事業完了報告
2025/03/26更新
事業概要
事業期間 | 開始日 2024/07/22 | 終了日 2025/02/28 |
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対象地域 | 北海道(函館地区、苫小牧地区、空知地区) | |
事業対象者 | 外国にルーツを持つ青少年と、その保護者が対象。 | |
事業対象者人数 | 2023年1月1日の国勢調査によると今回対象とした地域の外国人の数は次の通り。 | |
事業概要 | 北海道に在住する外国ルーツ青少年が、食料や学習で困っている現状は、当団体が2022年3月から、タリバン政権に追われて、パキスタン経由で避難してきたアフガニスタン家族や、ウクライナ避難民の支援に関わっている中で知ることができた。そこから、こども食堂や食料支援を通じた生活支援の大切さは十分に認識している。 |
事業の総括およびその価値
本事業では、函館在住の外国人1625名に向けて、アンケートでニーズ調査を行い、87名の回答者から意見を集め、外国人の悩みの傾向について把握した。
函館ではインターナショナル食堂を実施し、10名の外国人が参加。さらに、シンガポール留学生2名を受け入れ、異文化交流事業を実施した。教育大学での交流会では、高校生・大学生約15名と技能実習生約15名が参加し、異文化交流を深める機会となった。
苫小牧では毎週日曜日に子ども食堂を開催し、外国ルーツの子供5名が参加し支援を受けた。また、サヘル・ローズさんの講演会には外国ルーツの方1名が参加し、当事者の声を直接聞く貴重な機会となった。
滝川では高校生と在住外国人との意見交換会を実施し、計10名の外国人を支援した。
これらの活動を通じ、地域ごとに異なる課題に応じた支援の重要性を学び、各団体と協力しながら支援体制を強化する力が向上したと考える。
課題設定、事業設計に関する振返り
事業を進める中で、当初の課題解決をすべて実施することは難しかったが、優先事項を見極めた結果、多くの指標を達成し、HIFの支援力向上につながった。定例会や研修会は実施せず、函館・苫小牧・滝川の各団体との個別連携を強化。その結果、イベントや子ども食堂の共同開催を通じて協力関係を築き、事業終了後も活用できるネットワークを構築することができた。また、講演会を開催し、支援の必要性を認識した人は函館で94%、苫小牧で86%にのぼり、支援活動への参加意欲も高まった。今後の事業では、当初の計画に固執せず、状況に応じて重点を置くべき課題を選別しながら進めることが重要であると学んだ。今回見送った課題については、事業終了後に支援力をさらに強化した上で、次のフェーズとして取り組む方針である。今後は連携団体との関係を深めながら、より効果的な支援体制を構築し、次のステップへと進めていきたい。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
1 | 散在地域での海外ルーツの青少年への支援モデルができている | |
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指標 | ・北海道の3地域で外国ルーツの青少年への支援が実現している。 ・リソースが可視化されることでネットワークが機能しはじめている。 ・他エリアから先進モデルとして注目されており、導入の準備が進められている。 | |
目標値・目標状態 | ・北海道の3地域の特色にあった支援の事例ができている 各1例以上 ・北海道の3地域において地域リソースが可視化され、活用されている事例ができている 各1例以上 ・近隣地域や道内の他エリアより見学の申し込みがある 1件以上 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | ・函館市は、日本語、教育、就労、生活支援を実施する団体と連携し、苫小牧では多文化共生のモデルで自治体や民間団体が協力、滝川市では自治体、国際交流協会、学校が連携している。これらの地域では、外国ルーツの住民が地域に根付くためのサポートが進み、函館では日本語と就労支援が連携し、苫小牧ではイベントやプログラムで参加しやすい環境が整い、滝川では教育支援が充実していると感じる。 ・今事業でリソースリストを作成したばかりのため、実際に活用される事例はまだないが、今後リソースリストを活用しネットワークを機能させていきたい。 ・道内の桧山振興局からの見学の申し込み、札幌の子ども食堂から訪問依頼がある。 |
アウトプット
1 | ➀HIFの支援力が向上する | |
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指標 | ・函館エリアのニーズの調査をする ・先進事例を知る ・研修に参加する ・地域のリソースを把握し支援の繋ぎ先を増やす ・自団体で支援のための研修が実施できる | |
