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休眠預金活用事業
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事業完了報告

2025/03/21更新

事業概要

事業期間開始日 2024/07/22終了日 2025/02/28
対象地域福岡県を中心に、九州地域
事業対象者

福岡県を中心に九州地域在住の外国ルーツの保護者と子ども及び難民者

事業対象者人数

同行通訳支援 100件、電話通訳支援 100件、食事・学習支援 2,520人、オンライン日本語教育・学習支援 840人、勉強会の参加者 100人、交流イベント参加者5000人 

事業概要

【社会課題(事業の背景)】
・日本で暮らす外国ルーツの家庭が増加しているが、外国籍の保護者は言語や制度の壁でキャリア形成や子育て、子どもの教育に困難を抱えている。
・高い学位や専門知識を持っていても、言語の壁により、孤独を感じ、日本で能力を最大限発揮できず、経済的な問題に直面している保護者が多い。
・教育制度の違い、多言語での情報発信が乏しく、ルールがわからずに、学校とコミュニケーションが取れず、他の保護者と交流ができないことで不利な扱いを受けるケースもある。
・外国ルーツの子どもを対象にした日本語指導は不十分で、母国語と母国文化の教育の機会も僅少である。


【本事業で実施する活動】
・公共サービスを受ける際、言葉の問題がある外国ルーツの保護者にはコミュニティ通訳サービスを提供する。可能な限り同行通訳支援を行い、できない場合には電話通訳で対応する。
・外国ルーツの保護者と子どもが能力を最大限発揮できる環境作りと並び、情報へのアクセスにおける格差の是正を目的とし、外国ルーツの保護者と子どもの居場所・学習の場・気楽に相談できる場として「多文化共育スペース」を開設して、午前中にオンラインで外国ルーツの保護者に対して生活と仕事のための日本語教育・キャリア支援等の相談支援を行う。午後に放課後の時間を活用し、年長・小学生の外国ルーツの子どもに対して学習支援や母国語・母国文化の教育、多文化体験を提供する。夜に居場所がない子どもや食事に困っている親子に対しては食事を提供し、中高生に対して進路サポート等の個別指導を行う。
・必要な子どもに支援を届けるため、送迎サービスとオンライン対応も実施する。また、定期的に九州地域在住外国ルーツの保護者と子ども向け交流イベント・勉強会を開催し、キャリア形成や子育て、子どもの教育等について情報周知を行う。

事業の総括およびその価値

事業では福岡県を中心に九州地域において延べ2,947人の海外ルーツの保護者と子どもに学習支援・食事・居場所・相談を提供し、延べ1,107人の海外ルーツの保護者と子どもにオンライン日本語教育・学習支援・進路サポートを実施し、延べ78世帯に通訳を支援し、延べ133人の海外ルーツの保護者と子どもに勉強会を開催し、延べ約5,900人に国際交流機会を提供した。日本語教育支援を受けた保護者は自立した生活をおくることができ、就職に繋がった。勉強会に参加した保護者は日本の生活や就園・就学に必要な情報について理解が進み、行動につながったことで、選択肢が増えた。コミュニティ通訳サービスを利用した保護者は困っていることが相談でき、公的なサービスにアクセスできるようになった。学習支援と進路サポートを受けた子どもは学習意欲・学校の授業の理解度が高まり、進学に繋がった。食事に困って、居場所がない海外ルーツの保護者と子どもは支援につながり、DVや虐待、ヤングケアラ―の状態から脱し、安心することができている。更に、国際交流イベントに参加した人は異文化理解が深まり、新しい出会い・協力関係が生まれ、孤独感が減少した。

