事業完了報告
2024/08/27更新
事業概要
事業期間 | 開始日 2023/08/01 | 終了日 2024/02/29 |
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対象地域 | 神戸市中央区 | |
事業対象者 | 神戸市中央区小学1年生~6年生の子ども、中高生 | |
事業対象者人数 | 2880(1日30名×週4日×月4週×6か月) | |
事業概要 | ①現在神戸市中央区における中心に位置する三宮エリアで食糧配布を行っているが、距離的に通うことが難しい家庭に対しサテライト的機能を持った別拠点を持ち、より地域に密着した形で物資を届けられる環境を確保したい。 |
事業の総括およびその価値
子どもの居場所事業としては、当初想定していた中高生の利用者数は立地の関係上実数値が伸び悩んだものの、元々不登校だったある中学生が居場所に通い法人のイベントにも参加し、結果的に学校にも通えるようになった事例が発生するなど、地域の子ども達に対し居心地の好影響をもらたす居場所提供ができたと感じている。小学生についても地域に学童保育や児童館があるにも関わらず、本事業の居場所の利用者が非常に多かったことから、該当地域において室内で安心して過ごすことができる居場所は小学生にとってむしろ多くのニーズがあることが捉えられた。
また、兼ねてから行っていた子育て世帯向け食糧支援の実施拠点を増やすことができたことで中央区東エリアに在住する新たな世帯との接点を得ることができ、法人としても本事業を通じ、出口戦略を含めた新たな拠点を運営し始めたことで”神戸市中央区”で活動する第一歩を踏みだすことができたと感じている。
課題設定、事業設計に関する振返り
本事業拠点の立地の特性として、”①比較的生活困窮度の高い世帯が集まっていると捉えていた中央区東地区の中でも、北側に位置している当拠点周辺は生活に余裕のある世帯が多く住んでいる地域であったこと②中学校校区が特殊な区切りになっている地域であったこと”の2点から当初の課題設定をしていた子どもの利用には目標に対する数値的な難しさがあったことが判明した。この点については、本事業で拠点を持ったことで新たな地域との繋がりができ、地域の繋がりの中で得た地域事情と居場所を実際に運営したことから捉えることができた地域特性であった。
その中でも小学生の居場所としての機能は想定以上の利用があった中で大きな事故なく運営ができ、子育て世帯向けの食糧支援においても狙い通り新たな利用者と繋がることができたこと、無事出口戦略として置いていた法定事業の受託が完了できたことから事業設計については予定通り遂行できたと捉えている。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
1 | ・神戸市中央区中心部へ通い辛い東エリアの困窮世帯に対し、食糧支援が行き届く環境が整う。 | |
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指標 | ①東エリアに通う既存の利用世帯数 ②食支援に来る新規の利用世帯数 | |
目標値・目標状態 | ①30世帯 ②10世帯 (合計40世帯) | |
アウトカム:結果 | ①23世帯 ②9世帯 | |
アウトカム:考察 | 神戸市中央区東地区へ食糧支援が行う環境整備は完了したが、本事業開始に伴ってスタッフを新規配置して食糧支援を行ったことから、開始数カ月の間利用者の方とのコミュニケーションが薄く、新たな世帯への繋がり斡旋の動きが鈍かった。 11月頃よりスタッフが食糧支援の対応 に慣れ、利用者の方とのコミュニケーションを積極的に行う意識としたことで、知り合いの方を紹介してもらう動きがあり新規利用に繋がった。 また同時期頃から地域との繋がりから徐々に広報を進めることができ始めた。 | |
2 | ・主に障がいを持つ子どもが学校や家庭以外に安心して過ごせる居場所ができる。 | |
指標 | ①利用人数 ②利用者への様子の聞き取り ③ホットできる居場所があるかの質問(4段階評価) | |
目標値・目標状態 | ①1日10人/延べ960人 ②「安心できる居場所」という回答を60%以上 ③「ある」の回答が80%以上 | |
アウトカム:結果 | ①延べ694人(小学生) ②90%(共通アンケート) ③95%(共通アンケート) | |
アウトカム:考察 | 居場所開所が9月からとなったこと、開所当初は利用人数が伸び悩んだことから最終目標値には達さなかったものの、認知された後は安定した小学生利用状況から地域のニーズに合う居場所事業ができたと捉えている。 実施事業の趣旨として非登録の居場所事業であったため、”障がいを持つ子ども”の利用については多く見受けられなかったが、地域の子どもにとって居心地の良い居場所提供は行うことができた。居場所での過ごし方についても、開所してから時間が経つにつれ、落ち着いて楽しそうな様子であった。 | |
3 | ・身近に日頃相談できる相手・環境がない保護者にとって、同じ悩みを共有し、相談できる居場所ができる。 | |
指標 | ①利用人数 ②ホットできる居場所があるかの質問(4段階評価) | |
目標値・目標状態 | ①1日10人/延べ48人 ②「ある」の回答が80%以上 | |
アウトカム:結果 | ①延べ2名 | |
アウトカム:考察 | 子育て世帯向け食糧支援において、新規スタッフで運営したことにより利用者とのコミュニケーションが上手く進められず相談支援を行ってもらうまでの関係性を構築するのに困難を極めた。スタッフ側からの積極的なコミュニケーション意識はもちろん、①環境設定②一定の時間の2点が必要であることを再認識した。 また、子どもの居場所事業については非登録型で運営したため、保護者との繋がりが持つことが難しく、非登録の居場所事業を行う上でも保護者と繋がる為の工夫(例えば保護者を対象としたイベント実施など)を行えるとより良かったと感じる。 | |
4 | ・地域の中高生にとって学校・家庭以外に安心して過ごせる居場所ができる。 | |
指標 | ①利用人数 ②利用者への様子の聞き取り ③ホットできる居場所があるかの質問(4段階評価) | |