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事業完了報告

2024/08/27更新

事業概要

事業期間開始日 2023/04/26終了日 2024/02/29
対象地域大分県
事業対象者

社会的養育環境を退所した若者や頼る家族がいない、または頼れないなど孤立や孤独のリスクがある若者

事業対象者人数

120名(おおいた青少年総合相談所令和3年度相談援助実績より参照)

事業概要

令和4年度当法人は大分県内の中小企業等を主軸にした「大分県若者就労サポートネットワーク」の構築を試みた。令和4年度の実績として自治体や市役所等の公的機関、社会福祉協議会、民間支援団体等から89件の就労に関する相談が就労サポートネットワークの窓口に寄せられ、しごと見学、就労体験、まなび体験に86名の若者が参加した。また、企業との意見交換は当初30社程度を予想したが、結果として49社におよび、企業側も「就労支援」や「新しい雇用ルート」に関する関心が高いことを感じた。しかしながら、相談の入口(相談援助機関等との連携)から企業へのアプローチ、または対象となる若者に適切な就労支援を行うにあたっては「伴走型の就労支援に携わる人材の育成」が非常に重要であることも感じた。
そこで、本事業は「伴走できる人材の育成」や「企業と若者支援の支援の窓口が連携しやすくなるツールの開発」を重視し、支援者がより支援しやすくなるシクミづくりを構築したい。具体的には、昨年度就労サポートネットワークで実施した取り組みを継続しながら、企業アプローチやツール開発のための研修等をいっしょに行い、就労支援に伴走できるワーカーの育成を試みる。また、市町村それぞれの強みを活かしながら、若者就労サポートの地域ネットワークづくりに貢献したいと考える。若者に伴走する機関に伴走・応援することでもっと多くの若者のニーズに手が届くことになる。
令和5年度、大分県においては15/18の市町村が「重層的支援体制整備事業」の本事業実施や準備事業に取り組んでいく予定である。そういった新しい施策とも寄り添いながら取り組むことを重視し、それぞれの地域にある企業やはたらく場所と相互扶助・連帯をしていくことで、地域における持続可能な支援モデルへとつながる。

事業の総括およびその価値

本事業の総括およびその価値としては、以下の3点があげられる。
1:支援者のエンパワメント
本事業においては様々な困難を抱える方々が、自らが「暮らす地域」において公的な機関や民間支援団体の相談窓口をうまく利用でき、就労や社会参加につながるまでの伴走を享受できるためのしくみづくりを行った。もともと「相談」には相当なハードルがあることや、公的な相談窓口では相談と就労がバラバラに機能していることもあり、相談窓口従事者が自信を持って相談を受けることができないなどの課題があった。本事業においては相談員さんとともに地域の様々な資源を開発するための体験をともに行ったこと、さらには相談者がうまくつながった事例ができる中で自信を持てたことなど支援者のエンパワメントについての評価ができる。
2:参加者の拡大とつながりの増加
本事業を実施する中で、市町村単位の研修会(説明会)を実施した。研修会への参加者は市町村職員に限定せず、地域の企業や民生委員さんなど多様な参加者を募った。研修会では参加者の意見交換を行う時間を確保し、「地域にどのような方がいるのか」「どのような困りを抱えていらっしゃるのか」「地域にできることは何か」など意見交換の柱建てを行った。研修後の状況を見ると、「つながりが増えた」という声が最も多かった。また、そのつながりの中で相談者の職場見学や職場体験、なかには地域の職場に雇用としてつながった若者も生まれ、本事業の価値を感じた。
3:グラデーションな関係性の重要性
本事業では生活困窮の窓口はもとより、障害分野、こども子育て支援、教育分野、労働分野などの多様な分野を横断的に参加していただいた。ちょうど各市町村では「重層的支援体制整備事業」の準備段階にあり(実施している市町村もあり)、制度的な流れと深くリンクすることができた。その中で、「各分野ごとの大切さ」はもとより、「少し周辺領域と手をつないでみる」「制度・組織は縦割りであってもその境界をグラデーションにデザインしてみる」など、今後地域で困りを抱える方々に対する基本姿勢が多くの市町村で確認されたことは大きい。地域住民に届く支援デザインを今後も多様な参加者とともに広げてほしい。