課題設定、事業設計に関する振返り

海外ルーツの保護者と子どもの課題は福岡県を中心に九州地域において当事者自身でも認識されていないことがあり、想定より公的な支援がないところが多かった。当会は支援活動を実施しながら、課題認識を高めた。様々なメディアや登壇機会を通して、海外ルーツの保護者と子どもの課題を伝え、支援の必要性を訴えた。理解がある地域に活動の拠点を置いたので、事業が実施しやすくなり、活動が広がった。コミュニティ通訳サービスはベトナム語のニーズの基に設計したため、英語とネパール語のニーズに合わず、計画より少ない実施結果となった。しかし、当事者が依頼できるコミュニティ通訳サービスは言葉に困っている保護者にとって非常に必要だった。コミュニティ通訳サービスを提供できたことで同じ不幸なケースを防げ、海外ルーツの保護者と子どもの権利や健康を守ることに貢献できた。更に、短期間で実施内容が多かったが、必要な業務委託やスタッフ採用ができて、無事にインパクトが大きい活動を実施することができた。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1①医療・行政・学校・法律相談等で困っている海外ルーツを持つ方が相談できるようになり、必要な支援につながる
指標・公共サービスを利用するために相談に行くことができるか ・必要な支援につながることができるか
目標値・目標状態・通訳があったことで相談に行くことができた、という回答を得る 利用者の90% ・通訳利用の満足度 利用者の90%が満足・大変満足と回答する ・必要な支援につながることができたという回答 利用者の50%
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察通訳対応件数が計画より少なかったが、通訳サービスを利用した全員(100%)より大好評を頂き、適切な窓口と相談でき、問題解決できたと答えて頂いた。当事者が依頼できるコミュニティ通訳サービスを始めたきっかけになった死体遺棄の罪に問われたベトナムの実習生の死産した時の状況と似ているケースが有ったが、通訳サービスが利用できて、適切な対応ができ、お母さんの健康と精神を支えられた。
2②日本語教育支援、進路支援を通じて、進学や生活の自立・就職に繋がっている状態
指標・子ども:進学に対して意欲・学力が向上しているか ・保護者:生活の自立・就職につながっているか ・日本の子どもに関する公的制度について理解が深まっているか
目標値・目標状態・子ども:進学に対する意欲が向上したと講師が評価する定性的なエピソード5件 ・保護者:アンケートで生活の自立・就職が「できた」「できる見込みがたった」との回答が50% ・保護者:生活の自立・就職に向けたアクションがあると講師が評価する定性的なエピソード5件 ・保育園ガイダンス、就学ガイダンス、福祉・年金制度について理解が深まったという回答 80%
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察オンライン授業を中断した人は0人で、全員が積極的に授業に参加した。漢字が全然読めなく、文で話さなかった小学生は読解が楽しめるようになり、簡単な日本語で自分の意見が言えるようになった。国語や数学のテストで20点台しか取れなかった中高生は40-50点台を取れるようになり、他の教科の学習も支援して欲しいと言い出した。まったく学ぶ機会がないオーバーエージの子どもは日本語が学べ、高校進学のため準備でき、2月に希望の高校を合格できた。日本語授業を受けている保護者向けアンケートで生活の自立・就職が「できた」「できる見込みがたった」との回答が73%だった。病院や役所でサービスを受けた時、コミュニケーションが取れるようになり、自信を持つようになり、正規の就職の面接に挑戦できた。また、就園・就学・税金に関する勉強会のアンケートでは制度について理解が深まったという回答は99%だった。
3③居場所を提供し、コミュニティができることで安心できたり、情報アクセスによる格差が是正されている状態
指標・多文化共育スペースを通じて気軽に相談できたり、情報を得られるようになっているか
目標値・目標状態・複数回参加する方の割合 60% ・居場所があることで安心できた・相談ができたと回答する割合 80% ・多文化共育スペースが有効に活用される 有効活用のエピソード5件
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察保護者は午前と夜、各種の申込書の記入や生活・就職の相談によく利用した。毎回、利用者が違ったが、病気のない限り、利用の申し込みをした曜日に必ず来た。北九州や久留米等に住んでいる家族は、普段は来られないが行事が行われた時には必ず利用に来て頂いた。複数回参加する方の割合は91%だった。また、事業終了時のアンケートで居場所があることで安心できた・相談できたと回答する割合は100%であった。日本語が全く分からないはじめて公立の小学校に入ったネパールの女の子は学校の給食も食べられず、いつも元気がないのに、多文化共育スペースに来たら活発になって、英語でよく話してくれて、色んな勉強に積極的に参加し、他の子と楽しく遊べた。小さい頃親と離れたベトナムの男の子はいつも寂しそうな顔をしていたが、多文化共育スペースを利用してから笑顔を出るようになったと母親からのコメントをいただいた。
4④日本人コミュニティと交流の機会を持つことで相互理解を深められている状態
指標・交流イベントへの参加者に日本の方の割合 ・交流イベントを通じて相互理解が深まったか
目標値・目標状態・イベント参加者の日本の方の割合 30% ・アンケート回答で相互理解が深まったという回答 80%
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察交流イベントへの参加者に日本の方の割合は51%、アンケート回答で相互理解が深まったという回答は96-97%だった。頂いたコメントでは「素晴らしい」、「このようなイベントの開催を続けて欲しい」が有った。
5⑤団体として基盤整備が強化され、次年度以降の活動も安定的に実施できる状態
指標・休眠預金事業で定める規程類が整備され公開されているか ・団体の広報活動が安定的に実施されているか
目標値・目標状態・休眠預金事業で定める規程類が整備され公開されている ・フェイスブック:週5日更新できる状態 HP:月1回更新できている状態
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察休眠預金活用事業において定められている規程類は10月1日にホームページにて公開された。ホームページは9月に完成させ、2月までホームページの閲覧は1555回あり、日本国内から(94%)も海外から(6%)もアクセスされ、7回更新した。SNSは主にFacebookで(2月まで412回)活動を発信しているが、Youtubeやインスタグラム、ブログも活用して、活動を紹介した。2月1日から28日まですべての発信チャンネルを活用して、クラウドファンディングを挑戦した。114人の支援者、110万7千円が集まり、クラウドファンディングの目標が達成できた。

