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休眠預金活用事業
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事業完了報告

2025/02/25更新

事業概要

事業期間開始日 2022/11/01終了日 2024/03/31
対象地域全国
事業対象者

元々困難を抱え、コロナ禍や原油価格・物価高騰等により課題がより大きく、支援が行き届かなくなった「在日外国人」。

事業対象者人数

1,800人
=150人
(50~250人)
×12団体

事業概要

コロナ禍で深刻化した問題を抱える在日外国人への支援団体を①在日外国人が抱えている課題の解消、②支援団体の活動の継続性の確保、③外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成を活動要件として、全国公募します。コロナ禍への対応がある程度できている団体も想定し、対象を、A. ①②の活動の継続性の確保を中心に取り組む団体とB. ③の社会形成を中心に取り組む団体の2パターンとします。有識者等で構成された選定委員会で実行団体を採択。ファリシテートや事業組み立て等のノウハウを生かし、資金支援と伴走支援を行い、終盤には、実行団体相互の学び合いと多文化共生社会への機運づくりに向けた公開型交流会を開催します。

実行団体数13

事業の総括およびその価値

本事業では、2020年度事業に引きつづいて、外国人の暮らしを支援する団体の支援を通じて① 外国人が抱える課題の解消、② 支援団体の活動の継続性の確保、③ 外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成の3点に取り組んだ。前回の支援の成果を「支援の継続」と総括するなら、今回の支援の成果は、「課題の解消」と総括したい。具体的には、「見守り支援」「学習支援」「拠点整備」「住まい確保」「就労支援」により、① 孤立した外国人への継続的な見守りや生活相談、② 学習機会の確保や高校への進学、③ 外国人が集住する団地や地方都市の新たな支援拠点の整備、④ 行き場のない外国人や入居拒否に苦しむ外国人の住まいの確保やそのしくみづくり、⑤ 主体的な就労に向けたインターンシップの実施の5つの成果が得られた。日本全域でみるとほんの一部の団体ではあるが、団体の支援の継続と外国人の一部の「課題の解消」は達成できた。

課題設定、事業設計に関する振返り

本事業の課題設定としては、外国人が日本で生活する上での教育、就労、住まい、生活文化等の様々な分野での課題は共通であっても、言語や母国や集住によってもそれを解決する支援団体のアプローチは多様であることが2020年度で確認された。そこで、緊急的に問題解消し、さらに支援団体の「支援の継続」に取り組むA型と、さらに拠点の整備を加え、地域社会の形成に資するB型を設定し事業設計を行った。
なかでも、外国人の住まいについては、一般的に外国人の賃貸住宅への入居について大家さんの理解が進んでいないという状況を解決する事業を想定していたが、「仮放免者」等、難民申請中で在留資格の無い外国人の一時的な住まい「シェルター」が公的にはなく、民間でそれを担っているという実態を支援することにより、問題を共有し、法的な位置づけや制度改正が必要なことを認識した。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1再びコロナ禍の緊急事態措置等が生じた場合でも、実行団体が事業を継続できる、体制や資金力、ネットワーク等の体力が強化された状態
アウトカム:結果再びの緊急事態措置にも、地域経済も地域社会も支える担い手として、日本人とともに支えあい、 高め合うパートナーとなる。その支援団体や地域社会の土台を作ることができた。
アウトカム:考察アフターコロナにおける新たな来日外国人には、コロナ禍前は少なかったネパールやベトナムからの入国者が増えた。これらの人々はまだ支え合いのコミュニティが十分に形成されていない。そうした、支援ニーズが高まる中、支援団体は、日々の運営に追われため、わたしたちの役割は、その活動を、在日外国人の問題そのものとともに、社会に伝え、より活かすこととして実施した。今後も継続して外国人がいきいきと活躍できる社会を目指して取り組みを続けたい。

