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事業完了報告

2026/01/08更新

事業概要

事業期間開始日 2024/04/01終了日 2025/02/28
対象地域東京都23区
事業対象者

<直接介入する対象者(東京23区内)>
・医療機関や自治体等の保健医療福祉従事者
・外国人患者や外国人対象者(妊婦や母と子、家族等)
・市民(保健医療福祉従事者や公的機関職員、研究者等)
<最終受益者(東京23区内)>
・外国人住民(患者、妊婦や母子とその家族、障害者等)

事業対象者人数

①直接介入者:保健医療福祉従事者約200人(特に連携を深める東京23区内のうち10区(杉並、新宿、中野、豊島、等)の自治体や医療機関)、市民約1000人(学術集会での講演会を想定した場合の数)
②最終受益者:23区の外国人住民 推定499,119人(超過滞在者含む。2024年1月1日時点)

事業概要

当会は、外国人が母子保健サービスへアクセスできていない状況を改善するために最も重要だと考えている言葉の壁をなくすため、コロナ禍の2021年から母子保健場面における医療通訳活用促進に向けた活動に力を入れてきた。年々医療通訳依頼が増加し、新型コロナウイルスが感染症法5類へ移行後はさらに多くの依頼が寄せられるようになり、対象4区以外の自治体や医療機関からも依頼が増加していることから、東京23区への拡大が求められている。また、母子保健場面だけでなく、子どもの発達支援や医療的ケア児支援、癌やHIV・結核などの感染症、精神疾患、DV被害者支援など、幅広く、かつ重要な説明が必要となる場面での医療通訳ニーズが増えている。コロナ禍で、医療機関や自治体において電話やタブレット通訳の活用が進んだが、当会に寄せられるような医療通訳場面においては、タブレット通訳等では限界があり、対面での医療通訳の良さを活かすことで適切な支援が行えるという認識が現場で進んでおり、保健医療福祉従事者は対面(派遣)での医療通訳を求め、現在ではほとんどが対面通訳となっている。一方、対面での医療通訳を活用できる仕組みがない自治体や医療機関が多く、当会が築いてきた自治体等との信頼関係を活かして医療通訳活用促進をさらに進めると共に、予算化を目指すことも必要である。また、コロナ禍で職を失い、コロナ後も在留資格が不安定な状況で困窮した生活を送る中、妊娠・出産や子育てに直面している外国人夫婦など、困難な状況を抱えているケースをどう支援をしたら良いか、保健医療福祉従事者から医療通訳依頼と共に相談が寄せられている。よって、当事業では、外国人が本来受けられる保健医療サービスを適切に受けられることを目的として、医療通訳サービスの活用促進や相談対応の充実、これらのサービス提供を安定して行えるための事業体制を強化するための活動を行う。

事業の総括およびその価値

39ケースの電話相談に対応し、保健医療福祉従事者が外国人支援の際に必要とする情報を提供できた。医療通訳関連の相談が半数近くを占め、32件の医療通訳を提供し、HIV陽性者や精神疾患患者など言葉の壁で困難を抱えるケースの支援を支えた。また、医療通訳者に対して2回のフォーアップ研修を開催し、医療通訳の知識や技術の質向上に役立てることができた。また、多くの医療通訳依頼に安定して対応できる事業体制に向けて、スタッフ・医療通訳者の人員を増加し、kintoneを活用した医療通訳調整業務のシステム化を進めると共に、医療通訳を活動できる体制の必要性や課題等への理解者が増えるよう、学会ワークショップ等を開催し160名以上の参加を得た。これらの活動を通して、言葉の壁のある外国人患者等への保健医療サービスの提供の改善や、課題等への理解者の増加、公共サービスとして医療通訳の整備が必要という声の拡大に寄与できた。

