シンボル

休眠預金活用事業
情報公開サイト

ホーム事業検索結果

サムネイル

完了

事業完了報告

2024/08/27更新

事業概要

事業期間開始日 2023/04/01終了日 2024/02/29
対象地域東京都、千葉県、埼玉県、栃木県、愛知県 他
事業対象者

日本に逃れた難民・避難民の子ども達。本事業ではとくに緊急性の高いアフガニスタンからの難民を主たる対象とする

事業対象者人数

約50人

事業概要

難民・避難民として日本に逃れた子ども達を対象としてオンライン型と対面型(アウトリーチ型含む)を活用した学習支援事業を実施する。本事業では、来日から間もないアフガニスタンからの退避者を中心に、支援団体が地域とつながりながら教育の伴走支援する。次年度以降、彼らが暮らすそれぞれの地域で、より適切に学習の機会を得られるよう、初期の1年間をブリッジングの期間として位置づけ、必要な支援を行う。


■① オンラインを利用した日本語と学校教科の学習支援教室
オンライン上の「学校」をイメージし、教室ごとに教室担当者とアシスタントを配置し、日本語学習の支援と学校教科の補習支援を行う。学校教科の補習については大学生や社会人のボランティアによる個別学習支援を想定している。教室担当者は子ども一人一人の様子を見守り、きめ細やかな学習活動を実施する。
■② 週末の対面教室
子ども達の日本語力、基礎学力のさらなる向上のために、また、彼らがそれぞれの地域で今後も支えられる体制をつくるために、週末は各地域での対面での学習支援活動を行う。
■③相談対応(母語通訳配置)
とくに親たちが学校についての理解を深め、子どものために良い学習環境をつくれるよう、母語通訳(少数言語であることが多い、本事業ではダリ語)を配置しての相談対応を定期的に行う。
■④親向け勉強会の開催(母語通訳配置)
各家庭の親たちが日本の学校制度や教育制度を理解できるよう母語通訳を配置しての勉強会を隔月実施する
■⑤支援者向け勉強会の開催
一般には講師確保が難しい分野であるが、地域の支援者が、難民やムスリム家族に対する理解を深めるための勉強会をオンラインで開催する。


本事業はアフガニスタンからの退避者を主な対象としているが、難民・避難民の子ども達が支援団体の伴走支援により、地域の学校や学習支援の場と有効につながるためのモデル事業として位置づける。

事業の総括およびその価値

本事業の中心は、アフガニスタンから退避を余儀なくされ、2021年来日、2022年秋から栃木県等に居住することとなった小中学生を主たる対象として行われた、学習支援の取組である。オンラインの活用により、来日からまもない小中学生に、週4回の日本語学習の機会が提供できた。途中で学習を中止した子どもは一人もおらず、子ども達全員が「日本語力、学力の向上」を実感している。また、DLA実施、週末の対面教室開設により、子ども達と支援者側の信頼関係が増し、オンライン支援と対面支援を併用した学習支援の有用性が明らかとなった。また、本事業は、難民への理解が乏しい地域において、いかに難民的背景をもつ子ども達やその家族が学校や地域とつながりうるのかを模索した事業でもあった。親とのオンライン上もしくは対面でのやりとりを続け、家族と当団体との信頼関係の構築に注力したことは、事業を牽引する大きな力となった。

