事業完了報告
2024/08/27更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2023/04/01 | 終了日 2024/02/29 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 全国 | |
| 事業対象者 | 本事業においては、海外にルーツを持つ青少年を対象とした学習支援を実施している団体の内、支援の質や量的拡大に意欲を持つ団体および、主に日本人の子どもを対象とした学習支援を実施しているが、当該事業において海外ルーツの青少年の受入れを実施している(あるいは本年度中に開始が決定している)団体を対象とする。また、これらの団体を通じて支援を受ける海外ルーツ青少年およびその家族が本事業における中間受益者として位置付けられる。 | |
| 事業対象者人数 | 直接受益者:12団体程度。また、本事業において研修や相談等を利用する職員・ボランティア数は実数50名程度を見込む。 | |
| 事業概要 | 本事業は、コロナ禍以来の社会状況の変化に伴い、今後教育支援体制の一層の不足が懸念される海外ルーツ青少年に対する支援の全国的な量的、質的拡大および支援活動の持続可能性向上を目指す。これまで各地において支援の担い手となってきた任意団体やNPO等の内、その支援の質の向上や受け入れ対象者層、受入れ人数の増加に意欲を持つ団体および、主に日本人の子どもを対象とした学習支援を実施しているが、当該事業において海外ルーツ青少年の受入れを実施(あるいはこれから実施することが決定)している団体を対象として、以下の取り組みを実施する。 | |
事業の総括およびその価値
本事業の成果として大きく3つ挙げられる。1つ目、つながりの創出である。今回参加した12団体は異なる都道府県の団体であり、活動の仕方にも違いがある。その結果、それぞれが各団体の取り組みを参考にできたり、一人で支援をしているわけでないという安心感につなげられた。2つ目に、各団体が新設のクラスや、取り組みを行うことで前年度比1.3倍の受益者のサポートを行えた。クラスの新設にあたっては、YSCの現場を活用し授業体験の提供やカリキュラム作成に関する研修の実施を行った。最後に、体制整備に関して、まだ実際の成果が出ていない団体が多いが、スタートアクションを起こすことができたと感じる。体制整備に関わる研修から、資金調達や団体の今後の展望の具体化に取り組む団体や、HPのリニューアルや広報方法の見直しをした団体も多い。任意団体から法人化をした団体もあり、今後人材面、資金調達面でも各団体変化がみられると考える。
課題設定、事業設計に関する振返り
参加団体に限らず様々な団体、地域の方とお話しをするなか で活動の継続、発展に悩んでいる団体は多くある。子どもたちの支援が優先となり、団体によっては体制整備の準備をする余力がない団体がある。体制整備についてどこに相談をしていいのか、何から着手すればよいかなど情報収集をする時間がない中で、中間支援として団体ごとのニーズに応じた体制整備の伴走は今後団体規模を大きくしていくうえで有益だったと感じる。一方で、研修や伴走の内容に関しては、団体のレベルによって変えていく必要性を感じた。これまで体制整備を行っていない団体に関しては新しい視点を持ってもらう機会につながったが、他方、ニーズに合わない研修内容の場合には任意参加にしたり、実践の共有の話し手として参加してもらうなど工夫をしたりすることで、全団体への満足度につなげていけるのではないかと感じた。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | ①海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体が、受入れ対象層・受入れ対象人数をこれまでより拡大できており、海外ルーツ青少年支援体制が改善した状態 | |
|---|---|---|
| 指標 | ・事業参加団体の内、受入人数増を目指す団体の受入れ人数が事業参加前より増加する ・事業参加団体の内、受入対象者層の拡大を目指す団体の受益者層が事業参加前より多様化(年齢、ニーズ、ルーツ等)する | |
| 目標値・目標状態 | ・受入人数が、対前年度比1.2倍となる ・受益者の多様性が年齢、ニーズ、ルーツの1領域以上で拡大 | |
