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事業完了報告

2025/03/14更新

事業概要

事業期間開始日 2024/07/08終了日 2025/02/28
対象地域福岡県福岡市および、久留米市近郊
事業対象者

福岡県福岡市(地方中枢都市モデル)と久留米市(地方中核都市モデル)近郊の子育て世帯の親と子ども

事業対象者人数

福岡市内と久留米市近郊に在住する子育て200世帯

事業概要

日本全体で少子高齢化の課題解決のための働き手確保に向けて女性の就労が注目されるなか、子育て世帯では核家族化からくる無償ケア労働(家事・育児・介護等)の負荷が一要因となり、睡眠障害や産後・育児鬱、女性特有の健康課題等々、様々な不調症状を複数かつ長期にわたって抱えており、子育て世帯の身心の健康度が低下し、「健康的な身心で子育てや働くこと」「健康的な暮らしを営むこと」が困難な状況にある。これらに対し福岡県内で核家族化が進む地方中枢都市、中核都市である福岡市と久留米市に在住する子育て世帯(妊娠期含む)を対象に、子育て世帯が身心ともに健康的(課題に対して人と協力して取り組むことができる状態)になることで、主体に必要な情報やサービス(有料・無料不問)につながることができる状態を目的とし、かかりつけナースチャットサポートによる「専門家とつながる」事業、家庭内家事人材の育成による「生活圏内の住民とつながる」事業、データベースの整備による「情報とつながる」事業、生活圏内の企業や行政への啓発による「社会とつながる」事業を行うものとする。そのことにより本事業の受益者だけでなく当該地区の子育て世帯がウェルサポを「かかりつけナース」として認知し、一人で不安不調を抱え込むことなく、安心して健康的な暮らしを営むことができると考える。また、これまでの知見を考慮し、事業内で十分な効果を得るためにポピュレーションアプローチ(多くの人々が少しずつリスクを軽減することで、集団全体としては多大な恩恵をもたらす事に注目し、集団全体をよい方向にシフトさせること、健康増進や疾病予防に寄与しうる利点がある)の手法で積極的なアウトリーチ方式で行うものとする。なお、本事業終了後は寄付による自己資金の獲得のほか、行政とともに実施していくことも見据えて、本事業内で通常枠事業採択団体と連携し、その際の課題抽出なども行う予定である。

事業の総括およびその価値

ポピュレーションアプローチと積極的なアウトリーチを用い235名への健康支援を実施。特に支援が必要な方(ひとり親、子どもの発達・発育、疾病、登校に課題、親の発達や疾病に課題)が多くユーザーとなった。終了後も支援度が高い当事者が自身や家族の健やかな暮らしを持続可能とするため、相談内容をもとに検索用データベース「フレンドナースの処方箋」を作成。身心不調は暮らしの困り事から始まり疾病につながることから、かかりつけナースの生活習慣改善と同時に支援団体・行政との見守り体制の連携の重要性を感じた。行政サービスでは窓口相談や手続きの困難さ、「A窓口でB窓口を紹介されたがどうしたらよいかわからず行かなかった」との声があり、相談に至るまで、窓口間(支援)をつなぐ役割の必要性を感じた。企業では子育てと仕事の両立が困難な状況が離職リスクを高めており、従業員の生活課題への配慮が企業に求められる課題として明確化した。

