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中間評価報告

2024/11/13更新

評価計画事業進捗の評価事業の改善結果広報に関する報告

評価計画

中間評価の目的:事業中間時点でみえてきた事業上の課題とそれを改善するために中間評価で確認したいこと

事業中間時点でみえてきた事業上の課題

【公共セクターの理解と政策化の実現が難しい】
・市長と市行政、教育長と教育委員会に対し、情報提供や対話を通じて学校教育の抱える課題やフリースクールの必要性について理解を求めているが、根本的な理解に至っていない。
・三度の署名活動を行っているが、現時点で公的支援が実現する目処が立っておらず、事業終了後の活動の継続に不安がある。
【入校希望者が増加している】
・不登校児童生徒が年々増加している。特に低学年での不登校が増加している。自殺願望を口にするような深刻なケースも増えている。
・てだのふあで受け入れができる空間とマンパワーの限界に達しつつあり、このままでは活動の質が低下しかねない。また、地域への新たな働きかけをするだけの余力がない。
【地域の人々の根本的理解と自発的な参画は未達成】
・てだのふあの「活動」への近隣住民の理解は浸透してきたが、「不登校」自体への根本的な理解に至っているとは言えない。
・地域の人々や地域の事業者はお願いをすれば協力をしてくださるが、自発的に関わってくださる域には達していない。

事業上の課題を改善するために中間評価で確認したいこと

【公共セクターの理解と協力を得るための課題整理】
・公共セクターの理解と協力が進みにくい原因について分析し、対策を検討する
【地域の住民や事業者の理解と応援を得るための課題整理】
・てだのふあの活動を通じて生じた当事者の変化とその要因を、地域の住民や事業者に対して伝え、不登校への理解と活動への応援を得るための方策を検討する。

実施体制

1内部/外部内部
評価担当分野全般
氏名山下吉和
団体・役職フリースクールてだのふあ 代表
2内部/外部外部
評価担当分野全般
氏名村上 悟・西村俊昭
団体・役職碧いびわ湖PO
3内部/外部外部
評価担当分野全般
氏名西垣順子・武井哲朗・伊田勝憲
団体・役職資金分配団体評価チーム

実施状況を把握・検証するために実施する調査

調査方法

・子どもや保護者の手記からの抜粋ー「市長への保護者の声」「子育て奮闘記」
・代表(山下吉和)が記したSNSでの活動記録「てだのふあ通信」からの抜粋
・子どもや保護者へのアンケート・ヒアリング

調査実施時期

2024年8月〜9月

調査結果の検証方法

中間評価報告会で、他団体と相互評価を行うとともに、資金分配団体の評価チームからの検証を受ける

事業設計図の検証方法

検証方法

資金分配団体のPOならびに評価チームからレビューを受けて検証する

実施時期

2024年9月

事業計画書や資金計画書への反映実施時期

2024年10月

事業進捗の評価

アウトプットの実績

1アウトプット活動拠点を整備し、子どもたちの育ちと学びを実践している。子ども同士が関わりもち、生き生きとした姿が見られる様々な体験活動を実践している。
指標活動拠点の整備状況 フリースクールの開講頻度 自然教室の開催頻度
中間評価時の値・状態完了 4日/週 2回/月
事後評価時の値・状態完了 4日/週 2回/月
現在の指標の達成状況【活動拠点の整備状況】完了 【フリースクールの開講頻度】4日/週 【自然教室の開催頻度】2回/月  + ○2024年6月から第2スクールを設置した(少人数での居場所的な活動)
進捗状況1計画より進んでいる
2アウトプット保護者同士の交流や親睦を深めると共に、保護者の子ども理解を促進する活動を実践している。
指標不登校親の会の開催頻度 てだカフェの開催頻度
中間評価時の値・状態1回/月 2回/週
事後評価時の値・状態1回/月 2回/週
現在の指標の達成状況【不登校親の会の開催頻度】1回/月 【てだカフェの開催頻度】2回/週  + ○通学生の保護者会も1回/月開催
進捗状況1計画より進んでいる
3アウトプット不登校当事者の原状やてだのふあの活動の意義の理解を広め、協力を広げるための活動を実践している。
指標学習会・パネル展の開催頻度 通信の発信頻度
中間評価時の値・状態2回/年 2〜3回/週
事後評価時の値・状態2回/年 2〜3回/週
現在の指標の達成状況【学習会・パネル展の開催頻度】2回/年 【通信の発信頻度】ほぼ毎日  + ○フリースクールへの公的助成を求める署名を実施(6,239人分の署名を市長と教育長に提出)
進捗状況1計画より進んでいる
4アウトプットてだのふあを近隣地域に開き、地域の方々や子どもたちの参加・参画を得て、地域コミュニティーの場として機能させる活動を実践している。
指標てだのふあ祭の開催頻度 てだ農園の整備状況
中間評価時の値・状態1回/年 整備完了
事後評価時の値・状態1回/年 整備完了
現在の指標の達成状況【てだのふあ祭の開催頻度】1回/年 【てだ農園の整備状況】整備完了  + ○てだのふあに面する公園の管理を市から受託し、毎日、子どもたちとスタッフで管理している
進捗状況1計画より進んでいる