| アウトカム:結果 | ・受入人数前年度比1.3倍 ・12団体中8団体が1領域以上拡大 | |
| アウトカム:考察 | 団体によって対象者層の拡大への取り組み状況は異なるが、参加した12団体中8団体が新規クラスの開設や新たな取り組みを行った。その結果、受け入れ人数が1.3倍にも広がった。今年度は学齢超過や既卒のお子さん、プレスクールなど義務教育で対応できない子たちへの対応に踏み出した団体が多かった。今年度新たな取り組みを行わなかった団体も、その必要性を感じ、対応できる人を増やすための研修を実施したりしている。拡大のためのアクションを起こせなかった理由としては、人員不足や、散在地域ゆえに支援対象者の数が少なく自治体からの予算がつけ づらいということがあがった。 | |
| 2 | ②海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体やそこで活動する支援者が、支援の質を向上させ、多様なニーズやケースに適切に対応できている状態およびその活動が持続可能となるための運営基盤が改善されている状態 | |
| 指標 | ・団体へのヒアリングによる状況変化の把握 ・研修に参加した支援者に対するアンケート調査による支援ノウハウ等理解・獲得状況の把握 ・研修に参加した支援者に対するヒアリングによる支援への姿勢の変化の把握 ・伴走支援に対する満足度 | |
| 目標値・目標状態 | ・事業参加団体(最大12団体)に対するルーブリック評価において、平均して1ポイント以上ポジティブな変化が起きている状態 ・研修に参加した支援者の内、9割が研修内容について「役に立った」「理解できた」と答える ・研修に参加した支援者に対するヒアリングにおいて、9割が自らの支援スキルについて前向きな変化を感じている状態 ・伴走支援に対するアンケート調査において、「役に立った」「満足」と答えた団体が8割以上 | |
| アウトカム:結果 | ・ルーブリック評価平均2ポイント上昇 ・研修後アンケート9割がポジティブな回答 ・伴走支援に対するアンケート9割がポジティブな回答 | |
| アウトカム:考察 | 今年度は体制整備、受益者の対象者層拡大を軸に定期研修・集合研修に よって、資金調達のイメージがついていなかった団体が、今年度の協働を通し地元企業からの寄付につなげられる目途がたった。またオンライン研修や、伴走支援が学齢超過・既卒者のクラスの新設の際に参考になったという声があがっている。研修時には、講師の話を聞くだけなく、各団体の情報交換の時間を取り入れることで、研修の満足度につながった。集合研修では、地域ごとの特色や規模感が違うことが、より深い学びの場になったように感じる。ルーブリックでは、研修を活かし広報や自治体との連携を積極的に行うことでポジティブな変化があった団体が多い。変化の具体例として、波及性を意識しイベント等を企画することで、これまでつながっていなかったステイクホルダーと連携ができるようになったと回答する団体や、やさしい日本語や多文化対応が参加前よりも内部で浸透をしたと感じる団体がある。 | |
| 3 | ③海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体や支援者が、支援対応に悩んだ時に、恒常的に相談できる体制が創出され、課題解決に向けて行動できている状態 | |
| 指標 | ・支援者相談利用者に対するアンケート調査による相談後の課題への対応状況把握 | |
| 目標値・目標状態 | ・相談利用者アンケート調査において、支援上の悩みや課題へ適切に対応できている、解決へ向けて具体的行動ができていると答えた人の割合が8割以上 | |
| アウトカム:結果 | ・LINE相談利用者アンケート調査のポジティブな回答10割 | |
| アウトカム:考察 | LINE相談体制を整え、10件質問を受けたが、従来通りメールや電話での相談が多かった。LINE相談をボランティアの方に共有した団体もあったが、団体内で解決できることからかYSCへの相談にはつながらなかった。要因として、プライベートな連絡手段であるLINEから他者の相談をする心理的な壁や、長文表記に適していないことが、相談へのハードルにもつながったように思う。しかしながら、メールや電話での相談は日頃からあり、最終ヒアリングでも、支援で悩んだ際、相談や連携ができたことがよかったという声が上がった。また、LINE相談を利用した方からは、気軽に相談ができることや相談対応に関する満足度は高かった。 | |