課題設定、事業設計に関する振返り

少子高齢化の解決と働き世代の持続的な就労、これまでの実証事業で明らかになった「女性特有の健康課題の常態化による行動変容の困難さ」「家庭内での育児にかかわる家事分担の困難さ」や「収入の多寡、子どもの人数、性別に関わらない子育て世帯の健康度の低さ、相談に至るまでの障壁の大きさ、そのことによる社会からの孤立」といった課題に対応するため、「専門家」「生活圏の住民」「情報・社会」とつながる柱を軸に支援を展開した。ポピュレーションアプローチを活用して積極的なアウトリーチで支援が届きにくい層にもアプローチを行うことで、支援のkeywordとして「核家族」「ひとり親」「子どもの発達発育」「登校」「親の疾患」「貧困」の7つがわかった。行政、企業、支援団体と連携しながら周知と課題抽出を進めた。結果として、行政や企業の協力を得ることで支援の幅が広がり、相談に至れない人々にもアプローチできた。また、意見交換を通じて各機関の課題を共有し、データベースやナビブックの整備により当事者・支援者双方に有益な情報共有が可能となった。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1【専門家とつながる】 モニターが専門家に身心不調を気軽に相談し、改善に向けて前向きに取り組むことができる
指標・健康に対する取組数
目標値・目標状態・カルテ内取組数25件 ・アンケート内取組数60名
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察登録者235名のうち170名が、ナースと定期的に対話を実施。その中で99名が困りごとを相談し、相談件数は153件に上った。相談(カルテ)内で確認された取組数は123件、アンケート回答で示された取組数は267件(1人平均2.6件)に達した。初期段階から積極的なアウトリーチを実施し、特にLINE電話による面談を活用することでラポールを形成。「相談」という言葉ではなく「日常の気になること」と表現することで対話のハードルを下げ、多忙のなか悩みを共有する時間を確保しにくいユーザーの声を引き出せた。ケースに合った取組を設定し、定期的にフォローアップを行うことで利用者が前向きに改善へ取り組めるよう支援できたと考えている。
2【生活圏内の住民とつながる】 モニターが生活圏内(家族、家族以外)に気軽に頼れる存在がおり、健康を害する無償ケア労働(家事・育児・介護等)負担を軽減できている
指標・悩みや身心不調について話せる人の増加
目標値・目標状態・モニター50名が家族や家族以外の日常生活圏内に悩みや身心不調を話せる人が一人以上増えている
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察モニター50名に対し、2~3名でチームを組みチームで家庭教師を派遣した。家庭教師は「いつも同じ目線でいること」「いつも味方でいること」「いつもと違う状態に気づくこと」を大切にし、チャットだけでは把握しづらい生活環境や健康状態を自宅訪問で確認し、レポートでナースと連携しながら支援を行った。その結果、モニターからは「自宅に来てもらって話し相手になってくれることで気持ちが楽になった」「家事の基本を学ぶことができた」「子どもやパートナーが料理を作ってくれるようになった」といった声が寄せられ、日常生活で気になっていることや身心の不調を気軽に相談し、頼れる存在ができ、無償ケア労働の負担軽減につながったと判断した。
3【情報とつながる】 モニターが無料でいつでも社会資源につながる(情報を得る)ことができる
指標・データーベースの有無
目標値・目標状態・インターネット上で公開している
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察事業終了後も支援度の高い当事者が自立して、自身や家族の健やかな暮らしを持続可能とするために、本事業での153件の相談をもとに看護師監修のもと、検索用のデータベース「フレンドナース処方箋」を作成。当事者のみならず行政や企業の支援者など誰でもいつでも悩みや症状に合わせて活用可能なものとしインターネット上で公開をした。また、スマホでみやすいもの、発達課題がある人、健康を害している人はテキストが見ずらいため、レシピを視覚で見れるものお悩みカテゴリ(不調内容)ごとに相談内容(相談者のそのままの相談内容)とカテゴリを表示し検索しやすいようにした。
4【社会とつながる】 福岡市・久留米市内の行政・企業が無償ケア労働(家事・育児・介護等)に対するサポートの必要性を理解している
指標・福岡市、久留米市内の行政、企業との意見交換を通じて、家事負担に関する関心を示す発言を引き出せている
目標値・目標状態・家事負担に関する関心を示す発言を3パターン以上引き出せている
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察福岡市・久留米市の行政9回、企業11回、議員7回子育て世帯のライフスキルの低下による健康度の低下、子どもの発達・発育、登校の課題、親世代の発達・疾病の課題について意見交換を行った。2月20日には総括イベントを開催。リアル30名、オンライン11名、アーカイブ19名が参加。事業報告と「事業から見えてきた福岡市及び久留米市・近郊地域での子育て世帯のリアルな課題と具体的支援の展望」をテーマに、支援団体、ユーザー、教育関連とトークセッションを行った。参加者アンケートには27名が回答、100%が子育て世帯のリアルな現状と課題に対して理解と関心が高まったとの回答がありサポートの必要性が理解されたと判断した。

