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事業完了報告

2024/08/27更新

事業概要

事業期間開始日 2023/07/01終了日 2024/02/29
対象地域静岡県内中部・東部地区
事業対象者

以下2つの条件に合致する方
①生活困窮に陥っており、学びたくても学ぶ機会を持てない方
②学びを通じてキャリア形成していきたい方
 (無職の方は就労、勤務中の方は労働条件改善を目指している方々)

事業対象者人数

50人

事業概要

経済的に生活が苦しい方々への「生活支援」と「キャリア形成に向けた大人の学習支援」のトータルサポートを行う。
具体的には、それぞれの支援対象者のニーズに応じた「生活支援」をして、学びの動機付けを行う。(生活支援の上限は3万円、平均2万円を想定)
・「生活支援」とは支援対象者が以下例のような希望する物品を想定
例1:派遣切りにあい住む場所と仕事を一度に失った方
⇒就労面接や当面のお金を稼ぐための衣服(スーツ、作業服、安全靴等)

例2:一人親で子供の出費が多く、生活がままならない方
⇒子供に関する出費(制服、運動靴、体操着等)
・支援対象者への総合的支援は、生活困窮者自立支援制度の各市町村の相談窓口が行い(住宅、食料含む)、当該相談窓口と連携してサポートする。
・「キャリア形成に向けた大人の学習支援」については以下を取組む
 ①静岡県内で活躍している講師に依頼し、キャリア形成につながる講座を開催(話し方講座、パソコン教室、雇用保険制度の学習等)
  昨年度の取組を踏まえ、話し方やパソコン等の就労に必須のスキルを習得することで、自分に自信を持つことを付加的な目標と設定
 ②過去および将来のキャリアを考えるための心理検査を実施
 ③キャリアコンサルタント資格者によるキャリアカウンセリングの実施
・「生活支援」を受ける条件として「キャリア形成に向けた大人の学習支援」の各取り組みの参加を必須とする。
・生活支援が必要な対象者かどうかについては、前述した各市町村の相談窓口と連携し、本人同意のうえ対象者の情報提供を受けて選定する。
・昨年度取り組んだ企業との関係を維持しつつ、支援対象者自身が就労、労働条件改定に取り組んで頂き、相談援助は定期的に実施
 (対象者の自己決定力を尊重。必要に応じ企業の情報提供や就労体験の調整等を個別に対象者に行う)

事業の総括およびその価値

昨年度に続いて働くまたはキャリアアップする意欲はあるが生活困窮している方々を対象に、講座参加や面談を中心とした就労支援を行った。学習支援は8月より7種類の講座を計48回実施し、のべ206名が参加した。話し方教室、PC教室、心理検査、就労相談に加えて、新たにアンガーマネジメントやビジネスコミュニケーションといったすぐ使えるスキルに関する講座を開設した。参加者から「仕事に活かせる内容でよかった」という評価に加えて、「講座や相談そのものが居場所になった」という意見も少なくなかった。生活支援は講座参加した方のうち32人に物品支給したが、一人親の方は子供向けの物(例:習字セット)、参加者自身のもの(例:通勤のための自転車)、生活物資(例:洗剤)の3つに分類された。参加者のうち物品支援や交通費負担ない場合本事業に参加できなかった割合が76.2%となり、キャリア形成したい生活困窮者にアプローチできた。

