事業完了報告
2026/01/08更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2024/04/01 | 終了日 2025/02/28 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 千葉県 | |
| 事業対象者 | 【中間受益者】 | |
| 事業対象者人数 | ・スクール生(05年度42人、04年度まで卒業生のべ218人) | |
| 事業概要 | 高校進学を目指す日本語を母語としない子どもの中で最も困難を抱えているのが、学齢期を超えた子どもたちある。子どもたちは日本語が十分でないため、高校進学できず、学齢期を過ぎているため中学校にも所属できない。また、多くが「家族滞在」で就労もできない。学校に所属していれば文科省、就労していれば厚労省の支援を受けられるが、彼らはその狭間の存在である。 | |
事業の総括およびその価値
(スクール事業)2024年度は、3クラスが4月から1クラスが6月から授業を開始し、37名が参加した。6月以降に入会希望をした生徒はで2026年度の高校受験を目指す待機生クラスに所属させ、10月から授業を開始し21名が参加した。なお、2025年度高校入試であるが28名が受験し、全員が合格した。
(新教室への移転事業)他団体からの情報提供と協力により、千葉県教育会館の別館を賃借することとなった。ただ、これまで千葉市国際交流プラザの会議室等を無料で利用させていただいたが、今後は賃借料が発生することになるが、千葉駅から徒歩可能であり、千葉県庁・千葉県教育委員会が近いことから県レベルの情報収集が容易になる。
(脆弱コミュニティ支援事業)四街道市・佐倉市のアフガニスタンコミュニティでは学習支援教室と保護者会、山武市のスリランカコミュニティには進路ガイダンスを実施し、今後の支援の基盤を作ることができた。
課題設定、事業設計に関する振返り
(講師育成事業)スクールへの入会希望者が急増しており、講師の確保が最大の課題となっている。教育的配慮が必要な年代の生徒を対象に、年間を通し継続性を持った指導はそれなりの心構えが必要ということで、今年度は「ティームティテャー」ということで講師希望者を募った。これは、講師希望者に経験者と一緒に授業に参加してもらい、ノウハウと生徒等への愛着を獲得して欲しいということであり、前期5名・後期5名の参加者があった。そのうちの6名が次年度の講師を希望するということで、それなりの効果があったといえよう。
(オンライン教材構築)地理的にスクールへ通えない生徒からの問い合わせも増加しており、日本語の初期指導の教材を作成しているが、実用段階までは至っていない。その原因は「ボランティアと一緒に行う授業」という方向性の課題があり、利用できそうな素材は見いだせたが、それらをどう構築するかで絞り切れなかった。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | 事業Ⅰ 「新教室」への講師・生徒の満足度の向上 | |
|---|---|---|
| 指標 | ・「新教室」で学ぶ生徒数(「新教室」への移転に伴う退会者数) | |
| 目標値・目標状態 | ・移転に伴う退会者0名 | |
| アウトカム:結果 | 8月末に千葉県教育会館別館に4教室・1事務室を確保し、転居した | |
| アウトカム:考察 | 転居による退会者はいなかった。ただ、待機生クラスを考えるとあと1教室分のスペースが必要 | |
| 2 | 事業Ⅱ チームティチャーが研修によって、本スクールの講師希望者が増加 | |
| 指標 | ・前期経験者が待機生クラス講師や受験指導を中心とするチームティチャーの希望数 | |
| 目標値・目標状態 | ・チームティチャー5名が講師または後期研修を希望 | |
| アウトカム:結果 | 予定通り前期5名、後期5名の研修生を受け入れ、10名が研修を修了した | |
| アウトカム:考察 | 10名中6名が、次年度の講師を希望しており、年々増加するニーズに対応する形での人材確保を達成できた | |
| 3 | 事業Ⅲ 専門家の講座によって、自分の授業での改善が図られる | |
| 指標 | ・研修会参加者の満足度 | |
| 目標値・目標状態 | ・全講義参加者の半数が「自分の授業への参考になった」と回答 | |
| アウトカム:結果 | 日本語教授方法、話す日本語、初期指導計4回の講義を日本語講師11名が受講 | |
