事業完了報告
2025/05/09更新
事業概要
事業期間 | 開始日 2024/05/31 | 終了日 2025/02/28 |
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対象地域 | 東山梨地区を中心とした県内全域 | |
事業対象者 | 不登校や発達障害などの悩みや困難を抱えた子どもたちとその家族 | |
事業対象者人数 | 子どもとその家族30組 | |
事業概要 | 文科省の問題行動・不登校調査によると、山梨県内での不登校児2024人(30日以上欠席)を超え、過去最多を更新している。 |
事業の総括およびその価値
不登校児童生徒の増加は社会問題となっており、喫緊の課題であることは言うまでもない。6者連携のケース会議は成果は大きく、今後目指していく形であることは有識者の方々の評価からも確認できたが、今のままでは再現性が低いことが課題となって残った。鳥取県へ視察では、行政の支援が確立することで、不登校支援が手厚く継続的に行えることを目の当たりにした。支援対策には都道府県によって格差があ理、山梨県は全国的にもフリースクールへの支援は遅れている。1日も早い行政支援を得るために、私たち民間からの働きかけを今後も行う必要がある。
6者連携のケース会議実施とその重要性を発信すること、連携の在り方について有識者の先生方に指導助言いただく場の設定、関係機関への訪問、情報提供の窓口作り、県内初の不登校フォーラムの開催、当事者親子への相談支援、当事者の親同士が繋がれる親の会の設立を行ったことにより、目指していく方向性が見え、そこから各方面への太いパイプを繋げることができた。
当初設定した目標値を達成するまでに至らなかった項目もあるが、引き続き継続した取組みを行っていくことで、次年度以 降目標値に達することができると考える。
取り組み全体を通して、次年度の大きな動力を得ることができた。
課題設定、事業設計に関する振返り
6者連携のケース会議の実施やその情報発信、県内の支援団体への訪問、Web上での情報公開ツール作成はほぼ計画通りに行えた。学びを深めていく中で、他県の情報などを得る機会があり、鳥取視察を追加することで先進事例を学ぶことができ、目指していく方向が見えた。不登校フォーラムの開催では、行政との連携もでき、計画以上の深い内容となった。
一方で、向かっていく課題が大きく、一つの民間の力では時間とやれることに限界も感じた。今まで取り組んでいなかった形の不登校支援を行うことに、多大な労力が必要であることを実感した。民間と行政などの専門機関が相手の仕組みを理解し合って、子どもを真ん中に置いたスムーズな連携を構築していくために、人員、時間、お金が今後も継続的に必要である。
今回の取り組みを通して、この事業に理解のある専門機関と繋がることができた。不登校支援がより確実に一人一人に寄り添った形で行われるよう、継続した取組体制の構築が求められる。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
1 | ①峡東地域の学校で保護者、学校、居場所、スクールソーシャルワーカー、医療・福祉の専門家、行政(教育委員会・子育て支援課など)と情報共有や、子どもを真ん中に見据えた支援・相談が行われ、6者が連携し合う中でより良い環境の中で子どもたちが過ごしている(峡東地域でのモデル事業) | |
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指標 | ❶対象者の心境と行動の変化 ❷支援者の心境と行動の変化 | |
目標値・目標状態 | ❶対象者への理解が進み、それぞれの場所でのびのびと過ごしている ❶6者が情報交換を行い、子どもにとってよりよい環境での支援体制が構築され、親子の精状態が安定している | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 6者が連携したケース会議が行われた2件のケースでは、1人が保健室登校ではあるが学校へ完全復帰し、運動会にも参加するなど、意欲的に学校生活を行なっているとの報告を受けている。もう1人のケースでは、学校と保護者との信頼関係が大幅に回復し、保護者が積極的に学校との情報交換を日常的に行なっている。その中で、学校の敷地に入ることもできなかった子が、行事の見学に行ったり、給食を食べに行ったりするなど大きな変化を見せている。医療・福祉の専門家との繋がりを作れたケースでは、それまで、なかなか子どもの苦しさを理解してもらえないと悩んでいたが、専門的なアドバイスを受けることで、子どもの特性に寄り添った具体的な支援方法が学校側からも提案されるようになり、短時間ではあるが学校で過ごす時間が増えている。 6者連携のケース会議の在り方について、峡東教育事務所、山梨市教育委員会、甲州市教育委員会、笛吹市教育委員会に説明に行った。