アウトプット

1①相談対応、食料支援、事務局運営等にかかわるマンパワーを確保するための人件費等
資金支援/非資金的支援資金支援
指標①相談会、食料支援の実施回数、参加人数等
目標値・目標状態①相談会参加者数100名、食料支援実施回数10回、参加人数100名等
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察本事業を通じて、のべ1414名の外国人留学生へ食糧を配布、のべ308名の留学生へ生活相談を行った。また月に1回、食糧支援を行い、留学生のべ1411名へ食糧を配布した。(まなびと)。都内豊島区では、フードパントリー(食料配布)と弁護士や社会福祉協議会のソーシャルワーカーによる相談会を9回実施し、のべ248名が来場した。(シャンティ国際ボランティア会)
2②学習支援、就業支援を増強するための謝金等人件費、委託費等
資金支援/非資金的支援資金支援
指標②学習支援、就業支援の実施回数、参加人数、内定者数等
目標値・目標状態②学習支援10回・参加人数100名、就業支援3回・参加人数20名、内定者数3人等
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察今回の本事業の直接の対象ではないが、進学希望者17名全員の高校合格のサポートをすることが出来た。また、高校に進学した生徒に対する「進路ガイダンス」を初めて実施し58名の参加者があった。(FSちば)。就業支援では就職を望む留学生に、特定技能「外食」ビザをめざすインターンシップ(チャレンジカフェ)を全17回(平均29名/回)実施。リピーター客も生まれ延べ498人が来店した。正式雇用は2名となった(oneself)。無農薬野菜やハーブ由来の商品開発を行うPeace&Netureではボランティアとして参加したサポート外国人26名、1名の正式雇用があった(P&N)
3③非接触型の相談対応、学習支援等に必要な資機材の購入費、リース費等
資金支援/非資金的支援資金支援
指標③オンライン対応の回数、参加人数等
目標値・目標状態③オンライン対応10回、参加人数30名等
アウトカム:結果オンライン参加人数のみが未達であった
アウトカム:考察正規クラスの予定人員を超えた入会希望者があり、10月から待機生クラスを(オンライン)設立した。このクラスは自宅学習を中心とし、週2日の登校授業を行う形式。自宅学習者用のカリキュラムとテキストを作成し計12名がカリキュラムに沿った学習を行った。(FSちば)。ただし、週2日では、生徒の参加継続が難しく、外国人むけの通信教育による多様な学びの場は確立されていない状況にある。
4④交流活動に必要な交通費、使用料等
資金支援/非資金的支援資金支援
指標④交流活動への参加人数等
目標値・目標状態④交流活動への参加人数50名等
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察活動を通じて、外国人同士の交流、外国人と日本人の交流、外国人と地域の交流が進んでいる。神戸市近郊で農村体験を行うPeace&Natureでは本助成の雇用外国人・インターンシップの留学生/大学生・一般の農業体験参加者らが無農薬でお米・野菜・ハーブを育て収穫。外国人と日本人が協働して商品の開発/販売。延べ人数648人となった
5⑤活動拠点、交流拠点、宿泊施設等の整備に必要な施設整備費、購入費等
資金支援/非資金的支援資金支援
指標⑤拠点の利用者数等
目標値・目標状態⑤拠点の利用者数50名等
