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事業完了報告

2025/03/06更新

事業概要

事業期間開始日 2024/06/01終了日 2025/02/28
対象地域うるま市・うるま市島嶼地域
事業対象者

母子家庭、貧困層、多子世帯、ワンオペレーションで困っている共働き家庭の親子で学校へ行き渋り・学校へ通えてない子どもとその保護者(小学校4年生~中学3年生)

事業対象者人数

うるま市島嶼地域(平安座島・宮城島・浜比嘉島・伊計島)の小学生160人、うるま市の小中学生(約1万2500人)

事業概要

本事業ではうるま市の島嶼地域の小学生を対象に下記のことを実施します。
①送迎付きの学習②体験活動③日中の居場所の提供
対象:家からは出れるが学校へ行けない、行かない選択をしている不登校や行き渋りとなっている子ども達
頻度:週に3日、4時間程度
開催場所:島嶼地域内の旧学校などの施設や公民館を想定
活動目的:学習支援・食事支援ができる居場所の提供を行い、生活リズムの安定化や学習の遅れ対策、体験の機会を作る。また放課後にも誰でも来れる居場所を開催することで不登校予備軍の子ども達が気軽に相談できる居場所を開催する。
日中の食事支援としてスタッフと子ども達が共に献立を作り買い出し、調理、片付けまで行うことで生きる力、体作り、生活習慣の流れを作る。また体験学習として子ども達のやってみたい・行ってみたい・挑戦してみたいに寄り添い小さな成功体験から社会へ繋がっていけるよう環境作りを行う。学習支援として紙媒体でのプリント学習からパソコンを活用し調べる、アプリを活用し学ぶ、オンライン学習会に参加してみるなどレベルに合わせて子ども達と共に向き合う。年度の後半には島嶼地域のみならずうるま市全域へ角川ドワンゴ学園と市教育委員会が2020年から続けている取り組みで、小中学生対象に島を出なくても最先端のICTを学ぶことができるネット部活へも繋いでいけるよう取り組む。行き渋りの子どもや不登校気味の子ども達が気軽に話せる友達や大人・相談ができる人がいることを知り、たくさんの人に関わって行くことで子ども達の刺激となり、親・学校の先生以外で相談できる人を作り、更には体験学習を活用することで新たな自分自身の道を見つけるきっかけや社会と繋がっていける環境を提供する。地域で子ども達を見守れるよう地域の方と協力しチームを組んでサポート、各種関係機関とも話し合いができるよう環境作りに取り組む。

事業の総括およびその価値

今回の事業では、日々の支援によって不登校や不登校予備軍の子ども18名中10名が通常通り登校するようになり、残る8名も家庭事情等で不安定ではあるものの、平均して学校へ週1回、居場所へ週2回は通えるようになった。家庭環境に課題を持つ子は食事が不規則で少食かつ野菜を食べられない時期もあったが、日々の活動や体験活動への参加を重ねることで少しずつ食べられるようになった。一方、朝起きられない子には自宅へ訪問し起床から準備、登校をサポートした。不登校の背景は多様であり、一概に解決は難しいが、行政と連携し家庭に寄り添うことで生活の安定、学習支援、そして登校支援へと繋がることが分かった。加えて「家族全体」としてだけではなく、同時に個々人が抱える課題感や生き辛さに寄り添うことも必要であり、支援における重要な鍵となることを感じた。今回の事業を通して継続的な支援が必要不可欠であり、今後も支援を拡充していく必要性を強く感じた。

課題設定、事業設計に関する振返り

事業開始当初は島の外にも支援の目を向けていたが、いざ活動を開始してみると島内だけでもかなり深刻かつ多くの支援が必要な状態だと判明したため、活動は島内と島外から直接問い合わせのあった1世帯にフォーカスした支援となった。また活動場所に関して公民館と事務所の2ヶ所で実施したが、子ども達の心理的負担や道具移動などでスタッフの負担が大きいことが判明。負担軽減のため事務所1ヶ所へと機能を集約した結果、下記の変化が見られた。
・子ども達が自分のタイミングで気軽に相談に来るようになり、相談件数が増加
・体験活動を多く取り入れたことで参加率に比例し発言の量や内容、興味関心に大きな変化
・「自分の気持ちを伝えることが増えた」と全スタッフが実感
・表情の変化や気分が落ちてしまうことがあっても以前より回復も早くなる
・食支援を通して食事提供のみならず、子どもとの調理時間を設けたことで関心が高まり、意欲的に調理する子が増えた