笛吹市・甲州市の教育委員会がWakuWakuの家の視察に来た。地道な働きかけと日々の実績を重ね連携を行ったことで、信頼が得られ、そこから、連携した取組に繋がっている。 本事業の活動報告会を2025年3月10日に実施。アドバイザーとして大学教授2名、小児科医1名、県議会議員2名、山梨県教育委員会担当者1名が出席。活動報告会では6者の連携のケース会議の重要性を訴え、子どもを真ん中に置いた支援の構築に向けて協力を求めた。本年度の活動について「これほどの実践を積んでいたのか」と驚きと共にお褒めの言葉をいただき、実践してきたことに対して自信が持てた。 この新たな取り組みを継続し、さらに県内へ波及していくためには、官民の壁を越えたまとめ役が重要になることも明確になった。アドバイスとここで得られた有識者の方々との繋がりを生かし、県内各地で6者が連携したケース会議が開催され、必要な支援がどの子にも届くようにすることが今後の目標である。 | |
2 | ①県内のフリースクール運営者の団体(フリースクール連絡会)へ6者が連携した相談体制が共有され、各団体で連携がスタートしている | |
指標 | ❶支援者会議に参加する支援者や専門家との会合の場の設定回数 | |
目標値・目標状態 | ❶甲府、峡東、狭北・狭西、峡南、東部富士五湖地域の5地域で6者の連携スタイルが1ヶ所以上スタートしている | |
アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
アウトカム:考察 | フリースクール・居場所の運営者5名に実情を聞き、教員経験の有無により、学校、教育委員会との連携について壁を感じることが多いことが分かった。各団体に通う子どもの出席認定扱いの手続きはできても、子どもを真ん中に置いた相談体制の確立が困難となっており、ケース会議等の開催は行われていない。支援者の意見を元に、次年度以降はフリースクール連絡会で支援体制についてより具体的な事例を挙げつつ、アドバイスを行い、成果と課題を共有していく。 | |
3 | ①不登校フォーラムが開催されたことで、不登校に対する理解が深まり、フリースクールについての情報が周知され、行政との連携体制が強化された環境整備がスタートする | |
指標 | ❶話し合いの記録 ❷進捗状況の記録 | |
目標値・目標状態 | ❶フリースクール運営者、行政との環境整備のための会議が年2回開催されることが約束される | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 不登校フォーラムを開催したことで、フリースクールの運営者同士の繋がりが深くなり、日頃の情報交換や子ども同士の交流が生まれている。 地元の山日新聞で不登校フォーラム開催の様子が取り上げられ、県民の理解を深めるきっかけになった。 不登校フォーラムの開催にあたり、行政との関わりが深くなったことで、年2回のフリースクールネットワーク会議のあり方についての意見交換を行うこともでき、対話型の会議の場が設定されるようになった。 | |
4 | ②東山梨地区の窓口としてWakuWakuの家で相談会が定期的(月1回+その他の事業開催時)に行われ、親子が悩みを相談し、Web上に整理された情報があることで疲弊することなく必要な情報を得て、保護者の精神的な安定が図られたり、子どもたちに対する支援が迅速に行われている | |
指標 | ❶月1回の開催相談件数 ❷対象者へのアンケートによる心境の変化 ❸スタッフの自己評価 | |
目標値・目標状態 | ❶相談件数 月6件×9か月=54件 ❷野外体験活動、子ども食堂など他事業 に参加したことをきっかけに繋がった親子の相談も受けている ❸学校には相談しにくい悩み事も、民間団体が受けることで安心して打ち明けることができている | |
アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
アウトカム:考察 | 相談会を行なったことで、引きこもっていた子がフリースクールへ参加するきっかけとなったケースが1件、医療機関へつながったケースが1件、療育機関との関係が改善したケースが1件、家庭環境が改善に向かったケースが1件あった。食堂の開催と相談会を重ねたことで、気軽に相談会に参加することができ、悩みの解決につながった。 居場所の情報収集のためには、東山梨地区を中心に、県内外19か所への訪問見学を行った。実際に足を運んで、施設の方と話すことで、運営についての思いや詳しい現状について聞くことができた。訪問を通して、お互いの団体について情報交換する貴重な機会となり、様々な居場所が繋がり合うきっかけとなった。2月末までの見学を終え、施設見学記録を元に、情報公開に向けてホームページを制作中である。今後は、ホームページに施設ごとの特徴などが分かりやすく見らる工夫や、不登校親子の悩みに支援者が答えるページなどを整えていく。また、東山梨地区以外の情報を集め、公開していく。 |