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察常総市内では、空き家を1階はデイホーム、2階をシェアハウスに改修完了し、受け入れを開始。4棟目となるシェアハウスならびに高齢者も過ごせるデイホームの場を整備できた。(コモンズ)。 東京都北区の赤羽に古民家を借り日曜日から木曜日まで週5日、10時から17時まで「赤羽ベース」を開所。近隣に集住するイスラムルーツの子ども達や保護者、自治体からの相談や利用者への学習指導やイベント等を開催し、延べ151人が利用(アクセプト)。外国人散在都市においても、活動拠点の整備を行い、いざというときに安心拠点となる場を確保できた。(ワールドフレンズ天草)
6① 事業アセスメント
資金支援/非資金的支援非資金的支援
指標ネットワークの形成に向けた関連団体との協議回数等
目標値・目標状態協議団体5団体 連携団体3団体
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察Peace&Netureで協働したパートナー企業が、自ら活動に参加してCSRサイトやホームページ、企業トップからの発信等を行なった。具体的企業名は (㈱泉平、㈱神戸酒心館、㈱宝角合金製所、㈱にしむらコーヒーサービス、㈱岸本吉二商店、コンラッドホテル大阪(P&N)。 いちょう下和田団地内の一室、54号棟104号室を借り受け2023年2月からリフォームを開始、8月22日には開設式を開催。県と市の関係者、市議会議長、小中学校長、社協、いちょう団地各自治会長らの出席を得た。(UK)。社会福祉協議会、法律事務所との連携を軸にした包括支援を実施。弁護士による法的支援を10件実施した(シャンティ)。
7②緊急支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
8③事業推進のためのコンサルティング
資金支援/非資金的支援非資金的支援
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察伴走者は実行団体とMTGを行い、内容を調整しながら事業計画に合わせて進行状況を把握。毎月、実行団体による月次報告を作成、提出しており、進捗を把握。問題・相談事項、事業の遅れ等が生じた場合は、早期に確認、対処をした。規程類に関しては、他事例等を紹介するなど、整備に向けた支援を行った。
9④ひと・もの・資金・情報をつなぐ連携支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察商品開発ラボと製造作業場を整え、商品化プロセス(製造、パッケージ、物流、営業)、販売プロセス(オンラインストア、直接販売、委託販売)を構築。環境活動をともに進める企業パートナーとのコラボレーションを6社で実現した。(P&N)
10⑤情報交換・交流のプラットフォーム形成
資金支援/非資金的支援非資金的支援
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察外国人にルーツのある人向けに相談所「赤羽ベース」の開所(アクセプト)や、勤務場所の減少・解雇などの理由で退去せざるを得ない外国人に対して無償で国際交流シェアハウスを提供(oneself)するなど、各所に交流の場所づくりを実現した。
11⑥実行団体の報告・取りまとめ等の推進支援・次年度以降の活動展開に向けた活動継続計画づくり支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察毎月、実行団体による月次報告を作成、提出しており、進捗を把握し、問題・相談事項、事業の遅れ等が生じた場合は、早期に確認、対処を行なった。規程類に関しては、他事例等を紹介するなど、整備に向けた支援を実施。次年度以降の活動展開に関しては、取り組み状況、今後の団体意向を踏まえて計画づくりを支援を行なった。

