事業完了報告
2024/08/27更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2023/06/02 | 終了日 2024/02/29 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 京都府下 | |
| 事業対象者 | 家庭や学校などに居場所がなく行政などに頼れない孤立している状況に置かれている16歳から25歳までの少女 | |
| 事業対象者人数 | 15名 | |
| 事業概要 | 本NPO法人は2016年より地域にて子ども食堂を開設し、年間延べ4400人(2022年度)の子どもやその親が利用して下さっています。子ども食堂で出会った子どもの中には家に居場所がなく、終了時 間になってもまだ帰宅できない子ども達が一定数います。中には家庭内で継続的に虐待されており、緊急度が高く一時的にシェルターに居住して安全を確保せざる負えない少女たちもいました。そのようなニーズに答えるため2022年より、私たちはシェルターを開設しましたが、少女たちが生活するのに十分な環境が整っているとは言い難いです。本事業ではまず緊急的な状況に陥っている少女の宿泊を受け入れるのに適した物件を購入し、短期間から長期間まで少女のニーズに合わせて安心して生活できる環境を整えたいと考えています。次に本シェルターに滞在している間に少女たちには心身の安定を取り戻し、社会で生きていく力を身に着けてもらう必要がありますが、その際に我々は、行政手続きや病院同行などの長期的な伴走支援を行います。また、社会で生き抜くためには少女たちにとって、社会的ネットワークを確立し、ソーシャルサポートを増やすことは大変重要です。そのため、少女たちが関わることのできそうなボランティア先の開拓や適切な関係機関への取り継ぎ、就労サポートなどを行います。そして、こういった支援は本NPO単独で行えることではなく、京都市内における他の少女支援団体との連携が必須であるため、それらの機関との関係強化、及びネットワーク構築を目指した研修会を実施します。 | |
事業の総括およびその価値
昨年度に引き続き、今年度は15団体の方々と勉強会を開催することができました。ハピネスハウスの運営については新たに7名の利用がありました。親の承諾があるケースやないケース、児相からの一時保護委託などがありました。また、入居には至らなかったが、相談対応や金銭支援へ繋いだケース、カウンセリングを依頼したケースなど、他団体へ連携することで、事業対象者のニーズに応えることができたという実感がありました。医療については費用の負担感、親の抑制による制限、本人が抱えるスティグマなどが回復への課題であると確信しました。また、社会との繋がりづくりへのサポートについては、企業様の協力をいただき、保証人問題、口座がない問題、短時間勤務に対して理解をいただくなど3ヶ所へ3名のアルバイト就労が実現しました。初めの同席は必要ですが、就労先の人間関係に慣れることで、本人の自信につながることがよくわかりました。
課題設定、事業設計に関する振返り
課題を抱える少女を支援するにあたり、住居だけの支援ではなく、弁護士、医療、就労先などさまざまな連携先を確保し、自立を見据えた支援を届ける事業設計でした。ハード面でのサポートは条件さえ整えば、完結できますが、メンタル面での自立には、中長期的な時間と関わりが必要であることがわかりました。就労については、計画時点ではも っと多くの企業さんへ協力いただき、就労先を確保する予定でありましたが、実際には企業開拓数と就労のニーズが多くない実績となり、多数展開とまではいきませんでした。就労のマッチング数を増やしていくには受け入れ先企業にも丁寧な関わりが必要ですが、今回の取り組みをさらに広げることで同じような課題を抱えている若者を支援している団体への横展開が可能になるのではないかと考えています。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | 京都市内において、少女支援をしている団体との連携を深め、自立後の支援先の拡充・質の向上。 | |
|---|---|---|
| 指標 | 情報共有や勉強会の開催に参加する団体や人数のカウント | |
| 目標値・目標状態 | 連携実績、各団体において強み弱みを踏まえ、当事者をトスアップできる関係性の構築ができている状態 | |
