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事業完了報告

2024/08/27更新

事業概要

事業期間開始日 2023/04/13終了日 2024/02/29
対象地域全国
事業対象者

児童養護施設在園中の子ども。児童養護施設出身の青年。少年院出身の青年。

事業対象者人数

住居支援、就労支援、思い出づくり支援、相談支援、イベント参加者、その他、地元の児童養護施設在園中の子ども、卒園生など、約150名。

事業概要

 社会的養護の青年や、少年院出身の青年達が、社会の中で孤独に苦しみながら生きるのでは無く、社会の中には彼等の自立を応援し、つまづいた時には支えてくれる暖かな存在がある事を伝え、彼等の応援団となる。特に発達障害の特性やコミュニケーションが苦手など、就労や社会生活でのハードルがある青年や、社会の偏見が自立を困難にしている青年達などに、根気強い伴走支援を行う。行き場が無く、生活に困窮し、SOSを発信する青年をシェアハウス「スマイルリングホーム」に迎え(住居支援)、温かな食事や安心して眠る事の出来る寝具、入浴、そしてゆっくり時間を掛けた傾聴などで心身の回復を図りつつ(シェアハウス事業)、就労に繋げ、就労後の相談に乗り(就労支援)、自立への準備をするものとする。また、過去に虐待や貧困など、心に暗い記憶を持つ青年達の人生に希望が差すよう、成人式や誕生日などの晴れの日を祝い、振袖や羽織袴姿での記念写真を撮り(思い出作り支援)、ごく自然な形で、社会の様々な背景を持った人々との交流が出来る「ミナイカシ畑」での作業を行い(畑事業)、困った時にはじっくりと相談に乗る(相談事業)。その活動はFacebookやInstagramなどのSNSを活用し、その活動によって青年達や私達スタッフに起きた事柄などはブログで発信する。地元を中心に少人数での座談会を何箇所かで企画し、支援者との膝詰めの語り合いの場を設ける他、講演会やシンポジウムなども開催し、社会的養護や少年院出身の青年達の置かれている現状や、活動への理解を訴え、理解者や協力者を増やしていく(広報活動)。その他、全国の青年支援や貧困問題に携わっているネットワークと情報共有をしながら、青年達が安心して、社会の中で孤立せずに自立していけるよう、青年それぞれの息に合った、伴走支援を行う。

事業の総括およびその価値

本事業はコロナ禍や物価高高騰など、若者が自立生活を送るには厳しい社会状況の中にあって、親などの保護者に頼ることができない社会的養護出身の青年や、少年院出院後に受け入れ先の無い青年が、社会で孤立せず、居住、就労、日常生活を送る為の知恵を身につけ、地域のコミュニティへ繋ぎ、「自立しても幸福な人生の一歩を踏み出す事が出来る事」を目的に実行された。本事業中には28名の新しい青年と繋がり、また何年もの付き合いをしている青年達にも悩みが多様化する中で生活改善を目指し伴走した。活動内容をSNSや対面で発信すると、地域や全国の協力ネットワークが生まれ、その結果、就労などの自立が難しい特性を持つ青年達であっても、取りこぼさない支援に繋ぐ事が出来るようになった。支援の依存先が増え、社会の居場所も増えていく事で、青年達が安心して相談したり、へこたれずに自立への道を模索し挑戦する事へ繋がれる。