課題設定、事業設計に関する振返り

全体の課題設定や事業設計は、基本的には問題はなく、順調に進めることができた。特に、医療通訳活用体制や課題などについて、保健医療福祉従事者や自治体職員、研究者等の理解者を増やす目的で計画したワークショップ等の開催について、開発途上国での活動経験がある人が多く参加するグローバルヘルス合同学会を選択したことは、参加者数や反応から効果的だったと考えている。通訳活用事例という身近に感じやすい内容にしたことや、医師、保健師、ソーシャルワーカー、NPO職員と、立場が異なる方々を登壇者にしたことも、理解者となりうる幅広い分野の方々の参加者を得ることができ、賢明な選択だったと考えている。一方で、安定した医療通訳サービスの提供を実現するための体制強化に向けた事業設計については、11ヵ月と限られた中で、スタッフの雇用から始めたこともあり、もう少し優先する活動を絞り込んで行えたほうがより成果を出せたと考えている。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

11.東京23区内において、言葉の壁のある外国人患者・対象者への保健医療サービスの提供が改善される 
指標医療通訳サービスを活用した医療機関等における、外国人患者等への対応に生じた変化
目標値・目標状態医療通訳サービスを活用した医療機関等の外国人患者等への対応にポジティブな変化が起きる
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察医療通訳を初めて活用した医療機関等からポジティブな変化を感じられる声が聞かれた。「(脳出血患者担当ソーシャルワーカーより)初めてのケースでわからないことも多かったが、通訳に入ってもらい細かい話をすることができた。家族も医療従事者もお互いに状況を確認することができ大変助かった」、「(ヤングケアラー担当保健師より)通訳に入っていただいてよかった。一時保護へすぐに進めていくことは難しいと感じた。次回で更に関係性をつくり、気持ちを受け止めつつ入所に向けて説明を行っていければと思う(合計6回通訳を活用)」等のケースのように、通訳の必要性を実感し、継続利用に繋がり、支援の改善に貢献できた。
22.医療通訳ニーズの高まりや課題などへの理解が広まり、公共サービスとして医療通訳サービスの整備が必要であるという声が高まる
指標メディアで取り上げられた数
目標値・目標状態メディアで医療通訳ニーズや課題等について発信されることにより市民社会の理解や声の高まりに影響を与えられる
アウトカム:結果計画より遅れている
アウトカム:考察6月13日、団体声明「《シェアは主張します》 いま、入管法成立によって在日外国人の「社会的健康」権がとても脅かされています」を団体ウェブサイトに掲載し外国人支援団体メーリングリストや議員などへ発信した。11月16日の学会でのワークショップ開催や2月24日の学会ワークショップ開催報告会についても団体ウェブサイトや他団体ウェブサイトへのイベント情報掲載、学会会員への発信など積極的に行い、160名を超える参加者を得ることができたが、メディアに働きかけて取り上げてもらうには至らなかった。2月24日のイベントにメディアの方の申し込みがあったため、今後は広報担当者と連携して計画的に働きかける必要がある。

