事業完了報告
2024/08/27更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2023/08/01 | 終了日 2024/02/29 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 大阪府大阪市、吹田市、豊中市、茨木市、高槻市、箕面市 | |
| 事業対象者 | 小学1年生~高校3年生年代 | |
| 事業対象者人数 | 623名:1日の利用者数平均4名×月の開校日数20日×7カ月=560人、保護者相談4名×7カ月=28名、座談会参加者5名×7カ月=35名、合計623名 | |
| 事業概要 | ②各校舎で定員が迫る中、4校舎目を開校しさらに40名の不登校の子どもの受け入れを可能にし たい。臨床心理士・公認心理士や現場職員の雇用を行なうことで、虐待や孤立のリスクのある家庭への介入を今以上に適切に広範囲で行なえるようにする。 | |
事業の総括およびその価値
淡路校【ういるも】がそうであるように、駅前にフリースクールがあると市町村問わずもっとたくさんの子どもたちが集まるのでは、と考え阪急吹田校【おりまる】開校した。時間割や校舎の特色を決める会議では新校舎のチャレンジとして「勉強以外の楽しみ」である「冒険(フィールドワーク)」や「調理実習」の時間を設けることや、学習時間は初めて科目(国語・数学・英語)を指定することなどが決定した。開校前には既存のフリースクールと同様に「中高生」が主な層だと考えていたが、今では9名の生徒のうち6名が小学校低学年の生徒となった。複数の職員が働くからこそ決まりごとの統一が難しく会議を重ねてきたが、全職員が新しい校舎の設立を経験できたことは、次の校舎を増やす際に「何が大変だったのか」「決めていくこと」等を全員で考えられる良い経験になったと考えている。
課題設定、事業設計に関する振返り
4校舎目が開校することで、より多くの不登校家庭の孤独を防ぐことができると考えていたが、その通りに役割を果たしていると感じている。というのも、見学者を含め、これまで出会うことの少なかった小学校低学年の生徒の実態を知ることができた。彼らは中高生の不登校と比べ、保護者と一緒にいる時間も長く、行き場も少ないという声も多い。実際に小学校低学年の生徒の保護者と話をしてみると、駅前にあり、かつ学習時間以外もプログラムされていることはとても貴重な居場所であることが分かった。居場所の少なかった小学校低学年の家族には特にアプローチすることができたと考えている。また、他校舎のように決まった職員ではなく流動的な配置だったからこそ、多くの視点で子どもの変化に気づくこともできた。しかし、他校舎と同様に高リスク家庭の入学を想定していたが、小学生低学年ということもあってか、そういった家庭には繋がらずむしろ不登校の理由に直結するような発達障害に悩む家庭が多かった。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | ・(2026年3月時点で)学校に通えず家庭で困難な状況にある子どもを含む定員40名ほどが、地域で安心安全に教育を受けることのできる居場所ができる。 | |
|---|---|---|
| 指標 | ①見学者数 ②入学者数 ③コンスタントに通うようになった生徒数 ④イベントに参加した生徒数(ユニーク) ⑤安心できる居場所があると回答する数 | |
| 目標値・目標状態 | ①60-70名 ②15名 ③コンスタントに通うようになった生徒数 ④イベントに参加した生徒数(ユニーク) ⑤安心できる居場所があると回答する数 | |
| アウトカム:結果 | 10月に体験会を開始し、11月に開校。11月3名、12月1名、1月3名、2月2名入学。2月末時点での体験入学1名。 ③9名のうち8名がほとんど毎日登校し④開校前のイベントに20名、10月の体験会には5名参加。⑤アンケートの回答数は実施時4名のうち全員が「ある」と回答。 | |
| アウトカム:考察 | 目標値に到達しなかった理由としては2か月開校が遅れてしまったことだと考えるが、それでも順調に入学者は増えていた(計画も一か月で平均2名が入学)。学年が予想外に低学年ばかり になったが人数は予定通りだった。③は9名のうち8名がほとんど毎日登校し、1名も週2日程は登校している。④は開校前のイベントに20名、10月の体験会には5名参加。⑤アンケートの回答数は実施時4名のうち全員が「ある」と回答。必ずしも全員がフリースクールを「安心できる居場所」として回答しているわけではないため、引き続き長期的にかかわっていくことで信頼関係を築いていきたい。 | |
| 2 | ・職員がチームとして高リスクの家庭に介入し適切に対応できる状態となる。 | |
| 指標 | 職員5人全員が高リスク生徒の対応ができる | |
| 目標値・目標状態 | 現在3人が対応できるところを5人にする | |
| アウトカム:結果 | 未達成 | |