アウトプット

1【専門家とつながる】 かかりつけナースがモニター(200名)の半数(100名)の不調を把握している
指標・アクティブユーザー(期間内に1回以上利用があったユーザー)数
目標値・目標状態・モニター半数(100名)がアクティブユーザーである
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察初期段階より積極的にアウトリーチを試み、中でも初期からLINE電話での面談によるラポール形成とヒヤリングを行った。登録者235名中170名がアクティブユーザーとなり、99名が対話を通して困りごとを相談した。(153件)ヒヤリング内容を「相談」ではなく「日常の気になること」とすることで自身の不調に気づきやすくなったと考えられる。
2【専門家とつながる】 かかりつけナースがアドバイザーと協働でモニターに合ったアドバイスを実施し、生活改善行動を促進している
指標・提案数
目標値・目標状態・提案数(症状改善、意思決定、アテンド推進)100件
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察ユーザーからの相談に対し153件の提案を実施した。(うちアドバイザーとの協働30件)アドバイザー研修でユーザーの特性等を共有し、特性はもちろんのこと、健康状態や疾患の特徴、ライフスタイルに配慮しながら対話の中で取り組みやすいものや取組の頻度を意思疎通を行いながら丁寧に提案した。
3【生活圏内の住民とつながる】 生活圏内に悩みや不安を話せる人を増加させる働きかけができている
指標・家事家庭教師の派遣回数 ・家事家庭教師による身心不調や悩みなどに関する働きかけ数や観察報告数
目標値・目標状態・家事家庭教師派遣240回 ・働きかけ数または観察数240回
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察家事家庭教師の派遣回数と働きかけ数は計240回であった。担当サポーターは、ユーザーの顔色や声の大きさ・トーン、目線やしぐさの変化を観察し、レポートを提出した。レポートには、ユーザーやその家族の健康状態(睡眠、食欲、疲労)や、ナースの働きかけの必要性が記載されており、必要に応じてナースがサポートを実施した。ユーザーからは、「訪問があることで安心して話せた」「子育てで話し相手がいなかったので助かった」といった声が寄せられた。
4【生活圏内の住民とつながる】 家庭内に家事人材を増やし、無償ケア労働の負担を軽減できている
指標・家事人材の育成数
目標値・目標状態・家事人材60人育成
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察61名(子ども35名、パートナー8名、自身18名)の家事人材を育成した。 「子どもが自分が遅いときにご飯を炊いてくれた」「子どもが積極的に掃除をするようになった」「片付けが苦手な発達障害の子が取り組むようになって、部屋が清潔になった」等ユーザーからの声があった。今回は自身がライフスキルを向上させたいという希望もあり結果的に成人女性、成人男性、小学生、中学生と幅広い対象の皆さんに「健康的な暮らし」の学び直しの機会をつくることになった。子育て世帯のライフスキルの低下がありそのことにより家族全体の健康度の低下があることがわかった。
5【生活圏内の住民とつながる】 無償ケア労働の負担について、モニターが家庭内で共有可能な状態になるようにサポートができている
指標・教育機会の回数
目標値・目標状態・教育機会180回
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察・福岡市40件、久留米市10件計240回の家事家庭教師を実施した。その中で無償ケア労働の負担についてモニターが家庭内で共有可能な状態になるようにサポートを行った。「ここ数年あまり手料理を作ってなかった。本当に娘が喜んでくれた」「子どもと一緒の時間が取れないが家事を通して時間を共有できた」「仕事から変えると子どもがごはんを炊いたり、材料を切ってくれていて助かった」等ユーザーからの声があった。
6【情報とつながる】 必要な福岡市・久留米市の社会資源の情報を集めている
指標・社会資源に関する情報数
目標値・目標状態・社会資源(医療機関施設、行政窓口、NPO等)情報175件
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察身心の不調は生活習慣だけでなく、暮らしの困りごとに起因することも多いことから、困りごとの解決につながる支援先のコーディネートも重要である。そのため、自分に合った支援先を見つけやすくするデータベース「フレンドナース処方箋」を整備した。スマホで見やすく、発達課題がある人や健康を害している人にも配慮し、視覚的にレシピを確認できる仕様とした。また、悩みごとのカテゴリ別に、相談者の言葉のまま検索しやすい設計とした。現在、医療機関156件、行政窓口19件、NPO等の支援団体5件の計180件を掲載。今後も意見交換を重ね、随時情報を更新していく。
7【情報とつながる】 「食事」「運動」「睡眠や養生」習慣などの日常使いのできる情報を看護師監修でまとめている
指標・習慣に関する情報数
目標値・目標状態・習慣改善情報30件
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察身心の不調は生活習慣を要因とすることが多いため、看護師が助産師、保育士、健康運動指導士、管理栄養士等の他専門家と協働しながら日常使いができる生活習慣を45件にまとめ、事業終了後も自分に合った情報を見つけやすくするデータベース「フレンドナース処方箋」を整備した。スマホで見やすく、発達課題がある人や健康を害している人にも配慮し、視覚的にレシピを確認できる仕様とした。また、悩みごとのカテゴリ別に、相談者の言葉のまま検索しやすい設計とした。今後も随時情報を更新していく。当事者のみならず行政や、企業、支援団体の支援者など誰でもいつでも活用が可能である。
8【情報とつながる】 無料で社会資源にアクセスできるデータベースを整備できている
指標・公開用データベースに掲載する情報の数
目標値・目標状態・公開情報(医療機関施設、行政窓口、NPO等、習慣改善)170件
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察データベース専門家と協議のもと社会資源にアクセスできるデータベースを作成。200件以上の情報を公開し随時更新を行っている。かかりつけナースチャットサポートの終了と共に1月末にユーザーに公開し、2月20日の総括イベントで一般公開を行った。
9【社会とつながる】 福岡市・久留米市の行政(関連担当課)と企業(経営・人事課)と意見交換ができている
指標・意見交換回数
目標値・目標状態・意見交換回数15回(企業10回、行政5回)
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察福岡市・久留米市の行政(関連担当課)9回、企業11回、議員7回、計27回の意見交換を実施した。相談件数や内容など共有しながら、子育て世帯のライフスキルの低下による家族全体の健康度の低下、子どもの発達・発育、それにかかる登校の課題の多さ、親世代の発達・疾病の課題の多さ、 働くことの関連性により貧困の可能性や企業が現状把握ができていないことなどを共有し課題の抽出を行うことができた。
10【社会とつながる】 福岡市・久留米市の行政と企業によるサポートを普及するための課題抽出ができている
指標・課題件数
目標値・目標状態・課題記載件数:5件
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察検討委員会や企業、行政との意見交換で、以下の課題が抽出された。 「行政や企業は当事者の困りごとや本音が把握しづらく、制度やサービスが妥当か検証できていない」「相談窓口はあるが利用に至らず、手続きの負担で支援を受けられない人も多い」「行政サービス内の提供事業所の不足で住民ニーズに対応できない」「行政内の子育て関連担当課同士の連携がしづらく支援対象者がもれていく」「企業では暮らしの困りごとに対応することは難しい一方、それを理由に離職する、管理職を目指さない」 対策として、地域の支援団体や行政と連携し、当事者を見守る体制の構築や相談窓口同士をつなぐコーディネーターの役割を機能強化、さらに、行政、企業、教育、医療などと連携し、暮らしの困りごとに柔軟に対応することが求められると議論した。