| 4 | ④海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体同士の関係が深まり、情報共有やノウハウ交換などを通じた相互補完的なつながりが生まれている状態 | |
| 指標 | ・研修・交流会参加団体に対するアンケートの実施による連携意識の状況 ・研修・交流会参加団体による協働・連携などに基づく取り組みの状況 | |
| 目標値・目標状態 | ・アンケート調査により、団体同士の関係が深まった、連携がしやすくなったと答えた割合9割以上 ・研修・交流会参加団体同士による連携・協働へつながる取り組みが参加団体の5割以上でみられる | |
| アウトカム:結果 | ・アンケート調査により、団体同士の関係が深まった、連携がしやすくなったと答えた割合8割 ・連携、協働へつながる取り組み6割 | |
| アウトカム:考察 | 実際に連携に至ったケースとしては、プレスクールを開講するために、こおりやま日本語教室の方が、プラス・エデュケートに見学に行ったこと。こおりやま日本語教室の方が主催した研修にJICA山口OB会が参加したことがあげられる。また、集合研修に参加した方がSNSでつながることで、日頃から情報交換を行えるようになっており、アンケートでも今後連携や協働をおこなっていきたいという回答があった。集合研修の参加者が必ず全員と話ができるようにセッションごとにグループ分けを行ったことで、お互いの活動について知る機会となり、宿泊型にすることで研修時以外での交流にもつながったように感じる。を集合研修に参加できなかった団体からも、オンライン研修での意見交換が参考になったので、引き続き定期的に情報交換ができるような場を存続してほしいという声も上がっている。気軽に連絡や相談をできる関係を作るには一度顔を合わせたほうがオンライン上より効果的だと感じた。一方でオンラインであれば全国の方々とつながることができるので、オンラインにおいても参加者が主体的にコミュニケーションがとれるように仕掛けていく必要があると思う。 | |
| 5 | ⑤海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体の存在が可視化され、自治体や地域、企業や寄付者との連携 を見据え、顔が見える関係づくりが推進されている | |
| 指標 | ・団体による自治体・学校・地域を対象とした情報発信や研修等、関係構築に資する取り組みの実施回数 ・団体による自治体・学校・地域や寄付者を対象とした情報発信へのアクセス数または取り組みへの参加者数など、アウトリーチ状況の改善 | |
| 目標値・目標状態 | ・地域で可視化されていない状態にあった団体が、事業期間内に1回以上、関係づくりに資する取り組みを実施する。 ・団体のホームページ等へのアクセス数が初期値より1割向上する、または団体が実施した取り組みへの参加者数(あるいはアウトリーチ)が目標値に達している | |
| アウトカム:結果 | ・12団体中9団体が事業期間内に1回以上、関係づくりに資する取り組みを行っている ・団体が実施した取り組みへの参加者数(あるいはアウトリーチ)が目標値に達している ・団体のホームページ等へのアクセス数の平均2.35%向上がみられる | |
| アウトカム:考察 | 9団体が、主体となって地域でのイベントを数多く実施した。プラスエデュケートが行った「プレクラス・プレスクール事業10年報告会」はYSCが実施した名古屋市との協働の事業報告会を参考とし企画され、教育委員会、地域企業、文科省などから110名が参加した。また、事業期間内で実施にはいたらなかったが、ミミミラボが3月24日に海外ルーツの子どもたち向けのイベントを石川県国際交流協会と共同 で開催することとなっている。情報アクセス数に関しては、全団体が把握しきれているわけではないが、発信の影響について考えるきっかけになったといっており、当初から把握できている団体はすべて増加傾向で、平均2.35%上昇している。 | |
アウトプット
| 1 | ①全国各地で海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体において、団体が対応できる海外ルーツ青少年のニーズや多様性が向上し、受入れ対象者数が増加している | |
|---|---|---|