アウトプット

11.保健医療福祉従事者による医療通訳サービスの活用が増加する
指標医療通訳依頼への対応件数
目標値・目標状態医療通訳依頼が年間42件以上になる(母子保健場面の医療通訳を含めると年間約224件以上になる)
アウトプット:結果計画より遅れている
アウトプット:考察医療通訳依頼対応件数は、目標値より少ない32件だった。ただ、前年の同期間より11件増加しており、今回別助成として行った母子保健場面での通訳依頼も増加していることから、今後は、実態に合わせて、目標設定を再検討する必要があると考えている。当事業の上期に、以前よりHIVのケースでシェアに通訳依頼をしていたソーシャルワーカーから、シェアは今母子保健以外の対応は難しいと誤解していたという指摘を受けて、日頃のやり取りや、当事業で実施した医療機関等へのニーズ調査という機会を活用して、医療機関へ医療通訳の対応を行っている旨の周知を行い、当事業ウェブサイトの情報更新も行った。今後も周知の継続が必要である。
22.電話相談を通じて保健医療福祉従事者が外国人支援の際に必要な情報が提供される
指標・相談対応ケース数 ・相談対応回数
目標値・目標状態年間55ケース、110回以上の相談に対応できる
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察相談対応件数は、39ケース79回と目標値を達成できた。相談のうち半数弱が、医療通訳関連となっていた。医療通訳以外の学校関連の通訳相談3件を含めると、20件と半数を超え、医療場面に限らず通訳が活用できる環境整備が求められていることが分かる。HIVに関連する相談が通訳相談含め13ケースもあり、また、他の相談と違い対象者本人からの相談も多く、当会の以前からの強みである感染症について相談先として現在も認知されていることを実感できた。また、精神疾患患者や突然日本に連れて来られたヤングケアラーの支援など、支援の手が届きにくいところに言葉の支援や情報提供などで支えることができたことは重要な成果だった。
33.医療通訳者の医療通訳技術の質が向上する
指標・医療通訳者の研修への参加者数 ・研修による新たな学びや気づき、ポジティブな変化の状況
目標値・目標状態・医療通訳者(55名)が2回の研修にのべ56名以上参加する(各回に50%以上が参加する) ・研修により新たな学びや気づき、ポジティブな変化がみられる
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察開催時期が若干早まったが、8月と1月に予定通り2回開催し、目標値と同じ合計56名の参加が得られた。謝金等を払うなど医療通訳者が業務として研修に参加できる環境が作れたことは大きな成果だった。通訳者の新たな気づきやポジティブな変化としては、1回目:医学の基礎知識は初めてだったので分類が分かって良かった。分かった気になっていた臓器の働きがはっきりしてよかった。2回目:分かっているつもりだったが、先生のおかげでHIVに対するイメージが180度変わった気がした。エイズの宣告を受けるときの患者さんのダメージが大きく安心して治療を受けるために通訳者の役割が大きいことなどを学ぶことができた等の感想が得られた。
44.医療機関や自治体等から寄せられる多くの医療通訳依頼に安定して対応できる事業体制ができる
指標・新しく登録した医療通訳者数 ・当事業での人員体制や役割の明確化 ・医療通訳サービス事業マニュアルの完成
目標値・目標状態・ニーズに合わせて新規医療通訳者を増員できる(2言語以上合計3人以上) ・当事業での人員体制や役割が明確化されている ・医療通訳サービス事業のマニュアルができる
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察新規医療通訳者研修・選考会は早めに通訳者を増やしたいという理由から、7月15日と予定より早めに開催し、ネパール語2名、フランス語1名の計3名が登録に至った。また、過去に登録していたフランス語通訳者1名の再登録もでき合計4名と目標を達成できた。スタッフの人員体制は、フルタイム1名を6月から採用する方向で進めたが適任者を確保できず9月の採用となった。その分、臨時パートスタッフに5か月勤務してもらった。追加した人員には、経理・会計を中心とする業務を担ってもらい、スタッフ間の役割分担を見直すことができた。医療通訳サービスのマニュアルは内容としては完成しており、現在フォームを整える段階となっている。
55.医療通訳サービスを活用できる体制や課題などについて、保健医療福祉従事者や自治体などの公的機関の職員、研究者等の理解者が増える
指標・講演会等へ参加した人数 ・講演会等参加者の理解の深まりを示すポジティブな変化・声
目標値・目標状態・講演会等へ60人以上の参加者が得られる ・講演会等の参加者から理解の深まりやポジティブな変化・声が聞かれる
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察グローバルヘルス合同学会でワークショップ「事例から外国人住民・保健医療福祉従事者双方にとって大切な医療通訳サービスについて考える(11月16日)」を開催し約80名が参加。その後、聴きたかった、資料が欲しいなどの声をいただき、学会ワークショップ開催報告会を2月24日に開催し83名が参加、合計約160名となった。報告会後アンケートでは回答66名中51名から全てポジティブなコメントが寄せられ「時間をかけることは外来診療の中で一つの壁ではあるが、必要な支援は担保したい。ご本人への丁寧な説明や問診の大切さも改めて痛感し、様々な手段を駆使してコミュニケーションを図っていかなくてはと思った」などが聴かれた。