活動

1助成金を適切に配布、管理する
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要審査会で実行団体の選定後、各団体に対し審査会での意見、及び、決定した助成金額に応じた事業計画の変更と資金計画の見直しを行った。その後、各実行団体の申請資料をもとに初回と中間の2回に分けて助成金を分配した。2回目の助成金分配の前に、進捗状況を確認し、必要な事業計画、資金計画の見直しを検討した。
2③月1~2回のオンライン・現地MTGを行い、事業推進で生じる問題や課題に対し、解決等に向けて支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要適宜、伴走者は実行団体とMTGを行い、事業計画に合わせて進行状況を把握した。実行団体には月次報告を作成、提出してもらい進捗を把握。毎月定例MTGの場でPO.伴走者と事務局とで課題を共有することにより、各実行団体に対処を促した。問題・相談事項、事業の遅れ等が生じた場合は、早期に確認、対処に努めた。規程類に関しては、他事例等を紹介するなど、整備に向けた支援を行った。
3④地域の複合的な課題解決や資金の調達、新たな事業展開等にむけ、ネットワークを生かしたマッチング支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要沖縄の外国人のための住宅確保円滑化では、外国人の賃貸契約に関する知識等の共有のため家主、不動産会社、業界団体、県庁住宅課等を巻き込んだ座談会を開催し、課題の共有、マッチングによる円滑化を検討した。直接的な住宅供給という方法のみならず、既存空き家住戸の活用を大家の理解、通訳つきの仲介、何かあったときの居住支援という関係者ネットワークでの解決を模索した。
4⑤実行団体等の共通した社会課題の解決に向けた取り組みの共有や今後の連携体制の構築に向けた支援、公開型交流会の開催
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要首都圏では難民申請者や仮放免者の在留資格のない方への一時的な住宅確保として民間賃貸住宅の家賃たてかえを行っているが、出口戦略が見えない事業である。このため政策制度を検討し、国土交通省と厚生労働省の「住宅確保要配慮者対応施策」の制度が、外国人にも適用できることを確認した。外国人対象の居住支援協議会が有効な事例は神奈川県以外ないことが判明し、実行団体に自治体レベルの居住支援法人としての活動を促した。
5⑥実行団体の報告・取りまとめ等の推進支援・次年度以降の活動展開に向けた活動継続計画づくり支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要実行団体による月次報告で問題・相談事項を把握しているが、活動が広がるに連れ、会計や事務作業が増大し、後手後手になる状況がある。このため、活動そのものを区分けして、他の助けを得て、組織化の見直しを図ることが重要。このため、プロボノや専門家などの導入や、実行団体そのものの事業目的や方法の見直しも必要。次年度以降の活動展開に関しては、取り組み状況、今後の団体意向を踏まえて計画づくりを支援を行う。
6申請された事業計画を精査し、事業内容、資金計画、推進体制、スケジュールなどを実現可能で、より効果的な計画となるようブラッシュアップ、伴走支援者に加え、有識者がオンライン・現地訪問等で助言
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要各実行団体に2名のPOと伴走者をつけ、オンライン及び現地視察・現地会議で事業完了できるように伴走を行った。また月1回定例MTGを設け、PO・伴走者・事務局全員で各団体ごとの課題を共有し、解決に向けたアドバイスを実施した。12月2日には東京にて事業報告会を実施し、各団体の事業説明、課題、今後の展望を共有した。有識者からのアドバイスも受け、今後の事業推進や課題解決に向けた支援を行う。
7②人員を十分に投入し十分に周知した上で、生活相談支援、食料支援、日本語学習支援、等を集中的に行い孤立、困窮状況の悪化を阻止
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果ほぼ計画通り
概要食糧支援をきっかけに相談支援ニーズを拾い上げている。信用を得て深い相談を受けケースでは弁護士の専門的な解決に成功。居住支援と日本語の習熟は基礎的な課題であり、不動産業界とのネットワークで解決し、高校受験のための稀少言語の子女の日本語教室を開催している。サロン活動を脱し常設の相談室、談話室を開いた場合は、周知に時間がかかるが、地域の幅広い支援団体の結集する場にも広がる可能性を確認できた。

資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括

1取り組み採択された12団体への資金支援・事業伴走を含めた総合的な支援の実施
取り組み分類事業運営支援
到達度想定通りの成果
概要および考察選定された12 団体に対して、資金支を行うとともに、団体ごとに伴走支援者を配置し、資金の適切な運用に対するチェック・アドバイスやJSURP・あおぞら財団が持つノウハウ・スキルを活かして、各実行団体が抱える課題に対して『共助』の支援を展開した。
2取り組み昨年度実施にて明らかとなった課題に対して、解消に向けた取り組みの実施
取り組み分類事業運営支援
到達度想定通りの成果
概要および考察今回の支援の成果は、「課題の解消」と総括したい。具体的には、「見守り支援」「学習支援」「拠点整備」「住まい確保」「就労支援」により、5 つの成果が得られた。 ① 孤立した外国人への継続的な見守りや生活相談 ② 学習機会の確保や高校への進学 ③ 外国人が集住する団地や地方都市、特定のグループへの新たな支援拠点の整備や拠点の拡充 ④ 行き場のない外国人や入居拒否に苦しむ外国人の住まいの確保やそのしくみづくり ⑤ 主体的な就労に向けたインターンシップの実施 2020年度、2022年度の事業により、一部の団体ではあるが、団体の「支援の継続」と外国人の一部の「課題の解消」は達成できた。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