アウトプット
1 | ①峡東地域で保護者、学校、居場所、スクールソーシャルワーカー、医療・福祉の専門家、行政(教育委員会・子育て支援課など)の6者が情報を共有するケース会議が開かれ、6者が連携し合って、対象となる子どもを真ん中に見据えた支援や相談を行われている(峡東地域でのモデル事業) | |
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指標 | ❶6者連携の様子や変化 ❷支援者によるキックオフ・振り返りミーティングの様子 | |
目標値・目標状態 | ❶ケース会議を通して、6者が連携した状態で子どもを真ん中に置いた支援が行われている ❷4ヶ月に1回開催(6月・10月・2月の年間3回開催) | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 今回の事業において、保護者、学校、フリースクール、SSW /SC、行政、医療の6者連携によるケース会議の実施は2件、5者連携は3件、4者連携は5件、3者連携は2件。合計実施回数23回。ケース会議の開催に向けて、保護者との面談を行い、状況や要望などを把握。その後、保護者またはSSWから学校にフリースクールも参加したケース会議を要請すると、学校から日程調整の連絡があり、ケース会議を実施。SSWが中心となって日程調整をすることで保護者の負担が軽くなり、ケース会議開催に関しても積極的になる傾向が見られる。ケース会議当日はSSWが入ったケースではSSWが会議を進行。入らないケースでは学校が中心となって会議を進行。SSWが進行役となることで中立的な立 場で話し合いが進行され、各機関の思いが充分に引き出され、内容の濃い話し合いになるケースが多く見られた。会議の中では、家庭、学校、フリースクールでの様子を報告し合い、具体的な支援について、SSW、SC、医療の専門家から提案があり、それぞれの立場で、子どもにできる支援について具体的に共有。会議後、共有したことを元により良い支援が行われた。 | |
2 | ①県内のフリースクール運営者の団体(フリースクール連絡会)へ支援のモデルとして、6者が連携した相談体制を紹介し、成果と課題を共有されている(県内各地への広がり) | |
指標 | ❶フリースクール連絡会の日程が組まれ、ミーティングが実施されている | |
目標値・目標状態 | ❶県内各地で6者が連携した相談体制の実施が検討され、実施され始めている | |
アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
アウトカム:考察 | フリースクール連絡会で提案する前に、各支援者の課題を吸い上げていくことから始めた。話を聞いたフリースクール5か所では既に3ヶ所で出席認定についての取組みが始まっていた。一方で、学校や教育委員会との連携の仕方やケース会議の段取りが難しく、官への壁を感じることが多いということが分かった。官と民の間に見えない上下関係が生じていることで教員経験のない運営者たちは連携の取りにくさを感じ ていた。見えてきた課題を元に、次年度以降はフリースクール連絡会で支援体制について紹介し、具体的なアドバイスを行う中で繰り返し情報交換を行い、成果と課題を共有していきたい。 | |
3 | ②東山梨地区の窓口としてWakuWakuの家で相談会が定期的(月1回+その他の事業開催時)に開催し、親子が悩みを相談できる環境を整えている | |
指標 | ❶月1回の開催相談件数 ❷対象者へのアンケートによる心境の変化 ❸スタッフの自己評価 | |
目標値・目標状態 | ❶アンケート結果より8割が満足している状態 ❷県内のフリースクールなどの居場所、行政や民間の相談窓口、医療機関などの情報が整理される | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 子ども食堂の開催日に合わせて実施したことで、参加しやすい体制を整えることができた。最初はテーマを設けずに開催したところ、あまり参加者が集まらなかった。そこで、テーマを設けて開催したところ、興味を持った保護者が申し込みをしてくれるようになっていった。また、「相談会」ではなく「座談会」としたことで、気軽に申込みをしてもらえた。合計19組の相談者アンケート結果「悩んでいることを話せた か」普通6割、満足2割、非常に満足2割。「相談内容に対してのスタッフの回答に納得できたか」満足4割、非常に満足6割。「今後につながる情報が得られたか」満足4割、非常に満足6割。「また相談に来たいか」は10割。7回開催、のべ19組参加。 | |
4 | ②疲弊することなく必要な情報を得て安心感をもって過ごせるように、県内外のフリースクールなどの居場所、行政、民間の相談窓口や医療機関などの情報を整理してWeb上に情報公開している | |
指標 | ❶Webページ ❷スタッフの自己評価 | |