課題設定、事業設計に関する振返り

事業設計段階では、「子ども達への学習支援」と「親たちへの相談対応、勉強会実施」、「地域への働きかけ」を同時進行させていくことでの相乗効果を期待していた。しかしながら、その実施は困難を極めた。オンラインへの参加を恒常化するのに時間を要し、他の取組の実施が遅れた。学習支援の実施にあたっては、親たちの就労、生活の安定が思うように進まないために、結果的に、親が子どものオンライン学習参加について家庭の協力があまり見られなかった。また、対面教室については、最も対象者の多い小山市において、子ども達の移動手段がないため、子ども達の参加が非常に不安定だった。また、地域での支援者の発掘も順調には進まなかった。地域に拠点のない団体にとって地域でのキーパースン探しは時間を要するものであり、支援者としての参加を期待した大学生との連携も双方に負荷のかかる状態であり、改善のための方策を模索している。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1参加する小中学生の日本語力(読み、書き、話す、聞く能力)が向上する
指標DLA(外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメント)による日本語力の変化
目標値・目標状態1年間で2ステージアップした
アウトカム:結果DLAの実施は年間1回にとどまったため、目標値の達成は測れていない。
アウトカム:考察12月から1月にかけて、事業開始当初より学習支援に参加していた22名を対象に、DLAの「読む」「話す」を実施することができた。オンライン上での学習支援時における評価と、DLAの評価には一部乖離が見られ、全てDLAの評価の方が低いものとなっている。この結果は、オンライン支援を中心として学習支援を実施する取り組み全てに大きな示唆を与えるものである。また、DLAを通常支援にあたるものが行ったことにより、子ども達との信頼関係、他の日本語支援者とのチームビルディングが大きく進んだ。この副次的効果も事業実施にあたり、大きく貢献している。
2参加する小中学生が学校での授業(とくに算数/数学、英語)がある程度理解できるようになって、学業での達成感が多少感じられるようになり、学業が継続され、進級、進学できる
指標①学期終了時の通知表評定 ②参加小中学生へのアンケート調査(母語)による、学習意欲、自己評価の変化 ③支援者アンケート調査による、参加小中学生の学習意欲の変化
目標値・目標状態①評定が上がった ②学習意欲、自己評価について、6割の受講者にポジティブな変化が生じた ③参加小中学生の学習意欲について向上を認める記述が6割以上だった
アウトカム:結果①評定不可 ②アンケート回答者10名、うち10名が「学習意欲」「自己評価」の向上を肯定している ③支援者アンケートにおいて、参加小中学生の学習意欲について、子ども達全員(10割)に向上を認めると記している
アウトカム:考察学年終了前の事業終了であるため、通知表の評定は現時点では行えていない。 今回、②のアンケート回答者(子ども)は全て、学習意欲や自己評価の向上を強く肯定していた。(回答者は全て対面教室への参加者である。)③の支援者アンケートで、程度の差はあれ、アンケート回答した全員が、子どもたちの学習意欲の向上を記している。参加は不安定であっても、学習参加を開始した全ての子ども達が一人も学習を中止していない事実に注目している。学習意欲の向上があまり感じられない子ども達は、対面教室への参加がなかなかできない子ども達に偏っており、この相関関係は、より分析が必要な部分である。
3参加する小中学生が暮らす地域に、学校以外の学習の場が設けられ、学習が継続できる環境が整う
指標学習支援の箇所数
目標値・目標状態参加小中学生が暮らす地域に1カ所以上の教室が設けられた
アウトカム:結果宇都宮市、小山市、千葉市花見川市に各1カ所当団体運営の教室設置、野田市、三郷市は未設置。 小山市においては、地元の支援教室とも連携
アウトカム:考察対面教室の開催は困難を極めたが、結果的に3地域に学校以外の学習の場を設けることができた。東京に拠点のある団体にとっては、地域の支援状況の把握、支援団体同士の連携関係、地域で活動できる人材の発掘が大きな課題である。また、人間関係がより密な地方都市等で、難民的背景をもつ子供たちだけを取り出して支援することの是非は、支援団体としても悩ましい課題である。その一方で、オンラインの教室に参加している子どもたちは、それなりの情報共有が進んでおり、「あそこには対面教室があるのに、自分の地域にはない」とストレートに不満を述べており、支援を急がなければならないという思いにも駆られ、理想と現実の間で葛藤が続く。