| 指標 | ・本事業参加団体数 ・本事業参加団体数の地理的多様性 ・対応できる青少年ニーズ(属性)の多様性 ・参加団体が実際に支援を行った海外ルーツ青少年の人数 | |
| 目標値・目標状態 | ・参加団体数12団体以上 ・少なくとも4つ以上の散在地域活動団体を含み、5都道府県以上にまたがっている ・本事業参加時点から対応可能なニーズ・属性等が1領域以上増加する。 ・対象人数が初期値より1.2倍に増加している状態(事業全体における支援実数150名以上) | |
| アウトプット:結果 | ・参加団体数12団体 ・少なくとも7つの散在地域活動団体を含み、12都道府県にまたがっている ・本事業参加時点から対応可能なニーズ・属性等が1領域以上増加した団体8団体 ・対象人数が初期値より1.3倍に増加している状態(事業全体における支援実数1086名) | |
| アウトプット:考察 | 今年度協働した団体の多くは散在地域であり、それぞれ別の都道府県で活動している団体である。対応可能な層を拡大するために取り組んだ3団体がプレスクールや年少者にむけたクラス、2団体が学齢超過・既卒の子を対象としたクラスを新設した。従来行っていた支援を1対1からクラス授業に変えた団体や、居場所、宿題サポート、母語支援など、日本語支援以外の形で子どもたちのニーズに応えた団体がある。その結果、全体で1086名もの受益者に対応することができた。当団体としては、新規層の拡大のための情報共有、多数を受け入れるためのクラス形式の変更の伴走支援、地域支援だけでは十分でない子どもへのオンライン無償授業の提供をおこなった。今年度は既卒や学齢超過のお子さんの受験支援を行いたいという団体も多かったため、高校進学のためのカリキュラム作成にかんする研修をおこなったり、クラス授業に移行するための日本語指導の研修、YSCの見学、支援体験をおこなったりした。 | |
| 2 | ②海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体やそこで活動する支援者が、研修や伴走支援を通して支援の質向上と持続可能な運営体制構築のために必要な知識・ノウハウを獲得できる | |
| 指標 | ・座学研修実施回数、集合研修の内容の理解度 ・オンライン協働支援による学習支援に参加した受益者数 ・オンライン学習支援体験参加者数 | |
| 目標値・目標状態 | ・各研修内容についてのアンケート調査において「理解した」と答えた割合が8割以上 ・学習支援受益者数20名 ・オンライン学習支援体験参加者数12名以上 | |
| アウトプット:結果 | ・各研修内容についてのアンケート調査において「理解した」と答えた割合が9割 ・学習支援受益者数28名 ・オンライン学習支援体験参加者数18名 | |
| アウトプット:考察 | 理解度は高く団体の活動を見直すきっかけになったという団体がある一方で、理論的なところだけなく、実践を研修でしたいという声もあがった。参加団体の規模感やニーズが異なるため、研修内容の設定や、研修参加有無の配慮が必要だと感じた。本事業で実施したテーマは団体側からニーズが高いものであったが、研修内容は入門レベルで行った。団体によってはすでに知っていることもあったと思うが、グループワークで実践のある方に情報提供をしてもらったり、後日個別で打ち合わせを行うことで研修で補えないものをフォローした。各研修のテーマにたいしての理解度を調査したが、研修内容を理解し、自団体の活動に落とし込むアイディアがうまれたという旨の回答が多くあった。オンライン協働支援では、居場所がない関係で学齢超過・既卒のお子さんが日中の日本語クラスの利用をすることが多かった。また体験をしてYSCにつながらなかったお子さんが9名いたが、その場合は地域リソースの対応で十分であるようだ。オンライン学習支援体験では普段の授業方法、学習内容と異なるものを 体験してもらうことで、意識していなかったことや知らなかったことを知るきっかけとなった。 | |
| 3 | ③海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体や支援者が、支援対応に悩んだ時に、恒常的に相談できる体制が創出される | |
| 指標 | ・SNS・オンラインを活用した支援者相談利用件数 | |
| 目標値・目標状態 | ・SNS・オンライン相談利用延件数が30件 | |
| アウトプット:結果 | ・LINE相談件数10件 | |