「子どもの支援をしている団体」として地域での認知が、本助成により、外国人留学生への支援を加えることができたことや、地域共生推進員として活躍する外国人留学生へのヒアリングを行ったことで、当法人の外国人留学生支援について行政職員に情報共有ができた。その結果、来年度の外国人支援に関する意見交換の要請を受けることができた(まなびと)。
本事業の活動を通してより多くの企業/団体/学校とコラボしてきたが、2023年12月に「神戸市SDSs大賞」受賞後、益々理解者(協力者・協働依頼者)が増える結果となった(P&N)。
東京都の子ども支援である「018サポート」の申し込みが、2023年9月から開始され、手続きが非常に煩雑であったため、外国人の子育て家庭から本事業のコーディネーター宛てに多くの支援要請があった。そのため、11月には「018サポート」申請支援に特化した相談窓口を開くなどを対応。相談窓口においては計41件の申請サポートを行ったほか、支援を通してサポートの知識を得たコーディネーターが、自身の周りの外国人に対して自主的に申請サポートをするなどの効果もあった。(シャンティ国際ボランティア会)

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

本事業を通して感じた課題は、以下4点である。
(1) 変動する社会環境への対応
外国人支援団体が、外国人を取り巻く社会環境の変動に迅速に対応し、より効果的な支援を提供できるよう、JSURPは伴走支援の方法や柔軟な枠組みを強化する必要がある。
(2) 外国人の居住安定のサポート
JSURPの会員が関与する空き家活用や住生活基本計画、居住支援協議会などを通じて、外国人の居住安定に向けた具体的な施策の検討と提案が求められる。また、在留資格のない外国人の劣悪な居住環境の改善に向けて、国土交通省等への政策提案も検討する必要がある。
(3) 地域との連携のサポート
外国人支援団体が、地域社会との連携を一層強化することで、支援体制の持続可能性が向上すると考えられる。このため、例えば、外国人が多く住む団地において、外国人支援団体とJSURPが連携強化の仕組みをモデル的に検討・試行することが考えられる。
(4) 多文化共生分野の拡充
JSURP は本事業を通じて多文化共生分野を開拓しているが、これを他のJSURP事業と連携させることで、分野全体の拡充が期待される。

本事業を行なっている中で生じた実行団体や受益者のもっとも重要な変化だと感じた点

2020年には、留学生や高校進学希望の外国人、ムスリム等、多様な外国人を支援していたが、2022年には在留資格のない外国人のシェルター確保や、少数言語の外国人、DV被害にあった外国人女性(WF天草)、外国人の多い団地の住民(UK)等、支援対象が更に広がりを見せた。特に、在留資格のない外国人は住民票がないため自治体が支援できず、民間支援の重要性が際立った。活動内容は、相談会や学習支援、就業・労働関係(労働環境向上、就職希望者への支援、農業・起業のサポート)、居住関係(シェルター提供、家賃の援助、シェアハウス構築、住宅紹介)、交流(多世代交流スペースの開設、地域社会との交流、礼拝スペース設置)等であった。これらの活動により、外国人の安全・安心な生活環境の整備、労働環境の向上、教育サポート、そして地域との連携が拡充された。