4参加する小中学生の親が母語での教育相談を定期的に受け、1年間の学校の流れや、日本の教育制度をある程度理解できる
指標①親による教育制度に対する理解度の変化
目標値・目標状態① 参加小中学生の親の80%以上が教育制度への理解が増したと回答
アウトカム:結果アンケート回答者8家庭の全て(100%)が「理解を増した」と回答している。
アウトカム:考察親は1年間の学校の流れや日本の教育制度を理解したと考えている。1年半に及ぶ子育ての経験によるものであろう。また、当団体が実施した勉強会にも6家庭の親は全回参加し、熱心に質問をしていた。しかしながら、その一方で、今回、高校受験を経験した4名(3家族)については、受験事情の理解、手続き、学校選択など、地元の支援団体や難民事業本部委託の支援員、当団体スタッフの伴走支援がなければ、期限までに必要な手続きを終えられたかも疑問である。個別の家庭の経済事情や家庭の事情も関わる進路の話は、在籍校だけでは対応できないことを改めて認識した。
5参加する小中学生の親が子どもの教育に関して相談できる先が居住地域に見つかり、自ら連絡が取れる
指標親が地域で相談に出向いた件数
目標値・目標状態対象者の6割以上が地域の相談先に連絡できたと回答
アウトカム:結果アンケート回答者8家庭のうち「地域での相談先を認識している」と回答した家庭は3家庭(37.5%)に留まる。
アウトカム:考察アンケート回答した8家庭のうち、5家庭(62.5%)が、「教育に関して相談できる先を認識している」と回答しているが、「地域での相談先を認識している」と回答した家庭は3家庭(37.5%)に留まり、相談先として当団体をあげる家庭もある。また、実際に相談に出向いたと回答した家庭は3家庭あるものの、うち1家庭は「在籍校に相談に出向いたが、満足できる回答は得られなかった」としている。持続可能な支援、より状況を握した上での支援を考えれば、各家庭が、子どもの在籍校や、地域での相談先を認識し、安心して相談できる状況をつくる必要があり、家庭と在籍校との連結が、喫緊の課題である。
6親が日本の教育制度について理解し、子どもの学習に対するイメージが具体化してきた
指標①親の関わり方の変化
目標値・目標状態①80%の支援者、通訳者が、子どもの学習に対する親の関わり方にポジティブな変化が生じたと評価 ②参加小中学生の親の80%が子どもの学習に対してイメージが具体化してきたと回答
アウトカム:結果①親のかかわり方については、コーディネーター、教室担当者6名にアンケートを行った。「親の関わり方にポジティブな変化が生じた」という回答は見られなかった。 ②アンケート回答者8家庭の全てが、「イメージが具体化してきた」と回答している。
アウトカム:考察②については、先の考察に重なることから、①について記す。親の教育への関わり方については、回答した全員から「変化はみられなかった」という回答が寄せられた。もともとポジティブな関りがあった家庭は変わらず関心をもち、そうではない家庭は変わらず関心をもたずという状況と思われる。「親は子どもがオンラインに参加してさえいれば良いと思っているのか、弟や妹が勉強の邪魔をしていても放置している」「親自身が言葉に困難があり、余裕がないので、子どもの教育に関与するという段階にまで至ってないのかもしれない」などのコメントが寄せられており、今後、より具体的に親の教育への関与を促す工夫をしていく必要があるだろう。
7参加する小中学生が暮らす地域で、学習支援の活動に参加する支援者が増え、小中学生を取り巻く学習環境が整う
指標①支援者の数 ②支援者へのアンケート調査による、子どもへの理解度の変化
目標値・目標状態①参加する小中学生が暮らす各地域に2名以上の支援者が確保された ②理解が増したという回答が8割以上だった
アウトカム:結果
アウトカム:考察小山については、宇都宮大学の学生団体LINCが協力してくれており、その参加人数は10名をこえる。地元大学生の協力は非常に貴重な連携事例となりうるが、学生団体独自の活動の目的や方向性と、当団体の方針等とのすりあわせは、予想以上に困難であった。学生の自主性を期待するだけでは対面教室はいつまでも確たる方向性をもちえず、その一方で教室担当者を配置している宇都宮、花見川の教室は、学習支援の活動が継続して行われ、参加者の参加状況も安定しており、支援者の確保も進みつつある。当団体としては学生団体との連携は過去にも経験があるが、コロナ禍で学生たちの学生活動への参加ぶりが変化したのではないかと推察する。