目標値・目標状態 | ・函館エリアのニーズが明らかになっている ・2箇所 ・海外ルーツの方への必要な支援が理解できる ・函館、空知、苫小牧地域の海外ルーツの方を支援する団体が整理・見える化されている状態 ・研修プログラムが1つ以上できている。 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | HIFの支援力向上は、支援団体への個別アプローチにより達成でき たが、研修プログラムの実施には課題が残った。事業完了後も引き続き団体ごとの個別対応を強化しつつ、研修プログラムの実施も検討していきたい。 ・視察や調査を通じ、外国ルーツの子供には居場所と学習支援が必要と判断。毎月三地域で子ども食堂を実施し、その目標を達成できた。 ・三地域で支援活動を促した結果、外国ルーツ支援に関心のある団体が多いことが判明し、今後も積極的に支援を呼びかけていくこととなった。 ・現在は支援団体のニーズに応じた個別対応を優先し、研修プログラムの作成は見送ったが、今後は実施も検討したい。 | |
2 | ➁直接支援(子ども食堂や学習支援など)している人たちのネットワークができる | |
指標 | ・定例会議を実施する ・研修に参加する ・外国ルーツの青少年支援(子ども食堂や学習支援など)を実施する ・サポートスタッフを獲得する | |
目標値・目標状態 | ・7回(月1回の場合)、10人参加 ・20人参加 ・新規で20人を受け入れ ・各地域100人×3地域 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | HIFは三地域での子ども食堂や交流会を実施し、外国人と日本人の交流機会を提供したが、サポートスタッフの獲得と定例会議の見送りには課題が残った。 ・定例会議の実施は難しく、個別団体との連携を優先したが、今 後は定例会議も視野に入れる。 ・函館日本語教育研究会の交流会に参加し、外国人45名、日本人40名が集まった。多くの外国人と交流する機会を提供し、相互理解を深めることができた。 ・函館13名、苫小牧3名、滝川8名の外国人が参加。各団体の理解を深め、積極的な参加を促した。 ・サポートスタッフの増員は規模拡大後に検討。支援団体との繋がりを強化し、子ども食堂の継続と支援体制の強化を目指す。 | |
3 | ③北海道の3地域の行政・社協などのネットワークができる | |
指標 | ・ヒアリングを実施する ・リソースマップを作成する | |
目標値・目標状態 | ・件 ・3地域分 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 三地域の自治体や社協へのヒアリングで、社会的脆弱性を持つ人々への支援が共通の課題であり、外国ルーツの人々もその対象であることが確認された。社協が相談窓口となるため、今後も情報交換や協力を継続することとした。また、各団体で国際性を備えた人材の育成が支援につながると考え、積極的に取り組む方針とした。 リソースマップはリソースリストとしてHIF内で整理済み。つながりのある支援団体を洗い出すことで、地域ごとの支援ネットワークの可視化が進み、効果的な連携体制を構築することができた。 | |
4 | ④散在地域の支援者・関係者向けの情報提供ができる | |
指標 | ・支援者関係者向け冊子を作成し配布する ・支援者関係者向けHPを作成し公開する | |
目標値・目標状態 | ・700人 ・1000人 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | HIFは地域間連携より、地域ごとの支援団体との個別連携強化を重視し、冊子やホームページ作成は行わなかった。その代わり、イベントや子ども食堂、講演会参加を促進した。その結果、たくさんの団体とのつながりが増え、支援の輪が広がった。特に、各団体と密に連携することで、外国ルーツの子どもたちや住民への支援がより実践的かつ継続的に行えるようになった。また、イベントや子ども食堂を通じて、地域住民の理解も深まり、外国ルーツの方々が安心して暮らせる環境づくりに貢献できたことからHIF内の支援力は高まったと感じたため、計画より進んでいると評価を上げている。 | |
5 | ⑤啓発活動が実施される | |
指標 | ・講演会、報告会の実施回数 ・講演会、報告会の参加人数 ・アンケート結果 | |
目標値・目標状態 | ・2回 ・参加者200人/回 ・参加者 アンケート 「外国ルーツの青少年支援の必要性を感じた」50%以上 「外国ルーツの青少年支援のために自分も何かしたいと感じた」40%以上 ・サポートスタッフに登録増 | |
アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