| アウトプット:考察 | オンライン相談に関しては、LINE媒体では当初参加団体と限定していたが、友達追加や相談が増えなかったことから、参加団体以外も相談可能とし、HPやSNSで広報をかけた。しかしながら相談件数増加には至らなかった。要因として、まずLINEがプライベートな連絡ツールであることが考えらる。支援者としては、他者に関する相談をLINEで顔が見えない相手にする不安感や、協働相手への連絡手段としては適さなかったようだ。一方で日本語指導員の方から相談が入るなど、相談先が周囲にすくない方には良い相談先になると感じた。また参加団体に関しては電話やメール、打ち合わせ時の相談は日常的に行われた。 | |
| 4 | ④海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体同士のつながりが深まり、情報共有やノウハウ交換 などが可能となる状態 | |
| 指標 | ・本事業参加団体が集合する研修・交流会実施件数 ・研修・交流会参加団体及び参加人数 | |
| 目標値・目標状態 | ・研修・交流会実施回数(オンライン)5回/集合研修・交流会実施回数1回 ・研修・交流会参加団体数延べ60団体(オンライン)、参加者数延べ90名/集合研修・交流会参加団体延べ12団体、参加者数延べ12名 | |
| アウトプット:結果 | ・オンライン研修5回、総参加者数延べ146名、98団体 ・集合研修1回、8名、10団体 | |
| アウトプット:考察 | オンライン研修では、初回の研修を外部公開することで多くの方に参加をいただいた。また、その研修参加をきっかけに福岡国際市民協会が参加申し込みをしてくださった。オンライン研修は学習支援関連の研修を2回、体制整備に関する研修を3回行った。基盤強化にフォーカスした集合研修では、全団体が出席することはかなわなかったが、対面で来ることが難しい方々がオンライン上で参加してくださった。多くの団体が課題として感じていた「発信力」「資金調達」「アドボカシー」を中心に研修テーマを設定した。研修をハイブリッドにしたことで、少し煩雑になったり、オンライン上の人がついてこれなくなってしまった部分があるので、今後の集合研修の実施においてはやり方を再検討したい。しかしながら、集合研修の満足度は高く、最終アンケートでも集合研修に参加できたことで、つながりができ 事業の参考になったという意見があがっている。 | |
| 5 | ⑤海外ルーツ青少年の教育支援に取り組む団体の存在が可視化される | |
| 指標 | ・可視化に資する1団体あたりの伴走支援時間数 ・可視化につながる取り組みに進捗のあった団体または地域数 | |
| 目標値・目標状態 | ・1団体当たり10時間 ・団体数および地域数の合計が5か所以上 | |
| アウトプット:結果 | ・1団体当たり10.8時間 ・12団体、12地域 | |
| アウトプット:考察 | 既に自団体でイベントの企画や、自治体・学校などへのアプローチの経験を持つ団体が多く、当団体は打ち合わせや、情報共有の伴走にとどまったが、日常的に支援に関する連絡を取り合うことが多く目標値に達した。本年度連携した団体の活動の可視化については、2つのフェーズに分かれていたと感じる。1つはすでに地域との連携がある団体が、より一層関係性を深めたり、広域で活動が可能できるか。もう1つは、まだ地域との連携がない団体が、団体の認知度をあげるかである。連携の経験が浅い複数の団体には地域の団体や、学校などとつながりをつくるためにYSCが間に入った。例えば、言語の壁を抱えているこどもの支援が十分でないと参加団体から上がってきた際、YSCの受講が可能であることを伝えてもらい、YSCと学校が子どもを通してつながることで、現地支援団体が以前より学 校との情報共有が可能になったケースや、他分野から参加した団体に対して、地域の支援団体を紹介することで新たな活動のきっかけになったケースがある。また、受益者の直接的な支援だけでなく、自団体の活動や海外ルーツの子どもたちの理解を促すための研修・講演等を積極的に行った団体が多く、集合研修で政策提言について学ぶことで、よりその活動に意義を見出している方が多かった。アンケートでは7割がYSCと連携することで団体の活動を地域や他団体に広め、より関係を深められるようになったと感じている。 | |
活動
