事業完了報告
2024/08/27更新
事業概要
事業期間 | 開始日 2023/08/22 | 終了日 2024/02/28 |
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対象地域 | 石垣島・久米島 | |
事業対象者 | 石垣及び久米島の小学生 小学校3年生以上 | |
事業対象者人数 | 石垣島・久米島の小学3年生以上(約35名) | |
事業概要 | ①失われた子どもたちの体験機会、②子どもたちのまちづくり参画機会の減少(参画意識の希薄化)、③子どもたちの自己肯定感の欠如という3つの課題に焦点をあて、地域伝統舞踊を活用しオンラインで相互文化交流及び異文化交流ができる環境を創出する事で、自分たちの生活する地域の魅力を考え表現する体験、交流を行う。また、その取り組みをアウトプットし継続して活動できるプラットフォームの構築することで、課題解決に向けた一助とする。沖縄とハワイは気候や歴史と多くの類似点や繋がりを持ち、特に伝統や文化など互いに影響を受けている。また、久米島はハワイ島、石垣島はカウアイ島と姉妹島提携をし交流を深め、今では久米島と石垣島は年に一度ハワイアンイベントを開催している。ハワイアンフラは土地への理解や誇りを大切にしていて、こどもたちがフラを通して自身の住む土地を知り、学び、表現する機会を創出する。[ワーク①]ハワイ、フラ、沖縄との繋がりについてのVTR(約8分) クイズ式・フラの基本的なステップ3つやハンドモーション(ちんさぐぬ花の1番)ウクレレの基本的な持ち方、弾き方、コード(2つ)[ワーク②]地域の魅力について・3つの班に分かれ、自分たちのシマの芸能(歌や踊り)、食文化、自然などについて話し合い、発表し歌詞や踊りの中に反映。[ワーク③]ワーク②でいただいた情報をもとに、ちんさぐぬ花の2番をオリジナルのうた(歌詞)と踊りを創作し、レクチャー(ちんさぐぬ花の1番はトラディショナル、2番オリジナル、3番エンディング)[ワーク④]お互いオリジナルのフラを見せ合い、交流。今回、離島の2小学校と最終的なオンライン交流、そして調整中ですが、ハワイの同年代のこどもたちとオンラインだからできる非言語交流をしたいと計画している。 |
事業の総括およびその価値
こどもたちがどう主体的にこの事業に参画し、全身を使って地域の魅力を伝える面白さを体現できるか、学校側への負担を減らし気軽に導入してもらえるか、また離島のこどもたちがどういう体験を求めているのか、なぜ沖縄という土地でハワイアンフラなのかという点において注力した。
オンラインと対面を有効活用することで、移動距離の問題や打合せ、授業の設定数、細かい所作など円滑に進めることができ、技術面に関してはサポートチームの協力もあり、身近なもの(iPhoneやiPad)を活用することで、受け入れ先(学校側)の事前準備や導入のリスクをかなり軽減できた。
フラという自身の土地への理解や敬意、感謝の想いを全身で表現するということを通し、またオリジナルの地域の歌詞と振りを創作することで、自己肯定感を高め、自分達の住む土地を知り更に興味を持ち、各々のまちの特色を知り地域や郷土への誇りや愛着を育むことができた。
課題設定、事業設計に関する振返り
当初、ハワイ(カウアイ島)と姉妹都市締結をしている石 垣島の小学校でのワーク開催を予定していたが、地元のハワイアンフラ団体との兼ね合いもあり調整が難航し、知人の教諭を介して西表島の小学校を紹介していただいた。
また、ワーク内で地域で伝統芸能に携わる方々にも登壇していただき、地域の文化芸能の現状や魅力を伝える機会を設ける予定でしたが、こどもたち一人一人の考えてきた歌詞や振り付けを共有する時間を多く設けた。
ワーク終了後に地域のイベントへの参加を予定していたのですが、事業期間内での実施が難しく、久米島では2024年6月29日(土)に開催する久米島ハワイアンフェスティバル、西表島では2024年8月に開催予定のバシマ音楽祭への出演に繋げていきたいと考えている。
両校をオンラインで繋いで交流する際に、もう少し生徒同士の発表や質問、交流する時間を確保することで今後の発展に繋がると感じた。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
1 | ・ハワイ・フラ・沖縄との繋がりについて | |
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指標 | ハワイや沖縄との繋がりの動画を観る | |
目標値・目標状態 | ハワイ・フラ・自分の住む土地との繋がりを理解する | |
アウトカム:結果 | ハワイ・フラ・自分の住む土地との繋がりを理解できた。 | |
アウトカム:考察 | 10分間でまとめた教材ビデオは、合間にクイズなどを盛り込み上手くアテンションを得ることができ、自分の予想する答えを言い合う姿が見られた。後日、学校訪問した際にこどもたちから、「沖縄とハワイって繋がってるんだね」と声かけがあり予想を上回る反応に驚いた。 | |
2 | ・フラの基本的なステップ3つやハンドモーション(ちんさぐぬ花1番) | |
指標 | フラの基本ステップやちんさぐぬ花1番を通してハンドモーションを学ぶ | |