課題設定、事業設計に関する振返り

物価上昇が2022年後半から顕著になり生活困窮者がさらに困窮に陥る可能性があったため、本事業はキャリアアップのための講座参加や面談に加えて、生活(物品)支援を同時に行い、働くまたはキャリアアップする意欲を引き出すこととした。実際、2023年平均の消費者物価指数が前年比3.1%上昇し、参加者からも生活が苦しくなったという生の声を聞いた。また、生活支援のうち割合としては参加者自身のものが多かったが、通勤のための自転車のほか新しい生活のための家電(電気ポット、レンジ)や食器、洗濯道具(ハンガー等)を支援した。社協等の借入では申請から受領まで一定の時間がかかるのに対して、本事業ではスピード感をもって本人の自立、就労のサポートをすることができた。こういった点で、就労支援と生活支援を組み合わせた事業設計は効果的であった、と考える。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1学びの動機付けとなる生活支援を受けたうえで、「大人の学習支援」を受講した支援対象者数が50人
指標本事業の利用者数
目標値・目標状態50人
アウトカム:結果42人
アウトカム:考察目標の50人に達成しなかったが、昨年度の36人より増加し、42人(達成率 84%)の結果となった。今年度他団体との連携を強化したが、静岡県母子寡婦福祉連合会において本事業のチラシデータを対象者数百人のグループラインに連携いただき、昨年度にはいなかった一人親の方が17名参加いただく結果になった。
2本事業に参加した支援対象者が、参加前と参加後での気持ちが前向きに変化した割合が80%以上
指標利用者自身の前向きな変化率
目標値・目標状態80%
アウトカム:結果85.7%
アウトカム:考察各相談者より事前事後のアンケートを取得したが、相談者数のなかで前向きに変化した率は、目標の80%を超えた。「講座や相談そのものが居場所になった」という意見や、さらに「もっと参加者同士のコミュニケーションの場が欲しい」という要望もあった。講座を通じてスキルアップを図るなかで、悩みながらも自己肯定感が向上し、就労する意欲が増加する姿を現場で実際にみることができた。

アウトプット

1本事業に参加した支援対象者が、就労または雇用条件改定した割合が50%以上
指標就労または雇用条件改定した割合
目標値・目標状態50%
アウトカム:結果52.3%
アウトカム:考察対象42人中22人就労または雇用条件改定し、就労率52.3%と目標達成した。 子ども4人抱えた一人親/10年以上ひきこもり/親からのDV被害者/給与未払いの会社からの逃亡者等今年も困難な状況に陥った対象者が多かった。生活支援で必要な支援をしながら、講座を通じて自己肯定感をあげた。並行して、個別面談や心理検査を重ねて就労や雇用条件改定に繋げる取組をした。就労の多くは派遣の仕事で不安定である為、本事業後も対象者と関係を継続していく予定。 昨年の事業の参加者のうち今年も参加した方が数名いた。今年の事業後に初めて就労開始した方や、既に働き始めていた方が時給アップした方がいて、継続的な支援が実を結んだ。

活動

1各相談窓口(市役所、社協、NPO団体)に対して本事業の案内と対象者の紹介依頼
活動結果計画通り
概要富士市、富士宮市、沼津市、三島市、掛川市等の市役所及び社会福祉協議会に加えて、一人親を支援する複数の団体(静岡県母子寡婦福祉連合会、ひとり親サポートセンター、男女共同フォーラムしずおか)に連携した。静岡県母子寡婦福祉連合会では本事業のチラシデータを対象者数百人のグループラインに連携いただき、結果昨年度の取り組みにはいなかった一人親の方が17名参加いただく結果になった。
2相談窓口と情報連携したうえで対象者選定
活動結果計画通り
概要必要に応じ各相談窓口に連携し、対象者を選定した。住んでいる地域が遠い方など、一部対象者本人が辞退する例もあったが、それ以外は応募者全員が本事業に参加することができている。
3対象者決定後、各対象者ごとの課題に応じた「生活支援」を実施
活動結果計画通り
概要講座参加した方のうち32人に物品支給した。お子さん向けのもの(習字セットや歴史の漫画等)、参加者自身の就労や生活に必要な物(通勤のための自転車、新しい生活のための家電)、物価高騰を受け生活物資と3種類にジャンルわけるすることができた。参加者のうち物品支援や交通費負担ない場合本事業に参加できなかったという割合が76.2%となり、キャリア形成したい生活困窮者者にアプローチすることができた。
4各対象者からの申請に基づき「大人の学習支援(各種講座、心理検査、就労面談等)」を実施
活動結果計画通り
概要「学習支援」は8月上旬より7種類の講座を合計48回実施し、延べ206人の方が参加した。(1回あたり4.3人参加) 参加者から「仕事に活かせる内容でよかった」という評価を得たが、「講座や相談そのものが居場所になった」という意見も少なくなく、就労やキャリアアップという目的とともに居場所づくりによる気持ちが安定し、前向きになるという効果もあったと考えられる。
5事業の実績を取りまとめた報告書の作成
活動結果計画通り
概要本事業の目的、取組内容、事業の実績、講師や参加者からのコメント等をまとめた事業報告書を1,000部作成した。事業終了後、協力いただいた市役所、社会福祉協議会、他NPO団体等に郵送または対面で報告書をお渡しする予定となっている。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