| アウトカム:考察 | 10名の受講者のうち8名が自分の授業でも取り入れたいとの回答 | |
| 4 | 事業Ⅳ カリキュラム案をボランティア自ら実施してみる | |
| 指標 | ・本スクール内と他ボランティア団体での利用度 | |
| 目標値・目標状態 | ・10名の利用希望者 | |
| アウトカム:結果 | 動画を除き編集作業はほぼ終了している | |
| アウトカム:考察 | 教材の作成に想定よりも多くの負荷がかかっており、実際の利用には至っていない。一方で作成段階で常に多数の現役教員から意見をいただいているため実用性は高いと考える | |
| 5 | 事業Ⅴ①アフガ二スタン人を中心とする児童生徒の参加希望の増加 | |
| 指標 | ・参加する生徒と教師・ボランティア数 | |
| 目標値・目標状態 | ・平均して毎回15名の参加者 | |
| アウトカム:結果 | 四街道の教室では生徒が増加し続け、現在では30名ほどの参加者となっており、講師の確保が追い付かない | |
| アウトカム:考察 | 地元の有志によって教室の整備が行われるなど被支援者にて自助機能が見られる一方、より安定的に地域のボランティアを確保することが今後の課題。 | |
| 6 | 事業Ⅵ 相談の分野別に相談できる機関・団体の一覧表が手元にある | |
| 指標 | ・一覧表の配布数 | |
| 目標値・目標状態 | ・外国につながる児童生徒が多い小中高200校 | |
| アウトカム:結果 | 相談マップのリーフレット500部を印刷し、千葉県内の全公立高校へ送付。 | |
| アウトカム:考察 | 配布した高校から全職員に配布したいとの要請や、様々な組織の会議にて配布の要請がある。今後はこうした一覧表を基に県内機関の連携が見込まれる。 | |
| 7 | 事業Ⅶ 高校生が自分の進路を広く、詳し く知ることができる | |
| 指標 | ・参加生徒数と高校数 | |
| 目標値・目標状態 | ・講師・ボランティアを含め参加者80名 | |
| アウトカム:結果 | 高校生、教育関係者、スタッフを含め68名の参加者があった | |
| アウトカム:考察 | 高校生に加え教育関係者の参加もあったことから、各現場でのノウハウの活用が期待される。一方で今後の課題として、高校卒業後の進路先は広範囲であることから、情報の届け方の工夫が挙げられる。 | |
| 8 | 事業Ⅶ 高校生が自分の進路を広く、詳しく知ることができる | |
| 指標 | ・参加生徒数と高校数 | |
| 目標値・目標状態 | ・講師・ボランティアを含め参加者80名 | |
| アウトカム:結果 | 高校生、教育関係者、スタッフを含め68名の参加者があった | |
| アウトカム:考察 | 高校生に加え教育関係者の参加もあったことから、各現場でのノウハウの活用が期待される。一方で今後の課題として、高校卒業後の進路先は広範囲であることから、情報の届け方の工夫が挙げられる。 | |
アウトプット
| 1 | 事業Ⅰ「新教室」が時間帯によって教室を移動したり、授業時間を変更されることがなく、騒音等に悩まされない落ち着いた環境を提供 | |
|---|---|---|
| 指標 | ・千葉駅から歩いていける範囲内に4クラス同時展開できる部屋と事務室がある「新教室」の確保 | |
| 目標値・目標状態 | ・新規入会者32名、待機生8名 | |
| アウトプット:結果 | 新規入会生37名 | |
| アウトプット:考察 | 待機生21名は新教室近くの会議室等4か所を借用しているが、日によって教室が異なる | |
| 2 | 事業Ⅱ 日常的・継続的な日本語指導を行おうとする人に、本スクールの経験と教授法を学ぶために本スクールのチームティチャーとして参加する機会の提供 | |
| 指標 | ・スクールで学ぶ日本語指導者数 | |
| 目標値・目標状態 | ・前期(5月~8月)ティームティチャー5名 ・後期(11月~2月)ティームティチャー5名 | |
| アウトプット:結果 | 予定通り10名が実習を修了 | |
| アウトプット:考察 | 6名が次年度のの講師を希望。生徒の急増jを考えると 、来年度も必要 | |
| 3 | 事業Ⅲ 講師が自分たちの授業にも取り入れることが出来、スキルアップできる場の提供 | |
| 指標 | ・5回予定の連続研修会 | |
| 目標値・目標状態 | ・それぞれの講習会20名 | |
| アウトプット:結果 | 4回の講義に対して平均11名が参加。また、後半2回は動画配信もしたことで、都合のつかない教員も参加できた | |