| アウトカム:考察 | 【おりまる】に入学した家庭のなかで高リスク家庭に該当する家庭がないということもあり、計画から遅れていると考えている。なぜなら、団体の理念等は研修で共有し深めていくことができるが、高リスク家庭への対応は現場での対応が基本となり、ベテランスタッフが教えられる回数が少なかったからである。臨床心理士のケースカンファレンスや日々の指導で基本的な対応方法は伝えているが、【おりまる】でのそういったことに対する実戦経験はない。ベテランスタッフとペアで勤務している職員は、ベテランスタッフと一緒に現場経験を積むことができるため、対応方法を学ぶ機会も多く、高リスク家庭への対応ができつつある。もう1名の職員は勤務体制の都合によりベテランスタッフとペアで働く経験が少なく、教室運営の方に力を注いているため、高リスク家庭への対応には遅れがでている。 | |
| 3 | ・フリースクールとしてモデルを構築し地域や行政(現在は吹田市子ども・若者支援地域協議会構成機関)と連携をしながら支援を届ける家庭を増やし続ける。 | |
| 指標 | ①運営方法、継続方法のモデル化 ②対象者(受益者)の多様性に対応できるスキル獲得のモデル化 ③社協との連携、行政との連携を始める ④横連携での勉強会実施 | |
| 目標値・目標状態 | ①拠点運営マニュアルができている (各校舎の特色に合わせてマニュアルを作成する) ②モデル化ができ、スキル獲得のマニュアルができている ③社協との打ち合わせ2回、行政との打ち合わせ2回(それぞれ挨拶回りも込み) ④勉強会の実施2回 | |
| アウトカム:結果 | ①、②一部達成 ③一部達成 ④達成見込み | |
| アウトカム:考察 | ①、②団体の代表を中心にフリースクールの立ち上げ支援を実施。2023年度は北海道と岡山の団体をサポートすることができた。運営方法やど立ち上げ初期の支援をしている。北海道のフリースクールについては1月下旬に現地の見学にも行くことができた。マニュアルを作成するという目標をたてていた が、実際に立ち上げ支援をしているとマニュアルよりもむしろ現場を見て改善点を伝え、一緒に今後を考えていくという形の方があっていると感じた。フリースクールには制約がないため、そういった点でもマニュアルではなく伴走者が必要であると考える。 ③あいさつ回りを込めて、吹田市社会福祉協議会の職員とは1回、行政との打ち合わせを1回実施。④勉強会(連絡協議会)は3月中旬に1回実施予定。 | |
アウトプット
| 1 | 1:学習支援提供回数920回(のべ) | |
|---|---|---|
| 指標 | 活動記録からのカウント | |
| 目標値・目標状態 | 920回 | |
| アウトプット:結果 | 599回 | |
| アウトプット:考察 | 開校前は中高生年代を想定し教材もそろえていたが、小学生低学年が多数入学したことにより、教材や事前に構想していた学習計画を一新する必要があった。小学生低学年は学習習慣もついておらず、「机に座ること」も難しかったが「黙々と勉強してもらう」というよりも「楽しんで勉強する」ということに重きを置き、授業を組み立てていった。苦戦することもあったが、今まで接することのなかった層をみることができて、職員の対応スキルもあがったように感じる。また、新校舎設立のタイミングでは「時間割を守 ること」よりも、「教室に慣れること」を優先していくため、当初計画していた目標回数そのものが高かったようにも考えている。 | |
| 2 | 2:プログラム学習機会提供920回(のべ) | |
| 指標 | 活動記録からのカウント | |
| 目標値・目標状態 | 920回 | |
| アウトプット:結果 | 1,344回 | |
| アウトプット:考察 | 学習支援と同様に、事前に計画していたプログラムも変更することとなった。ディスカッションをするような時間割も組んでいたが、実際に小学生1年生~3年生までの生徒がディスカッションをするのは難しく、むしろ子どもたちの中では「うまくできなかった」という印象になってしまった。そこで、同席していた保護者の方にも意見をいただき一緒に改善点を考え、今では「聞きたい事は簡潔に聞く」「繰り返し説明する」等の工夫をしていくことで、以前と比べて子どもたちも有意義な時間を過ごせているように感じる。上記で書いていたように「教室に慣れること」を優先するために当初の計画よりも上回って実施することができた。見学に来る保護者の方の意見としても「勉強以外の経験もしてほしい」というものが多く、意識的に多くの回数を実施することになった。 | |
| 3 | 3:不登校の子どもの保護者への相談支援件数45件(のべ) | |
| 指標 | 活動記録からのカウント | |
| 目標値・目標状態 | 45回 | |
| アウトプット:結果 | 52回 | |
| アウトプット:考察 | 子どもたちに「フリースクールに行きたい」と感じてもらうように相談会のみを開催するのではなく、ゲーム大会を同時に開催することで留守番ができない子どもをもつ保護者の方でも相談会に参加することができた。普段の広報でもInstagramや地方紙に広告をだすことで、保護者の方の認知もあがり、見学・相談につながったように思う。小学校低学年の保護者の方にはフリースクール内で相談を受けることで、今まで居場所のなかった同世代の子どもたちの様子も見てもらい、フリースクールという選択肢を身近に感じてもらうことができた。 | |