アウトカム:考察 | 函館、苫小牧での講演会実施と他地域コアメンバーへの協力呼び掛けを通じて啓発活動を十分に行い、HIFの支援力向上に寄与した。また、各講演会後にアンケートを実施し、参加者の意識の変化も把握できた。 ・講演会、報告会の実施回数 ⇒2回(12月, 1月に実施) ・講演会、報告会の参加人数 ●函館→100人程度 ●苫小牧→90名程度 ・アンケート結果 函館では94%の人が支援の必要性を感じ、96%が自分も支援したいと回答。苫小牧では86%が支援の必要性を感じ、86%が支援に参加したいと答えた。 以上の点から、参加者の半数以上の人に対し支援の必要性を伝えられたといえる。 |
活動
1 | ➀ー1 函館エリアのニーズ調査を実施する 函館市の場合、外国籍の人、約1400名に対して、生活、日本語、教育、就労のアンケート調査を行い、散在地域の外国籍の人たちの困りごとの傾向をみる。その結果を分析して、苫小牧や空知地区でも当てはめて、対策を行う。 | |
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活動結果 | 計画通り | |
概要 | アンケートや相談内容をもとに、地域の外国人のニーズを把握。特に日本文化や地域との関わりに悩む声が多かったため、日本人と外国人の交流イベントを積極的に開催。また、仕事不足の課題については、函館市のローソンで外国人受け入れを支援する人物と話し、現状を把握した。事業終了後も定期的なニーズ調査を行い、外国人に適した支援活動を継続することが重要だと考える。 | |
2 | ➀ー2 先進事例を2か所視察する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 九州で複数の支援団体を訪問し、外国ルーツ青少年が直面する課題を把握した。主な課題は「居場所不足」と「学習支援」の2点であり、三地域での子ども食堂の定期実施により「居場所不足」への対策は実現できたと感じている。ただし、今事業では「学習支援」に取り組めなかったため、事業終了後にはその分野の支援にも注力していきたい。 | |
3 | ➀ー3 資金分配団体や先進団体が実施する研修会への参加 | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 先進地訪問を通じて知見を深めるとともに、各地域の違いや課題を学ぶことができた。さらに、11月24日に開催された海外ルーツ青少年支援のシンポジウムに参加し、北海道内外の支援者や関係者と交流を図ることで、支援団体同士のネットワークを強化できた。加えて、在住ロシア人の方もパネルディスカッションに参加し、当事者の視点から現状について意見を聞くことができ、より実践的な支援策を考えるきっかけとなった。 | |
4 | ➀ー4 函館地域での支援リソースマップの作成 | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | リソースマップはリソースリストとしてHIF内で整理済み。つながりのある支援団体を洗い出すことで、地域ごとの支援ネットワークの可視化が進み、効果的な連携体制を構築することができた。また、リソースリストを活用することで、必要な支援先や協力機関への迅速なアプローチが可能となり、イベントや子ども食堂の運営においても円滑な調整が実現した。 | |
5 | ➀ー5 支援者のニーズを把握し研修計画を考える | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 今事業では、全体研修を先に行うのではなく、関係のある団体との情報共有やイベントへの参加、協力を呼びかけることを優先した。その結果、函館市、苫小牧市、滝川市の支援団体と連携し、各地域の支援数を増加させ、支援者の意識向上にもつながった。この経験を基に、個人だけでなく複数の団体に対する研修計画も実施できるよう、今後の知 見を深めていきたい。 | |
6 | ➁ー1 3地域の支援者と定例会議を実施する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 各エリアで子ども食堂やイベントを実施し、参加・協力を促進する中で、団体との連携強化が進んだ。三地域をつなげる段階には至らなかったため、定例会議は見送ったが、個別のつながり強化と毎月のイベント実施で地域の支援力向上ができた。今後、地域ごとの支援を続けつつ、三地域をつなげる定例会議を検討したい。 | |
7 | ➁ー2 3地域の支援者へ研修情報を提供し参加を促す | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | ①-5の経緯により、研修は自団体で実施しない方針となったため、研修情報提供や参加促進は行わないことにした。①-5で述べている通り個々のつながり強化に努めた結果、地域ごとの支援力向上が実現できた。今後も地域ごとの支援強化に取り組み、研修計画も検討していきたい。 | |