アウトプット

1②-1オンラインで、保護者・子どもに日本語教育支援・進路サポートを提供する。
指標・子どもの受講者数 ・保護者の受講者数 ・開催回数
目標値・目標状態・子ども、保護者合わせて840人 ・84回実施(週3回目安)
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察221回を実施し、利用者数は1107人だった。保護者は勉強できる時間が朝と夜に分かれ、予定の2倍に実施する必要になった。また、中学生は日本語指導が必要なグループと学習支援が必要なグループに分かれ、予定の2倍に実施しなければならなかった。更に、小学生のクラスを予定していなかったが、他の県に住んでおり、まったく日本語指導を受ける機会がなく、中学校へ進学しなければならないため、11月から小学生のクラスをスタートする必要が有った。
2②-2 日本の子どもに関する公的制度についての勉強会が開催される
指標・勉強会の開催回数 ・参加者数
目標値・目標状態合計3回開催 ・保育園ガイダンスの参加者数 20名  ・就学ガイダンスの参加者数 20名  ・福祉・年金制度についての勉強会の参加者数 60名 
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察3回開催し、参加者数は133人だった。
3③多文化共育スペースを子ども・保護者数が利用する
指標・子どもの利用者数 ・保護者の利用者数 ・食事の提供回数
目標値・目標状態・子ども、保護者合わせて2,520人以上 ・食事の提供 84回
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察食事を98回提供し、2947人が利用した。
4④交流イベントが実施され海外ルーツの方・日本人の交流が生まれる
指標・交流イベントの開催数 ・日本の方の参加者数 ・海外ルーツの方の参加者数
目標値・目標状態・交流イベントの開催数 2回 ・日本の方の参加者数 1,000X2回 ・海外ルーツの方の参加者数 1,500X2回
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察2回開催し、日本人の参加者は約3000人、海外ルーツの参加者は約2900人いた。
5⑤団体のガバナンス整備、広報体制が整う
指標・規程類の完成と公開 ・HPの作成、公開 ・SNS・HPでの活動内容の更新回数
目標値・目標状態・休眠預金活用事業において定められている規程類が全て公開されている ・HPが完成している ・FB:週5回の更新されている ・HP:月に1回更新されている
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察休眠預金活用事業において定められている規程類は10月1日にホームページにて公開された。ホームページは9月に完成させ、2月までホームページの閲覧は1555回あり、日本国内から(94%)も海外から(6%)もアクセスされ、7回更新した。SNSは主にFacebookで(2月まで412回)活動を発信しているが、Youtubeやインスタグラム、ブログも活用して、活動を紹介した。2月1日から28日まですべての発信チャンネルを活用して、クラウドファンディングを挑戦した。114人の支援者、110万7千円が集まり、クラウドファンディングの目標が達成できた。
6①コミュニティ通訳が提供され医療・行政・学校・法律相談等ができる
指標・依頼の申し込み件数 ・対応できた件数 ・言語ニーズの把握ができているか
目標値・目標状態・依頼の申し込み件数 200件 ・対応できた件数 180件 (対面対応 90件、電話対応90件) ・実績をまとめ、次年度以降にどのような言語にニーズがあるのか分析できている
アウトカム:結果計画より遅れている
アウトカム:考察82件が依頼され、79件が実施された。同行通訳29件と電話通訳50件を実施した。英語が9件、ネパール語が5件、ベトナム語が65件あり、ベトナム語のニーズが最も高かった。事業設定の時、ベトナム語のニーズの基にして、目標を立てたので、実際に英語とネパール語のニーズが同じではなかった。また、他県や他市にお住まいの方からの依頼が多かったため、電話通訳の方が多かった。