| 1 | 1)オンライン定期研修・対面集合研修の実施(アウトプット1,2) 参加団体で活動する支援者を対象として子どもの日本語教育・学習支援等のノウハウ、在留資格など支援に要する知識の獲得を目的としたオンライン研修を全5回実施。加えて、支援活動の持続可能な運営に資する内容も扱い、支援の質的向上および持続可能性の向上を目指す。また、対面集合研修を実施することで、団体同士の交流をはかり、ネットワーキングの基盤形成に取り組む。 | |
|---|---|---|
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | ・オンライン研修5回実施 2023/7/5 「海外ルーツの子どもの学習支援―日本語は話せるけど、勉強が苦手な海外ルーツの子を支えていくには―」7/20 「NPOとボランティアの関わり方」8/28 「 外国人ルーツの青少年支援団体向け広報の基礎」12/12 「高校進学に向けた教科支援のカリキュラム作成のポイント」2024/1/30 「地域の政策から海外ルーツ青少年支援を考える」 ・対面研修を実施 2023/10/12-13 「アイスブレイク」「現状分析」「ファンドレイジング研修」「アドボカシー研修」「発信力研修」「団体活動プレゼンテーション」 | |
| 2 | 2)オンライン協働支援体験の実施(アウトプット1,2) 団体における支援の量的拡大を目的として、当法人が運営するオンライン学習支援機会を無償で提供。対面支援とオンライン支援を分担する形での協働支援を実施する。また、本事業終了後も受入れの量を拡大することができるよう、オンライン学習支援実習の機会を提供し、様々なレベル、ニーズの子どもたちへの支援を体験し、その経験を自団体へフィードバックできるようサポートする。 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 3 | 3)団体同士の相互補完的関係づくりを目指した情報共有・交流機会の提供(アウトプット4) 1)の定期研修および対面集合研修実施時に、情報共有・交流機会を組み合わせて実施。団体同士が現状や課題の解決方法等を共有し、お互いの持つノウハウを相互補完的に活用し合うことができる関係づくりを目指す。 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | ・上記の 通りオンライン研修5回、対面研修1回を実施 研修内にグループワークを多く設定することで、参加団体同士のコミュニケーション回数を増やした ・こおりやま日本語教室の研修にJICA山口OB会のスタッフが参加 ・こおりやま日本語教室がプラスエデュケートのプレスクール見学 ・SNSでの情報共有 | |
| 4 | 4)各団体の活動上の課題や悩み事解決に向けた伴走支援の実施(アウトプット1,2) 参加団体特有の地域ニーズや状況に併せて、希望に応じて活動上の課題・悩み事解決に向けた伴走支援を実施する。具体的には支援における子どもの個別ケース課題への対応や教材選び、地域資源とのつながりの構築、専門家の紹介、自治体・学校連携時の同席などが想定されるが、各団体の「一員」として寄り添いながら、団体全体のステップアップを図る。 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | ・各団体の課題感からテーマを設定し、研修を実施 ・研修で補えないものに関しては、定期的なミーティングやメール、電話でのやりとりで情報共有 ・個別で行った伴走支援例 みんなのコード:「やさしい日本語」研修実施、教材のやさ日化の伴走 まなびと:「海外ルーツの青少年の受け入れ」研修実施 コモンズ:「キャビンアテンダントの講演」実施協力 外国人の子どものための勉強会:「日本語初期指導」研修 など | |
| 5 | 5)SNS・オンラインを通じた 支援者相談体制の構築(アウトプット3) 海外ルーツ青少年支援に携わる支援者が「支援上の悩みや課題を相談できる窓口」を常設することで、支援者が適切な対応を図ることができるようサポート。初期的には事業参画団体で活動するボランティアやスタッフのみを対象とした相談体制構築し、本事業終了以後は利用対象者を拡大し海外ルーツ青少年支援者のためのインフラとしての確立を目指す。 | |
| 活動結果 | ほぼ計画通り | |