8 | ➁ー3 3地域の事業(料理教室を通じた子ども食堂・学習支援)において外国ルーツの青少年の参加を促す。地域の現状に併せて実施。 | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 函館では、外国ルーツ青少年の受け入れを促進するため、地域食堂の立ち上げや勉強会を実施し、多くの人の関心を集めた。苫小牧では、社会福祉協議会の協力のもと、外国ルーツの子どもたちが参加できる子ども食堂を運営。滝川では、高校生や国際交流団体が協力し、外国人対象の地域食堂を開催した。三地域の関係者が連携することで、子ども食堂の運営母数を増やす取り組みが進んだと感じる。 | |
9 | ②ー4 3地域で活動をサポートしてくれるメンバーを募集し獲得する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 子ども食堂や講演会では、まず参加人数の増加を優先し、規模拡大に注力する方針を取ったため、メンバー募集は行わなかった。その代わり、地域のコアメンバーに情報提供を行い、外国ルーツ青少年支援への理解を深めてもらうとともに、イベントへの積極的な参加を促したことで、参加者を増やすことができた。 | |
10 | ③ー1 3地域の行政や関係者を対象にヒアリングを実施する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 自治体のこども未来部や社協に課題をヒアリングし、支援の現状を確認した。函館市は次年度の子どもの居場所施策に向けHIFが費用相談を支援した。苫小牧市は多文化共生指針を公開し、日本語教育環境の整備を進行中だとわかった。滝川市は高校生と外国人の交流イベントを定期開催している。各自治体と連携し、外国ルーツの子どもたちが安心して暮らせる環境づくりを支援することができている。 | |
11 | ③ー2 3地域のリソースマップを作成する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | リソースマップはリソースリストとしてHIF内で整理済み。つながりのある支援団体を洗い出すことで、地域ごとの支援ネットワークの可視化が進み、効果的な連携体制を構築することができた。また、リソースリストを活用することで、必要な支援先や協力機関への迅速なアプローチが可能となり、イベントや子ども食堂の運営においても円滑な調整が実現した。 | |
12 | ④ー1 支援者・関係者向けの冊子の先行事例を集め内容を検討する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | HIFは、各地域の支援団体との個々のつながりを強化し、ケースごとに適切な支援を行うことを優先するため、冊子の制作は見送った。そのため、先行事例の収集も実施しなかったが、イベント協力の呼びかけや情報共有を通じて支援のネットワークを広げることができ、団体として掲げていた指標は達成できたと感じている。今後、さらに支援力を高め 、冊子を作成し情報提供できるよう成長していきたい。 | |
13 | ④ー2 支援者・関係者向けのHPの先行事例を集め内容を検討する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | HIFは、各地域の支援団体との個々のつながりを強化し、ケースごとに適切な支援を行うことを優先するため、HPの制作は見送った。そのため、先行事例の収集も実施しなかったが、イベント協力の呼びかけや情報共有を通じて支援のネットワークを広げることができ、団体として掲げていた指標は達成できたと感じている。今後、さらに先行事例が集まったらHPの作成等も検討していきたい。 | |
14 | ④ー2 支援者・関係者向けのHPを作成し公開・周知する | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | HIFは、各地域の支援団体との個々のつながりを強化し、ケースごとに適切な支援を行うことを優先するため、HPの制作は見送った。ただ、イベント協力の呼びかけや情報共有を通じて支援のネットワークを広げることができ、団体として掲げていた指標は達成できたと感じている。今後、さらに先行事例が集まったらHPの作成等も検討していきたい。 | |
