは想定どおり積み上げられているか | 観光局:一部のアウトカムにつながる活動に遅滞が見られる。また、適切なアウトプットへの見直しが必要な部分がある。マイスター:啓発・教育・普及に関するマイスターの自主活動が活性化し、その基盤のもと、産官学民が連携して火山防災と地域振興に取り組んでいる。地域防災の担い手であるマイスターと、活動を支援する大学や行政が協力し、御嶽モデルが新たな地域創成の事例として生まれ、国の2024年防災白書にも取り上げられた。アウトプットには一部見直しが必要とされるものの、多くのメディア取材を受け、県内におけるマイスター活動の影響力が広がりつつあることが認識される。 |
アウトカム発現への貢献要因や阻害要因を把握し、事業改善につなげられているか | 観光局・マイスター:一部アウトカム等の見直しを図る。マイスター:御嶽山への深い郷土愛と噴火災害の教訓を風化させないという強い責任感がマイスターの絆を支え、28名のメンバーが各自のスキルを活かして協力していることが、産官学民連携と自主活動が活性化する要因である。しかし、活動の拡大に伴い遠方での参加も増え、交通費などの活動費が個人負担となるため、本業を持つマイスターは行事への参加が制約される場合がある。また、経理や総務面での支援が不十分であり、運営体制の脆弱さが課題である。月1回の運営部会を開始しているが、運営能力の強化の環境が整っていない。 |
組織基盤強化や、事業活動が円滑に進むための環境づくりができているか。また事業終了後を見据え、活動が継続するための取り組みが進んでいるか | 自治体や観光業者からの講演及びフィールドワーク等の依頼があり、これらを原資に啓発教育普及等の自主事業を継続する見込みである。事業活動を円滑に進めるため、NPO法人洞爺湖有珠火山マイスターの先行事例を参考にし、御嶽山火山マイスターネットワークとしての活動を継続するため法人化に向けての議論に着手しているが、現在は結論が出ていない。 産官学民連携による地域防災・地域振興の現在、総務委員会と運営部会に分け、運営体制を試行中である。 |
事業の改善結果
事業の改善結果
項目 | 内容 |
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事業設計(ロジックモデル)の改善ポイント | ・本業をもつマイスターの負担が増えており、持続的発展のためにはマイスターの労務負担と費用負担(マイスター個人から支出)を軽減することが必要である。 |
事業計画書の改善ポイント | ・現在、マイスターネットワークでは、本事業を推進するために、全てのマイスターが参加できる総務委員会とマイスターネットワークの運営のあり方を議論するための運営部会をそれぞれ月1回の頻度で進めている。ただし、助成団体、自治体、大学などによる伴走が軽微であり、今後の総務・計理のできる人材確保も課題である。 |
その他 | ・県内外の登山者や観光客の安全啓発と火山に関する教育・普及のニーズがある。 |
事業で最も重視する指標・変化
御嶽山火山マイスターネットワークの活動が持続するためには、マイスター自身のモチベーションの維持が必要。そのため、「旧預金等活用事業の実施前後で、御嶽山火山マイスターネットワークの活動について、マイスター自身の自己認識を評価」がポジティブであることが最重要である。
広報に関する報告
シンボルマークの活用状況
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