課題設定、事業設計に関する振返り

・大分県には18の市町村があり、全市町村との意見交換を行い、それぞれの熱意ややる気に応じて取り組みを行うことを予定した。しかしながら、先述したように重層的支援体制の流れから、想定よりも多くの市町村でのかかわりを求められることになり(うれしいことだが)、こちらのマンパワー不足が明らかとなった。
・地域企業との意見交換については、予想より多かったが、それぞれの企業との「プログラムづくり」が想定以上に難航した。
・大分県で中核市である大分市へ深く切り込むことができなかった。
・市町村社会福祉協議会と市町村関連部署の「協働」が市町村によって大きく異なることが露呈した。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1①各相談支援機関が若者に届きやすい情報を発信している
指標意見交換会(18市町村すべて) 相談支援機関広報に関する意見交換会(9/18) 就労支援研修会(9/18)
目標値・目標状態重層事業を行う市町村(15)とその他の市町村(3)のうち9市町村以上で実施
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察予定以上に達成することができた
2②各相談支援機関が地域の企業と連携した就労支援プログラムを開発している
指標地域企業への訪問や意見交換を行い、しごと見学やしごと体験などのプログラムをつくることができる
目標値・目標状態地域ごとの連携企業数の増加 プログラム数
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察参加市町村の差異はあるが、地域企業との連携やプログラム作りは初体験、または増加した
3③各相談支援機関が若者に就労支援のメニューを示すことができている
指標しごと見学やしごと体験、その準備のためのオンライン講座などを提示し、若者自身が支援を選択し、参加することができる
目標値・目標状態対象地域の規模によるが、連携企業の増加 オンライン講座は6回以上実施
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察相談窓口が複数のメニューを提示することができ、若者が選択・自己決定できた。オンライン講座も10回実施できた
4④地域の相談支援機能が豊かになる
指標地域ごとの継続した取り組みにつながっているか
目標値・目標状態地域ごとの継続した取り組みにつながること
アウトカム:結果達成
アウトカム:考察市町村域の相談支援機関が役所内や地域とのつながりが増加し、相談機能が豊かになってきている

アウトプット

1①-1 対象となる地域(市町村)への意見交換会の実施
指標県内すべての市町村や社会福祉協議会との意見交換会の実施
目標値・目標状態18市町村すべて
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察全ての市町村と意見交換を実施した(18/18)
2①-2 対象となる地域を選定し、相談支援機関の取り組みを広報
指標9市町村以上が本事業に賛同できる
目標値・目標状態9市町村以上
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察10市町村が賛同した
3①-3 対象となる地域への「就労支援(参加支援含む)に関する研修会」の実施
指標相談支援機関に就労相談について研修会を行う
目標値・目標状態9市町村以上
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察10市町村で実施した
4①-4 県域の相談支援機関(子ども若者総合相談センター)にあるケースや地域にあるケースを協働支援し、アウトリーチやオンライン講座などを利用した相談の入口をつくる
指標各地域の対応ケース数の増加 オンライン講座の実施
目標値・目標状態ケース数は前年より増加 (前年度89ケース) オンライン講座は6回以上
アウトプット:結果未達成
アウトプット:考察直接的な支援は83ケースにとどまったが、オンライン講座も含むと96名となる
5②  地域企業との協働によるしごと見学・体験の実施
指標地域企業との意見交換会の実施 しごとプログラムの開発ができる しごと見学や体験に参加できる
目標値・目標状態地域ごとに目標値を設定
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察地域差はあるが、地域企業との意見交換会は28回となり、33社とのネットワークができた。また、しごと見学は12回の開催にのべ29名の方が参加。しごと体験はのべ10回の開催にのべ20名の方が参加した
6③-1 選択肢の中から若者自身が選んで参加できる
指標プログラムを若者自身が選択できるような相談支援が増加する
目標値・目標状態若者が選択できた数および意思決定できた数
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察全てのプログラムや参加等について若者自身が選択・決定した
7③-2 プログラム参加に相談支援機関等が同行支援できる
指標相談支援機関が伴走しながら就労支援を実施できる
目標値・目標状態プログラムには原則同行支援が実施できる
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察市町村域のケースのすべてに相談員が同行した
8④  相談支援機関への伴走や企業との連携を行う
指標地域ごとのスピード感や取り組みを大切にしながら、地域における若者への就労支援が豊かになる
目標値・目標状態企業がプログラムの良い点や改善が望まれる点を把握できている
アウトプット:結果達成
アウトプット:考察しごと見学や体験の後にしっかりと企業や若者の意見を聴きながら、改善や追加を検討している