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1子ども達の心の拠り所となり、様々な子どもと繋がりを持っている拠点となっている。
指標①学習支援・居場所の回数 ②利用者数や来所日数、関われた日数。 ③支援する子やその家族の変化(支援実例)
目標値・目標状態学習支援・居場所の開催:週3日開催。 支援する子や保護者との関わり:月1回(最低1組)
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察週3回の居場所開催と体験学習・ワークショップを計38回開催。当初は公民館と事務所の2ヶ所で実施したが、子ども達の負担軽減のため事務所1ヶ所へと機能を集約。その結果、子ども達が自分のタイミングで気軽に相談に来るようになり、9月以降の相談件数が月1.5倍に増加した。相談内容は「友達を守ったが自分が仲間外れになって学校に行けない」など人間関係が中心ではあるものの、不登校の原因となり得るのものもあった。子ども達が安心して話せる場を提供する重要性が確認された。また、保護者間の繋がる機会や悩みの共有時間が欲しいという声と共に毎月ゆんたく会を開催(保護者/地域)。毎回5世帯以上の保護者が参加し関係を築けている。消極的だった保護者との繋がりも増えた。
2各種関係機関と連携を取りながら継続的支援機能を持った居場所の運営ができるようになっている。
指標①関係機関数 ②連携実例数 ③居場所の開所日数
目標値・目標状態関係機関との連携数:月1回 居場所開所数:週3日
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察子どもの居場所関係者とは事業開始前より新たに24社、行政や地域の企業など関係機関数は新たに11社と増え、さらに2人の議員との繋がりができた。また週3回の開所に加えイベントを月2回以上は開所することができた。行政関係者との面談は月1回以上実施し、加えて学校や地域機関とのサポート会議も新たに立ち上げ、月1回開催することができた。また、似たような特徴を抱える北大東島や伊是名島の方とも繋がり、今後の支援について情報交換をすることができた。医師や作業療法士など医療関係の方との繋がりも強化することができ、様々な研修会へ参加したことで、継続的支援機能を持った居場所の運営ができている。