短期アウトカムにつながりそうな、活動直後にみられた受益者、対象者、関係団体等の変化(言動)があれば記載してください。

●地域住民の理解と協力
 署名を呼びかけるため、保護者さんのはからいで、地元の方や観光客の方々が行き交う「朝市」の一角に署名用ブースを設けていただいた。小5の通学生が、お家でパソコンを打ち、絵や折り紙を添え、ラミネートした手製の看板も作った。署名活動では、子どもたちや保護者さんを中心にスタッフも入り、総勢10人以上が集まった。
 足をとめて署名用紙に向かう市民の方々から下記のような声が聞かれた。
「昨日の新聞を読んで、駆けつけました」「うちの子(赤ちゃん)が学校に行く頃にはどうなっているのか、人ごとではないです」「スクールに来ている子が、また元気を戻せるように頑張って下さい!」「私も中学のとき不登校でした。書かせてください」「行政の支援がないと、運営はきびしいですね。署名します」「(「てだのふあ」の説明後)ほんまや!これからの子どもはみんな太陽の子やな。大切にしたらなあかんな」<2024.6.16の「てだのふあ通信」から抜粋し要約>
また2回目の署名活動では「事業所ですけど、不登校経験の子どもたちも受け入れています。よろしければ」との声かけもいただいた。<2024.7.21の「てだのふあ通信」から抜粋し要約>


署名提出後、彦根市内の小学校のPTA研修部の方から下記メールが届いた。「本日の彦根新聞のフリースクール運営支援の記事を拝見致しました。山名さん(※通学生)の市長さんへの作文を読んで改めて、子供達にとって、とても大切な場所だなと感じました。合わせて他県や近江八幡市の支援の状況も理解致しました。微力ではございますが、私達の署名がそういった活動に役立っていることを誇りに思います。てだのふあへの公的支援が進むことを心よりお祈りしております。そして不登校の子供達が増加する中で、子供達が日々楽しく過ごせる環境が早急に整備されることを切に願います」<2024.9.7の「てだのふあ通信」から抜粋し要約>


●関係市職員の理解促進
 彦根市子ども未来部子ども・若者課の担当職員の方が来られて、子どもの意見を聴くための「子ども会議」を行った(なお、てだのふあ代表の山下が2023年度から『彦根市子ども・若者会議』に委員として参画している縁もある)。子どもたちはとつとつと自分をさらけだしながら、主体者として語った。担当職員の方が、「急な質問にも、よく話されますね。何より生き生きとされています!」おっしゃった。発言内容は、会議録にまとめ、行政に活かしていくとも発言された。<2024.8.29の「てだのふあ通信」から抜粋し要約>


●学校関係者の理解促進
米原市柏原小学校にて、校区の先生方、学校運営協議会の皆さん、当事者の保護者の方々とともに研修会が開催され、同じく不登校支援を行っている活動者と共に招かれた。
双方向の話し合いによる研修会で、皆さんの意見を聞きながら、深い学びができた。<2424.8.23の「てだのふあ」通信から抜粋し要約>

短期アウトカムの進捗状況

1アウトカムで捉える変化の主体地域(近隣)
指標てだのふあが地域コミュニティーの場になりつつある。 とりわけ、地域の子どもたちが気兼ねなくてだのふあを活用し、成長の場として位置づけている。 (把握方法) ・地域の人々の関わり ・地域の子どもの参加、利用
中間評価時の値・状態2024年9月                     てだのふあの存在が、空き家や独居老人の多い地域の活性化に 寄与しつつある。とりわけ、地域の子どもたちが、安心できる場になりつつある。 ↓ てだのふあ祭の参加者:30人/回 継続的に関わる近隣住民の人数:3人
事後評価時の値・状態2026年2月 てだのふあの存在が、空き家や独居老人の多い地域の活性化に寄与している。とりわけ、地域の子どもたちが、安心できる場になっている。 ↓ てだのふあ祭の参加者:30人/回 継続的に関わる近隣住民の人数:5人
これまでの活動をとおして把握している変化・改善状況○近隣住民がてだのふあ祭りに参加するなど、てだのふあの活動に対する理解が浸透しつつある ○近隣地域の子どもたちを受け入れる事業はできていないが、公園で学校と通っている子と交流する(ドッジボール等)ことは生じている 【てだのふあ祭りへの近隣住民の参加者】約50人(参加者約200人中) 【継続的に関わる近隣住民の人数】4人(元教員でまなびぃに協力、署名に協力、駐車場や施設の提供など)