活動

1②-1 オンライン日本語教室及び進路サポートを実施する
活動結果計画通り
概要保護者の日本語クラス(のべ426人)、小学生の日本語クラス(のべ98人)、中学生の日本語クラス・国語学習支援クラス・進路サポートクラス(のべ434人)、高校生の教科学習支援クラス(のべ149人)を実施した。
2②-2 外国ルーツの保護者と子ども向け勉強会(保育園ガイダンス、就学ガイダンス、福祉・年金制度についてをオンライン・オフラインで開催する
活動結果計画通り
概要9月24日に就園ガイダンスを実施し、外国ルーツの親子24人と日本人6人が参加した。11月30日の就学ガイダンスに保護者21人と子ども20人が参加した。12月23日に税金セミナーをハイブリッドで開催し、62人が参加した。
3③ 外国ルーツの保護者・子ども向け多文化共育スペース開催 体験活動(多文化体験・英語教室・プログラミング・探究学習)、夕食提供、個別指導など
活動結果計画通り
概要毎週火木金に開催し、毎回30人程度の親子に学習と生活をサポートした。毎月、新規の利用が有った。日本語指導や学習支援、英語教室を行い、時間的余裕がある夏休み期間内には調理体験や自由研究をさせ、年間行事に合わせて多文化体験としてディーワーリー祝やトリック・オア・トリート、クリスマス会、旧正月の食事会も行った。
4④ 交流イベント(中秋節、旧正月)を実施する。
活動結果計画通り
概要9月7日と8日にブランチ博多パピヨンガーデンで中秋節を開催した。飲食提供ブース3、雑貨販売ブース6、情報提供・交流ブース6、協賛ブース2があり、15か国の出演があった。1月25日と26日に吉塚市場リトルアジアマーケットにて2025福岡旧正月を開催した。一日2回ステージプログラムや様々な文化体験活動を実施した。ステージプログラムでは大人だけではなく、子どもたちより継承文化発表がたくさんあった。
5⑤-1 規程類を作成し公開する
活動結果計画通り
概要9月13日に定款以外他に必要な13種類の規定が作成でき、全社員と役員で共有できた。10月1日に実施開始と合わせてウェブサイトにて公開した。休眠預金事業を始めて、新規採用や業務委託が多くなり、仕事の説明や効率的な法人運営のために関連の規定が不可欠だと感じた。計画より早く規定の作成を進めることができた。
6⑤-2 ホームページを作成して、外部に団体の活動の発信や協力者募集、ファンドレイジングを行い、定期的に情報更新する。
活動結果計画通り
概要ホームページは9月に完成され、リンクをSNSや名刺に記載された。毎月、ホームページのニュースを更新して、参加者を募集した。また、ホームページから通訳の依頼やサポーターの申し込みができるようにし、2月1日~28日の期間中クラウドファンディングページを掲載した。
7⑤-3 広報体制を整え、SNS(主にfacebook)を使用して情報発信とアウトリーチを実施する
活動結果計画通り
概要主にfacebookを使用して情報発信とアウトリーチ(のべ412回の投稿)を実施した。また、Youtube(活動様子の動画)やインスタグラム(お知らせ)、ブログ(活動報告)も活用して、発信した。
8① 外国ルーツの保護者向けコミュニティ通訳サービスを実施する 対応できる言語:英語・ベトナム語・ネパール語
活動結果遅延あり
概要最初は主にFacebookを使用して、情報発信し、アウトリーチしていた。ベトナム語通訳の依頼がたくさん来たが、ネパール語の依頼があまり来なかった。それで、ネパール語通訳サービスの案内のチラシを作成し、市内にあるネパール人向けの店に貼って、アウトリーチした。