| アウトプット:考察 | 講習後に各教員に簡単なアウトプットをお願いすることや、講習を基にした議論の場などを今後求めていくことで実践に落としていきたい | |
| 4 | 事業Ⅳ 自宅学習者が定められた学習目標を達成できるためのオンライン等も利用した教材等の提供 | |
| 指標 | ・カリキュラムの目標達成度 | |
| 目標値・目標状態 | ・決められたカリキュラムの目標を生徒の半数が達成している | |
| アウトプット:結果 | 日本語の初期教育に必要なカリキュラムの作成、それに則した教材の収集・作成を行いHPに掲載 | |
| アウトプット:考察 | 動画を作成する部分については、本団体の既存人員のスキルとは多少異なる部分であったため、想定よりも工数がかかった。 | |
| 5 | 事業Ⅴ ①アフガニスタン人を中心とする児童生徒が放課後も学習する場の提供 ②スリランカ人を中心とする生徒・保護者に進路に関する情報の提供 | |
| 指標 | ・参加する生徒の満足度 | |
| 目標値・目標状態 | ・平均して15名の参加児童生徒が参加している | |
| アウトプット:結果 | 増減はあったものの結果として後半は平均して20名、最大30名ほどの参加が見られた。 | |
| アウトプット:考察 | ニーズが増える一方で、支援者側の人員が足りないため、より地元に根差したボランティア人材を集める必要がある | |
| 6 | 事業Ⅵ 教師やボランティアが困ったときに相談できる相談機関の一覧表の提供 | |
| 指標 | ・相談マップの作成と配布 | |
| 目標値・目標状態 | ・教員・ボランティアへ250部配布 | |
| アウトプット:結果 | 千葉県内の高校へ配布。その際に教頭だけでなく、ソーシャルワーカーにも別途送付 | |
| アウトプット:考察 | 送付から1か 月経たずに、高校職員から良い反応があるなど、現場のニーズが確認できた。 | |
| 7 | 事業Ⅶ 高校卒業後の進路の情報が広く得られる場の提供 | |
| 指標 | ・高校の先生の進路指導のしやすさ | |
| 目標値・目標状態 | ・参加した生徒の高校の進路指導の先生最低2校が「進路指導がしやすくなった」と回答する。 | |
| アウトプット:結果 | 教員についても7名ほど参加。実際の生徒と話す機会があったことで、学びがあったと回答をいただいた | |
| アウトプット:考察 | 教員向けの情報と生徒向けの情報には違いがあるため、今後はそれを意識し開催方法を検討する | |
活動
| 1 | (本事業対象外) 本スクール生への高校受験サポート(27名受験予定・1名私学合格済、一般入試2月20日・21日、二次入試3月12日) また、合格後に入学書類記入のサポートを行う | |
|---|---|---|
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 今年度のスクール入会者37名で、高校進学27名、夜間中学3名、大学進学希望1名、転居等6名。また、待機生クラスは21名でその内3名が高 校に進学した。 | |
| 2 | 事業1 「新教室」を確定し3月中に契約を行い、内装等を経て夏休み中の8月に転居を行う | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 8月末に千葉県教育会館別館に4教室分と1事務室分を借用し転居。 | |
| 3 | 事業Ⅱ チームティチャーの前期研修(5~8月)と後期研修(11月~2月) | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 前期は5名参加で「わたしの町」発表授業まで、後期は5名で高校入学試験準備まで研修を行った。 | |
| 4 | 事業Ⅲ 授業の中でグループ学習、IT・オンライン授業方向、優れた他組織の実践報告等に関して、5回の連続研修会を開催 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 6月に相談事業、9月に「話す日本語授業」、1月と2月に「初期指導」、2月にITセキュリティ関係についての学習会を実施した。 | |
| 5 | 事業Ⅳ オンラインも使った教材作成のためスタッフを集め、カリキュラム案を作成 | |
| 活動結 果 | ほぼ計画通り | |
| 概要 | 当初は動画教材・問題集・関連資料の3種類からなる学習ツールを想定していたが、動画教材については工数の関係からアニメーションから実演動画に一部変更 | |