活動

11.保健医療福祉従事者のニーズに合わせて、派遣を主とした医療通訳サービスを提供する 17言語の医療通訳依頼に対して、医療通訳を派遣する。状況に応じて、オンライン会議ツールを活用した遠隔通訳も併用する。週3日(月・水・金曜日、10時~17時)で相談を受け、原則平日(10時~18時)に対応する。 想定される依頼場面:妊娠、出産、育児、癌、感染症、精神疾患、発達障害、障害者支援、DV被害者支援、等。
活動結果ほぼ計画通り
概要医療通訳対応件数:32件・10言語(タイ7、ミャンマー5、中国・フィリピン・フランス各4、ネパール・インドネシア・英語各2、等)、依頼元:医療機関12、子ども家庭支援センター6、保健所・保健(福祉)センター4、外国人支援団体4、特別支援学校2、等、通訳場面:感染症10(HIV受診8、等)、ヤングケアラー支援6、精神疾患4(統合失調症3、等)脳疾患4(脳出血2、てんかん2)、不妊治療2、等)
22.保健医療福祉従事者等のニーズに合わせた外国人患者・対象者の支援に役立つ情報を提供する 「外国人母子支援に関する電話相談窓口(週3日、月・水・金曜日、10時~17時)」を通じて寄せられる、様々な疾患や保健課題への相談に対応する。想定される相談内容:多言語資料問い合わせ、医療通訳相談、在留資格や健康保険関連、出産病院問い合わせ、HIV陽性者の日本での受診調整、等。
活動結果計画通り
概要相談対応件数:39ケース79回、対象者の国籍:18カ国(中国6、ネパール・ミャンマー各4、フィリピン・日本各3、USA・インドネシア各2、等)、相談者:保健医療福祉従事者20、本人11、支援団体7、その他1、相談内容:医療通訳関連17(通訳依頼、委託相談、言語問合せ)、通訳以外のHIV関連11(感染不安・検査、渡航相談、受診・処方、等)、学校関連の通訳相談3、外国人患者支援相談(脳出血患者)2、等
33.医療通訳者の質の維持・向上を目的とした育成研修を開催する 当会の医療通訳者55名を対象に育成研修を2回行う。医療通訳に役立つ新たな学びの機会の提供、医療通訳のスキルアップの場の提供を目的とし、テーマに合わせて講師を1-2名確保して行う。テーマは、通訳を一番派遣している母子の健康関連の内容を中心に、ニーズや課題に合わせて設定する。会場とオンライン併用型で行う。
活動結果計画通り
概要【1回目】8月24日(土)(協働ステーション中央)、参加者24名、内容:「身体の仕組み、病気の基礎知識について」(講師:当会副代表理事・港町診療所所長沢田貴志)。【2回目】1月26日(日)(台東区谷中区民館)、参加者32名(うち会場参加30名)内容:「HIV/AIDSの基礎知識と支援のポイント」(講師:都立駒込病院感染症課部長今村顕史)、「通訳技術演習」(講師:全国医療通訳者協会代表理事森田直美)
44.日々の通訳における医療通訳者や保健医療福祉従事者との振り返りを通じてフィードバックや調整を行う 医療通訳者からの日々の医療通訳実施報告や、依頼元の保健医療福祉従事者からの医療通訳サービス活用後の報告から、医療通訳者の通訳時の課題を把握し、適宜アドバイスや改善点を伝え、医療通訳者の技術の向上につなげる。また、活用する側の課題についても、適宜保健医療福祉従事者側にも伝え調整を行う。
活動結果計画通り
概要別事業で行っている母子保健関連の医療通訳調整場面も活用し、合計325件の通訳終了後に、医療通訳者の報告からの課題把握や保健医療福祉従事者等とのやり取りからの課題把握を行いフィードバック等を行った。新人英語通訳者が対象者の出身国によって発音の聞き取りが難しいという課題や、集団に日本語で行われる母親学級の通訳では、要点のみ訳すと了承を得ていても同時通訳のようになり負担が大きいなど様々な課題が見られた。