| 概要 | ・LINE相談を2023年5月~2024年2月まで実施 相談件数10件 相談概要:大学受験資格について知りたい。 YSCのオンライン授業、受講可能か。 学校の日本語教室に受け入れが難しいと言われたが、どう対応すべきか。 ダブルリミテッド状態の子どもに、日本語初期指導以外でどのような支援が出来るだろうか。など ・電話、メールなどでの相談月平均18.5件 相談概要:オンライン授業受講生の学習状況 受験生の進路準備状況 既にある支援の情報提供依頼 個別伴走案件の相談 など | |
| 6 | 6)学校や自治体との連携、活動の支援者等の発掘などに資する情報発信に悩みを持つ団体を対象とした「活動の見える化」支援(アウトプット5) 団体ニーズと希望に基づき、「活動の見える化」への取り組みをサポートすることで、地域内外の連携を見据えた関係構築や活動への賛同・支援者の発掘につなげる。具体的には団体が取り組むSNS等を活用した発信への支援や、地域内外で実施する研修会、 シンポジウム等の取り組み対してノウハウやアドバイスの提供、協働開催によるサポート等を実施する。 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | ・広報について研修を実施 ・オンライン学習支援の協働で学校や教育委員会へのつながりを構築 ・イベント時のアウトリーチへの助言、サポート(YSCのHP、SNSなどを活用) ・参加団体が開催したイベント例 プラスエデュケート「豊明市定住外国人日本語教育推進プレクラス・プレスクール事業10年報告会」110名参加 こおりやま日本語教室「プレスクール研修会」48名参加 | |
想定外のアウトカム、活動、波及効果など
本事業では団体の活動の可視化やつながりを意識して行ったため、参加団体がそれぞれ活動地域で講演、イベント開催などを実施し、他機関を巻き込んだ形で活動ができていたと感じる。当団体単体では12団体にしか支援はできなかったが、参加団体が地域で活動を行うことで、12団体以上の人たちに海外ルーツ青少年の支援について考える機 会が提供されたと思う。さらに、海外ルーツ青少年の利用できるリソースを増やすという観点から、みんなのコードがミミミラボのような拠点を休眠預金事業を利用し6か所増やすことになったのは良い影響があると考える。今年度、ミミミラボだけでなくコンピュータークラブハウス加賀が集合研修に参加してくださったように、みんなのコードの拠点が増え海外ルーツ青少年への配慮が内部に伝わることで散在地域の子どもたちのよい居場所になるだろう。また、「支援者の孤独」「つながり」「協働」「連携」の言葉が研修時に多くでたことや、参加団体の横のつながりの重要性が実感としてもてたことで、福岡国際市民協会やumiにほんごオフィスは地域でのネットワークづくりを目指したいという意見もでてきた。
事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動
| 課題を取り巻く変化 | 体制整備においては、本事業の実施期間で明確な変化が起こった団体は少ない。しかしながら、各団体が従来の活動を見直し、広報活動、資金調達、政策提言などの点で新しいアクションを起こし始めている。実際に、本年度の活動を新聞やTVで取り上げられている団体や地域での研修・講演を通して、地域内での団体の認知度、海外ルーツ青少年についての社会課題提起にもつながっている。神戸市や福岡市のように多文化共生に関心をもち、参加団体に協力の依頼があった地域もある。どの団体も支援の質の向上・体制整備に意欲的であり、つながりにおいて も実際に現場で支援をしている方々から、常時悩みや相談をできる場やが欲しいという意見もあり、本事業でできた関係性が維持されると考えられる。受益者数に関して、今年度増加がみられた一方で、アウトリーチを広げていなくても、つながってくる海外ルーツの方が増えていて、現場の対応力への限界を感じている団体もある。自団体だけでなく地域の各セクターとの役割分担や、事業を継続するための資金調達ならびに人材確保・育成などを目指す傾向にあると感じる。 |
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外部との連携実績
| 1 | 活動 | 公益財団法人ベネッセこども基金、公益財団法人トヨタ財団、独立行政法人国際交流基金との連携 |
|---|---|---|
| 実施内容 | 対面研修実施時の参加団体の活動発表へのコメント依頼 | |