課題設定、事業設計に関する振返り

発達、知的、精神障害、アルコール、薬物依存などの問題をもつ青年や親からの支援相談が相次ぎ、シェアハウスに受入れた3名中2名が精神病院に入院するなど、居住受入に苦慮した。物価高騰の影響や、日雇いや時給で働く青年は、コロナやインフルエンザで仕事を休むとあっという間に生活が困窮し、食糧支援の要請は当初予想よりかなり多く、アウトリーチや郵送での食糧支援をしつつ、一人一人と金銭管理の勉強等を行い、今後の生活設計を模索した。繋がりのある青年達の結婚出産が続き、青年の悩みも多様化。子の非行で悩む親からの相談も増加。連携協力先を開拓、強化したことで、その様々な相談に対応出来た事はとても大きかった。助成金のお陰で全ての事業を実行できたが、青年の更生や自立には長い時間と、とても言葉では表せられない忍耐、労苦があり、今後の課題は慢性的なスタッフ不足と運営資金の問題を乗り越え、活動を持続、発展させていく事だ。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1①当事者が、スマイルリングと繋がることができる
アウトカム:結果28名と繋がった。
アウトカム:考察事例)ホームレス状態の本人から電話。地元の児童養護施設入園時から施設内イベントで顔馴染みになっていた。卒園後、北海道内だが遠方の就労事業所付きグループホームへ入所し、馴染めず飛び出した。知的障害で平仮名の読み書きしか出来ず、親戚の勧めるところで働いたが虐待に遭い、賃金も払われず、スマイルリングの存在を思い出し連絡がきた。他にはLINE相談窓口、少年院出院後の受入先を打診してくる親からの連絡、青年同士の口コミ、少年院訪問時に講話を聞いたなど。ホームページなどから気軽に相談できたり、少年院、施設などで青年達に顔を覚えて貰うと繋がりがスムーズになる。
2②当事者が、自立へ向けた準備ができる
指標スマイルリングホームへ入居し就労、継続し、貯蓄ができている人数
目標値・目標状態自立準備が整った人数 7人 就労が継続、貯金ができ自立へ向けての準備が整った状態
アウトカム:結果入居者数3人 43%(就労継続者2人)
アウトカム:考察事例)入居者3名のうち2名が薬物とアルコール依存による精神病の症状悪化で相次ぎ入院し生活保護を受給。1名は退院後に保護打切り、就労へ繋ぎ継続中。1名は保護費受給で連携先のグループホームへ移動。もう1名は知的障害で生活保護費を受給しながら本人希望の一般就労先へ繋ぎ継続中。現在は保護費と賃金とで実兄と共にスマイルリングホームの程近くで生活。このような青年達の自立準備はどれも大変困難だが、伴走する事によって何らかの生きる道を一緒に見つけていける。自立準備が整うにはとても時間がかかり、目標値までは達成できなかった。
3③当事者が、スマイルリングに相談する事が出来る
アウトカム:結果
アウトカム:考察ホームページを刷新してからLINE相談窓口にたどり着きやすくなった。少年院での講話を聞いた青年が出院後に連絡をくれた、SNSへの投稿を頻繁に行ない、私たちがどんな顔をしていて、どんな事を話しているのかを、当事者や関係者にイメージしやすいように工夫するなどした。どの相談にも丁寧に耳を傾けた。結果、相談者が新たな相談者を紹介するなどの連鎖も起きた。
4④ 当事者が抱える問題を発信し、社会全体が青年達を支えるようになる
アウトカム:結果社会に発信し続けた。
アウトカム:考察SNSではFacebookとInstagramを連動させ、約190回の投稿をし、日々の活動や青年達の様子を投稿。6回のブログ(note)投稿で、より深く青年達の抱えている問題などを発信した。地域の人との膝詰め座談会、トークイベント、オンラインでの座談会など、一方的ではなく、参加者との対話が出来るよう、考えや思いが深まる事を狙って実施した。様々な人や団体と繋がることが出来、社会的養護や非行青年の更生自立支援の必要性を訴えた。