外部との連携実績

1活動神戸市家庭局こども支援課と児童養護施設と連携し、児童養護施設の子どもたちと一緒にチャレンジカフェの実施(oneself)
実施内容マルシン市場内でのカフェに2回参加。また出張チャレンジカフェでは児童養護施設の地域交流室を利用して施設で生活するこども達31名に飲み物等を提供した。
結果・成果・影響等児童養護施設ではこれまでインターンシップ活動は行っていなかったが施設内・学校内でしか子どもたちが交流できる大人がおらず、18歳で出所した後にうまく対人関係が構築できないという課題があったそうだが、外国人留学生という新たな関係性において国籍を超えて兄弟のような関係で共に活動ができていた。留学生にとって自身より年下の子と活動することで自分がしっかりしないといけないという気持ちが生まれ、自主的に動くことが増えた。
2活動P&Nオリジナル商品や大沢町を大阪でもPRするために、㈱阪急阪神不動産の協力を得て「SDGsマルシェ in NU茶屋町」をNU茶屋町ビルで開催。兵庫県の他の企業の商品PRも共に行い、新たな団体とも協力関係を構築しながら取り組んだ(P&N)
実施内容大学生の成長の機会とするため、10チームにわかれてデザインし試作したおむすびのを発表/PRをポスターを用いて学生が実施。また、会場デザインを別の学科の学生がトライして、会場設営を実施。
結果・成果・影響等P&Nのオリジナル商品や兵庫各企業の商品、及び大沢町のPRを大阪の中心地梅田で実施でき、新たな繋がりができた。 タコの形をしたエイリアンおむすび、ソフトクリームのコーンを使ったおむすびなどとてもユニークなデザインのおむすびを10チームの学生が発表。現在商品化を検討中。 参加学生:おむすびデザイン 33名、会場設営デザイン 25名 (神戸新聞 2023年11月18日に開催案内を掲載)
3活動日本語学校との連携による食糧支援の告知実施(まなびと)
実施内容神戸市内の3校の日本語学校(コミュニカ学院、神戸YMCA学院専門学校、日本語学院みらい)と連携をし、留学生に対して食糧支援の告知を実施した。
結果・成果・影響等毎月100名程度の留学生が食糧支援を利用し、約300名の留学生と繋がることができた。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

12月2日に開催の「外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成活動報告会」について、WEB、SNS、メルマガ等で紹介。FBを活用した広報宣伝を実施

広報制作物等あり
内容

「外国人と共に暮らし支え合う地域社会の形成交流セミナー」のイベント告知に向けたチラシを作成中。
当日のイベント動画を編集しYOUTUBEにて一部公開

報告書等あり
内容

NPO法人日本都市計画家協会(JSURP)より発行する協会広報誌「Planners」による特別号(全40P)

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
変更があった規程類に関して報告しましたか変更があり報告済み

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

内部に窓口を設置。法令違反ないし不正⾏為による不祥事の防⽌及び早期発⾒、⾃浄作⽤の向上、⾵評リスクの管理、並びに社会的信頼の確保のため、「ヘルプライン」を設けるとともに、その運営の⽅法等を明らかにする⽬的のため、「公益通報者保護に関する規程」を定め、運用している。

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)内部監査
内容

会計監査はこれから実施予定

事業完了した実行団体へ事業完了時監査を行いましたか実施予定
内容

2024年3月末には12団体の事業監査を実施した。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

本事業を通して、「支援団体の活動の継続性の確保」には課題が残った。主に体制と資金の問題である。「一部の」が「全部の」に及ぶには、支援団体の「無理ながんばり」が欠かせず、体制が不十分なことが鮮明になった。支援団体の代表者やキーパーソンの負担が大きく、体制を整えないと課題の量的解消にはつながらない。また、体制を整えるためには、人件費等資金が必要であるが、新たな担い手の確保につなげるほどの収入が得られる見込みは立っていない。今後は、「キーパーソンが無理をすればできる」状態から、体系化された課題に対しては、ノウハウやネットワークを活用すれば、「組織として無理なく対応できる」状態に達することが目標としたい。
活動拠点の整備については、地方都市では空き店舗、空き家の改修により、実現する事例ができたが、都内等では家賃が高いため、適切な活動場所を確保できない状況がある。サロンとしての定期的な開催場所の確保のみでは限界があり、常設的な活動場所の確保を望み実現したいと思う団体は多い。まさに公的支援として行ってほしいところと考える。それが実現できない場合には、休眠預金活用事業を適用することを望む。

シンボルマークの活用状況

・実行団体公募チラシや事業報告会への参加募集チラシでの活用
・12団体各事業内容の紹介動画及び12月実施の報告会動画での活用
・NPO法人日本都市計画家協会(JSURP)より発行する協会広報誌「Planners」での活用
・ JSURPのイベントである「全国まちづくり会議(2023.10.7.8)において、「外国人の住まい確保と空き家活用」をテーマにセッションを設けた際に、シンボルマークを使用