55.新たに医療通訳者を確保するための研修・選考会を実施する 変化する現場のニーズに合わせて、2~3言語(現時点では英語、フランス語を含める予定)を募集し、新規医療通訳者研修・選考会を1回開催し、少なくとも3名以上の新規医療通訳者を確保する。医療通訳者としての実績を持つ人を優先的に募集し、依頼が多い母子保健に関する講義や医療通訳演習を経て、審査に合格した人を登録する。
活動結果計画通り
概要日時:7月15日(祝) 10:30~16:00(台東区上野区民館)、参加者:ネパール語4名・フランス語3名、登録者:ネパール語2名(合格1、条件付合格1)、フランス語2名(条件付合格1名、再登録1名(研修不参加))、研修内容:シェア医療通訳事業の概要、母子保健サービスの基礎知識、シェア医療通訳の特徴と派遣の流れ、医療通訳の技術と役割、ロールプレイ、講師:山本裕子、松尾沙織、沢田貴志、審査員:2名
66.業務の効率化を目的とした医療通訳調整業務や相談対応実績管理についてのシステム化を図る 相談対応や通訳調整の実績管理、通訳実施報告書の管理、謝礼支払や明細書等の管理等、一連の医療通訳サービス事業運営に関わる業務について、それぞれで管理していたデータを一元化し、連携させることで業務が行いやすいシステムを専門業者に相談し作成する。それにより、さらに増加が見込まれる医療通訳ニーズに備える。
活動結果遅延あり
概要4月~12月で情報収集・交渉・システム作成、1~2月で試行という予定だったが、人員確保に時間がかかり8月に始動となった。8月に西村多寿子氏(ことのはラーニング代表取締役)や佐藤真美氏(アースカンパニー事務局長)等のアドバイスを得た後、kintoneセミナー参加、9月の個別相談を経て、hug-luma二河氏にkintoneを活用したシステム作成を依頼し2月までにシステムができ試行などを進めている。
77.現状を把握できていない小規模医療機関等(小児科や産科等)に対し多言語支援に関するニーズ調査を行う 東京23区のうち特に自治体等と連携を強化する予定である10区の中で、協力が得られそうな小規模医療機関等20ヵ所以上へインタビューを行い、言葉の壁による課題やニーズ、多言語支援の活用状況などを把握する。調査結果を踏まえて、小規模医療機関等で求められている多言語支援体制を明らかにする。
活動結果遅延あり
概要都内10区の外国人住民が通う産科や小児科クリニックや総合病院に、言葉の壁での困難や多言語支援の要望などについての調査を行った。当初は8月から調査開始としていたが、人員確保や業務移譲等に時間がかかり大幅な遅れが生じた。1~2月に調査を実施、同時進行で調査のまとめや分析、報告書作成をする形となった。クリニックはこれまで接点がなかったことから断られる数も多く、結果的に16箇所からの協力を得られた。
88.親和性が高く寄付等の支援につながりそうな企業や団体へ訪問し関係性を深める 2024年中に、医療通訳サービス事業について企業や自治体等で分かりやすく説明するための資料を作成する予定としており、2025年から、この説明資料を活用して、当会の活動と親和性が高い企業や団体等を訪問するなどして、コミュニケーションを重ね、今後の支援に繋げられるよう、関係性を深める。
活動結果ほぼ計画通り
概要企業や団体との関係性を深めるため、2月25日に良品計画に訪問し、双方の事業紹介や連携の可能性について情報交換を行った。当活動を活動開始する前に、別助成のほうで作成を予定していた企業や団体等へ分かりやすく説明するための資料の作成が遅れたため、資料は仮で作成したものを持参した。良品計画としては外国人支援NPOとの連携実績があり、理解を示してもらえる団体だったため、関係性を深めていきたいと考えている。