アウトプット

1①-1 イベント事業活動(児童養護施設や少年院でのイベント、ボクシングセッション、成人式支援の実施)
指標イベント実施              
目標値・目標状態イベント回数 10回
アウトプット:結果13回 130%
アウトプット:考察児童養護施設でのボクシングセッション3回、少年院での人気ラッパーを招いてのイベント1回、成人式や結婚を祝う支援4回、その他イベント合わせて13回開催する事が出来、施設在園中の子供や青年たち、地域の支援者、協力団体とが思い出に残る楽しい体験を共有し、繋がりを作る事が出来た。地元十勝や釧路の児童養護施設では、ボクシングセッションや、実施したかった職業体験イベントが、コロナやインフルエンザを懸念されて開催出来なかった。
2①-2 ネットワーク作り活動(児童養護施設、少年院への訪問、他協力団体関係機関との連携活動)
指標施設への訪問
目標値・目標状態訪問回数   10回
アウトプット:結果13回 130%
アウトプット:考察児童養護施設訪問5回、少年院訪問2回、協力関連団体との連携活動6回を行なった。未だコロナやインフルエンザなど懸念されイベントが出来ない中、おやつなどを持参して、施設や少年院の職員の方との懇談の機会を作ってもらった。地域のロータリー、ライオンズ、保護司会などと連携し、青年達の更生や自立の為に一緒に募金活動を行なったり、講演する機会を作って頂いた。今後の連携についても協議中。
3①-3 ミナイカシ畑事業(農作業や野菜加工のイベントを通して当事者の居場所と協力団体や地域との繋がり、関係性を育む活動)
指標イベント実施
目標値・目標状態イベント回数  4回
アウトプット:結果4回 100%
アウトプット:考察協力団体や地域の人達と共に、芋植え祭りや収穫祭りなどのイベントや、収穫物を料理して食べるイベントなどを開催した。車の免許が無い青年が多く、毎回、送迎に苦慮する。参加した青年からは「楽しかった」と参加をリピートする者が多く、また青年と触れ合った大人達からも青年達と自然に触れ合う機会が持てて嬉しいとの声を頂くので、解決方法を考え中。
4①-4 食糧支援(食事会などの食糧支援を通して繋がり、当事者達を支える)
指標食事会などの実施
目標値・目標状態実施回数   6回
アウトプット:結果9回 150%
アウトプット:考察物価や光熱費の上昇、非正規雇用、日給や時給で働いていて食費に事欠く青年が多く、当初はシェアハウス内で食事会などを実施する予定だったが、北海道の土地柄、車の免許が無いと参加出来ない青年達がいることや、食料や調理した物を配布した方が、青年達が明らかに助かると判断してアウトリーチや郵送での食糧支援を行なった。
5②-1  居住支援活動(当法人借り上げのシェアハウス、スマイルリングホームでの居住、食事提供)
指標シェアハウスへの入居     
目標値・目標状態入居者人数 延べ 7名
アウトプット:結果入居者数 3名 43%
アウトプット:考察居住相談は多かったが、衝動性が強く暴力的であったり、精神病や薬物依存など、受け入れ困難な青年が多く、連携先のグループホームへ繋げた青年が5名いた。入居者3名中2名も、薬物とアルコール依存からの統合失調症の症状が酷くなり、相次ぎ入退院するなどの予期せぬ問題が起こった。
6②-2  知識習得援事業(金銭管理、部屋の掃除方法などの日常生活の知識取得の講座を実施)
指標講座実施
目標値・目標状態実施回数  9回
アウトプット:結果計13回 144%
アウトプット:考察シェアハウスに入居している青年と、近隣に住み食糧支援を行なった青年達に、物価高でも生活していく為に必要な知恵を身につける為、主に金銭管理を中心に繰り返しマネー講座を行なった。本当は彼らを一箇所に集めて開催したいところだが、彼らをこのような講座に集めるのは容易ではなく、食料を届けに行った先で青年に個別に行なう形なので、毎月開催したという12回と、青年と結婚した嫁のグループに1回開催したことで13回と報告した。
7②-3 就労支援事業(就労相談に乗り、就労先に繋ぎ、就労後の相談に乗る活動)
指標就労者数
目標値・目標状態就労者人数 延べ10人
アウトプット:結果就労者数 9名 90%
アウトプット:考察就労者人数は9名。そのうち継続者数は6名。精神疾患などが原因で今すぐには就労が難しい2名は生活保護へ繋げた。課題は、青年達がしたい仕事に繋ぐこと。就労場所となる多様な職種の連携先を増やす必要性がある。
8③-1 相談支援活動(面談、電話、LINE相談窓口、SNSなどを通しての就労、生活全般の相談を受ける)
指標相談者数と相談件数
目標値・目標状態相談件数  1000件
アウトプット:結果相談件数 1,290件 129%
アウトプット:考察面談132回、電話458回、LINE659回、SNSや手紙41 相談件数1290件。(同じ相談者が複数回連絡してくる回数を含む)12月〜2月にかけて、主に相談業務担当の理事の野々村が体調を崩し、対応出来ない事もあった為、それが無ければもっと相談件数は多かったと思う。スタッフの増員が急務である。
9④-1 普及活動(講演会や座談会等の実施、SNS、ブログ等の発信活動)
指標講演・座談会等の実施
目標値・目標状態実施回数  5回
アウトプット:結果14回 280%
アウトプット:考察講演会12回、座談会2回で結果のみ報告した。新聞掲載5回。SNSでの発信はFacebookとInstagramに同時シェアし、ホームページにも連動掲載する形でおよそ190回投稿、日々の活動や青年達の様子を見る人に想像しやすくアピールした。またブログ(note)は6回発信し、青年達の抱えている深い問題や、自立や更生への険しい道のりを、より具体的に掘り下げて綴った。SNSや報道などを通じ、全国の人や団体との繋がりが少しずつ出来てきたので、その繋がりをどう生かしていくのかが今後の課題。