アウトプット

1参加する小中学生向けに、オンラインを利用した日本語と学校教科の学習支援教室が実施される
指標①学習支援教室の開催実績数 ②参加者数
目標値・目標状態①学習支援開催実績週4回(年間176回) ②参加者延べ数8,800人
アウトプット:結果①学習支援開催実績週4回※後半は受験対策のため週5回(年間150回) ②参加者延べ数2,370人
アウトプット:考察①学習支援開催は週に4回、高校受験が近づいてからは教科学習支援の日を1日増やし、週5回の実施となった。年間176回の実施を目標としたが、対象者への周知に一定の期間を要し、支援開始が6月となり、目標数値をやや下回る結果となった。②参加小中学生は2,370人で、目標の8,800人を大きく下回った。50名の参加を目標としていたが、想定外に口コミによる参加者増が見られなかったこと、一部の子どもたちの参加が不安定だったことがその理由としてあげられる。 なお、日本語支援が延べ830クラス、教科支援が延べ338クラス行われた。子どもたちの日本語力や家庭の事情等を考慮し、可能な限り柔軟に対応した結果である。
2参加する小中学生向けに、週末の対面教室が実施される
指標①対面教室の開催実績数 ②対面教室の開催箇所数 ③参加者数
目標値・目標状態①対面教室の開催実績週1回(年間40回) ②3カ所 ③参加者延べ数2,000人
アウトプット:結果②開催個所数3か所 ①③ 宇都宮:14回実施、のべ21名参加 小山:20回実施、のべ68名参加 花見川:8回実施、のべ36名参加 三か所計 全42回開催、のべ125名参加
アウトプット:考察対面教室の開催個所数は最終的に目標を達成した。しかし、開催実績は、各教室とも、14回、20回、8回と大きく目標の開催回数40回を下回った。また、参加人数も計125名と目標(2,000人)達成には遠く及ばなかった。想定した参加人数を下回っていることが大きな理由であるが、オンラインでの支援が安定せず、対面教室実施の調整が進められなかったこと、また、支援者人材の発掘に時間を要したことが、その理由としてあげられる。しかしながら、宇都宮、花見川の教室は、開始後は順調に開催が続いており、今後は、まずはオンライン参加者が最も多い小山において、学生団体の力も借りながら、対面教室の安定実施を目指したい。
3参加する小中学生向けに、週末のアウトリーチ型学習支援が実施される
指標①新規アウトリーチ先 ②参加者数
目標値・目標状態①2カ所、各所/週1回 ②参加者延べ数80人
アウトプット:結果①1カ所 ②のべ16人
アウトプット:考察アウトリーチの活動は、千葉市稲毛地域の1カ所1名にとどまった。ニーズ確認後最も早く対面支援が実現した地域であり、6月~12月の間に、参加者1名が16回参加している。オンラインでの学習支援での参加に加え、対面での学習支援の機会もあり、最も順調に支援が進んでいた中学生であったが、12月に突然、千葉県内の他市に引っ越すこととなり、その時点で対面での支援は途絶えてしまった。大家族にとって、住宅の確保は非常に悩ましい問題であり、転居(集合住宅から戸建てへ)を急ぐ気持ちは理解できるが、参加中学生が対面の学習支援の機会を失ったことは、当団体としては残念でならない。