| 結果・成果・影響等 | 参加団体からは、助成をしている側の視点を得ることができ参考になったという声や、財団・基金側からは海外ルーツ青少年支援の団体や地域ごとの課題感を知ることができ学びになったという声が上がった。 | |
| 2 | 活動 | NPO法人茨城NPOセンター・コモンズへのキャビンアテンダント経験者の紹介 |
| 実施内容 | 受益者の中でキャビンアテンダントを夢とする子が多いが、依頼先がわからないということで、YSC内のつながりから、講師依頼ができそうな方をご紹介。実際に、2023年12月に高校生を対象に講演を実施 | |
| 結果・成果・影響等 | 1、2年生の海外ルーツの生徒9名が参加した。CAを目指すにあたり具体的な進学先の話もあったことから、生徒は真剣に耳を傾けていた。NPOスタッフも高校の先生も、希望する進路実現のために今後、どのようなことをすべきか具体的に生徒と話していた。講師も、講演終了後も長い時間残って、生徒の質問に答えて下さっていた。 |
広報実績
| メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等) | なし | |
|---|---|---|
| 広報制作物等 | なし | |
| 報告書等 | なし | |
ガバナンス・コンプライアンス実績
規程類の整備状況
| 事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか | 完了 | |
|---|---|---|
| 整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか | 全て公開 | |
| 変更があった規程類に関して報告しましたか | 変更があったが未報告 | |
| 内容 | 事業終了後(2024年3月以降)の変更のため。JANPIAには報告済み。 | |
ガバナンス・コンプライアンス体制
| 社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますか | はい | |
|---|---|---|
| 内部通報制度は整備されていますか | はい | |
| 内容 | JANPIA窓口を利用 | |
| 利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますか | はい | |
| コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたか | はい | |
| ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたか | はい | |
| 内容 | ||
| 報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む) | 内部監査 | |
| 内容 | 会計責任者と監事により実施予定。 | |
| 本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますか | いいえ | |
その他
| 本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など | 本助成を行った結果、YSCが体制整備として伴走が可能な範囲が明確になったように感じる。前述した通り、団体ごとの事業内容やレベル、規模感をヒアリング時に見極め、その段階にあった研修や伴走支援を実施する必要がある。YSCだけですべてのニーズにあう対応は難しいため、自団体がどこまで対応しうるのかを事前に提示することでニーズにあった質の高い支援ができると感じた。また、支援の担い手の孤独感、孤立感を痛感することが度々あり、この解消を目指したつながりづくりが重要である。役職や業務内容に応じた情報共有の場が存在すれば、孤立感の解消だけでなく、支援スキルや情報の水平展開も可能となる。今後、海外ルーツ青少年が増加する中で、その支援に係る団体にとって、つながり合い、各地・各団体における支援体制の不足を補完し合うことができるような全国的なネットワークの開設がより必要性を増すのではないだろうか。 |
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シンボルマークの活用状況
LINE相談事業の案内文で使用 |