活動

1①-1 イベント事業活動(児童養護施設や少年院でのイベント、ボクシングセッション、成人式支援の実施)
活動結果計画通り
概要青年達がスマイルリングを知り、相談支援へと繋がる関係性が構築出来るように、少年院、児童養護施設の子供達とボクシングセッションなどのイベントを通し交流した。成人式やウエディングなどの支援は青年の夢を応援するだけではなく、青年達が育った児童養護施設にも大変喜ばれ、青年達からの信頼も増し、連絡も増加している。
2①-2 ネットワーク作り活動(児童養護施設、少年院への訪問、他協力団体関係機関との連携活動)
活動結果計画通り
概要コロナ禍中はなかなか訪問出来なかった施設等に訪問を再開し、一緒に座談会やケース会議を開けるようになり、保護司会や福祉事業所、医療機関、行政、地域の団体などとも、青年一人一人の実情に合わせて連携、情報共有を行い、関係性を深め、協力して青年達の支援をして頂くことが出来た。
3①-3 ミナイカシ畑事業(農作業や野菜加工のイベントを通して当事者の居場所と協力団体や地域との繋がり、関係性を育む活動)
活動結果計画通り
概要スマイルリングの青年達と一緒の畑でのイベントは、地域の団体や住民など沢山の人から関心を持って頂いた。コミュニケーションが苦手な青年達も、一緒に畑作業やランチをするなど自然な形で和み、地域の皆さんから可愛がられるという体験ができ、実家のない、子供が生まれた若いママが、地域の子育てサークルにも繋がるなどの、とても良いコミュニティーが形成されている。
4①-4 食糧支援(食事会などの食糧支援を通して繋がり、当事者達を支える)
活動結果計画通り
概要当初は食事会を開催し青年達に集って貰おうと考えたが、想定以上に食糧支援を望む声が多く、青年達の状況を考えるに、一人一人の状況に合った分の食料を持ってそれぞれの家へ訪れ、生活状況の把握と生活改善(金銭管理など)も一緒にした方が今後の彼等の自立生活の為にも良いと判断し、アウトリーチや郵送の食糧支援に切り替えた。大変ではあったが、きめ細かなサポートが出来た。
5②-1  居住支援活動(当法人借り上げのシェアハウス、スマイルリングホームでの居住、食事提供)
活動結果遅延あり
概要入居希望があったにも関わらず、障害や依存症などの問題で受け入れ困難な青年が多く、連携先のグループホームなどに協力頂いた。シェアハウスから巣立ち、周辺に居住する青年達がシェアハウスで食事をしたり、調理をしたものを届けるなど、実家のような役割で青年達の自立生活を支えた。
6②-2  知識習得援事業(金銭管理、部屋の掃除方法などの日常生活の知識取得の講座を実施)
活動結果計画通り
概要食糧支援をした青年一人一人と、自団体が作成した「金銭管理シート」を使い、生活が困窮する原因と解決策を一緒に考えた。収入と実際の支出を書き出し、明確に自分が何にどれだけ出費しているかを自覚できるようにした。その結果貯蓄ができるようになった青年も。またゴミの分別が出来ないものが多く「わからない」が原因だったので、根気強く一緒に掃除ゴミ捨てを行った結果、皆ほぼ完璧にゴミ捨てができるようになった。
7②-3 就労支援事業(就労相談に乗り、就労先に繋ぎ、就労後の相談に乗る活動)
活動結果ほぼ計画通り
概要本人達の発達障害などの特性や非行歴などを就労先にしっかりと伝え、本人のその時々の情報を共有しながらフォローした結果、初めて就労が継続できている者や、なるべく本人の希望する職種に挑戦させて小まめに本人から状況を聞くなどした結果、途中就労先が変わった者や休みを挟んだ者もいたが、就労にほぼつかせる事ができている。もっと様々な職種の就労先を開拓したい。
8③-1 相談支援活動(面談、電話、LINE相談窓口、SNSなどを通しての就労、生活全般の相談を受ける)
活動結果計画通り
概要当事者からの相談の他、非行青年の親からの相談も多く寄せられ、全て問題解決とまではいかなくても、いつでも何度でもも相談していいし、見放さないと伝える事によって、相談者から「この場所があってよかった」との声が寄せられた。相談内容によって(居住、薬物依存、子育てなど)関係団体に相談を共有した事によって、問題改善に至った事もあった。
9④-1 普及活動(講演会や座談会等の実施、SNS、ブログ等の発信活動)
活動結果計画通り
概要地域では膝詰めの座談会やチャリティートークイベントの他講演活動、オンライン座談会などで社会的養護出身の社会的フォローや少年院出身の青年達の更生支援の必要性を訴えてきた。また活動や青年達の様子をSNS発信は約190回、青年達とのエピソードなどを綴ったブログは6回発信し、その結果、協力や連携を申し出てくれる人や団体との繋がりが生まれ、応援者も確実に増えてきた。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