活動

1【モニター募集ツール(webページ、フライヤー)を作成とマーケティング戦略に基づいた募集】 受益者に「①まさに私のことだ」、次に「②家庭内に協力を求めやすくする」、そして「③申込」の3ステップ構成で作成。専門業者の協力を得ながらターゲット層に効果的にアプローチができる企業や行政、通常枠・緊急枠事業採択団体13団体含む他団体への調整を依頼する。 ■Webページ:トップページと専用ページ ■フライヤー:A4両面カラー、印刷各1000部(計2000部)
活動結果計画通り
概要デザイナーや専門家に外注し、Webページ(https://www.wellsuppo.or.jp/housework)とフライヤーを制作。マーケティング戦略の専門家と連携し、ポピュレーションアプローチに基づいた戦略を策定。その戦略を反映したWebページとフライヤーを作成した。さらに、企業や行政、通常枠・緊急枠事業の採択団体13団体を含む他団体に調整を依頼し、ターゲット層への効果的なアプローチを行った。
2【かかりつけナースによるチャットサポートの実施】福岡市内・久留米市近郊在住の子育て世帯の親/無料/7時~21時まで対応(相談受付は24時間) かかりつけナースが専門家5名(助産師、管理栄養士、健康運動指導士、社会福祉士、他1名)と連携し、LINEチャット・ビデオ相談にて意思決定・伝達支援を重ねることで信頼関係を構築し友人のようなつながりをつくりながら地域内の各種団体と連携し、身心の不調不安の軽減を行う。
活動結果計画通り
概要かかりつけナースが専門家と連携し意思決定支援を実施。信頼関係を築きながら不調や不安の軽減を図った。登録時のLINE電話面談によるラポール形成や「相談」ではなく「日常の気になること」とすることで対話のハードルを低減。相談対応に加え、経過確認や健康・生活情報等を配信。登録者235名のうち170名がかかりつけナースと定期的に対話をした。うち99名が困りごとを相談し、相談件数は153件に上った。
3【イベント形式相談会の実施】福岡市内・久留米市近郊内在住の子育て世帯の親(モニター以外も参加可)/無料/期間中各地域2~3回/各2時間 かかりつけナースが専門家5名(助産師、管理栄養士、健康運動指導士、社会福祉士、他1名)と協働でイベント形式での相談会を開催。多様な形式での相談を繰り返すことで不安不調を相談がしやすい状況をつくる。
活動結果計画通り
概要福岡市・久留米市近郊の子育て世帯の親(モニター以外も参加可)を対象に、かかりつけナースが健康運動指導士と協働し、相談会を開催。多様な形式の相談を通じ、不安や不調を相談しやすい環境を整えた。相談会は計5回実施(通常枠・緊急枠との共同2件)、相談件数はトータル26件。イベントを通じた新規ユーザー登録もあった。
4【相談件数に関する月次集計と分析】モニター200世帯対象 LINEチャット・ビデオ相談・イベント相談内の相談件数を月次に集計し、専門家の協力のもと分析し「子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ等)と課題」の抽出を行う。
活動結果計画通り
概要LINEチャット・ビデオ相談・イベント相談の件数や内容を月次集計し、データ分析の専門家と協力して「子育て世帯の現状(身心の健康度・要因・ニーズ)」を分析し、課題を抽出した。その結果をもとに、事業終了時のアンケートを作成した。
5【かかりつけナース・アドバイザーに対する事前研修と月次研修会の実施】無料/オンライン/事前研修90分、月次60分 担当するかかりつけナースと専門家を対象に、事業の目的や具体な連携方法などの事前研修、事業実施後は事業内のケーススタディを毎月1回行うことでクオリティの担保を行う。チャットサービスを担当するナースに関してはコンプライアンスに配慮したコミュニケーションを行うために特別にマニュアルを用いた研修と指導を行う。
活動結果計画通り
概要担当ナースと専門家を対象に、事業開始前に事前研修(90分)を実施し、事業の目的や連携方法を共有した。事業実施中は2回のケーススタディ研修を行い、質の向上を図った。発達障害の専門家による研修も開催した。チャットサービス担当ナースには、マニュアルを用いた実施研修・コンプライアンス研修を実施し、8月~10月は週1回の振り返りと指導を行った。
6【相談対応に関する月次集計と分析】モニター200世帯対象 LINEチャット・ビデオ相談・イベント相談内の相談に対するにかかりつけナースの対応(アドバイザー含む)の状況を月次に集計し、専門家の協力のもと「子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ等)と課題」の抽出を行う。
活動結果計画通り
概要相談事にカルテを作成し、LINEチャット・ビデオ相談・イベント相談の対応状況を月次集計、専門家の協力のもと子育て世帯の現状と課題の抽出を行った。相談内容は自身の健康(78件)家族の介護看護(33件)子育て(28件)でケースごとの対応が重要であった。対処方法は傾聴(56件)医療機関受診の提案(32件)経過観察(24件)を行った。言葉にできない不安や変化に気づき、気軽に声をかけられる仕組みの必要性が示された。