99.これまで当会の医療通訳サービスを活用している医療機関等へ医療通訳費用負担等の交渉を行う 多くの医療機関や自治体等は、通訳費用に関しては当会の負担で医療通訳サービスを活用している状況だが、中には医療通訳予算を確保し、費用の一部を負担してもらえている状況がある。医療機関が電話通訳業者等と高額な業務契約を結んでいる実態があることから考えると、予算確保できる可能性があるため、予算交渉を行う。
活動結果遅延あり
概要この活動は医療機関と通訳派遣や相談を通じて構築される関係性に合わせて行う方向だった。別事業として取り組んでいる母子保健場面での医療通訳では、当会として力を入れ始めて4年目となり日常的に活用する自治体や医療機関が増えている一方で、母子保健以外については、医療機関は、当会への通訳依頼が初めて、久しぶりというケースも多く、予算交渉を進める段階に至らなかった。今後も関係構築と通訳の継続利用促進に努めたい。
1010.事業における関連団体とのネットワークを拡大させる 外国人支援、医療通訳の関係者が参加する会議やイベント等に参加して、ネットワークを増やす。少なくとも3回以上タイムリーに参加する。
活動結果計画通り
概要8回参加:移住連全国ワークショップ、外国ルーツ助成調査研究報告会(中央共同募金会)、多文化多言語環境を背景として育つ子どもの発達支援・保護者支援講演会、東アジア市民社会ネットワーク会議、シャドーイング教材説明会(ことのはラーニング)、これからの外国人医療〜対応できる仲間を増やしていこう~(グローバルヘルス合同学会)、東京外国人支援ネットワーク、予防接種の情報交換(都立病院医師)
1111.移住者と連帯する全国ネットワークが開催する会議や省庁交渉等に参加しアドボカシー活動を行う NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)の分科会「医療と生活ネットワーク定例会議(8月を除く毎月1回木曜日(19:15~21:00)オンライン開催)」に年9回以上参加し、政策提言につなげる際の議論に参加したり、移住連が調整を行っている「省庁交渉」に1回以上参加する。
活動結果計画通り
概要会議を10回実施。4~6月は、移住連事務局長山岸氏、当会副代表沢田、長崎県立大学名誉教授李よりアドボカシーの活動検討に関連する在日外国人の保健医療や人権などの勉強会を開催。7~2月は、定例会議の中で活動方針案の検討や入管法改正に伴う永住権取消し問題に対する声明作成、今後のアドボカシー活動の概要や方向性の検討、ウェブサイトに掲載したい政策提言文章案の作成・検討、2025年の計画立案などを行った。
1212.医療通訳に関連するテーマで講演会またはシンポジウム(またはワークショップ)を開催する 医療通訳サービスの必要性や課題などの理解につながるような講演会(またはシンポジウムかワークショップ)を1回開催する。理解を得やすい学会員や関係者が多く集う可能性が高い、日本国際保健医療学会学術集会などの場を活用した開催も検討する。1~2時間程度。会場かオンラインで開催。メディアへ積極的に周知する。
活動結果計画通り
概要日本国際保健医療学会と熱帯医学会との合同開催「グローバルヘルス合同学会2024@沖縄糸満市」におけるワークショップ「事例から外国人住民・保健医療福祉従事者双方にとって大切な医療通訳サービスについて考える」(11月16日90分枠)を座長2名、登壇者4名体制で実施し、約80名の参加者が得られた。また、同登壇者に協力いただき学会ワークショップ開催報告会を2月24日に開催し83名の参加が得られた。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