比重として社会的養護出身の青年よりも、少年院出身の青年、もしくは子の非行で悩む親からの切実な相談がとても増えた。
青年達の非行度合いも重く、ほぼ全員と言っていいぐらい発達障害やグレーゾーンの特性を持ち、尚且つ精神、知的障害、薬物やアルコール依存であったり、暴力などの衝動性が強い青年、逆に気力が無さすぎるなど、居住や就労支援に繋ぐのが大変な事例ばかりで、依存症支援団体、シェルター、福祉事業所、医療、行政等々に相談や協力をお願いしながら、青年の受け入れ先、生きる場所を探したり、幼少期から虐待を受けていたトラウマや、何をやっても上手くいかないなどの低すぎる自己肯定感の感情を受け止め、実際に青年の持っている生きる力を、対話を繰り返し伝えながら関係性を築いていった。青年達と関わった各関係機関との信頼関係や協力体制が生まれたのは大きな収穫であった。しかし慢性的なスタッフ不足は各事業を行う上で余裕が無くなる事も多く、依存先に頼る以前に内部の強化が必要だと切実に感じている。そうした葛藤などもSNSで発信しながら活動を進めた事により、真に活動を応援して下さる方が増えた。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

北海道は物価高や燃料費の高騰など、上昇率が全国平均を大きく上回り、特に食品の上昇率は高く、実際の物価も光熱費も全国でも有数の生活コストが掛かる地域である。社会的養護出身の、特に発達障害など何らかの特性を持つ青年や、少年院出身の学歴も低い青年達が、安定して自立できるほどの賃金を得られる事は難しく、職種も限られたものになりがちである。ただでさえ不安で苦しい生活に、彼らが自分の将来に希望を持つ事が出来てこそ就労意欲も湧くと思うが、何か我慢しながら「これしか自分には道がない」と諦めに近い感情で日々を送るのは不幸せだと思い、一人一人の彼らの思いに耳を傾け、働くことの意義や、今はギリギリでも、彼らの持っている計り知れない可能性を話あってきた。一つ一つの事業に取り組む中で、青年達の喜ぶ顔や、少しずつ逞しくなったり、落ち着いてきたり、金銭管理やゴミの分別などの日常生活が上手くできるようになるなど、確かな成長を感じた。彼らに必要な知識や、青年を育てる思いのある就労先を開拓し、良い団体との連携を強めて、社会全体で青年を育てることが地域社会にとっても大きなプラスになる事を発信していきたい。