15 | ⑤ー1 啓発を目的としたシンポジウムを開催す る(函館地域) | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 12月15日にサヘルローズ講演会と外国ルーツ青少年支援にかかわる講演会を函館にて実施。新聞掲載、関係者、行政への宣伝活動を通じて参加者増加を試みた。宣伝活動をしても目標とする参加者200人は集められなかったことは想定外だったため、次回は数回に分けて新聞への記載を依頼するなど工夫をして参加者を増やしたい。 | |
16 | ⑤ー2 啓発を目的とした報告会を実施する(苫小牧地域) | |
活動結果 | 計画通り | |
概要 | 1月19日にサヘルローズ講演会と外国ルーツ青少年支援にかかわる講演会を苫小牧にて実施。函館と新聞掲載、関係者、行政への宣伝活動を通じて参加者増加を試みた。函館に比べて参加者の集まりが順調ではなく、行政や学校へ張り紙や宣伝を強化したが関係者含め90人ほどの参加者しか集められなかった。苫小牧のターゲット層の母数を考えると200人という目標値は高すぎたと感じている。 |
資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括
1 | 取り組み |
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想定外のアウトカム、活動、波及効果など
函館は散在地域ということもあり、苫小牧や滝川に関しても技能実習生以外の外国ルーツ青少年が少なく、イベントや子ども食堂を実施するにあたり、集住地域に比べるとターゲットを集めることが困難であり、掘り起こしに時間がかかることが想定外のアウトカムとして挙げられる。そのため、イベントへの外国人参加者数を集めることが難しく、アンケート調査をするにしても多数のターゲットの声を聞くことができないため、どのような支援が求められているかを把握する事も困難な状況であった。しかし、この課題を克服するために、各地域の支援団体や学校、児童館、子ども食堂などと連携を強化し、情報共有やネットワーク作りに注力した。これにより、少数でも確実に外国ルーツ青少年やその家族とつながる機会を増やすことができ、個別のニーズを深く理解することが可能となった。また、少人数だからこそ一人ひとりに寄り添った支援ができるようになり、柔軟かつ効果的なアプローチ方法を学ぶ貴重な経験となった。結果として、地域に応じた支援の在り方を模索し、実行するスキルが向上した といえる。
事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動
課題を取り巻く変化 | 函館と苫小牧でのサヘルローズ講演会を通じ、一般市民の関心を高めることができたと感じる。特に苫小牧では市長が出席し、講演を聞いたうえでサヘルさんと交流する機会を設けたことで、外国ルーツ支援の重要性を認識してもらえた。さらに、市の施策への反映を検討したいとの意見も得られ、行政との連携強化につながる成果を得ることができた。また、各市町村の国際担当者も改めて支援の必要性を実感し、今後の施策や取り組みに反映させる契機となった。地域おこし協力隊やJTSも出席したことで、地域における外国ルーツ支援の重要性が広く共有され、今後の協力体制の強化につながるきっかけとなった。また、彼らとの意見交換を通じて、地域ごとの課題や具体的な支援の方向性について理解を深めることができた。 |
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外部との連携実績
1 | 活動 | 苫小牧 木と風の香り 子ども食堂 |
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実施内容 | 毎週日曜日 子ども食堂を実施 | |
結果・成果・影響等 | もともと外国ルーツ青少年の参加は少なかったが、外国ルーツ支援を呼び掛けることで代表理事に関心を持ってもらうことができた。 その結果外国ルーツ青少年の参加数を増やすことにつながり、一つの居場所づくりを達成することができた。 | |
2 | 活動 | 北斗市地域食堂まんまる シンガポール留学生視察受け入れ |
実施内容 | シンガポール留学生受け入れ 座禅体験などの日本文化体験を実施 子ども食堂の内容を共有 | |
結果・成果・影響等 | シンガポール留学生と座禅などの日本文化体験を通じて交流を図ることで日本に対する理解を深めてもらうことができた。さらに、子ども食堂の取り組みについても共有し、日本の地域支援の実情を知ってもらうことで、社会課題への関心を高めるきっかけとなった。また、交流を通じて留学生自身の文化や価値観についても話し合う場が生まれ、相互理解を深める貴重な経験となった。 | |
3 | 活動 | 滝川国際交流協会 在住外国人に対する防災資金調査 |
実施内容 | 滝川の高校生と在住外国人との意見交換 防災資金調査 | |
