事業完了報告
2024/08/27更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2023/08/01 | 終了日 2024/02/29 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 宮城県仙台市 | |
| 事業対象者 | 対象者:ひとり親や困窮等の高リスクのある家庭の保護者と子ども *子どもの年齢:7~12歳 | |
| 事業対象者人数 | 420名(計算式下記に記載) | |
| 事業概要 | ①目的 ②事業内容 | |
事業の総括およびその価値
虐待予防は、まだ起きていない虐待を未然に防ぐことが求められる。よって、どのような要因が揃うと虐待リスクが高いのかを把握し、虐待が起きていない状況の中で早期に支援に入ることが重要と考える。そこで肝となるのが、①虐待リスクが起きる要因分析 ②そのリスクが高い家庭へのアプローチの2点である。本事業によって、当方ではこの肝となる2点を実施できたことが大きな価値と言える。
この要因分析を基に、今後も予防・対処支援の両方ができ、子どもと親御さんの命・体・心を守ることができ、また、今後も本事業のノウハウによって、予防に重点を置くことができることが重要な価値言える。
さらには、自治体や児童相談所からの信頼も増し、行政が近づくことができない家庭等について当方に最初のアプローチや見守りを依頼することが増えた。行政や様々な機関との役割分担や虐待対応を素早くできる体制構築をさらに強化することができた。
課題設定、事業設計に関する振返り
事業を振り返っての課題は2点ある。
①必要な家庭にリーチするには想定以上の時間を要すること。
→自治体からのリファーや当方でリスクの高い家庭とつながるには繊細で難しさもあるため、焦らず進めたが、想定以上の時間を要することがわかった。そのため、本来目標値とあげていたサポート目標15世帯に対し、実際6リファー3で合計9世帯という結果となっている。
②訪問回数が想定よりも少なかったこと。
→虐待リスクが高い家庭は要因分析でもわかったように「精神疾患のある親御さん」である。精神疾患が重度であればあるほどリスクが高いが、心身の調子により訪問を断られる場合もあった。
ここも焦らず、つながりを切らさず、関係を深めることに注力したため、訪問回数が想定より少なかった。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | "①受益者 保護者:悩みを話したり頼れる存在ができることで、精神的負荷や課題が減り、援助希求力が高まる" | |
|---|---|---|
| 指標 | "・「保護者の時間・精神的な負荷が減ったか」「頼れる存在ができたか」等の質問への回答(Yes/No) ・5段階評価 " | |
| 目標値・目標状態 | "■目標 支援実施前後の測定により、50%の保護者が負荷が減った・頼れる存在ができた等の成果が見られる。" | |
| アウトカム:結果 | 支援実施前後の測定により、100%の保護者が負荷が減った・頼れる存在ができた等の成果が見られた。 | |
| アウトカム:考察 | 訪問居場所により、全保護者が抱える課題や悩みを訪問支援するスタッフに話をすることができ、頼れる存在ができることで、訪問を心待ちにしているくらい保護者との関係性を築くことができた。中には、虐待をしていることをスタッフに告白した保護者もおり、関係者とのサポート体制を組むことで虐待を悪化させず、親御さんを孤立させないことができたケースもあった。 | |
| 2 | "①受益者 子ども:信頼できる第3の大人との会話や体験提供による精神的安定や非認知能力の向上" | |
| 指標 | "・安心感が増えたか(5段階評価) ・悩みを話せる大人や友達が増えたか(5段階評価) ・非認知能力の9段階評価(スタッフによる観察)" | |
| 目標値・目標状態 | "■目標 支援実施前後の測定により、50%の子どもに成果が見られる。 " | |
| アウトカム:結果 | 支援実施前後の測定により、100%の子どもに成果が見られた。 | |