7【生活改善行動に関するアンケート調査と分析】モニター200世帯対象 健康に対する取組、無償労働ケアに関するアンケートを実施し、回答結果を専門家の協力のもと分析し「子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ等)と課題」の抽出を行う。
活動結果計画通り
概要モニターを対象に、1月末に健康への取り組みや無償ケア労働に関するアンケートを実施し、データ分析専門家とともに分析を行った。結果、90%以上の人が家事の50%以上を担当しており、家事負担が小さいほど負担感も軽減されることが明らかになった。負担軽減のために求められるサービスでは家事サポートが最も多いという結果が得られた。
8【家事家庭教師募集ツール(webページ、フライヤー)の作成とマーケティング戦略に基づいた募集】福岡市・久留米市近郊在住/20名 福岡市・久留米市在住を中心とした家事経験の豊富な方(家事経験5年以上、性別不問)を対象とし、「事業の目的や意義に共感すること」を前提に専門業者と通常枠・緊急枠事業採択団体13団体含む他団体の協力を得ながら募集を行う。 ■Webページ:トップページと専用ページ ■フライヤー:A4両面カラー、印刷各200部(計400部)
活動結果ほぼ計画通り
概要福岡市・久留米市近郊在住の家事経験豊富な方を対象に、Webページとフライヤーを制作。マーケティング戦略の専門家とともに戦略に基づいた募集を実施した。結果10名が登録(福岡7名、久留米3名)となった。
9【家事家庭教師養成講座のテキスト作成と実施】無料/20名対象 専門家(管理栄養士、生活アドバイザー)と協働で「健康的な暮らし」を主眼におき、「食事」と「清潔な生活環境整備」の2構成で養成プログラムを再整備する。また家事家庭教師のクオリティ担保と生活スタイル(働きながら参加できる)にも注力した内容とする。 ■構成:養成講座(90分×6コマ:片付け①掃除②料理③) ■形式:動画事前自習+オンラインQ&A
活動結果計画通り
概要専門家(管理栄養士・生活アドバイザー)と協働し、「食事」と「清潔な生活環境整備」の2構成で家事家庭教師養成講座のテキストと動画を作成。動画は1講座15分程度で閲覧可能なものを作成し、サポーターが隙間時間に受講できるよう工夫した。養成プログラムは片付け・掃除・料理の6コマ(90分×6)で構成され、動画事前学習+オンラインQ&A形式で行った。
10【モニター用のテキスト作成】チャットサポート対象者内の希望者/50名分 専門家(管理栄養士、生活アドバイザー)と協働で「健康的な暮らし」を主眼におき、「食事」と「清潔な生活環境整備」の2構成で小学生の児童が理解できる内容に再整備する。 ■内容:90分×10コマ:掃除②、片付け①、料理④、補講③※希望者のみ 
活動結果計画通り
概要専門家(管理栄養士・生活アドバイザー)と協働し、「食事」と「清潔な生活環境整備」を主眼に、小学生でも理解しやすいモニター用テキストを作成。内容は養成講座よりも簡単にし、掃除・片付け・料理で構成した。
11【家事家庭教師の実施】チャットサポート対象者内の希望者/50名/無料 養成講座を受講した家事家庭教師が利用者宅で家事サポートを行いながら同居家族(小学生以上の児童、親)に家事教育を行う。無償ケア労働の家庭内シェア化だけでなく、家事家庭教師を生活圏内の頼れる存在と認識し孤独孤立を予防する。 ■内容:90分×10コマ:掃除②、片付け①、料理④、補講③※希望者のみ
活動結果計画通り
概要養成講座を受講した10名のサポーターが利用者宅で家事サポートと家事教育を実施。福岡市では183名のチャットサポート利用者のうち92名が希望し40名が実施。久留米市近郊では52名の利用者のうち30名が希望し10名が実施。サポーターからは「孤独感がなくなり、担当を増やしたい」との声があり、利用者からも「障害児のケアと家事に疲れていたが、会話が息抜きになった」「優しく話を聞いてくれてありがたかった」との声が寄せられた。
12【無償ケア労働の負担に関するアンケート調査と分析】モニター200世帯対象 無償労働ケアの負担に関するアンケートを実施し、回答結果を専門家の協力のもと分析し「子育て世帯の無償ケア労働の現状と課題」の抽出を行う。
活動結果計画通り
概要1月に無償ケア労働に関するアンケートを実施し、108名が回答。結果90%以上の人が家事の50%以上を負担しており、家事分担が小さいほど負担感も軽減されることが明らかになった。負担を減らすために求められるサービスでは家事サポートが最も多いが、支援の内容は多岐にわたり、多様な選択肢が必要であることが示された。
13【無償ケア労働の負担を共有するためのプログラム作成】 専門家(管理栄養士、生活アドバイザー)と協働でテキスト内に「掃除」「片付け」「料理」の各項目に家庭内の家事を可視化し、負担の共有ができる工夫をする。
活動結果計画通り
概要専門家(管理栄養士・生活アドバイザー)と協働し、「掃除」「片付け」「料理」の全7項目のテキストを作成。食事に関しては健康的な塩分量を示し、掃除・片付けでは適切な頻度・ポイント・必要な物品を提示。小学生以上の子どもでも取り組めるよう、準備物品や手順を分かりやすく解説し、家事の可視化と家庭内での負担共有を促す工夫を施した。