結果・成果・影響等 | 日本は災害が多く、防災のための取り組みが進んでいる一方、海外は災害が少ないため防災に対する知識が乏しいことが分かった。滝川の高校生と外国人が意見交換をしたり、防災に関する発信をすることで防災意識の向上につながり、外国人住民にも災害時の備えの重要性を伝える機会となった。また、日本の防災の取り組みを学ぶことで、母国での防災対策の参考にもなり、国際的な視点で防災を考えるきっかけとなった。 | |
4 | 活動 | 函館市遺愛女子高等学校 留学生との交流会 |
実施内容 | HIFが受け入れている留学生と遺愛女子高等学校生徒との交流会を実施 | |
結果・成果・影響等 | 留学生と高校生の交流会を実施することで、異文化理解が深まり、参加者同士の視野が広がった。また、留学生は日本の文化や生活についてより良い理解を得ることができ、高校生は外国の視点を学び、国際的な感覚を養うことができた。この交流を通じて、双方のコミュニケーション能力や社会的なつながりも強化され、今後も継続的な交流を進めることが重要だと感じた。 |
広報実績
シンボルマークの活用状況 | ||
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メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等) | あり | |
内容 | 北海道新聞 苫小牧民法 函館新聞への掲載 | |
広報制作物等 | あり | |
内容 | サヘルローズさん講演会:チラシ作成 | |
報告書等 | なし | |
イベント開催等 | あり | |
内容 | サヘルローズさん講演会 |
ガバナンス・コンプライアンス実績
規程類の整備状況
事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか | 完了 | |
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整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか | 全て公開 | |
内容 | ||
変更があった規程類に関して報告しましたか | 変更があり報告済み | |
助成金の対象経費に人件費が含まれる場合、当該人件費の水準等を公開をしていますか |
ガバナンス・コンプライアンス体制
社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますか | はい | |
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内部通報制度は整備されていますか | はい | |
内容 | 規定に沿って対応している。 | |
利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますか | はい | |
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたか | はい | |
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたか | はい | |
内容 | コンプラ研修を実施した | |
団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む) | 内部監査 | |
内容 | 監事による監査を実施している。 | |
本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますか | いいえ |
その他
本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など | 今までよりも情報共有の機会を増やすことができ、チームワークを強化することができた。これにより、各メンバーの役割がより明確になり、効率的に連携できるようになったと感じている。特に、定期的なミーティングや進捗報告を通じて、課題に 対する意識が共有され、対応策を迅速に考えることができた。また、Slackのようなツールをつかうのは初めてであったので、今後導入も検討し情報交換の場を増やすことで、今後さらに協力して支援活動を進めていきたいと考えている。精算の報告作業でもフロー体制が可視化され、手続きがよりスムーズに進行するようになった。各ステップが明確にされることで、誰がどの段階を担当するかが把握しやすくなり、ミスや遅れを減らすことができた。これにより、作業の効率が向上し、報告の正確性も高まった。今後はこのフローをさらに改善し、より迅速かつ正確な精算作業を実現していきたいと考えている。 |
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