目標値・目標状態 | ❶アンケート結果より8割が満足している状態 ❶県内のフリースクールなどの居場所、行政や民間の相談窓口、医療機関などの情報が整理される | |
アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
アウトカム:考察 | 県内外19か所へ訪問見学を行った。実際に足を運んで、施設の方と話すことで、運営についての思いや詳しい現状について聞くことができた。訪問を通して、WakuWakuの家についても知っていただく機会となり、子どもにとっての様々な居場所が繋がり合うきっかけとなった。訪問に行ったことがきっかけで、牧丘わくわく学園の支援者がWakuWakuの家のスキー教室の指導者として関わってくれるようになった。2月末までの見学を終え、施設見学記録を元に、情報公開に向けて準備中である。 | |
5 | ②東山梨地区に数カ所ある親の会が合同で開催され、広く情報を得られると共に、安心して自己開示ができ、同じ悩みを持つ親同士でつながることができる環境を整えている | |
指標 | ❶開催回数、参加後の満足度 ❷参加者数 ❸対象者へのアンケートによる心境の変化 | |
目標値・目標状態 | ❶学期に1回(年間3回開催) ❷3回の参加者数がのべ30名 ❸参加してよかったという回答が8割以上 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 今年度はWakuWakuの家を利用している子ども向けの保護者会を5回実施。子ども同士が日々の活動で触れ合う中、保護者会を通して親同士が繋がり合うきっかけができた。子育て、不登校に対しての悩みを共有したり、WakuWakuの家での様子を共供したりする中で、徐々に打ち解け合う空気となって本音で話せる時間が増えていった。5回の開催でのべ52名の参加があった。参加者のうち10割が参加してよかったという回答であった。 本年度の3月には、保護者主体で「親の会」が設立・開催され、来年度はさらに保護者会と併せて、参加を呼び掛けながら対象者の参加を更に広げていきたいと計画中である。 | |
6 | ②県内全域から支援・情報を求めている保護者が集まり「不登校フォーラム」を開催している | |
指標 | ❶フリースクール運営者、行政、保護者、その他の関係機関との連携の様子 ❷参加者数を保護者、教育関係者、その他に区分しての参加者数の把握 | |
目標値・目標状態 | ❶フリースクール運営者、行政、保護者、その他の関係機関との連携構築ができる ❷参加者数200名(オンライン参加含む) | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 2024年8月17日に開催。フリースクール連絡会に所属している代表者たちが企画運営をし、県内の様々な地域から行政職員、現役の学校教員などの教育関係者、保護者、マスコミ等、オンライン視聴も含めて147名が集まった。「不登校経験者のパネルディスカッション」では社会人になった不登校経験者の率直な意見や当時の悩み、現在の様子について語った。「ぶどうの会代表 鈴木正洋さんの基調講演」では、県内で長年、親の会を主宰している鈴木さんのご経験や相談に来る親子の話、不登校についての概念についてご講演頂いた。「子どもたちの声を聴こう」では不登校の子どもたちの声を予め録音し、会場に流した。その声に対して、教育委員会を始めとする様々な立場の大人が意見を交わした。多くの方に不登校やその支援に大切なことなどを知ってもらう機会となった。 | |
7 | ①先進的取組である「⿃取フリースクールこ・ラボ」への視察を行い、参加者間での意見交換を行い、山梨県内での取組の準備を始めている。 | |
指標 | ❶参加者間での意見交換を含めた報告書の作成 ❷県内での取組に対する準備として、関わりができた関係者の把握 | |
目標値・目標状態 | ❶報告書の完成 ❷県内の主要な関係者による連携体制構築の準備 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 2025年1月7日~8日に全国でも先進的な取組を行っている、鳥取県のスリースクールこ・らぼの視察に行った。1日目の研修会では、7施設28名の運営者が集まってお互いの運営についての思いを話したり、テーマを設けて不登校支援の在り方について意見を交わしたりした。2日目はこ・ラボに通う子どもたちと一緒に活動しながら、学習についての取り組み方や子どもたちへの向き合い方、運営、経営について研修した。視察後はインプットしたものを山梨へどう広げていけるのかについて、実際の運営状況と照らし合わせながら準備を進めている。 |
活動