アウトプット

11.多くの子どもと関わる機会が増え、不登校や行き渋りの早期発見・早期対策ができる環境作りに取り組むことができている。
指標①来所や連絡の取れた回数 ②学校への登校日数や登校できた時間の変化。 ③気軽にできる相談BOXの設置
目標値・目標状態①②居場所や学校と繋がっている時間や通えている日数が前年度と比較して繋がった時間や登校時間が1.5倍多くなっている。 ③子ども達との対話の回数(月1案件以上)
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察居場所や学校に行く日が増え、子ども達との対話も倍に増えた。最近では保護者からの相談やSSWからの問い合わせも多い。相談BOXの設置はレベルが高く、まずはやってみたいことBOXを設置。結果、12月3人・1月11人のやってみたいを叶えることができた。今回の支援対象者Aさんは保護者の都合で自宅から島外にある親戚宅に預けられることやネグレクトが原因で不登校に繋がっていた。今年は不登校支援を開始したことをきっかけに自ら保護者に対し「親戚宅には行きたくない。居場所か学校へ行く」と伝え、島から出る機会を減らした。結果、親戚宅では引きこもり生活だったが居場所と繋がり、校内にまで入ることができず居場所へ来ることも多かったが、社会的繋がりは増えた。
22.ワークショップや体験学習の企画・実施に取り組むことができている。さらに個人のレベルに合わせた学習が行える環境が整っている。
指標①参加回数 ②子ども達による企画・体験学習の実績 ③学習に取り組んだ回数
目標値・目標状態①最低でも一回は体験学習を企画・開催できている。 ②参加回数が増えている 。 ③学習回数を個人ベースで計上し、増加している。
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察体験活動やワークショップを計38回開催。その内、共同開催も含め21団体が初めて繋がり一緒に企画する事ができた。また今まで学習に関心のなかった子が体験活動への参加率が増えたことで「これから必要になりそうだから学びたい」「そろそろ勉強しないとやばい」と将来を見据え、自分自身と向き合う発言が増えただけでなく、その意欲を支える環境が整っている。体験活動に参加した子からは「今度授業で冬休み中に1番楽しかったことの発表があるから、体験したことの話をするね。」「連れて行ってくれてありがとう」と感謝の言葉や意欲・関心の向上、さらには本人の成長が見られた。また興味関心レベルの会話から、より専門的にこの分野を学びたいと会話の質も上がってきた。
33.子ども達の受け皿となるため地域や各種機関との関係作りに取り組むことができている。
指標①連携団体との関係作り。 ②連携機関の増加。
目標値・目標状態①関係機関との面談回数や連携実例が増加している。 ②連携先の数が増加している。
アウトカム:考察6月から新たに学校、うるま市社会福祉協議会、学童、民生員、当団体でサポート会議を月1回と定期的に開催することができた。また子育て包括支援課やこども政策課、教育委員会、支援センターなど行政や関係機関との繋がりもできた。法人拠点のうるま市内のみならず、似たような特性をもつ伊是名村や南大東島の役場職員との意見交換会も実施。また、採択団体の開催する研修会でオリブ山病院や児童発達支援センターとの繋がりもでき、支援における技術的な学びも得ることができた。さらに、県外で不登校支援や発達支援を行っている法人との関係も作ることができ、新たに24社との新たにつながりができた。
44.組織力強化に取り組むことができている。
指標①支援対象者と繋がるきっかけになる広報の作成 ②関わる人(スタッフ間)子ども達へ接する際の共通言語や心配な子に対して共すべきポイントの共通認識ができている ③代表が現場だけでなく、資金調達や協力者集めに時間がさけるようになっている。
目標値・目標状態①広報物ができている。 ②日中の居場所運用に関する基本的なポイントやリスク管理に関して関係者への研修やマニュアルなど言語化されている。 ③日誌や日報で報告・相談をすべき内容が明確になっている。
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察不登校支援のためのパンフレットを作成・配布し、広報活動を通じて市役所や知り合いから新たなつながりを築いた。また、スタッフ間で共通の言語を持つためのマニュアルを作成し、毎月のスタッフMTGや日々の終礼を通じて、子ども達の言葉や反応をこまめに共有する環境を整えた。他地域との交流により新たな支援者ともつながり、広報誌も作成。日誌や日報を導入し、定期的なMTGで課題を共有。さらに、困窮者支援ネットワークが提供する研修に参加し、その内容を活用してスタッフ内での研修も実施した。これらの取り組みを通じて、組織力強化と支援の質を向上させることができた。