4参加する小中学生の親向けに、定期的な教育相談会が実施される
指標①オンライン定期相談会の開催実績数 ②定期相談会の参加者数
目標値・目標状態①年間44回 ②参加者延べ数176人
アウトプット:結果①定期相談会ではなかったが、対応回数17回(個別相談対応を除く) ②相談者人数のべ78人
アウトプット:考察「子どもへのヒアリング」(計5回のべ7人)、「進学説明会」(個別1回1人)、「勉強会」(計5回のべ47人)、「DLA」(計6回のべ7人)等のべ67人、加えて個別相談対応のべ11人、計78人。 相談内容の多くが、教育相談というより、経済面での支援に偏る相談であったことが特徴としてあげられる。かなり個々人の情報を共有する必要があることから、定期相談会の形では実施が難しかった。今後、形式や内容の面での検討が必要である。
5参加する小中学生の親向けに、勉強会が実施される
指標①勉強会の開催実績数 ②勉強会の参加者数
目標値・目標状態①年間5回 ②参加者人数 25人/回
アウトプット:結果①年間5回 ②参加人数8~10名/回 のべ47名
アウトプット:考察親の居住地での生活、就労などが多少安定し、一部の家庭で高校受験を控えた12月頃が、教育への関心が新たに生ずる時期であろうと考え、12月から2月にかけて計5回の親向け勉強会を行った。毎回8~10名の参加が見られ、のべ47名が参加している。毎回、講師への質問もあり、勉強会の内容についても、「非常に役に立つ」「有意義であった」というコメントが寄せられた。また、勉強会実施により、親が集まり、そこで当団体からも親とのコミュニケーションをとり、必要に応じて子どもの学習の状況などを共有していくことが効率もよく、効果的であった。
6学習支援者向けに、勉強会が実施される
指標①勉強会の開催実績数 ②勉強会の参加者数
目標値・目標状態①年間5回 ②参加者人数 15人/回
アウトプット:結果①年間2回 ②参加人数 計11名
アウトプット:考察6月にスタートした学習支援の取組で日本語支援を担当した日本語教師はの多くが、当団体が行った「難民等への日本語教育を行う日本語教師研修」の修了者であり、特別な勉強会を実施する必要がなかった。一方、学習支援は主として宇都宮大学の学生団体LINCとの連携の中で行われ、LINCのメンバーが活動に参加するタイミングで、勉強会を実施したが、連携の在り方を模索、検討する中、当団体からも積極的に勉強会への参加を促すことができなかった。しかしながら、勉強会に参加したメンバーは非常に熱心に「日本在住の難民」「難民的背景をもつ大人、子どもの抱える困難」などにつき、関わる子ども達とを比較しながら理解に努めていた。