目標値・目標状態 | 子どもたちが基本ステップやハンドモーションを理解した/ちんさぐぬ花1番が踊れるようになったとする割合が80%以上 | |
アウトカム:結果 | 子どもたちが基本ステッ プやハンドモーションを理解し、ちんさぐぬ花1番が踊れるようになった96%以上 | |
アウトカム:考察 | 1回目の授業という事もあり緊張も感じられたが、何より楽しんでいる様子が印象的だった。基礎ステップを上手く踏めていた児童もハンドモーションを付け足すとやや苦戦している様子も見受けられた。オンラインで細かい動きまで伝わるか不安でしたが、終盤には全体的に踊れていた。 | |
3 | ・ウクレレの基本的な持ち方、弾き方、コード2つ | |
指標 | ウクレレの持ち方や弾き方を学ぶ | |
目標値・目標状態 | 子どもたちがウクレレに興味を持った/ちんさぐぬ花1番が弾けるようになったとする | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 子どもたちがウクレレに興味を持ち、ちんさぐぬ花1番が弾けるようになった。 ウクレレに初めて触れる児童は、持ち方はもちろん音の鳴らし方もわからず苦戦している様子が伺えたが、講師の手元をアップにしたり、声かけをこまめに行い最後には持って音を鳴らせるようになっていた。また担任の先生がチューニングなど積極的にサポートしてくれたため、大きなトラブルもなく円滑に進んだ。 | |
4 | ・子どもたちが地域の文化に関心を持つ/理解する | |
指標 | 子どもたちの創作体験に関する言葉 | |
目標値・目標状態 | 子どもたちが自分自身の文化について関心を持った/理解したとする割合が80%以上 | |
アウトカム:結果 | 子どもたちが自分自身の文化について関心を持ち87%以上が理解した。 | |
アウトカム:考察 | 上手く言語化できず困っているこどもたちは、先生たちに協力してもらい、地域の魅力を再確認しながら授業に臨んでいる様子だった。また動き(振付)を考える際、それぞれの意見を言い合う様子が見られ、より地域への愛着がが深まったのではないかと思う。 | |
5 | ・子どもたちが自分たちの地域の文化を反映し、ちんさぐぬ花2番を創作し、それについて語れる状態 | |
指標 | 子どもたちの創作体験に関する言葉 | |
目標値・目標状態 | 子どもたちが自分たちの地域の文化について、創作を通して何らかの発見があったと語れている状態 | |
アウトカム:結果 | 子どもたちが自分たちの地域の文化について、創作を通して新たな気づきがあった。 | |
アウトカム:考察 | [ウクレレ] 先生にも参加してもらい、こどもたちが苦戦する場面では、先生が直接レクチャーすることで混乱するこもなくスムーズに進んだ。自分達があげたワードが歌詞化されていることで、親近感を感じている様子だった。 [フラ] この動き私が考えたやつだ!などの声も上がって、みんなで出したワードと動き(振付)が反映されていることで、より楽しく主体的に踊っているように見えた。 | |
6 | ・お互いのオリジナルの歌詞の意味や違いを理解し、それぞれの土地を知る | |
指標 | 石垣・久米島とをオンラインで繋ぎ見せ合う | |
目標値・目標状態 | お互いのオリジナルの歌詞の意味や違いを理解し、それぞれの土地を知ったとする割合が80%以上 | |
アウトカム:結果 | お互いのオリジナルの歌詞の意味や違いを理解し、87%以上の子どもたちがそれぞれの土地を知ることができた。 | |
アウトカム:考察 | 授業が始まる5分前に繋ぎ、児童同士の交流を図った。清水小学校側から「西表島って沖縄?」という声やまた上原小学校側からは「見て!後ろ海だよすごいね!」などやりとりのなかで互いの地域を知るところから始まった。踊りやオリジナル歌詞からさらに似ているところや違うところを見つけ、最後にそれらを含んだ感想を言い合った。 | |
7 | ・子どもたち を通して地域に残る文化交流 | |
指標 | 地域イベントへの積極的参加 (石垣島フラフェスティバル等) | |
目標値・目標状態 | 子どもたちが自分たちの地域文化イベントへ参加し、自分たちが創作した歌と踊りの歌詞と意味を理解する | |
アウトカム:結果 | 期間内にイベントがなかった。 | |
アウトカム:考察 | 学校行事(学習発表会)との兼ね合いもあり、事業期間内では実施できなかったが、久米島では2024年6月29日(土)に開催する久米島ハワイアンフェスティバル、西表島では2024年8月に開催予定のバシマ音楽祭への出演に繋げていきたいと考えている。 |
アウトプット
1 | ・ハワイ、フラ、沖縄との繋がりについて理解する | |
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指標 | オンライン(zoom)で石垣島及び久米島の小学校、各1校約35名に対して一回行う | |
目標値・目標状態 | 参加人数のべ50名以上 | |
アウトカム:結果 | 参加人数54名、ハワイ・フラ・自分の住む土地との繋がりを理解できた。 | |
アウトカム:考察 |