当会が4年前に母子保健場面での通訳活用促進に注力し始めたことで活動が明確になり拡大へと進んでいる。一方で、過去に力を入れていたHIV陽性者支援としての電話相談や医療通訳派遣依頼がコロナ禍だったこともあり少ない状況で推移していた。今回、当事業を開始し、関西の外国人HIV陽性者支援団体との連携が増えたことがきっかけで、実はこの4年間、その団体に関東圏の医療機関からHIVの医療通訳依頼が増え、HIV陽性者からの相談も寄せられていたことが分かった。新たに支援が必要なHIV陽性外国人が増えていることもあるかもしれないが、外国人人口が急激に増えている状況であり、団体間での連携体制について改めて検討する機会となったのは、新たに加わったアウトカムだった。また、当会へ外国人自身からの通訳依頼が寄せられるが、医療機関等が医療通訳を適切に活用できるようになることを目的の1つとしているため、医療機関が都合よく通訳を活用して終わる”患者への同伴”という形での通訳派遣は原則行っていない。しかし、患者と医療機関が面識がない初診から通訳者同伴を求める病院もあることが分かり、患者依頼での通訳調整方法の検討が必要である。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

学会ワークショップや報告会を開催し、たくさんの人が興味を持って参加してくれて、それぞれ何ができるかを考えてくれる人もいるなど、理解者を増やすことができた。一方で、登壇者の中には、約20年前にも医療通訳の必要性について発表した人もおり、当時変化を起こせなかった事実が見えてくる。現在の外国人人口は当時と比較して圧倒的に多く、国籍も多様化しており、コロナ対応などから、20年前よりも医療通訳や翻訳になじみがある保健医療福祉従事者が増えている。課題に興味を持ってくれる人がたくさんいる今のタイミングで、計画的に行動を起こす必要があると考えている。保健所長(医師)が多く参加する日本公衆衛生学会などでワークショップ開催等を模索するなど、まずは医療機関よりも可能性が高い自治体から公共サービス化に向けて働きかけていきたい。一方、調査結果から、限られた時間で行う外来では医療通訳を活用するまでに至らず、何とか乗り切るという形が定着していることが分かった。乗り切れているように見えて問題が隠れている場合もあるため、通訳が必要か判断できるための通訳活用経験をどのように積むことができるかが課題の一つだと感じている。

外部との連携実績

1活動HIV陽性外国人支援を行う関西等のNPO団体と連携体制づくり
実施内容・9 月 18 日にオンラインで、NPO法人CHARMの事務局長、相談員、当会の松尾、山本とで関西、関東双方で受けているHIVを中心とする相談、医療通訳の傾向や連携体制について協議を実施 ・2月5日にオンラインで、NPO法人CHARMの事務局長、相談員、東京でHIV陽性者支援を行っているNPO法人ぷれいす東京の代表、相談員、当会の山本、松尾で今後の連携体制について協議
結果・成果・影響等当会が母子保健活動に力を入れだしてから、CHARMへの関東のHIV陽性者からの相談やHIV拠点病院等からの医療通訳依頼が増えており、今後の連携体制について、協議を重ねた。支援スタイルがそれぞれで違うものの、それぞれのスタイルで連携をしながら外国人HIV陽性者を支えていく方向で今後も必要時協議していく形となる。また、ぷれいす東京とは、3団体での今後の連携体制について協議を行った。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

・6月13日、団体声明、ウェブサイト掲載:《シェアは主張します》 いま、入管法成立によって在日外国人の「社会的健康」権がとても脅かされています
・7月22日、上記の英語版:Now that our new Immigration Control and Refugee Recognition Act is scheduled to come into force, we think our non-Japanese residents’ Social Right to Health is in imminent danger. ※団体声明のため助成金情報は載せずに公開
・8月21日、医療通訳者ってすごい!~新規医療通訳者研修に参加しての学び~、ブログ(ウェブサイト)、活動紹介、https://share.or.jp/activity/blog/mh20240821.html
・10月16日、医療通訳者の必要性を実感~新規医療通訳者研修&選考会に参加して~、ブログ(ウェブサイト)、活動紹介、https://share.or.jp/activity/blog/mh20241016.html

広報制作物等あり
内容

・11月14日、11月16日グローバルヘルス合同学会ワークショップ開催「事例から外国⼈住⺠・保健医療福祉従事者双⽅にとって⼤切な医療通訳サービスについて考える」、フライヤー、ワークショップ周知目的、100部(添付資料参照)
・2月6日、2月24日学会ワークショップ開催報告会「5つの事例から外国人住民・保健医療福祉従事者双方にとって大切な医療通訳サービスについてあらためて考える」、イベントお知らせ、https://share.or.jp/event/5case_studies.html
・2月28日、在日外国人支援事業ウェブサイト一部改訂、母子保健以外の医療通訳相談についてのページを新たに作成することと一部加筆修正等を実施、https://www.sharemh.jp/(一部、添付資料参照)