| 4 | 4:発達障がいなど特性のある子どものための臨床心理士によるケースカンファレンス15件(のべ) | |
| 指標 | 4:会議記録からのカウント | |
| 目標値・目標状態 | 15回 | |
| アウトプット:結果 | 7回 | |
| アウトプット:考察 | 契約を結んでいた心理士の勤務時間に制限があるということもあり、当初計画していた目標数値その ものが高かったように感じている。ただ、計画よりも少なかったが、毎月【おりまる】の子どもたちの様子を心理士に共有し、対応方法のアドバイスやフィードバックを受けることができた。ケースカンファレンスだけではなく、「発達障害とはなにか」や「保護者対応について」の勉強会も開催することができた。もともと助成前からケースカンファレンスをしていた心理士ということもあり、日々の疑問も質問することができ、毎時間有意義な時間を過ごすことができた。また、参加者も常勤職員だけではなく、希望する非常勤職員も参加することができ、彼らの子どもへの関わり方の悩みも知ることができた。 | |
| 5 | 5:不登校の保護者向けの座談会6回 | |
| 指標 | 5:開催記録からのカウント | |
| 目標値・目標状態 | 6回 | |
| アウトプット:結果 | 7回 | |
| アウトプット:考察 | 毎月テーマを絞って座談会を開催することができた。参加者の声を聴くと「普段は話せない話ができた」「フリースクールも視野にいれていたので、詳しく聞くことができてよかった」という意見があった。座談会には毎回フリースクールに所属している保護者もゲストとして参加していただき、経験談を伝えることもできた。それについても「対応方法が参考になった」等の意見があり、どの会も有意義に実施することができたと感じる 。一方で深く話ができるようにという思いから参加者を2名に絞っていたが、「もっとたくさんの保護者の話を聞きたかった」という意見もあったので、あえて大人数が集まることができるような機会も今後はつくっていきたいと考えている。 | |
活動
| 1 | 1:学習支援提供回数 | |
|---|---|---|
| 活動結果 | 遅延あり | |
| 概要 | 国語、算数、英語の3科目を中心に少人数または個別での学習支援を実施。小学1年生から中学2年生までの9名。事前に購入していた小学生用の教材や子どもたちが持参していた学校のプリント。英語については教材がないため、オリジナルでビンゴやアルファベットクイズなどを考えて実施した。 | |
| 2 | 2:プログラム学習機会提供 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 毎週火曜には「冒険」の時間として、他校舎の見学・道路標識探し・新大阪駅の見学・秘密基地づくり・アサヒビール工場見学を実施。行き先や内容は事前の子どもたちとの話し合いで決定する。「選択」は輪ゴム鉄砲づくりやアイロンビーズなどの工作中心、「調理実習」はカップケーキやゼリーをつくり、「特別活動」はスタッフの趣味紹介とし てキャンプ道具やカルタ等を紹介した。 | |
| 3 | 3:不登校の子どもの保護者への相談支援件数 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 小学1年生から中学2年生の不登校の子どもをもつ保護者を対象に実施。校舎責任者もしくは現場スタッフが対応した。年齢や子どもの趣味等から別校舎を勧めることもあった。保護者は吹田市だけではなく、大阪市・箕面市・摂津市・高槻市・豊中市の近隣他市からも来られていた。 | |
| 4 | 4:発達障がいなど特性のある子どものための臨床心理士によるケースカンファレンス | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 18:30-19:30の1時間オンラインで【おりまる】の生徒についてのケースカンファレンスを5回、勉強会「発達障害とは」「保護者対応について」を2回実施した。参加した職員は平均6名。臨床心理士が資料を作成し、配布することもあった。 | |
| 5 | 5:不登校の保護者向けの座談会 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 「いじめと不登校」「コロナ禍と不登校」「ヘンテコ教師と不登校」「支援学級と不登校」「友達づくりと不登校」「場面緘黙と不登校」「勉強嫌いと不登校」の7回を実施。回によっては重複して参加する保護者もおられた。各回にはそれぞれフリースクールに所属している保護者の方をゲストに呼び、最大2名で開催した。 | |
想定外のアウトカム、活動、波及効果など
これまでの校舎では小学生低学年を受けいれた経験がほとんどなく、【おりまる】を開校することで今までつながることのできなかった層と接することができた。高学年、中高生年代と比較すると机に座ることの難しさや職員の話を理解することの難しさを感じたが、初期はとくに【おりまる】に勤務する職員で集まり改善点を話し合うことができ、職員の子どもたちへの対応スキルを上げることができた。