資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括

1取り組み

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

多文化共育スペースは今回日本の保護者と子どもにはあまり周知しなかったが、商店街の無料休憩場であるアジアンプラザで開催したので、商店街関係の日本の保護者と子どもが興味を持って頂き、利用して頂いた。利用して頂いた日本の保護者と子どもは海外ルーツの子どもに学習支援を頂いたり、子どもたちに公園に連れて行って頂いたり、海外ルーツの人についてよく理解して頂いたりして、非常に良かった。それから、福岡多文化共育スペースは市政だよりの人権特集に取り上げられて、様々な協力・支援が集まり、市内の小学校や多文化共生を促進している団体から見学・活動の紹介の依頼がたくさん来た。本事業は福岡県を中心に九州地域において多文化共生促進にインパクトが有った。特に、当会が目指している多文化共生社会は商店街において実現できたと感じる。お互いに違いを尊重し、学び合いながら、協力し合って、商店街の課題を解決している。更に、本事業実施とクラウドファンディングを通して、福岡県を中心に九州地域の海外ルーツの保護者と子どもの課題と支援のあり方を多くの方や関係の機関に伝えられようになった。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

去年来日した海外ルーツの子育て家庭は今回の支援を受けられて、生活自立ができるようになり、就職に繋がったが、最近来たばかりの家庭はまた同じように課題に直面しているので、今の支援活動の継続が必要である。一方で、急速に増加した外国ルーツの子どもの支援に関しては公的な支援が不十分のままで、NPOやボランティアの活動に頼らざるを得ない状況になっている。本事業の経験は他地域にとって参考になる点が多くあると思われる。確かに、本事業として海外ルーツの保護者と子どもの課題を関係の機関や多くの方に伝えられたが、必要な予算がまだ足りないため、当会に委託される内容がまだ非常に少ない。従って、今後、今の支援活動を継続・拡大し、助成や委託料、企業の協賛金、個人の寄付金等様々な資金を活用して、海外ルーツの保護者と子どもの支援モデルとして多文化共生モデルとして活動していく。そのため、もっと他団体との協力・連携関係を作っていきたい。

外部との連携実績

1活動事業周知
実施内容福岡市と福岡市教育委員会に後援名義を頂き、公立の小中学校や区役所にチラシ配布に協力して頂いた。また、JICA九州や大分県・熊本県・長崎県・佐賀県の国際交流センターや在九州ネパールソサエティ、熊本ベトナム人会、宮崎ベトナム人会にもチラシの配布にご協力を頂いた。更に、福岡市に市政だよりの取材を受け、事業の紹介を頂いた。
結果・成果・影響等アウトリーチができ、新規の協力者が集まってきた。また、担当部署と連絡し合えるようになり、勉強会の開催について相談できる関係ができている。
2活動交流イベントの開催
実施内容交流イベントを開催した時、地域の自治会に周知の協力を頂き、韓国や中国、ベトナム、ネパール、ミャンマー、スリランカ、ウクライナ等様々なコミュニティグループと連携し、出演と出展をして頂いた。
結果・成果・影響等充実したプログラムができ、来場者が多国籍で多かった。特に、日本人の参加者が多かった。
3活動勉強会の開催
実施内容就園ガイダンスを実施した時、九州大学で子ども教育に関する研修している保育士の免許を持つ方にプログラムを企画して頂き、当日福岡県私立幼稚園振興協会の方と一緒に説明して頂いた。就学ガイダンスの時、福岡市教育委員会で30年以上働いた井上氏にご協力を頂いて、資料作成・当日の説明をして頂いた。税金セミナーを実施した時、福岡市財政局税制課や福岡市南区役所納税課、福岡県行政書士会に登壇者の紹介と当日の説明をして頂いた。
結果・成果・影響等内容が詳しく、分かりやすかった。参加者は役に立つ情報が得られ、行動に移せ、選択肢が増えて、大満足だった。
4活動クラウドファンディングの応援
実施内容クラウドファンディングに挑戦した時、千葉大学と福岡県立大学の先生や西日本国際財団の元事務局長に応援メッセージを書いて頂き、日本ベトナム友好協会や九州国際学生支援協会、福岡帰国留学生交流会、アジア女性センター等様々な福岡の外国人支援団体にプロジェクトの紹介を頂き、支援者を探した。
結果・成果・影響等海外ルーツの保護者と子どもの課題を大勢の人に知られ、たくさん支援者を見つけた。
5活動他団体のサポート 
実施内容2回Mothers Tree Japanさん主催の海外ルーツのママのお集りの開催に場所提供、参加者募集、当日の通訳の対応を手伝った。
結果・成果・影響等沢山参加者が集まり、当会が知らない情報をたくさん知り、新しい家族と繋ぐことができた。妊娠により仕事を辞めさせられるカップルに協働支援ができて、良かった。また、Mothers Tree Japanさんのご紹介で多文化の研修会に参加でき、たくさん勉強になった。