報告書等あり
内容

・11月16日、グローバルヘルス合同学会ワークショップ該当部分の抄録、Program & Abstracts, Joint Congress on Global Health 2024 65th Annual Meeting of JSTM, 39th Annual Meeting of JAGH & 1st AnnualMeeting of TAGHI 、pdfの一部を印刷・スキャン(添付資料参照)
・2月28日、外国人患者等への対応時の困難や多言語支援に関するニーズ調査報告書、冊子、200部(添付資料参照)

イベント開催等あり
内容
・7月15日 10:30~16:00、新規医療通訳者研修・選考会、講義・通訳演習・審査会、会場開催、ネパール語4名フランス語3名参加
・8月24日14:30~16:30、医療通訳者フォローアップ研修、講師1名、身体の仕組み、病気の基礎知識について、会場開催、24名参加
・11月16日14:40~16:10、グローバルヘルス合同学会ワークショップ「事例から外国人住民・保健医療福祉従事者双方にとって大切な医療通訳サービスについて考える」、会場開催、座長2名・登壇者4名、約80名参加。13:00~14:30同学会ワークショップ「外国につながる発達障がい児を取り巻く言葉の壁を知る、考える」に当会松尾が登壇、約80名が参加
1月26日10:00~12:20、医療通訳者フォローアップ研修、講師2名、HIV/AIDSの基礎知識と支援のポイント・通訳技術演習、32名参加。
・2月24日10:30~12:30、学会ワークショップ開催報告会「5つの事例から外国人住民・保健医療福祉従事者双方にとって大切な医療通訳サービスについてあらためて考える」、登壇者5名・モデレーター2名、ウェビナー開催、83名参加

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
内容

1月中旬に当会ウェブサイトで広く一般公開した。
(団体概要ページ https://share.or.jp/data/media/share/page/about/profile/crm2025.pdf)

変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

ハラスメント防止規程により相談窓口の設置して対応している。窓口は内部(担当理事)、かつ現時点ではハラスメント関連に限定した建付けであり、外部窓口の利用、また、ハラスメント以外への対応等、今後検討していく。

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかいいえ
内容

CRM規程はコンプライアンス、リスクマネジメントに関する広範な分野をカバーする規程として設計したため、実際の運用に関しては、これから準備していく。具体的には毎年4月に各部で担当分野のリスクの洗い出しを行い、5月に開催するCRM委員会で当会全体のリスクマップを整理することにしている。利益相反の自己申告については、年2回程度実施するCRM研修の中で徹底していく予定。

コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

規程は一応整備できたが、大事なのは職員全員に内容を理解させ、ひとりひとりがリスクについて自分で考え、全体で共有しておく態勢を構築すること。規程を作った際も3回に分けて全職員への説明会を行ったが、今年度から年2回、全職員向けのCRM研修を行い、規程に書いたことを実際に運用していけるように取り組んでいく。

団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む)内部監査
内容

2月9日に監事による監査を行った。監事は2名で、そのうち1名(公認会計士・税理士)が会計監査を担当、1名(NPO経験者)が業務監査を担当。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

本助成を通して、フルタイムスタッフを1名増やし、人員体制が強化できたことに大変感謝している。一方、それに伴い、人件費の持続可能な形での獲得という大きなハードルがあり、今後獲得していくために業務効率化等をさらに進めていく必要がある。特に会計・経理など、アドミニストレーションに関する業務担当者の人件費獲得は、国内の助成金ではなかなかハードルが高く、本助成のように管理部分にも充当できるサポートが得られることが大変重要であり、私たちが目指す目的に合う休眠活用事業の助成が新たに生まれることを大変期待しているところである。

シンボルマークの活用状況

自団体のウェブサイトで表示

広報制作物に表示

報告書に表示

イベント実施時に表示

その他:通訳研修3回の式次第、チラシ、購入物品(PC、周辺機器、電話機、レコーダー)