助成期間中にはテレビ取材が4回、新聞取材が1回あり、認知度が上がったように感じている。2023年はとくに滋賀県東近江市長の「不登校は親の責任」「フリースクールは国家の根幹を崩す」という発言があり、フリースクール側への聞き取りとして取材回数が多くなった。この時期に見学に来られた保護者の方からは「テレビ 見てきた」という来校理由もきくことができた。また、広報で言うと、初めて地方情報誌(号外ネット)やInstagramに広告をだすことで、吹田市不登校親の会(会員250名程度)内でも情報を流してもらうことができた。その親の会の中では当フリースクール代表のブログも取り上げられることも複数回あった。そして、その親の会内での情報をきっかけにフリースクールに見学に来た家庭もいる。(現在は体験中)
事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動
| 課題を取り巻く変化 | 上記の東近江市長の発言があり、当フリースクールも含めそれに対する抗議をしたところ、東近江市では2024年度からフリースクールに通う小中学生の家庭に授業料(最大月4万円)の一部を負担することが決まった。フリースクール職員に加え、実際にフリースクールに所属している保護者の方の声も取材いただいたことに大きな意味があったように感じている。また、吹田市でも市議会議員の方々の活動のおかげで2024年度から「吹田市習い事助成」がはじまり、非課税世帯には月1万円の補助がでることが決定した。しかし、吹田市の場合はとくに対象が非課税世帯のみとなっており、補助を受けられる家庭がかなり少ない。補助の対象を広げていくため、今後もフリースクールに通う非課税世帯以外の家庭状況を伝え続けていく必要があると感じている。 |
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外部との連携実績
| 1 | 活動 | なし |
|---|---|---|
| 実施内容 | なし | |
| 結果・成果・影響等 | なし |
広報実績
| メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等) | あり | |
|---|---|---|
| 内容 | テレビ大阪 https://youtu.be/mYl8FEO6-QE?si=LD5IGH4M-dvH0fuv 2023.8 NHKほっと関西 | |
| 広報制作物等 | あり | |
| 内容 | ||
| 報告書等 | なし | |
ガバナンス・コンプライアンス実績
規程類の整備状況
| 事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか | 完了 | |
|---|---|---|
| 整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか | 全て公開 | |
| 変更があった規程類に関して報告しましたか | 変更があり報告済み | |
ガバナンス・コンプライアンス体制
| 社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますか | はい | |
|---|---|---|
| 内部通報制度は整備されていますか | はい | |
| 内容 | 今回の助成金をきっかけに規程類を作成し、整備を進めている。職員のコンプライアンス教育については、5月に研修を実施予定である。 | |
| 利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますか | はい | |
| コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたか | はい | |
| ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたか | いいえ | |
| 報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む) | 実施予定はない | |
| 本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますか | いいえ | |
その他
| 本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項 など | ・初めて小学生低学年の層と接することで、密な情報共有をしたり、対応方法を職員間で考える機会が増えた。それによって常勤職員も非常勤職員も対応方法の幅が広がった。 |
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シンボルマークの活用状況
購入したものにシールを貼付している。冷蔵庫・机・椅子・サーキュレーター・プリンター・パーテーション・シュレッダー等。 |