| アウトカム:考察 | 訪問居場所により、家に閉じこもりがちな子どもや、所属のない子どもたちに会話や子どもの特性を見ながらの体験の提供により、スタッフとの関係性を築くことができた。 時には、スタッフへの試し行動などによりネガティブな言動もみられるが、これらは回復するための必要なプロセスであり、概ね良い結果に向いていると見立てている。 | |
| 3 | ②社会:虐待家庭への理解が進み、多様な主体者に よって家庭と子どもを見守り支えるようになる | |
| 指標 | ・虐待等に関わる連携団体とのネットワーク数 ・関わった人の気持ちの変化、理解の変化 | |
| 目標値・目標状態 | ■目標 ・連携ネットワーク数が昨年よりも30%増加する。 ・事業報告者の理解度の向上 | |
| アウトカム:結果 | ・連携ネットワーク数が昨年よりも30%以上増加した。 ・イベント報告者の95%以上理解度が向上した。 | |
| アウトカム:考察 | ・本事業によって新たな関係機関やこれまで関係が薄かった仙台市内の区や地域・地域の小中学校や保育園等の連携が深まり、広がった。 ・啓発イベントを行い、アンケート29名中28名(96.6%)が理解度が高まったと回答。新しく知れたこととして、「一人ひとりが理解を深め認識を変えることで、「やさしい社会」によって虐待予防になること」との回答が一番多く、22名(75.9%)となり、虐待に関する理解へ大きく寄与したと言える。 | |
アウトプット
| 1 | "0101:保護者が訪問支援を前向きに捉えるようになっている リスク可能性の高いご家庭を把握でき、優先度高く関わることができる | |
|---|---|---|
| 指標 | "虐待リスクがある家庭状 況の把握度合い【親】 " | |
| 目標値・目標状態 | "①リスク可能性のあるご家庭へのアセスメント実施完了(1,000世帯) ②訪問対象家庭(最大15世帯)にて、面談アセスメントを初回に実施。 訪問ごとに毎回状況を記録し、家庭ごとに変化が把握できている ③アセスメントと面談結果を集計し、虐待リスクの傾向を把握している" | |
| アウトプット:結果 | "①リスク可能性のあるご家庭へのアセスメント実施完了(1,000世帯) ②訪問対象家庭(6世帯)にて、面談アセスメントを初回に実施。 訪問ごとに毎回状況を記録し、家庭ごとに変化が把握できた ③アセスメントと面談結果を集計し、虐待リスクの傾向を把握してた" | |
| アウトプット:考察 | ①仙台市の虐待支援者向けアセスメントから、1,000世帯へ食支援をきっかけに虐待リスクを把握するためのアンケートを取った。(1回目) ②さらに詳細な状況把握をするため、1,000世帯へ食支援をきっかけにアンケートを取り、さらに家庭の深刻度や虐待リスクを把握。(2回目) ③当法人が支援をしており、かつ既に起きてしまっている虐待家庭に対し、どの要素が強く影響しているかを分析。 ④ 上記から導き出された要素を点数化し、延べ2,000世帯に点数化を行った。そこから、より虐待リスクが高い家庭・中の家庭、低の家庭と分けることができた。(④は想定以上の成果である) | |
| 2 | "0101:保護者が訪問支援を前向きに捉えるようになっている 定期的な訪問による、対象家庭との信頼関係構築ができている" | |
| 指標 | 虐待リスクがある家庭への支援の継続度合い | |
| 目標値・目標状態 | 支援者が対象家庭全てに定期的な訪問ができている | |
| アウトプット:結果 | 概ね、支援者が対象家庭全てに定期的な訪問ができた。 | |
| アウトプット:考察 | 精神疾患等を抱える家庭ほど、訪問するのが難しい状況もあり、想定より訪問回数が少なかった。 | |
| 3 | "0102:保護者から自らのニーズや願いに関する発言が出るようになる 親御さんが自らの願いを認知することによる援助希求力のきっかけづくりができている" | |
| 指標 | 親のニーズや願いに関する発言内容 | |
| 目標値・目標状態 | 全ての訪問家庭の親のニーズや願いが記録されている | |
| アウトプット:結果 | 全ての訪問家庭の親のニーズや願いを記録した | |
| アウトプット:考察 | システムを使用し、各家庭の親御さんと子どものプロフィールシートを作成し、親御さんのニーズ (本当の願いが引き出されていくため)を毎回記録として取り、訪問スタッフと相談員とで共有を行った。 | |