広報実績

シンボルマークの活用状況
メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

7/28 朝日新聞デジタル「孤立しがちな外国ルーツの子 配慮した子ども食堂が各地で登場」、8/23 朝日新聞「外国にルーツある子食べにおいて:配慮した子ども食堂各地で」、2024/9 Vol.152 NPO福岡ネットワーク機関誌 国際協力ニュース 「当事者が取り組みそれぞれの多文化共生の活動について」、12/1 No.1767福岡市政だより「市人権尊重週間~多文化共生を考える~共に生きる社会へ」、1/8 Thanh Nien新聞「在福岡ベトナムの子どもがルーツを学ぶ」、1/29 Thanh Nien新聞「旧正月交流 in 福岡」、「2025/2 238号移住連情報誌『Mネット』特集2外国につながる子どもの就学前教育「外国にルーツをもつ就学前の子どもと保護者が安心して就園・就学するために」、ふくしのまち福岡2025年冬号 No135「みんなの学び場!福岡多文化共育スペース」、2/8 西日本新聞「外国ルーツの子どもに教育を!活動費をCFで募る助成金終了で継続模索」、2/12 LOVE FMラジオ 団体紹介、2/26朝日新聞「外国ルーツの子らの「居場所守りたい」 支援継続へCFで資金募る」、

広報制作物等あり
内容

各種のチラシ(多文化共育in九州、国際中秋節、就園ガイダンス、オンラインクラス、就学ガイダンス、税金セミナー、2025旧正月)を制作した。また、ブログに団体や主な活動についての紹介記事を載せた。Campfireでクラウドファンディングページを作成した。

報告書等あり
内容

ブログにて実施・参加したイベントや勉強会、研修会の報告書を記載した。福岡県行政書士会主催の多文化共生のシンポジウムや福岡市・役所主催の研修会で活動報告をした。

イベント開催等あり
内容
国際中秋節、就園ガイダンス、就学ガイダンス、税金セミナー、2025旧正月を開催した。その他、多文化共育スペースの活動の中でアメリカ、インド、ネパール、ベトナム、中国、韓国、カナダの行事を祝い、いつも利用していない家族も参加できた。

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
内容
変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった
助成金の対象経費に人件費が含まれる場合、当該人件費の水準等を公開をしていますか

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

規程類を整備し、実施までJANPIA通報窓口の周知した。9月13日に内部通報に関する規定が承認された後、通報の窓口は事務局長であるシバさんに周知した。

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

規程類を整備し、9月13日に承認され、10月1日から実施される。JANPIA主催の研修会に参加し、強化施策を検討している。

団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む)内部監査
内容

当会の監事が4月に監査する予定である。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

本助成を通じて組織として強化された事項:規定類、広報力、ノウハウ、活動の意思、信頼度                                         新たに認識した課題:他県で支援活動を行う時現地の支援団体との連携・協働支援が必要だ。また、海外ルーツの中高生が適切なキャリア教育を受ける機会があまりない。      今後の対応/あればよいと思う支援や改善:九州地域において海外ルーツの子どもと保護者の支援団体ネットワーク構築、海外ルーツの若者のキャリア教育支援