14【無償ケア労働の負担の共有状況に関するアンケート調査と分析】50名対象 無償労働ケアの負担の共有状況に関するアンケートを実施し、回答結果を専門家の協力のもと分析し「子育て世帯の無償ケア労働の現状と課題」の抽出を行う。
活動結果計画通り
概要1月に無償ケア労働の負担共有状況に関するアンケートを実施し、家事家庭教師対象者だけでなくチャットサポートユーザーを含む108名が回答。90%以上の人が家事の50%以上を負担しており、家事分担が小さいほど負担感も軽減されることが明らかになった。負担軽減のために求められるサービスでは家事サポートが最も多いが、支援の内容は多岐にわたり、個々のニーズに応じた多様な選択肢が必要であることが示された。
15【通常枠・緊急枠事業採択団体と連携しながら福岡市・久留米市内の社会資源候補の抽出福岡市・久留米市内の社会資源候補の抽出】 これまでの知見を活かす他に、通常枠・緊急枠事業採択団体13団体との意見交換を通して、身心の不調と関連する社会的要因の解決(行政、NPO、他サービス等)や確定診断が必要な際の受診のアテンド先となる候補先をリストアップする。
活動結果遅延あり
概要13団体に対し、福岡市・久留米市内の社会資源候補の抽出に向けた意見交換を依頼した。しかし、団体の都合により全ての団体との実施は困難であったが、13回意見交換を実施した。
16【社会資源候補と連携】 受益者の傾向を考慮したうえで上記候補先と意見交換を行い、状況確認と連携協力方法を確認する。
活動結果計画通り
概要受益者の傾向として、多様な困りごとや本音が見えにくく、支援が必要な人ほど積極的なアウトリーチが求められる。また、子育て行政担当課との連携が難しく、保護者支援の難しさやライフスキルの低下を感じるが、家庭内への介入が困難であることも課題として抽出された。意見交換では、長期休暇を活用した「家事家庭教師」の実施や、親子料理教室を「家事の家庭教師講座」として展開する案、ユース事業との協働も検討している。
17【社会資源情報をまとめる】 受益者の傾向や上記候補先の状況や連携協力方法など、必要な情報をまとめる。
活動結果計画通り
概要受益者の傾向として、多様な困りごとや本音が見えにくく、支援が必要な人ほど積極的なアウトリーチが求められる。また、子育て行政担当課との連携が難しく、保護者支援の難しさやライフスキルの低下を感じるが、家庭内への介入が困難であることも課題として抽出された。意見交換では、長期休暇を活用した「家事家庭教師」の実施や、親子料理教室を「家事の家庭教師講座」として展開する案、ユース事業との協働も検討している。
18【「食事」「運動」「睡眠・養生」習慣改善情報を抽出】 これまでの知見を活かし、かかりつけナースが中心となって専門家4名(助産師、管理栄養士、健康運動指導士、社会福祉士)と連携しながら、身心の不調を改善するための「食事」「運動」「睡眠・養生」情報を抽出する。
活動結果計画通り
概要5年間の知見を活かし、かかりつけナースを中心に専門家と連携し、「食事」「運動」「睡眠・養生」に関する習慣改善情報を抽出した。子育てに関するの悩みが多かったため、新たに保育士を加え、支援体制を強化した。さらに、お悩みカテゴリごとに情報を整理し、生活習慣改善情報をまとめた。
19【習慣改善情報をまとめる】 受益者の傾向に合わせて上記情報を見やすくまとめる。
活動結果計画通り
概要5年間の知見を活かし、かかりつけナースを中心に専門家と連携し、「食事」「運動」「睡眠・養生」に関する習慣改善情報を抽出した。子育てに関するの悩みが多かったため、新たに保育士を加え、支援体制を強化した。さらに、お悩みカテゴリごとに情報を整理し、生活習慣改善情報をまとめた。発達課題がある人や健康を害している人のために、テキストだけでなく視覚的にレシピを確認できる形式を採用。また、簡単に取り組める内容とし、複数の選択肢を用意することで、それぞれの状況に応じた実践がしやすいよう工夫した。
20【専門家監修のもとデータベースの整備をし、公開する】 専門家監修のもとデータベースの形式や方法などを策定し、専門家が作成したデータベースフォーマットに公開する社会資源情報や習慣改善情報を入力し、随時公開を行う。通常枠・緊急枠事業採択団体13団体内の該当地区の受益者に利用してもらうことで、社会的インパクトの拡大を図る。
活動結果計画通り
概要専門家監修のもと、支援者が困りごとを聞いた際にスマホで簡単に検索できるデータベースを整備。お悩みカテゴリごとに相談者の実際の相談内容を掲載し、視覚的に確認しやすいレシピ形式を採用した。また、意見交換の場や総括イベントで案内を行い、活用を促進した。
21【通常枠・緊急枠事業採択団体と連携しながら福岡市・久留米市の協力連携可能な行政・企業のリストアップ】 通常枠・緊急枠事業採択団体13団体との意見交換を参考に、「男女共同参画」「女性活躍」「子育て」に関連する行政担当課、「健康経営」「人的資本経営」「女性活躍」「男性の育休制度」に関心のある企業または経済団体のリストアップを行う。
活動結果計画通り