| 4 | "0103:虐待が予防されている 家庭ごとの支援方針を包括的に検討することにより、リスクの核心をより各家庭にあわせた形でフォローできる" | |
| 指標 | 虐待リスクが高い家庭に対して包括的なアプローチの実施 | |
| 目標値・目標状態 | 全ての虐待リスクが高い家庭のケース会議が、面談・アセス結果や支援記録をもとに実施されている(必要に応じて第三者アドバイザーを含む) | |
| アウトプット:結果 | 全ての虐待リスクが高い家庭のケース会議が、面談・アセス結果や支援記録をもとに実施した。 | |
| アウトプット:考察 | 訪問初回終了後に、訪問スタッフや相談員と全家庭へケース会議を実施し、アセスメント結果も見ながら支援計画を作成し対応法支援を決めた。 | |
| 5 | "0103:虐待が予防されている 適切な支援計画を継続して実施することにより、親御さんとの関係構築や問題解決につながる " | |
| 指標 | 明確な問題を抱える家庭に対して、問題解決に向けた支援の実施 | |
| 目標値・ 目標状態 | "明確な問題を抱える全ての家庭へ問題解決支援が行えている (メモ:上記ケース会議の初期において、各家庭に向けて作成した解決支援方法が実施できたかどうか)" | |
| アウトプット:結果 | "明確な問題を抱える全ての家庭へ問題解決支援が行うことができている途中。 | |
| アウトプット:考察 | 訪問をした家庭の中には、衣服や下着、食料等が必要な家庭があり、支援を行った。また精神的な課題に対しては専門家と訪問スタッフとの支援計画の結果、長期的な支援が必要なため、時間をかけて支援を行っている。 | |
| 6 | "0103:虐待が予防されている 外部機関との連携により、虐待発生の抜け漏れを防ぐごとができる" | |
| 指標 | "0103:虐待が予防されている 外部機関との連携により、虐待発生の抜け漏れを防ぐごとができる" | |
| 目標値・目標状態 | 発生しない | |
| アウトプット:結果 | 発生した | |
| アウトプット:考察 | 元々発生していた家庭に出会うことができ、虐待が起きていることを発見することができた。(関係性が深まったから親御さんが虐待について話をしてくださり、発見に至った。以上のことから私ど もは発見できたことはポジティブに捉えている。) | |
| 7 | "0104:第3の大人との会話や体験により、精神的安定を得て非認知能力が向上している リスク可能性の高いご家庭を把握でき、優先度高く関わることができる" | |
| 指標 | "虐待リスクがある家庭状況の把握度合い【子】 " | |
| 目標値・目標状態 | "①リスク可能性のあるご家庭へのアセスメント実施完了(1,000世帯) ②訪問対象家庭(最大15世帯)にて、面談アセスメントを初回に実施。 訪問ごとに毎回状況を記録し、家庭ごとに変化が把握できている ③アセスメントと面談結果を集計し、虐待リスクの傾向を把握している" | |
| アウトプット:結果 | ①リスク可能性のあるご家庭へのアセスメント実施完了した(1,000世帯) ②訪問対象家庭(最大6世帯)にて、面談アセスメントを初回に実施した。 訪問ごとに毎回状況を記録し、家庭ごとに変化が把握できた。 ③アセスメントと面談結果を集計し、虐待リスクの傾向を把握することができた。 | |
| アウトプット:考察 | 虐待が起こりやすい要因がわかり、予防・対処の観点でリスクレベル高中小でアセスメントができるようになった。 <本仮説検証の懸念事項> 「自分には問題なし」と答えた方も見過ごしてはならない。「問題の認識や自覚がない」が87%あるため、予防の観点からは把握の難しさがある。しかしながら、「問題の認識や自覚がない」と回答した家庭に対し、本当に問題がないのか等の見立てを支援者が行うことが重要であり、かつ支援者の見立ての力量を高めること、当事者が困っていなくても地域社会が関わったり、地域社会の方々が専門機関へ相談することで虐待を防ぐことにつながっていくと考える。 | |
| 8 | "0104:第3の大人との会話や体験により、精神的安定を得て非認知能力が向上している リスク可能性の高いご家庭の子どもたちの現時点の非認知能力を把握でき、現時点ではまだ入手できていないデータを獲得できる" | |