活動

11)子どもたちの居場所となる物理的な環境を整備する。 場所:うるま市平安座島の一軒家、自治会館、公民館 頻度:週3日7時間 実施事項:小学生が利用する際の危険箇所のチェック、改修、施設利用ルール決め、施設との契約条件の取り決め、締結、雇用スタッフの選考、研修、打合せの実施
活動結果ほぼ計画通り
概要自治会館から一軒家のみに活動拠点を絞り週3回いつでも来られるような環境を作った。利用する際に危険箇所は修繕し、施設内のルールを取り入れ安全に過ごせる環境を整備。スタッフの雇用に関して新たにルールを設け、目的の共有や理解が得られる環境を整備。子ども達自身が過ごしやすい様に家具や備品の設置をした。その結果、子ども達から「楽しいから行きたい」「いつでも人と繋がれるから行きたい」と声が上がる様になった。
22)新規の子ども達との接点づくり。 実施事項:月1回体験学習やワークショップを開催。対象は島嶼地域の小・中学生。講師や引率者として下記のような内容を想定。 実施予定内容:広大な敷地でヨガや運動、アートの講師を呼び体験学習の実施、美ら海水族館への体験学習、料理体験など、学校や家庭で機会がないとできない体験をすることで自己肯定感の醸成や出会ったことのない大人の生き方や価値観を知ることを目的とする。
活動結果計画通り
概要計38回の体験学習の中で、自己表現の場としてアート体験を多く企画。最初は職員発案が中心だったが、子ども達から「やってみたい」という声が増え、希望を紙に書いてBOXに入れる仕組みも定着。少しずつ実現できる環境が整い、「連れて行ってくれてありがとう」「やらせてくれてありがとう」といった感謝の言葉が聞かれるようになった。これにより、子ども達が体験を通じて自己肯定感を高められる場作りの重要性が分かった。
33)学習環境を作る。 場所:日中(事務所兼居場所)・放課後(平安座公民館) 実施予定内容:学習に遅れを感じている子どもに対しテキスト集やパソコンでYouTubeやアプリを活用。リアルな学年に合わせた学習ではなく、その子にあったレベルの環境を作る。また学習に抵抗のある子は遊びやボードゲーム学習から取り組む。絵本を読める環境も整える。公民館では主にプリント学習や学校からの宿題に取り組む。
活動結果ほぼ計画通り
概要元小学校の先生が職員に加わり、学習サポートを開始。学習に関心のなかった子が「宿題をしないと」とノートを開くようになり、不登校で学習をしていなかった子も「そろそろ勉強しないと」と発言するようになった。また【感情カード】を取り入れたことで、子ども達が自分の気持ちを表現しやすくなり、他者の感情を理解したり、新しい感情を知るきっかけが増えた。これにより、学びと感情表現の両面での成長が見られた。
44)地域のサポート体制強化に取り組む 実施予定内容:様々な関係機関と繋がり、地域で子育てができるチーム作りや環境作りを目指す。コンビニや飲食店と連携し職場体験や子ども達が企業調査などができる環境を整える。また子どもが買い物に来た際などに声かけをしていただくなど地域で子ども達の見守りやサポートができる関係作りを目指す。また民生委員や子ども会とも連携を図り協力体制を作る。
活動結果計画通り
概要地域でのサポート体制強化のため、地域ゆんたく会や保護者ゆんたく会を設け、子ども達と顔を合わせる機会を作り、気になる行動があれば地域で情報共有ができる仕組みを整えた。また、コンビニや商店にも見守りを依頼し、子どもを探す際の協力体制を構築。さらに民生委員や子ども会とも連携し、見守り強化やイベントの情報交換を行うことで、地域全体で子ども達を支える体制づくりを進めた。
55)地域企業との取り組み 実施予定内容:企業・個人で活動している方とイベント開催やコラボ企画をするなど活動の露出機会を増やす。今後の継続運営や資金確保、サポート連携に繋げていく。個人・法人へ寄付依頼の訪問(最低3企業以上)やコラボを企画(最低1企業以上)するなどの取り組みを行う。新聞社やテレビなど広告関係の方と繋がり関係を作る。
活動結果計画通り
概要近隣地域の居場所やパーラー、学童、フリースクール、放課後デイサービスなどの企業と共同企画しイベントを立ち上げ、開催。(水鉄砲イベント・ビーチクリーン・運動イベントなど)また地域企業へ活動紹介やイベント案内を行い支援の輪を広げることができた。登壇する機会もいただけ支援へ繋がった。イベントを通じて新聞社やテレビに掲載。その記事を見て問い合わせや仲間に入れて欲しいと問い合わせにも繋がった。
66)自団体の組織力強化 実施予定内容:共通言語や課題・意識を向けることへの共通認識に課題感がある為、基本的なポイントやリスク管理に関して研修会やマニュアルなど言語化を目指す。日誌や日報で報告・相談をすべき内容が明確化できるように取り組む。現場と裏方サポートメンバーの月1回のミーティングも行い連携を図る。3ヶ月に1回は全体ミーティングや研修会・情報交換・意見交換を行い多様な価値観の交換の場を設ける。
活動結果ほぼ計画通り
概要資金分配団体主催の研修会に参加し、学んだ内容をスタッフMTGで共有。保健師との月1回のMTGでは、活動時の怪我リスクや対処法についての研修も実施。当初予定の3ヶ月に1回の全体MTGを月1回に増やし、子ども一人ひとりへの対応を話し合い、スタッフ間の共通認識を深めた。その結果、少しずつではあるがマニュアルや必要な資料の作成が進み、支援体制の強化につながっている。
77)ノウハウ研修や外部団体への視察を行い対人援助力の強化 実施事項:対人援助技術研修・対話研修・県外視察 活動予定内容:シビアなケース対応に課題感があるので対人援助技術を学び、相手の理解やパターン、自分を守るスキル強化。また県外で最先端な支援を行っている居場所を視察。居場所や支援ノウハウを学び、強化を図る。対話研修などを行い、言葉掛けの幅を広げより子ども達の声を拾えるように専門家から学び強化する。
活動結果ほぼ計画通り
概要9月東京、12月神戸・北海道の研修で他団体の視察を行い、不登校支援や発達特性に特化した法人の取り組みを学んだ。特に保護者を巻き込み、子どもと共に支援を進める重要性を実感。当団体の支援を振り返ると、子ども達だけでなく保護者にも課題があり、双方への支援が必要となるため今後は、他団体のノウハウを活かし、保護者を含めた支援体制を強化し、現場への落とし込みを行なっていく。今後に繋がる学びある研修となった。