1 | ①【子どもが安心して居られる場の充実・継続のための仕組み作り】 峡東地域の学校で保護者、学校、居場所、SSW、医療・福祉の専門家、行政(教育委員会・子育て支援課など)と情報共有 子どもを真ん中に見据えた支援・相談の実施 6者が連携し合う中でより良い環境の中で子どもたちが過ごすためのケース会議実施(峡東地域でのモデル事業) ・打ち合わせ、連絡調整 ・資料作成 ・実施 ・記録 ・報告 | |
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活動結果 | 計画通り | |
概要 | ・添付資料参照:「山梨日日新聞掲載記事 2024/11/1」 ・6者連携によるケース会議の実施回数23回:(6者連携:Aさん、Yくん、5者連携:Rくん、Kくん、Kくん、4者連携:Kさん、Eくん、Jくん、Iくん、Nさん、3者連携:Gくん、Hくん) ・実施内容:①親のケース会議企画依頼 ②学校、SSW、個に応じた専門家との日程調整 ③フリースクールでの親との面談 ④資料作成 ⑤実施 ⑥実施後の資料追加 ⑦親とのフィードバック ・様子:WakuWakuの家を利用する子どもたちの学校や、教育委員会・子育て支援課・SSWなどの行政や、医療の専門家などとのつながり作りや連携の強化を進めてきた。山梨市、甲州市、笛吹市、甲府市の児童のケース会議を実施。不登校の子どもに必要な支援者間の情報共有の場となるケース会議の在り方、ケース会議を通して行われる情報交換の意義や重要性が、2024年11月1日山日新聞に掲載された。活動全体を通して、子どもに関わる支援者が情報を共有し、話し合い、協力していく大切さを訴えた。 | |
2 | ①【6者が連携した支援・相談体制の広がり】 県内のフリースクール運営者の団体(フリースクール連絡会)へ支援のモデルとして、6者が連携した相談体制を紹介 成果と課題の共有(県内各地への広がり) ・フリースクール連絡会の日程調整 ・紹介(成果と課題の共有) ・他地域での実践の聞き取り・擦り合わせ | |
活動結果 | ほぼ計画通り | |
概要 | ・実施方法:県内のフリースクール・居場所の運営者5名と各々面談実施。実情を聞く。 ・課題:学校・教育委員会との連携の仕方、連絡方法についてどのようにしていったらよいのか分からないという意見が多く聞かれた。具体的な連携方法のアドバイス等の実施のための、次年度のフリースクール連絡会の日程を調整し、今後の流れを決めていきたい。 ・活動報告会の実施:6者連携のケース会議について、2025年3月10日に「2024年度 WakuWakuの家 活動報告会」を通して報告。相原正男氏(山梨県子育て支援局 参事、山梨県子どものこころサポートプラザ センター長)、堤英俊氏(都留文科大学教養学部学校教育学科教授)、田中健史朗氏(山梨大学教育学部准教授)、臼井友基氏(山梨県県議会議員)、福井太一氏(山梨県県議会議員)、諸星嘉史氏(山梨県教育庁 特別支援教育・児童生徒支援課 児童生徒支援担当 副主幹・指導主事)の6名が出席。報告した内容について、今後、ケース会議などを行いながら各機関をつなぐコーディネーターを定めていく必要性を話し合った。 ・不登校フォーラム開催に向けたフリースクール連絡会の開催や、同会のメンバーと主催するオンラインの教育座談会で、6者連携による相談体制のモデルケース構築について意見交換を行い、認知を広げるためにパンフレットを作成して配布した。また、長野県や鳥取県の取組事例を参考に、フリースクールの認証制度の導入、それを山梨県内でどのように展開していくかを検討している。 | |
3 | ②【民間のよさを発揮した情報提供・相談窓口の開設】 定期的(月1回+その他の事業開催時)な相談会の実施 不登校・発達障害などで学校に馴染めずに悩む親子の悩み相談を受け、必要な情報の提供 学校には相談しにくい悩み事も、民間団体が受けることで安心して打ち明けることができる場の設定 ・開催日の設定(月1回休日を活用した日程 30分×4組) ・開催告知、予約開始 ・実施 ・記録 ・スタッフ、他機関との共有 | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | ・添付資料参照:「子育て座談会 実施結果」 ・実施回数:8回(2024年6月~2025年2月) ・対象者:誰でも ・実施方法:画像と申し込みフォームを作る。実施日1ヶ月前にSNS、公式LINEにて開催告知開始。 ・テーマ:6月~10月「相談者の悩み事」、11月「学校・学童への不安ゼロ‼」、12月「学校への行き渋り 背中を押す押さない⁉第一弾‼」、1月「学校への行き渋り 背中を押す押さない⁉第二弾‼」、2月「新学期を迎える前にやっておきたい3つのこと」 ・時間:1時間 ・様子:6月より事前予約制の「子育て相談カフェ」の開催を行ってきた。働いている親は平日には中々相談しにくい状況があり、休日の子ども食堂の前後の時間で開催した。最初の2か月は個別相談を想定していたが、個別での相談は抵抗感が強かったようで座談会と言う名前に変更し、気軽に悩みを相談できるグループでの相談体制に変えた。特にテーマは設定せずに2回開催。その後、テーマがあった方が集まりやすく、話しやすいのではないかと言うことで、毎回テーマを絞って開催した。子ども食堂と合わせて開催したことで、子ども食堂に来ていた親の参加があり、参加者が徐々に増えていった。参加者の意見や悩み等はその都度、メモをしていった。相談内容によっては、専門機関に繋いだ方がより良いケースもあり、親の気持ちを聞き取り、各相談機関との連携も行いながら進めていった。座談会参加者がその後、個別でも相談に来ることもあり、気軽に相談できる関係となっていっている。 ・今後の動き:地域食堂の開催に合わせた定期的な開催を行っていく。 | |