| 指標 | 子どもの非認知能力の9段階評価 | |
| 目標値・目標状態 | 支援実施数回の測定で現状の非認知能力を把握 | |
| アウトプット:結果 | 現状の非認知能力を把握 ができた | |
| アウトプット:考察 | 当法人が既に持っている非認知能力のアセスメントをもとに、子どもの非認知能力を把握することができた。 その結果から一人ひとりの支援計画を立て、どのように関わり、どのような体験がその子どもにとって生きる力となるか 考えながら接することができた。 | |
| 9 | "0105:虐待家庭への理解が進み、多様な主体者によって家庭と子どもを見守り支えるようになっている状態 自治体に必要な情報を共有することで、関係区全体での見守りが可能となる" | |
| 指標 | 自治体の担当課・担当機関の対象家庭の状況の理解 | |
| 目標値・目標状態 | 必要な家庭の情報について自治体と共有 | |
| アウトプット:結果 | 必要な家庭の情報について自治体と共有ができた | |
| アウトプット:考察 | 見守り、介入が必要な家庭の情報について自治体へ共有し、お互いに役割を確認し合いながらサポート体制を作ることができた。 | |
| 10 | "0105:虐待家庭への理解が進み、多様な主体者によって家庭と子どもを見守り支えるようになっている状態 地域のみなさんや関わるステークホルダーに本事業の活動結果を報告することで、社会での見守りをすることを理解いただくきっかけを作ることができる" | |
| 指標 | 虐待リスクのある家庭の理解度 | |
| 目標値・目標状態 | 虐待リスクのある家庭の理解が促進されている回答傾向がみられる | |
| アウトプット:結果 | 虐待リスクのある家庭の理解が促進されている回答傾向がみられる | |
| アウトプット:考察 | ・啓発イベントを行い、アンケート29名中28名(96.6%)が理解度が高まったと回答。新しく知れたこととして、「一人ひとりが理解を深め認識を変えることで、「やさしい社会」によって虐待予防になること」との回答が一番多く、22名(75.9%)となり、虐待に関する理解へ大きく寄与したと言える。 | |
活動
| 1 | ①虐待リスクがある家庭の状況を把握する面談・アセス方法の確立 | |
|---|---|---|
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 想定以上に予防の観点からアセスメント(虐待の高中小のリスク把握)ができた。 | |
| 2 | ②アセスメント結果から優先順位をつけ、訪問支援の実施 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 想定以上に予防の観点からアセスメント(虐待リスクの高中小)ができた。 優先順位を付けながらアプローチ・訪問支援を行うことができた。 | |
| 3 | ③虐待リスクの高い家庭に対する包括的なアプローチ方法の確立 | |
| 活動結果 | 計 画通り | |
| 概要 | 当方以外の自治体等からのアプローチも有り、関係者も含めた包括的なアプローチができた 親・子それぞれの個別と、家族全体の支援計画の両方を立てながら必要な機関と連携を行い包括的な支援を行った。 | |
| 4 | ④虐待リスクの高い家庭に対する問題解決支援 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 虐待リスクの高い家庭に対する問題解決では、自治体や関係団体や機関と連携を行い支援を行った。また、支援が長期で掛かりそうな場合は、支援計画を確認しながら長い目で焦らず、受益者のペースと願いに合わせながら支援を行うことができた。 | |
| 5 | ⑤訪問居場所による食事の提供 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | アセスメントを行い、虐待リスクが高いが訪問居場所で繋がらなかった家庭、そして困窮度が高く子どもの食事の面で不安な家庭へ、食事の提供をすることで繋がったり支援をすることができた。 | |
| 6 | ⑥訪問居場所による宿題の見守りなどの学習支援 | |
| 活動結果 | 計画通り | |