概要意見交換をもとに、必要な行政課や企業他の支援団体をリストアップした 福岡エリア:ママと女性の就業支援センター、福岡市こども総合相談センターえがお館、福岡市各区こども支援課、福岡市各区子どもプラザ、社会福祉協議会、久留米エリア:ひとり親サポートセンター(久留米市役所子ども未来部家庭子ども相談課)、筑後エリア:ママと女性の就業支援センターと意見交換した 今後、も追加で行っていく
22【福岡市・久留米市内の行政・企業と意見交換をする】 上記リスト内の行政担当課や企業と事業開始前の事業説明や事業報告等、事業内で明らかになった課題などを中心に継続的な意見交換を行う。
活動結果計画通り
概要福岡エリア:ママと女性の就業支援センター、福岡市こども総合相談センターえがお館、福岡市各区こども支援課、福岡市各区子どもプラザ、社会福祉協議会、久留米エリア:ひとり親サポートセンター(久留米市役所子ども未来部家庭子ども相談課)、筑後エリア:ママと女性の就業支援センター、以上の行政9回・企業11回、事業開始前、実施中、終了に時意見交換を実施した。総括イベントにも招待をした。
23【「健康的な働く環境づくり」検討委員会の組成と実施】 協力企業や経済団体により組成された5名程度のメンバーで検討委員会を定期開催(3回程度)し、アンケート・相談結果をもとに専門家と協働でデータ分析を行ったものを共有し、企業が取り組むべき施策を検討し、協力企業内では実施状況の観測を行う。また検討会の論点に合わせてスポットで検討会アドバイザリーを招聘したり、インタビュー調査を行うなどする。
活動結果計画通り
概要協力企業や大学教授を含む検討委員会を3回実施。相談結果やアンケートを専門家と分析し、その結果をもとに課題や施策を検討した。さらに、検討委員会で挙がった論点について、ユーザーへの個別インタビュー調査を実施し、より具体的な課題把握と施策立案を進めた。
24【通常枠・緊急枠事業採択団体と福岡市・久留米市の子育て世帯の現状と課題に関する意見交換を実施】 通常枠・緊急枠事業採択団体13団体と定期的な意見交換を実施し、福岡市・久留米市の子育て世帯の現状と課題を共有・ディスカッションを行う。またこの結果を検討委員会でも議論することで、企業・行政への啓発を大きいものとする。
活動結果計画通り
概要3団体と合計13回定期的に意見交換を実施し、その内容を検討委員会で報告。課題を共有し、具体的な対策について検討を重ねた。今後は、ナビブックを活用しながら、さらなる企業や行政との意見交換を継続する。
25【課題抽出のためのアンケート・相談結果の分析】 「子育て世帯の健康度や生活習慣に関するアンケートを実施し、相談内容の集計結果と合わせて専門家の協力のもと分析を行い「地方中枢都市・中核都市の子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ、無償ケア労働等)と課題」を取りまとめる。
活動結果計画通り
概要1月に子育て世帯の健康度や生活習慣に関するアンケートを実施し、108名が回答。相談内容の集計結果とアンケートデータを専門家と協力して分析し、「地方中枢都市・中核都市の子育て世帯の現状(身心の健康度・要因・ニーズ・無償ケア労働等)と課題」を取りまとめた。分析結果はナビブックへ掲載した。
26【ハンドブック作成と公開】 事業内容や相談内容の集計結果、「地方中枢都市・中核都市の子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ、無償ケア労働等)と課題」、専門家による総括をとりまとめたハンドブックを作成し、配布公表を通して意見交換の活発化を図り、見えづらい「無償ケア労働と身心不調の課題観」に関して社会に認知と理解を深める。通常枠・緊急枠事業採択団体13団体含む他団体を中心に配布を行い、課題観の共有と社会的インパクトの拡大を図る。 ■仕様:イラストを中心とした、A4両面カラー20頁程度、500冊印刷
活動結果計画通り
概要153件の相談と、2回のアンケート結果(8月1月)を集計し、専門家とともに「地方中枢都市・中核都市の子育て世帯の現状(身心の健康度・要因・ニーズ・無償ケア労働等)と課題」をまとめたナビブックを作成。2月20日の総括イベントで配布・公表し、21日にプレスリリースを実施した。500冊を通常枠・緊急枠事業採択団体13団体、他団体・企業等へ送付し、課題の共有や意見交換を今後も実施する。
27【啓発イベントの実施】ハイブリッド/福岡市内会場を想定 事業から見えてきた「地方中枢都市・中核都市の子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ、無償ケア労働等)と課題」について社会に認知とと理解を深めること、加えてハンドブックの公開を周知することを目的としたイベントを行う。インフルエンサーや学識者等、著名人をスペシャルゲストとし、メディアや多くの参加者を誘導する。
活動結果計画通り
概要2月20日、福岡・久留米のリアル会場とオンラインのハイブリッド形式で総括イベントを実施。ユーザーや協力団体、大学教授をゲストに迎え、事業報告・トークセッション・ナビブックの公開と周知を行った。西日本新聞社・JCOMの取材があった。リアル・オンライン・アーカイブを含め、トータル65名が参加し、子育て世帯の課題について理解を深める機会となった。