活動

1小中学生向けにオンラインの日本語支援、学校教科支援の教室を平日、以下クラスにて実施する。各教室には教室担当者とアシスタントを配置する。教科クラスにはボランティアも参加し、個別支援を目指す。(アウトプット1) ●日本語 ①小6~中学生:1.5時間×4日間 ②小3~5:1時間×4日間 ①②ともに男女別 計4クラス ●教科 ①1時間×2日間、中学生男女別計2クラス ②小1~3、小4~6 1時間×2日間、男女別計4クラス
活動結果ほぼ計画通り
概要小中学生向けにオンラインの日本語支援、学校教科支援の教室を平日、以下クラスにて実施した。日本語支援、教科支援にそれぞれコーディネーターを配置した。クラスは、学習効果をあげることを検討する中で徐々に個別化細分化した。 ●日本語 ①中学生:1時間×4日間 計2クラス ②小3~6:45分×4日間 計8クラス ●教科 ①中学生:45分×2日間、計4クラス ②小1~3、小4~6 45分×1日間 全て個別支援
2小中学生向けに、週末対面の教科支援教室を以下の通り実施する(アウトプット2) ●小山市 ①小学生クラス:土曜日 10:00-12:00 ②中学生女子クラス:土曜日 13:00-15:00 ③中学生男子クラス: 土曜日 15:00-17:00 ●他2カ所 小学生、中学生合同クラス: 土曜日(もしくは日曜日)14:00-16:00 ●アウトリーチ型2カ所 土曜日もしくは日曜日(ニーズに応じて実施)
活動結果遅延あり
概要週末対面の教科支援教室を3か所で実施。各教室に教室担当者を配置。 ●小山市:小学生、中学生混合クラス 土曜日 10時-12時 ●宇都宮市:小学生、中学生合同クラス 土曜日 9時-11時 ●千葉市花見川地域:小学生クラス 土曜日(もしくは日曜日)10時-12時  アウトリーチの支援も1カ所で実施した。 ●千葉市稲毛地域:中学生1名に対して 土曜日もしくは日曜日 午後2時間(不定期)
3参加する小中学生の親向けに、コーディネーターと通訳者による定期的な教育相談会を、毎週日曜日、10:00~12:00に実施する(アウトプット3)
活動結果遅延あり
概要親の就労、生活等が不安定な状況が続き、定期的な相談会ではなく、何かしらのイベント等に合わせる形でコーディネーター、スタッフが、相談会(実質はグループもしくは個別の相談対応)を行った。「子どもへのヒアリング」(計5回)、「進学説明会」(1回)、「勉強会」(5回)、「DLA」(6回)等に加えて、個別相談対応10件、計27件。必要に応じて公的窓口等とのやりとりを進めた。
4参加する小中学生の親向けに、教育に関するオンライン勉強会を5月、7月、9月、11月、1月の第一土曜日、10:00~12:00に実施する。専門家を招き、通訳を配置する各回のテーマは、「日本の教育制度」「日本の高校受験制度」「社会保険制度」「教育費の備え方」「学校との関係のとり方」(案)を検討している(アウトプット4)
活動結果ほぼ計画通り
概要開催時期は12月から2月にかけてつ集中的に実施したが、計画通り全5回実施した。内容は「日本の教育制度を知ろう」「ライフプランと無理のない家計」「税金について知ろう」「子どもの教育にかかるお金」「防災を知ろう」であった。各回1時間半、各分野の専門家が登壇、ダリ語通訳を配置した。投影資料については、事前に内容や表現を検討し、資料のにルビをふった。 参加者は各回8名~10名、のべ47名の参加であった。
5学習支援者向けに、オンライン勉強会を6月、7月、8月、1月、2月の土曜日夜に実施する。各回のテーマは、「日本の難民受入れ」「難民への公的支援」「難民への日本語教育」「ムスリムへの理解を深める①」「ムスリムへの理解を深める②」(案)を検討している(アウトプット5)
活動結果遅延あり
概要教科学習支援の中心であるLINCメンバーを対象に全2回(8月28日、11月6日、参加11名、テーマ「日本の難民受け入れ」)、日本語指導にあたる日本語教師向けに全1回(9月2日、参加7名、テーマ「難民的背景をもつ子どもの抱える困難」)実施。他教室主催の「ムスリムのお母さんの話を聞く会」には、日本語指導者3名が参加。また、日本語指導者有志がDLA勉強会・検討会を計7回実施し、のべ45名が参加している。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

本事業を9か月間継続する中で、まず関わるアフガニスタン家族との信頼関係が構築されたことが大きな成果であると言える。事業終了時に実施した親向けのアンケート調査でも、オンライン、対面での学習支援の継続を望む声が多く聞かれ、それと同時に主催団体への感謝を述べる親が多かった。ようやく親との対話が可能となり、子どもの学習支援に限らず、家族の自立に向けて支援活動を展開できる素地ができたのではないかと考える。
また、事業終了の段階で、小山市内で家族の支援で大きな役割を果たしている小山市役所国際課、「みんなの学び場おやま」/とちぎ自主夜間中学小山校代表、小山市国際交流協会メンバー/小山市議にヒアリングを行ったが、各団体と良好な関係が構築できていることを実感した。
さらに、宇都宮大国際学部客員准教授、若林秀樹氏が考案し、凸版印刷が開発したWEB連絡帳システムE-Traノートにダリ語、パシュトゥー語が採用され、2024年4月より小山市内の子どもたちの在籍校で利用されることとなった。若林氏とは1年以上にわたり、情報の共有を重ねてきたが、その結果、行政が動いてくれたことは大きな成果である。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