活動

1①対象となる地域(市町村)への意見交換会の実施
活動結果計画通り
概要計画通りに実施できた
2②対象となる地域を選定し、相談支援機関の取り組みを広報
活動結果計画通り
概要計画以上の市町村が参加できた
3③対象となる地域への「就労支援(参加支援含む)に関する研修会」の実施
活動結果計画通り
概要計画以上の研修会を実施した
4④県域の相談支援機関(子ども若者総合相談センター)にあるケースや地域にあるケースを協働支援し、アウトリーチやオンライン講座などを利用した相談 の入口をつくる
活動結果ほぼ計画通り
概要しごとプログラムの開発とオンライン研修の準備が予定よりも遅れた。参加人数はおおむね目標値に近い
5⑤地域企業との協働によるしごと見学・体験の実施
活動結果計画通り
概要計画通りに実施できた
6⑥選択肢の中から若者自身が選んで参加できる
活動結果計画通り
概要計画通りに実施できた
7⑦プログラム参加に相談支援機関等が同行支援できる
活動結果計画通り
概要計画通りに実施できた
8⑧相談支援機関への伴走や企業との連携を行う
活動結果計画通り
概要計画通りに実施できた

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

本事業を通じて、市町村相談員のみならず、様々な部署の方に話を聞いていただき、そのことで地域の資源(企業等)を知り合いレベルから紹介いただけた。また、成功体験(雇用や参加につながった)を感じた市町村では、相談者や企業等に対する広報のシクミを(社協だよりや市報などの工夫)検討している状況も生まれた。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

・支援者の変化
本事業を実施する中で、市町村の相談員にあった声(やりたいけどやれない・余計なことをするなと言われるなど)が、組織内が変化していくことで大きく変化した。相談者に自信をもって向き合うことができるのは、当然のことながら困りを抱える若者等のエンパワメントにつながる。それぞれが暮らす地域おいて。スペシャルな存在よりも多様な方々が参加できることも支援者のエンパワメントにつながっている
・地域企業との連携⇒大きなネットワークに
今後は今年度各市町村にある社会資源を大きなネットワークとして構築していくことが望まれる。地域のみならず県内の情報が掲載されるようなツールの開発も必要になってくる。行政機関や社会福祉協議会等と検討していく予定である。

外部との連携実績

1活動大分県中小企業家同友会
実施内容意見交換 各種部会への説明
結果・成果・影響等企業を紹介いただくことができた
2活動大分県社会福祉協議会
実施内容市町村社協への啓発
結果・成果・影響等意見交換会や就労相談会の実施に数回参加していただいた
3活動市役所・市町村社会福祉協議会
実施内容事業の協働
結果・成果・影響等10市町村と協働で事業を実施した
4活動株式会社CONT
実施内容オンライン講座・広報などを協働
結果・成果・影響等広告制作会社の人事部やデザイナーに協働いただいた

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

OBSラジオ(ANABAR)にて発信

広報制作物等あり
内容

オンライン講座の案内

報告書等なし

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか整備中
内容

ガバナンス・コンプライアンスに関する体制はあるが、規程とはなっていないので作成中
会計規程・旅費規程に関しても規程として整備中

整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか未公開
内容

上記規程を作成し、令和7年年度末に公開予定

変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

内部通報については大分県弁護士会に所属する弁護士を窓口にした「内部通報について」を職員に周知している

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)外部監査および内部監査
内容

監査については、当法人監事(弁護士)が法的な視点から監査いただくとともに、外部税理士(委託契約)にも入っていただき実施している

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

法人の各種規程を強化する必要性を感じることができ、取り組みを行っています。
貴重な助成をいただきありがとうございました。

シンボルマークの活用状況

法人会報誌など