資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括

1取り組み

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

かかりつけナースとのチャットサポートでは、子育てや発達障害のある子どもとのコミュニケーションや発達に関する相談、さらに親自身の心の不調や発達に関する相談が、5年前の実証事業と比較して増加していた。そのため保育士をアドバイザーとして新たに加え、発達障害の専門家による勉強会を開催し、理解の深化と対応スキルの向上を図った。 一方「家事の家庭教師」は、当初は子どもや普段家事を担っていない家族を対象としていたが、実際には普段家事を担っている人からの参加希望が多かった。このことから、家庭内で健康的な暮らしを送るためのライフスキルが低下していることや、世代間でライフスキルが継承されていないことが明らかになった。ライフスキルが低下することで家族全体の健康度が下がり、結果として相談に至らず行政の支援を受けにくい状況が生まれ、さらに課題が重なって困窮が深まることも分かった。また、発達障害のある人が自立するためには特にライフスキルの取得が必要であるにもかかわらず、家庭内でライフスキルの継承が難しいことで、発達障害による特性に加えてライフスキルの低下がよりいっそう自立を困難にしている現状も明らかになった。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

核家族化や孤立化が進むなか、家事・育児と仕事を両立させるための時間的余裕が不足しており、その結果、家族全体のライフスキルが低下している状況が見受けられた。ライフスキルが低下すると健康度が下がり相談ができず、相談窓口の機能が十分に発揮できていない現状があると考えられる。また複数の課題が重なることで、当事者だけでなく家族全体の健康度が低下し、より困窮を深めてしまう結果、行政による支援が必要な層が増加していると考えられる。 今後は「家事の家庭教師」を企業には福利厚生として導入してもらうことで、ライフスキル向上やサポートを図ることを目指す。また、支援団体においてはライフスキル向上をサポートできる家事サポーターを養成するための研修や、資金調達を目的とした協働寄付キャンペーンを実施する。さらに、行政や自治体に対しては、子育て支援担当課との連携や、発達に課題をもつ子どもの自立を後押しする取り組みとして協働の実証実験を進めていく。自治体ごとの実証実験を通じて、地域の実情に即した具体的な施策を実施・評価し、その結果を相互に共有することで、より効果的な支援策の展開を図る。

外部との連携実績

1活動無償ケア労働の負担の共有状況に関するアンケート調査と分析
実施内容定性定量のデーター分析、課題抽出
結果・成果・影響等定量定性のデータから現状の認識と地方中枢都市・中核都市の子育て世帯の現状(身心の健康度、その要因、ニーズ、無償ケア労働等)と課題の抽出ができた
2活動健康的な働く環境づくり」検討委員会の組成と実施
実施内容学識者、企業人事担当者による検討委員会を発足し、3回の検討委員会と実施した
結果・成果・影響等データーから課題抽出と具体的な施策について検討できた
3活動福岡市・久留米市内の行政・企業と意見交換をする
実施内容通常枠、緊急枠3団体と連携し、福岡エリア、久留米エリア、筑後エリアの行政や企業と意見交換を行った
結果・成果・影響等行政や企業の新たな課題の抽出と気づき、連携強化の必要性を認識できた

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容
広報制作物等あり
内容

〇かかりつけナース及び家事家庭教師無料ユーザー募集WEBページ(https://www.wellsuppo.or.jp/housework)
〇かかりつけナース及び家事家庭教師無料ユーザー募集フライヤー6500部
〇家事家庭教師サポーター募集フライヤー400部
〇総括イベントフライヤー1000部
〇ナビブック500冊

報告書等あり
内容

ナビブック「社会全体で支える子育て世帯の健康的な暮らしナビブック」A5サイズ全27ページ(https://drive.google.com/file/d/1SOi5a5xvH72RuMbY0Z7YmZu_kDgUimq2/view?usp=drive_link)
データーベース「フレンドナースの処方箋」公開

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
内容
変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

当法人は、内部通報制度を実施するため、ヘルプライン窓口を設置しており、外部窓口として弁護士に対応を依頼。

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

当法人は、内部通報制度を実施するため、ヘルプライン窓口を設置しており、外部窓口として弁護士に対応を依頼。また、チャットサービス担当ナースにはコンプライアンス研修を実施した。

団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む)内部監査
内容

監事が決算書類の整合性をチェックし、適正な会計処理が行われているかを確認します。決算は5月に行われるため、5月に監査を実施予定。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

今回の事業を通じて、まず団体としての運営体制が、個々のスタッフの能力に依存しがちであり、組織全体で互いを補完できる構造が不足していることが明らかになった。今後は、組織体制や業務内容を整理して強みをさらに伸ばすとともに、専門家との連携を活用して弱みを補完していく。また、「家事の家庭教師」事業によって、日本社会全体のライフスキル低下が疾病や貧困などの社会問題に影響を及ぼしていることが再認識され、当団体の事業構成にも大きなインパクトがあると考える。今後の事業内容を再整理するとともに、日本社会全体の課題解決のために他地域展開に向けて次年度は活動を広めていく。さらに、コンプライアンスに関しては、体制が整っていないことを改めて認識できたことも大きな成果であった。特にチャットサポートでは、質や安全性を担保するための具体的なマニュアルやトークスクリプトが十分に整備されていない状況が浮き彫りとなったため、専門家のサポートのもと、質の担保と向上を図るべく対応を進めていく。