| 6 | 事業Ⅴ 脆弱なコミニティ(アフガニスタン・スリランカ)の地元に入り、ボランティア等と協力して支援を行う。アフガニスタンには小中高生への学習サポート、スリランカでは「進路ガイダンス」を中心に行う | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 4月から四街道で学習支援スクールを実施し、1月には保護者向けの在留資格と高校進学に関する学習会を実施した。また、山武市では11月に保護者と生徒向けの進路ガイダンスを行った。 | |
| 7 | 事業Ⅵ 相談マップ作成のため、4月から聞き取り・情報収集し、9月までにマップを作成し配布する | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 完成までに時間がかかったが、2月にリーフレット500部を印刷、県内全公立高校へ配布。外国籍生徒が多い高校から追加送付の依頼と教員の研修会での配布依頼があった。 | |
| 8 | 事業Ⅶ 7月に実施する「高校 生のための進路ガイダンス」を、他団体の協力を得るため4月から準備を行う。 | |
| 活動結果 | ほぼ計画通り | |
| 概要 | 70名の参加で実施。ただ当初考えていた他団体との連携がうまくいかず単独で行った。 | |
| 9 | 事業Ⅷ 本スクールの歴史と課題を明確にし、社会的責務をスクール内外の人たちと共有する | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 8月31日の「教室お披露目会と移転祝賀会」に合わせて、「10周年記念誌」を発行し、それをもとに 歴史と課題の学習会を行った。 | |
| 10 | 事業Ⅸ ややもすると閉鎖的集団となるスクール生徒たちを日本社会につなげるために、千葉大学と連携した「特別授業」Chiba Media Art Projectを実施 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 事前学習会を2回行い、11月12日に千葉大学で特別授業「オノマトペで音頭を作ろう」を実施し、「多文化どんぐり音頭」を作成した。現在いろいろなところで非慰労している。 | |
想定外のアウトカム、活動、波及効果など
①外国につながる生徒急増と教室退去問題が重なったこともあり、HPや円卓会議等を使い外部にこの問題を積極的に発信を始めると、マスメディアもこれを取り上げてくれた。その後、千葉県と千葉市が補助金を支出してくれることになった。そうすると、行政の主催する会議や委員会への参加要請があるという好循環が生まれている。
②新教室探しの中で、千葉県社会福祉協議会の協力で千葉県教育会館別館を借用できるようになったが、同協議会は外国につながる生徒支援の問題を取り上げることになり、助成金を創設することになった。
事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動
| 課題を取り巻く変化 | 「学齢期を超過しているので中学校に所属できない、高校に進学したいけど日本語ができない」、そして「多くが就労不可の家族滞在ビザ」で、居場所と学ぶ場のない若者の存在が、ようやく千葉県でも「社会的な課題」として認識され始めた。そのことによって、外国から来た生徒が日本の学校へ編入するときの「初期指導」の対策、高校への進学時の特別選抜などへの対応 など、公的機関の中でのサポート体制も検討され始めている。 |
|---|
外部との連携実績
| 1 | 活動 | 教育分野の団体と福祉分野の団体との連携活動 |
|---|---|---|
| 実施内容 | 「第3回千葉市子ども若者みらい会議」2024年10月20日 | |
| 結果・成果・影響等 | 「外国につながる子ども若者支援ネットワーク」とフリースクールが共同で千葉県と千葉市への要望書を提出する | |
| 2 | 活動 | 本スクール主催で行政・教育・福祉団体も含めた円卓会議 |
| 実施内容 | 「第4回ちば地域多文化共生円卓会議」2024年9月21日 | |
| 結果・成果・影響等 | 回数を重ねるたびに幅広い分野のネットワークの基盤が作られる |
広報実績
| メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等) | あり | |
|---|---|---|
| 内容 | 新聞 2024年4月18日朝日新聞千葉版 | |