4 | ②【居場所、行政、民間の相談窓口や医療機関などの一覧情報公開】 対象者が疲弊することなく必要な情報を得て安心感をもって過ごせるように、調べられる場の開設 ・情報収集(県内の教育委員会・支援教育センター・県内外のフリースクールの訪問と見学) ・関係機関への連絡 ・Webページの作成 ・公開 ・アンケート作成、回収、集計 | |
活動結果 | ほぼ計画通り | |
概要 | ・添付資料参照:「施設見学記録(2024年度)」 ・訪問箇所:6月~2月の間、県内外19か所の訪問実施。 ・作成に向けた経緯:行政がまとめている情報は分野が限定されていたり、地域が限定されていたりと、フリースクールを始めとした居場所を見つけたい親子にとって、情報が把握しやすい状況にはなっていない。そのため、東京都町田市の「まちだ多様な学び居場所マップ」を参考に、山梨県内の各居場所の情報を一覧にするとともに、そこに各居場所の活動の写真や当法人によるコメントを入れるなど、各居場所の強みを発信して行ける形とし、相談に来た親子に具体的なアドバイスを行っていくことを検討してきた。 ・方法:近隣の居場所を中心に予約を取って訪問。施設の様子やスタッフの話を聴きながらメモを取ったり、写真を撮ったりしたりしながら記録をまとめていった。 現在、東京都町田市の「まちだ多様な学び居場所マップ」を参考にして、県内を中心に見学した箇所をWebマップにまとめている。 ・アクセス先:https://mirai-connect.sbs/ ・今後の動き:マップが完成したら公開し、不登校などで居場所を必要としている親子に情報が届けられるようにしていきたい。随時情報を更新しながら、県内の不登校支援の情報がWeb上で気軽に得られるページにしていく。 | |
5 | ②【親の会の開催】 不登校や子育ての悩みを共有したり吐き出し、気持ちが楽になる場の設定 親同士が繋がり合える場の設定 2月は峡東地域にある他の親の会と共同開催による交流 ・開催日の設定(学期1回の保護者会を活用した日程) ・開催告知、出欠確認 ・実施 ・記録 ・スタッフ、他機関との共有 | |
活動結果 | ほぼ計画通り | |
概要 | ・実施回数:年間5回 ・対象者:WakuWakuの家を利用している親 ・実施方法:申し込みフォームを作る。実施日一か月前に親のチャットにて開催告知開始。 ・テーマ:特に設けず、家での様子や日頃の悩み、不登校についての悩みなどを話し合った。 ・時間:2~3時間 ・様子:当法人では本事業を始める以前より、利用している子ども自身やその保護者からの相談を受けており、本事業開始後は相談会の開催を明確にするとともに、その定期開催により今まで以上にコンスタントに相談を受け付けている。また、6者連携を構築する中で、相談窓口や専門機関との連携についても整備を進めている。親の会では夜、子どもがいない状況で本音が話せる環境にしたり、お弁当を食べながら気軽に懇談できるような環境設定にしたりした。個人情報については、スタッフがメモを取って、記録として残した。 ・今後の動き:今年度親の会の組織作りが行われ、2025/3に第1回目を開催予定。 | |
6 | ②【不登校フォーラムの開催】 県内のフリースクール協議会に参加している団体との共同開催 不登校児の支援に大切なことを様々な立場の大人が考え合う場の設定 6者の繋がりがより強固なものとなっていくための話し合い 6者連携の支援体制の紹介、有用性、県内に広めていくための話し合い ・告知(関係者へ宣伝、県の教育委員 会・私立へ情報を流す) ・実施 ・アンケートの回収、集計、評価 ・今後についての話し合い | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | ・添付資料参照:「山梨日日新聞掲載記事 2024/8/28」 ・開催日:8月17日 ・参加者数:147名の参加(オンライン含む) ・内容:第1部「不登校経験者のパネルディスカッション」元不登校当事者6名参加。 第2部ぶどうの会 代表の鈴木正洋氏登壇。「」というテーマで講演。不登校について様々な立場の方が理解を深められるようなわかりやすい内容であった。 第3部は「子どもたちの声を聴こう」というテーマで、様々な立場の大人たちが、子どもの声に耳を傾けて話をした。 ・チラシ発行部数:1000部発行 ・実施の様子:11回のミーティングを行った。当日は6つの団体が参加。フリースクール協議会を構成する団体で不登校フォーラムを開催し、現地参加とオンライン視聴を合わせて多くの方に不登校やその支援に大切なことなどを知ってもらう機会となった。また、フォーラムでは、現役の学校の先生も参加する中で、教育現場が抱える苦悩などについても共有される機会となった。開催後には、協議会の構成員を始め、当日フォーラムに参加した方や参加できなかった方も含め、反省会としてのオンラインイベントを開催し、幅広い立場の方から不登校支援のあり方やフリースクールを始めとした居場所のあり方などについて意見をもらうことがきできた。 | |
7 | ①【先進事例の視察】 不 登校に悩む親⼦が疲弊することなく必要な情報を得て安⼼感をもって過ごせるように、県内外のフリースクールなどの居場所、⾏政、⺠間の相談窓⼝や医療機関などの情報を整理してWeb上に情報公開していくために、先進的な取り組みを⾏っている施設として、⿃取フリースクールこ・ラボへの視察を⾏う。 ・視察報告書の作成 ・参加メンバーでの意見交換 ・山梨県内での活動に活かしていくための準備 | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | ・実施日:1月7日〜8日にを視察。 ・視察場所:鳥取県フリースクールこ・ラボ ・内容:1日目午前中のテーマは、「フリースクールは学校教育の学びの代替になりうるか?」「教育とは何か?」「私たちは子どもたちに何を伝えることができるのか?」。午後は 「WakuWakuの家」、南アルプス市体験型フリースクール「みんなのおうち」、鳥取県フリースクール「こ・ラボ」の代表者3名が参加者で考えたいテーマを出して話し合った。 2日目はフリースクールこ・ラボの見学。子どもたちが学習する様子や道徳の時間の過ごし方、進め方について研修を受けた。午後は姉妹校のフリースクールと学習塾の見学。先進的な取組がどうやって成されてきたのか、代表者より教えていただき、今後山梨へどう生かしていったらよいか考えるきっかけを得た。 ・今後の動き:フリースクールを利用する全家庭への支援金制度の確立、フリースクールなど居場所への補助金制度の確立に向けて、ロビイングを行っていく。 |
想定外のアウトカム、活動、波及効果など
以下波及効果と言えるのか検討したい 事業対象者(支援者、最終受益者)とその人数を入れる
・山梨県教育委員主催の研修会で6者連携の仕組みについて発表したところ、甲州市の教育長が早速、市に紹介。今後目指すべき姿として、推奨。
・県議会議員にフリースクール支援についてのロビイングを行うことで、不登校についての理解が深まり、県議会議連が動き出した。具体的には、11月の鳥取県視察。山梨県の生活保護家庭かつ不登校児童生徒に、フリースクールや居場所に通うための参加費補助制度が制定。2025年4月より施行。
事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動
課題を取り巻く変化 | 環境や対象者の変化として感じられることは、支援策が広がったことで、対象者を受け入れやすい体制が広がったということである。不登校の悩みを抱えた親子が来所した時、それぞれの対象者のケースに合わせた受容、アドバイスや必要に応じた専門機関へ橋渡しができるようになったことである。子どもを真ん中に置いた支援に具体的に行うためには、支援者同士の繋がりが築かれていることが重要である。引き籠りだった対象者が、一歩外に出るきっかけは、当事者の親による口コミの影響も大きい。実際にWakuWakuの家には、座談会に参加した親子がフリースクールに通うようになったり、口コミを聞いた新たな対象者が見学に訪れている。本事業の活動を通して、支援者側の体制が厚くなったこと、また、それによって対象者を受け入れる環境が徐々に変化している。 |
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本事業を行なっている中で生じた実行団体や受益者のもっとも重要な変化だと感じた点 | Aさんは担任とのやり取りの中で不信感が募って、3年前から不登校になってしまった。当時は家から出ることさえできなくなってしまい、親子で苦しい時間が続いたが、WakuWakuの家に繋がることができ、少しずつ通うようになった。母子で一緒に通所する日が続いたが、徐々に離れられるようになって、今は一人で通えるようになった。今年度は運動会の見学に行けたり、週1日給食を食べに行くことができるようになったりしている。このようなAさんの心の変化や成長の様子を、6者が連携したケース会議で共有し、今後の支援に繋げている。Aさんを真ん中に置き、Aさんを支 援する周りの大人の理解が深まっている。今年度、6者が連携したAさんのケース会議は3回実施。今後も、日々の送迎時に親と話しながら、Aさんの成長を見守っていきたい。 |