資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括

1取り組み

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

不登校支援を通じ、不登校の背景には様々な要因があるが、共通点として「夜中まで起きて朝が起きられない」子どもが多いことが分かった。そこで宿泊体験を実施し、就寝・起床時間を設定して規則正しい生活を送る取り組みを行った。1泊2日という短期間ではあるが、子ども達は決められた時間に起き、食事をしっかり摂ることができた。この体験を通じ、家庭生活との違いを検討した結果、子ども自身が生活の責任を負う一方、保護者からの関与が少ないことが課題として浮かび上がった。保護者が「自立のため」と子どもに任せている一方で、実際には適切に向き合えていないケースも見られる。今回の活動では生活習慣問題の根本的な解決までは至らなかったため、今後は短期・長期の宿泊体験を定期的に行い、規則正しい生活に慣れる支援を継続していく必要がある。生活リズムを崩した子ども達を支え、改善に導くには、頼れる大人が適切に関与しサポートしていくことが不可欠である。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

今回の支援事業を通じ、不登校の背景には複雑な家庭事情が絡むケースが多いことが明らかになった。Aさんは家庭に課題があることを把握したうえで子どもに焦点を当てた支援を行い、一時的に身も心も安定したが、保護者の事情に左右され、再び荒れて凶暴化し、ゼロから関係を再構築する場面もあった。しかし粘り強く支援を続けたことで現在はAさん自身が保護者に自分の思いを伝え、地元地域で生活を送れるようになっている。一方、Bさんは保護者が経営者で不在が多く、寂しさを紛らわせるため生活リズムが乱れ、朝起きられず不規則な生活を送っている。このように、子どもの不登校支援や登校支援を行う上では、子ども自身のケアだけでなく、保護者を含めた家庭全体への支援が必要不可欠である。特に、食事や生活リズムの改善といった基本的な生活支援が重要であることを痛感した。また、家庭ごとに課題が異なるため、個別に深く関わる支援が求められた。一方、法人単独の支援には限界があり、行政機関との連携も欠かせない。家庭環境の改善は短期間での大きな変化を求めるのは難しく、長期的な支援の継続が重要である。