| アウトカム:結果 | 最大15団体の参加が実現し、勉強会以外での支援の連携が産まれました。 | |
| アウトカム:考察 | 2年目の連携づくりの研修となり、去年からのメンバー間ではケース事例について検討する際にも自団体の強みや弱みについても交えて話すことができたなど、関わりをより深めることできました。支援現場において家族介入や、傾聴スキル、アディクションへの理解を深めるなど来年度に向けても学びのリクエストや、連携したい内容について共有することも意見として出てきています。実際にハピネスハウスを卒業した若者が、参加団体が企画するイベントに参加するなど、実際に一人の若者への関係人口が増えた実績もありました。居住支援ではカバーできない社会参加を、連携団体が見守りつつステップを踏めることが、自立への道が拓かれると考えています | |
| 2 | 若者が孤立、困窮しないためにどのような困難があるのか明確にする。 | |
| 指標 | 自立を阻害、孤立を深める原因・ケースの把握 | |
| 目標値・目標状態 | 支援団体同士に共有し、孤立を未然に防ぐ対策を検討できる状態 | |
| アウトカム:結果 | 勉強会において発達の課題や依存症など個人のもつ課題への理解を目指すことができました。 | |
| アウトカム:考察 | 支援を求め出会った当事者をヒアリングするといずれのケースも、児童期の頃から周りの大人にSOSを出していたが助けてもらえなかったという傷つき体験を持っていました。傷つき体験から周囲への信頼感がなくなり、自身が困っていても誰かに頼るという選択肢がなくなり、ますます孤立困窮していく負のスパイラルに陥っていることがわかりました。他にも、発達など脳の仕組みから行動化されることや、不安や不快をなくし今を生きるための行動から依存症に進化してしまうことなどについて現場で問題行動として捉えられていることについても整理されました。 | |
| 3 | 事業対象者の生きる力を高め、自立できる状況にする。 | |
| 指標 | 関わりの継続と課題解決に向けたサポートを行うことで、本人の自立に向けた意欲の変化 | |
| 目標値・目標状態 | 受付時評価より、向上していること。 | |
| アウトカム:結果 | すべてのケースについて上向きとは判断できませんでしたが、実現したケースもありました。 | |
| アウトカム:考察 | 自立に必要な要素として、就労(収入源の確保)と、コミュニティの確保、困った ときにSOSを出せる力が必要だと考えました。出会った当事者の変化には段階があり、①不安・試し行動期間②安定期③チャレンジ期間④自立を希望する期間、の4段階があると考えました。出会ってすぐには生活環境や医療の受診など物質的に整えることはできますがソフト面での変化については個人差があり、一概に必要な期間もばらつきがあります。職員との関係構築の次は関係人口を増やし、成功体験や信頼の積み重ねが必要です。そのためある程度の中長期的な関わりをもち、本人が自立を希望できるような状態がくることを待つ姿勢でいられるのが理想だと考えました。 | |
| 4 | 自立援助ホーム設立を視野に入れ、最低5名の受け入れが可能な、少女たちが生活しやすい空間を確保できること。 | |
| 指標 | 自立援助ホーム設立要件をクリアできる物件の確保 | |
| 目標値・目標状態 | 京都市における設立要件のクリア | |
| アウトカム:結果 | 物件の購入が完了した。 | |
| アウトカム:考察 | 自団体の他の事業の活動エリアにも近く、緊急時の対応や、騒音問題を未然に防ぐための防音工事なども経て、近隣住民への理解を得ることができました。京都市への設立に向けた希望も伝えることができ、現時点での利用者の属性や支援内容など具体的な活動についても報告することができました。現在では、制度にのせるために必要な消防の工事に取り掛かる計画をしており、基準を満たすために必要なスタッフの体制づくりや、団体内での情報の取り扱いなど京都市基準での管理について協議していきます。 | |
アウトプット
| 1 | 宿泊の有無に関わらず、支援対象者に伴走支援(孤立解消)を行うことができる | |
|---|---|---|
| 指標 | 本事業で伴走支援を実施後孤立感の解消が見込めた者の実人数 | |
| 目標値・目標状態 | 解消された実感をもっている(30名) | |
| アウトプット:結果 | 30名未達。ハウス利用者含め12名 | |