特になし

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

本事業を推進していくなかで、以下のようなニーズの拡大があった。
①一人親の方で特にお子さまが小さい場合、リアルな場での講座に参加いただくことが難しいことが顕在化した。ある一人親の方はお子さんを預ける場所を検討してほしいという依頼もあったが、本事業においてはネットを活用し、一部の講座はネット(ZOOM)で参加いただけるように対応した。(アンガーマネジメント講座 合計8回リアルとZOOMで開催)
②すでに参加していた方々から、仕事上でいますぐ使えるスキルも身に着けたいという要望が出てきた。そのため、12月~2月にかけて3回「すぐ使えるビジネスコミュニケーション講座」を開催した。報・連・相といった仕事上基本的なことを、それぞれの参加者の状況に応じて、かつ他の参加者からの状況も勉強してスキル向上をする場を作ることができた。
今後、支援を継続していくなかで、リアルとネットの使い分け、短期的な支援(すぐ使えるスキルの勉強)と長期的な支援(自己肯定感の向上)の使い分けを意識していきたいと考える。

外部との連携実績

1活動静岡県母子寡婦福祉連合会
実施内容本事業のチラシデータを静岡県母子寡婦福祉連合会のグループLINEにて展開(グループLINEは数百人)
結果・成果・影響等結果昨年度の取り組みにはいなかった一人親の方が17名参加いただいた。
2活動NPO法人男女共同参画フォーラムしずおか
実施内容昨年度に続いて今年の事業の内容を連携し、対象者がいたら直接POPOLOに連携いただくように伝えた。
結果・成果・影響等対象者1名の申し込みがあった。
3活動富士市、富士宮市、沼津市、三島市、掛川市等の市役所及び社会福祉協議会
実施内容本事業の参加者の相談内容や講座の参加状況等を本人承諾のもと市役所や社会福祉協議会に連携。
結果・成果・影響等対象者の募集から、その後の支援の報告等行政機関とともに複合的な連携ができた。
4活動任意活動団体YokaYoka
実施内容ある参加者は就労の悩みとともにお子さんが不登校について悩んでいた。相談のなかでその問題に対して、子ども向けの居場所づくりを展開している任意活動団体YokaYokaを紹介した。
結果・成果・影響等POPOLOとの相談において、様々な連携先があることによって相談しやすい環境をつくることができた。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)なし
広報制作物等あり
内容

8月上旬に作成した本事業のちらし(データ作成し、コピー機で印刷したもの)を8月~10月中旬まで市役所、社会福祉協議会、他のNPO団体向けに配布した。

報告書等あり
内容

本事業の目的、取組内容、事業の実績、講師や参加者からのコメント等をまとめた事業報告書を1,000部作成した。事業終了後、協力いただいた市役所、社会福祉協議会、他NPO団体等に郵送または対面で報告書をお渡しする予定となっている。

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

内部に窓口を設置

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかいいえ
報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)内部監査
内容

監査は監事の千代幸嗣が会計書類のチェックを行い、さらに理事長と事務局長に対しての面談での事業実施ヒアリングによって行っている。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

参加者の中から「講座や相談そのものが居場所になった」という意見や「さらに参加者同士が交流できる場がほしい」という要望があり、新たに認識した課題として孤独を感じている方が想定以上に多いことがあげられる。今後、就労支援を取り組んでいく中で、副次的な効果として居場所や参加者同士の交流という点も意識していきたい。