本事業の申請準備をした1年前から、彼ら家族を取り巻く環境は、何も変化はなかったように思う。親たちの就労はあいかわらず不安定で、様々な機会に、常に経済的支援を求める声が聞こえる。多くの場合に優先されるのが、子どもたちの学習環境や、彼らの築いた人間関係ではなく、親(大人)たちの都合である。しかしながら、子ども達は元気にオンラインの教室、対面の教室に参加を続け、決して良い人間関係が築けているとも思えない(実際にいじめの相談は支援者に寄せられている)が、それなりに毎日を「がんばって」過ごしている。
最も大きな問題だと感じるのは、「学校からはとくに問題として挙がってきている事実はない」(地域の関係者)という事実である。問題が可視化されていないのではなく、そもそも対応を必要とする問題として認識されていないのではないかという懸念がある。
地域に拠点をもたない団体として、今後は教育関連の情報を整理し、分かりやすく提供していくこと、各家庭への伴走支援を継続すること、子どもたちの在籍校とやりとりできるよう学校側にとって有用な団体であると認識していただけるような働きかけを継続することに注力していきたい。

外部との連携実績

1活動難民事業本部委託の地域支援員と、高校受験にあたっての一連の支援にて連携
実施内容宇都宮市内在住の中学3年生1名の高校受験にあたり、当団体からは奨学金情報、高校入試情報を提供し、地域支援員の方には家族を訪問して各種手続きの準備を実施していただいた。
結果・成果・影響等中学3年生1名は、私立2校、公立1校に合格し、公立高校への進学を決めた。また、なかなか応募に至らない難民対象の奨学金に無事申請することができた。
2活動小山市役所が関わるアフガニスタン出身者が関わるイベント実施に向けて連携
実施内容小山市国際交流協会が実施するイベントに際し、小山市役所からの依頼により、当団体では通訳を紹介した。
結果・成果・影響等イベント実施は3月末を予定しており、具体的な成果、影響は現時点では不明。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)なし
広報制作物等なし
報告書等あり
内容

・当団体が会員等向けに発行するニュースレター74号(2023年12月)75号(2024年3月末発行)において、「がくぷろ」教室についても紹介した。
・日本語支援コーディネーターの田中由美子が受講した「令和5年度文化庁委託日本語教育人材の研修プログラム普及事業 地域日本語教育コーディネーター研修」(一般社団法人多文化社会専門職機構主催)最終報告書において当該研修をとりあげ、報告。

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか一部公開
内容

電子開示システムによらない公開規程類のシステムによる公開時期は未定

変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

内部に窓口を設置(組織に関する規程第5条)

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

法令順守を基本として法改正や通知等に速やかに対応した。実務指針及びガイドラインに従い、不適切な行為の発生予防に常に務めた。

報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)外部監査および内部監査
内容

顧問契約による税理士により財務会計を実施している他、所管庁による監査が実施される。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

インドシナ難民の受入れ以来、「限られた期間に」「大きな数の家族での退避」という状況がなかったことから、本助成を通じて、当団体の現体制では初めて、難民・避難民の方々の地域への定住に一から伴走するという経験をしている。その支援は困難を極めることを実感している。とくに日本社会でもなじみのない、ムスリムの方々が支援対象であったこともその困難を大きなものとした。子どもの教育に関わりながら、改めて家族の生活の安定が子どもの教育面で大きな影響を与えることも深く実感するところである。
先にも記しているが、子ども達が在籍する学校からはこれといった問題が提起されないことに大きな戸惑いを覚える。また、親たちはより経済的な支援の必要性を訴える。難民支援を旨とする当団体であっても、疑問や対応への戸惑いを覚えることが多いだけに、問題が問題として取り上げられない地域の状況(一部の地域の支援者はその戸惑いを強く訴えている)、教育の問題に関与しきれない親たちの状況が改善に向かうよう、学校や地域も、各家庭も、教育のことで問題を抱え込むことのないよう、当面は「教育相談センター」を立ち上げ、運営していくことを計画している。