| アウトプット:考察 | 12名中9名からの回答を得られました。happinessの存在が頼りになったかの評価については6割が高評価でしたが、指標として掲げていた孤立感の解消については最低評価ありませんでしたが、高評価は5割と、低評価と同数の結果となりました。居住支援を利用した回答者の評価は概ね高かったので、共に過ごす時間が長くなるほど、孤立感の解消に貢献するのでないかと考えます。これは、居住期間が長くなるほど、さまざまな団体やイベントへ参加することができること、共通の知人(支援者含む)が増えることで関係性が強くなり孤立が軽減されるのではないでしょうか。今後もっと多くのサンプルを得 られる工夫も併せて実施していきたい。 | |
| 2 | 京都市内の少女支援をしている団体に向けた研修を行う。 | |
| 指標 | 年に6回開催し、課題の共有など経て、全体的な支援の質の向上に繋げる | |
| 目標値・目標状態 | 京都市内の団体10団体以上参加すること | |
| アウトプット:結果 | 15団体参加したので達成 | |
| アウトプット:考察 | 研修時の事例の共有や、自団体の強み、活動範囲、内容などお互いにさらに深めることができたとおもいます。具体的にも利用者が他団体主催のイベントに参加できることがありました。また、連携先として紹介することから継続的な支援につながっている事例もありました。ハウスの利用について紹介を受けたケースもありました。さらには南区社会福祉協議会にもメンバーとして参加していただき、社協では抱えきれないケースの繋ぎ先としての開拓ができたとの感想もいただけました。以上のことから顔の見える関係づくりを目的は達成されていると思います。 | |
| 3 | 居住支援後の社会的自立の達成 | |
| 指標 | ①就労先の確保(安定した収入基盤)、②社会参加できる場(ボランティアなど)の確保、③本人の自立への意思 | |
| 目標値・目標状態 | ①〜③共に中央値より良い状態であること | |
| アウトプット:結果 | 4名退去済み | |
| アウトプット:考察 | ①の支援を必要としていたケースは2件のみでした。就労へのサポートについては短時間勤務や、軽作業の職務内容であること、継続性に難があることを事前にご理解いただいた上で受け入れを承諾してもらえました。結果、体調不良から退職→療養を再開するケースがありました。一方②については細く長くつながり続けるイメージであることから、ほぼ全てのケースで当団体以外との接点が継続しており達成していると思います。③の自立の意志については本来の居宅へ戻る選択肢を選ぶ当事者はゼロであり、体調や収入面などから、ハウスを卒業はできないと考えているケースもありますが、前向きに一人暮らしをゴールとして捉えている状態です。 | |
| 4 | 恒常的な若者の居住支援を安定的に提供できる体制基盤の構築 | |
| 指標 | 継続的な活動を行うための見通しが立つこと。 | |
| 目標値・目標状態 | 経済的、人員的、設備、近隣環境など一定の運営継続が見込める状態になること(自立援助ホーム認定を受ける) | |
| アウトプット:結果 | 認定は交渉中 | |
| アウトプ ット:考察 | 自立援助ホームの申請における交渉は現在進行形であり、来年度中には認定がおりる予定となっています。また、自立援助ホームでの収入だけでは、卒業後の関わりの継続や、緊急的な受け入れという部分において予算の確保が充分ではないため居住支援法人への申請も実施しています。現在、市内においてすでに自立援助ホームとして運営されている団体さんへの見学やヒアリング、事務的作業についてもアドバイスをいただけるなどの関係づくりも実施できており、着実に予算の確保に向けて制度への理解を深めております。 | |
活動
| 1 | 近隣との調整も含め、自立援助ホーム設立要件をクリアできる物件の選定(南区内を想定) | |
|---|---|---|
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 従来の活動エリア内にて物件の購入完了。近隣配慮のための防音工事を実施し、町内会への加入も行った。事業の必要性について近隣からの理解も得ることができ、2023年8月には引っ越し完了し、自立援助ホーム設立に向けて申請中です。 | |
| 2 | 自立援助ホーム設立に向けての準備(人員の確保、京都市内での開設事業者への見学、京都市との具体的な解説に向けての交渉) | |