外部との連携実績
1 | 活動 | 不登校フォーラムの開催 |
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実施内容 | 日付:2024年8月17日、記事名:不登校フォーラム、媒体:現地・オンライン、概要:「不登校経験者のパネルディスカッション」「ぶどうの会代表 鈴木正洋さんの基調講演」「子どもたちの声を聴こう」、チラシ発行部数:1000部 | |
結果・成果・影響等 | 不登校の当事者への支援、様々な立場の来場者との意見交換や交流、県内のフリースクール・居場所の支援者同士の繋がり、行政への繋がりとアプローチができた。 |
広報実績
メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等) | あり | |
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内容 | TV:YBS山梨放送(2024年8月17日放送)「“不登校”テーマにフォーラム」 | |
広報制作物等 | あり | |
内容 | 山梨県不登校フォーラム2024チラシ【添付資料⑤】 | |
報告書等 | あり | |
内容 | 鳥取県フリースクールこ・ラボの視察報告。不登校支援に対して、先進的な取組を行っている鳥取県の補助制度や認定制度についての情報、鳥取と山梨のフリースクールの取組について発表を行った。そこから、支援者で話し合いたい話題について出し合って、意見交換を行った。違う都道府県の取組の様子を聴くことで、山梨にはない制度や対策があり、目指すべき方向について考え合う機会となった。2日間に渡った研修の内容について、報告書を作成した。 |
ガバナンス・コンプライアンス実績
規程類の整備状況
事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか | 整備中 | |
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内容 | 事業開始時にはなかった就業規則から整備し始め、自団体にとって必要な規程から順番に整備している段階である。 | |
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか | 一部公開 | |
内容 | 定款を始め基本的な規程類の整備は終えており、その他必要となる規程類も整備を進めている状況である。年内には整備を終え、順次公開していく予定である。定款:https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/document/019000631/teikan/1/631%E5%AE%9A%E6%AC%BE.pdf | |
変更があった規程類に関して報告しましたか | 変更はなかった |
ガバナンス・コンプライアンス体制
社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますか | はい | |
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内部通報制度は整備されていますか | はい | |
内容 | 従業員から通報や相談があった場合、内部通報窓口がその報告を受けて、調査が必要か不必要か判断を下す。調査が必要となった場合、不正行為の有無を判断する。不正行為があった場合、是正措置、再発防止策を考えていく。最終的に、通報した従業員へ結果を通知する。 | |
利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますか | はい | |
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたか | はい | |
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたか | はい | |
内容 | 研修会に参加してガバナンス・コンプライアンスにつていて学んだ。今後、自団体に合わせた整備や強化施策を理事会で検討協議していく。 | |
団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事 業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む) | 内部監査 | |
内容 | 年度終わりに監事が内部監査を行っている。社員総会で承認を得られるように準備を行っている。 | |
本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますか | はい |