短期アウトカムの状態の変化・改善に貢献した要因や事例

【人格形成を核とし、子どもの権利を尊重したスクール運営】
・人格形成を核として、子どもの権利を尊重した、民主的・対話的なスクール運営を行うことで、子どもたちが安心して休息し、やがて自らチャレンジするようになる。
【対話的なコミュニケーション】
・子ども、保護者、スタッフ間で丁寧なコミュニケーションを行うことで、相互の自由を保障しながら協力し合えるコミュニティが醸成されている。
【保護者の学びあいや相談の場の開催】
・不登校親の会、保護者会などを定期的に開催し、保護者が必要な学びとつながりを得られることで、保護者にとっても安心と学びの場となっている。
【自然体験の実践】
・自然教室の開催やキャンプの開催、てだ農園での野菜栽培などの自然体験により、子どもたちが心を開放できている。
【当事者の体験の言語化と伝達】
・子どもや保護者が自身の経験や体験を言語化する機会を設け、それを用いて講演やマスコミやSNSで発信することにより、当事者の体験を非当事者に伝達できている。
【子どもたちや保護者と地域住民が交流する場と機会の創出】
・公園の管理、てだ農園、てだのふあ祭り、署名活動など、子どもと保護者が、近隣住民と直接関わる場と機会を創出することにより、地域住民の理解や協力が得やすくなっている。

事前評価時には想定していなかった変化・影響

●波及効果
【子どもたちが自分にあった進路を選択できている】
・中学を卒業した子どもたちが、自分に合った高校を主体的に選択し、いきいきと高校生活を送っている。
【地域住民や事業者の協力の誘発】
・マスコミの記事がきっかけで、彦根ロータリークラブからウッドデッキの制作・寄贈を受けた。その際に知り合ったロータリークラブの会長が、自身の所有不動産を第二スクールにお貸しいただけるようになった。
・署名活動で出会った方の中から「自分にもなにかできることありませんか」と声をかけてくださる方が現れた


●外部的な状況の変化
【入校希望者数の増加】
・不登校児童生徒が増加しており、入校相談も増えている。特に低学年化や課題の深刻化が進んでいる
【県内の首長の問題発現による不登校問題への関心の高まり】
・2023年10月に他市の市長が問題発言をしたことにより、不登校問題が大きくマスコミで報じられ、世論の関心が高まった

事業進捗の評価

評価の視点自己評価(価値判断)結果
アウトカムが発現するための活動が適切に実施され、アウトプットは想定どおり積み上げられているか

活動計画に記した活動はすべて実施できており、アウトプットも全般的に計画以上の積み上げができている。いずれも、ロジックモデルで想定したとおりにアウトカムの発現につながっている。

アウトカム発現への貢献要因や阻害要因を把握し、事業改善につなげられているか

アウトカム発現への貢献要因と阻害要因は概ね、これまでの活動経験も踏まえて把握できている。阻害要因としては、行政の理解と公的支援に向けた動きが乏しいことが挙げられており、その課題に応じて事業改善を図る。

組織基盤強化や、事業活動が円滑に進むための環境づくりができているか。また事業終了後を見据え、活動が継続するための取り組みが進んでいるか

助成事業終了後も事業を持続・発展させることができるよう、体制の整備と財政基盤の整備とを進めている。体制整備としては、経理や事務の体制整備、市民や事業者の理解と協力の拡充、ホームページの設置を着実に実施できている。財政基盤の整備では会員の拡充と公的支援の実現を目指し、入会呼びかけおよび行政との対話や署名活動等を行っている。

事業の改善結果

事業の改善結果

項目内容
事業設計(ロジックモデル)の改善ポイント

賛助会員の拡充とフリースクール運営への公的支援の実現を新たなアウトカムに定め、課題、活動、アウトプットを定めた。 また、子どもたちの増加に対応し、第2スクールの開設を活動に加えた。 なお、不登校・ひきこもり経験者の参画については、試行をした結果、困難さが明らかになったので事業計画から省く。

事業計画書の改善ポイント

同上

その他

事業で最も重視する指標・変化

不登校を理由に、社会的に孤立したり、自立を妨げられたりすることがないよう、子どもたちを理解し応援する人々の環が地域に広がっている。これにより、不登校を経験した子どもたちが、個性を発揮しながら、社会的に自立している。

広報に関する報告

シンボルマークの活用状況

自団体のウェブサイトで表示

広報

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

滋賀民報社 2023年1月~12月、毎月1回「フリースクールからの伝言」を掲載
中日新聞 2023年3月にてだのふあの記事掲載
2024年9月 署名提出の記事が各紙に掲載
その他、彦根新聞社に2回掲載 

広報制作物等あり
内容

代表(山下吉和)のFacebookにて「てだのふあ通信」をほぼ毎日発行
「子らのいのち輝く署名」の用紙と共に、不登校の状況やフリースクールの運営課題に関するチラシを制作し配布

報告書等あり
内容

「人権と部落問題」(2024年4月号)にレポートを掲載

イベント開催等(シンポジウム、フォーラム等)あり
内容

2023年10月下旬に「てだのふあ祭」を開催(参加者約200人)