外部との連携実績

1活動地域の関係機関や関係者を含めた「サポート会議」の実施
実施内容事業開始の6月から、月に一度SSWや社教職員、民生委員、学童職員を交えた情報交換の場を実施。気になる子の情報共有や対応策、連携先、対応内容などを共有
結果・成果・影響等結果、気になる子の情報共有を定期的に行うことで、その子や家庭がどのような変化が生じたのか、また今後の支援の方針を細かく確認することができている。
2活動地域の子どもに関する施設5団体で集まり子どもや保護者、団体同士の交流会を実施
実施内容子どもの居場所・学童・パーラー・放課後デイサービス・フリースクールの5団体で集まり子ども達の交流を深めるため水鉄砲大会を開催。
結果・成果・影響等結果、いつも引きこもっている子も家を出て交流することができたり、初めましての子ども同士で交流することができた。また100人も集まったことでルールがあっても守る子・守らない子など様々な人がいる中で自分自身がどう振る舞うかなど自分自身と向き合うことができた。
3活動地域住民との連携「地域ゆんたく会」「保護者ゆんたく会」の開催
実施内容月1回集まり子ども達と顔を合わせお話やご飯を共にし顔見知りになってもらう。また地域の方の得意なことを教えてもらう。
結果・成果・影響等結果、地域の方も子ども達の顔を覚え、子ども達も地域の方の顔を覚え、地域で出会った際に挨拶が増えた。またどこどこで見かけたよと情報共有ができるようになった。
4活動YUiMAYARU株式会社や琉球大学&こども支援・政策研究所の 本村真先生の講演会
実施内容特定非営利活動法人困窮者支援ネットワーク主催の研修会に参加。
結果・成果・影響等繋がりができたことでYUIMAWARU株式会社を講師に社員との研修会も開催。また個別で支援の必要な子どもの支援計画を共に考えることができた。計画が立てられたことで対応の仕方や子供の生きやすさに繋がる考え方ができた。
5活動神奈川大学サッカー部との交流会
実施内容神奈川大学サッカー部とサッカー交流と食事会を開催。
結果・成果・影響等結果、あまり学校や居場所に顔を出さない子も「サッカー」というワードに惹かれ、家から出て交流ができた。またサッカーが好きだが家庭の事情でサッカースクールに通えず「サッカー選手になる夢を諦めた」と発言していた子がイキイキと活躍し、楽しい時間を過ごしていた。また監督と話を行い、今後も継続的に交流ができないか話し合うことができた。夢を諦めるのではなく、夢を見せる体験ができないかと今後協力しながら交流を検討中。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

6月25日琉球新報しまっ子 HOMEに自治会が居場所
8月13日RBC子ども100人が参加した水鉄砲大会うるま市・平安座島(https://www.youtube.com/watch?v=DaGjF98jGJs)
8月21日沖縄タイムス水鉄砲ゲーム137人熱中(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1419079)。
9月4日琉球新報水鉄砲で暑さを吹き飛ばそう。
10月20日ゆめのたね放送局
11月17日琉球新報ひとり親や子を支え1周年
11月30日親子で笑びん

広報制作物等あり
内容

月間スケジュール(掲示)、イベントチラシ・不登校支援案内チラシ

報告書等あり
内容

2月19日(水)成果報告会にて使用する報告資料を作成。

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
内容
変更があった規程類に関して報告しましたか変更があり報告済み

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

コンプライアンス担当者や外部機関をもって、内部通報窓口としている(内部通報規程4条(コンプライアンス規程第4条)に整備しており、HP上にて公開済み) 

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む)外部監査
内容

KVI税理士法人

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

共通言語での会話や共通認識を深めるため、定期的なMTGを行いながら子ども達への対応ができるようになった点は、組織の強化に繋がった。しかし、日々変化する子ども達の感情やスタッフの入れ替わりなども含め、引き続きMTGを行い、支援の質を向上させていく必要がある。また、発達特性を持つ子ども達に対して、スタッフ一人ひとりがその子に合った支援計画を立てるための技術が求められる。そのため、支援方法を個別に見直し、各スタッフが「どのように支援したいか」を明確にすることが重要である。さらに、地域での見守り活動を行う際、地域住民との対話を通じて「どこまで対応すべきか」という境界線を意識し、過度な負担を避けるようなルール作りも必要となる。今後も、子ども達の安心できる居場所づくりを目指し、組織全体のスキルアップと地域連携の強化を進めるべきである。