外部との連携実績

1活動一般社団法人 とかち子育て支援センター
実施内容①-1 イベント事業 成人式・ウエディングフォト支援で、振袖やドレスの貸出し、ヘアメイク等を行い記念の写真撮影をした。
結果・成果・影響等当事者は、皆大変喜び、支度支援をして下さる子育て支援センターさんも毎回楽しみに実施して下さる。お祝いに見学に来る地域の方がいたり、青年が入所していた児童養護施設の職員が駆け付けてくれたり、地域を巻き込んで青年の幸福をを祝う暖かなイベントの様子は、SNSや新聞報道などで、とても良い反響がある。
2活動十勝更生保護女性会
実施内容①-4 食糧支援の食事会などに月に一度、カレーなどの食事を提供④-1 講演会や募金活動などを実施
結果・成果・影響等地域に住む青年達の分までカレーやサラダなどを作り提供して下さり、青年達との交流が生まれ、十勝管内それぞれの市町村の更生保護女性会が、講演会や募金活動などを実施し、スマイルリングの活動を応援して下さっている。ご高齢の会員の方が多く、青年とまるで「おばあちゃんと孫」のような暖かな交流が生まれている。
3活動特定非営利活動法人とかちダルク
実施内容③-1 薬物やアルコール依存の青年の相談や一時受け入れ
結果・成果・影響等「薬物を辞めたいが辞められない」や青年の一時受け入れで、難しい青年への対処にも安心して相談に乗ることが出来た。青年側は、そんな重い内容の相談も包み隠さずしてくれ、関係が切れる事なく続いていて、関わり励まし続けることで、状態が少しずつ改善されている。
4活動株式会社GUILD CARE
実施内容②-1 発達、精神障害などの特性を持つ青年のグループホーム受け入れ
結果・成果・影響等どんなに受け入れが難しい特性のある青年も、誰一人断る事なく、生活する「生きる場所」を確保する事が出来た。その後適切な医療に繋がったり、本人の出来る仕事に繋がることも出来、将来に焦る事なくゆっくりと自分に合った人生を模索できるようになったことで、青年達は穏やかに日々を送っている。再犯の恐れのあった青年も、今は落ち着いて生活が送れている。
5活動有限会社 アグリ・ファクトリー
実施内容②-1 受け入れ困難者、シェルターへの一時受け入れ
結果・成果・影響等シェアハウスには受け入れ困難で、短期間の居場所がほしい青年の受入先。暖かく優しい対応で、不安でいっぱいの青年もホッとする居場所であり、美味しい食事やゆっくり話を聴いてくれたり、静かな環境でリラックスした青年がそこで安心して、今後のアドバイスなどを受け入れやすくなる。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

【新聞報道】6月29日北海道新聞(非行少年の立ち直り「支える側も覚悟必要」)10月15日聖教新聞(スタートライン)11月6日十勝毎日新聞(袴で撮影「成人」実感)12月4日北海道新聞(釧路スマイルトーク)12月15日公明新聞(ひと百景)

広報制作物等あり
内容

チラシ(7月帯広チャリティトークイベント、8月・チャリティ講演会、12月・釧路チャリティートークイベント)名刺、パンフレット

報告書等あり
内容

事業報告書

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか整備中
内容

定款は、行政(北海道庁等)に変更申請している段階で、まもなく認可されるとの報告を行政書士より受けている。利益相反防止、倫理、リスク管理、文書管理、公益通報者保護に関する規程を作成出来た段階。現在作成中のガバナンス・コンプライアンス基本規程、情報公開規程も、事業完了時までに全て完成できるようにする。

整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか一部公開
内容

現在は、変更前の定款のみを公開している。変更申請している新しい定款については、書類申請が受理され次第、ホームページに公開する予定。規程に関しては、完成した規程から3月中旬より順次公開していく。

変更があった規程類に関して報告しましたか変更があり報告済み

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかいいえ
利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

今年度で整備してきた各規程(利益相反防止、倫理、リスク管理、文書管理、公益通報者保護など)や現在作成中のガバナンス・コンプライアンス基本規程を作成する中で、当法人に不足している部分を確認し、文書化するなかで、整備強化してきた。また、コンプライアンス責任者も時期が遅くはなったが、設置した。

報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)内部監査
内容

3月末の年度が終了してから、決算書類を当法人の監事に監査してもらっている。今年度についても、同様の内部監査をする予定をしている。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

助成金を活用してホームページやパンフレットなどを刷新したことで、当事者からの相談が増え、イメージもアップして寄付車などの応援者が増えた。事務局が出来、しっかりした経理事務が出来るスタッフが加わり、かなり安心して各事業を実施できた。物価や光熱費の高騰という、自立するのが大変な社会にあって、青年からの相談内容は付き合いが長くなるほど結婚や出産など多様化している。ただただ話し相手になり続ける事や、生活改善は本人のやる気のスイッチが入らないと進まず、また、発達、知的、精神障害やグレーゾーン、依存症などの特性や問題を抱えていて、本当に社会に居場所が無く、将来に希望が持てない状態の青年の支援の成果は、居住も就労も難しい上に、数字ではとても表すことが難しい事が沢山ある。1年で自立の準備が出来る青年は一握りだと思う。本当に困っている青年を誰一人取りこぼす事なく、未来に希望を持って支援をする為に、長期的な支援が安心して受けられ、事業が運営出来たら嬉しい。

シンボルマークの活用状況

ホームページ、チラシ、シェアハウス内の備品、玄関等