事業完了報告
2026/01/08更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2024/04/10 | 終了日 2025/02/28 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 神戸市中央区 | |
| 事業対象者 | 新神戸エリアのシェアハウス入居の可能性がある神戸市中央区内の日本語学校収容定員数のうち、各日本語学校が確保している寮に入居できない留学生数 | |
| 事業対象者人数 | 約130人 | |
| 事業概要 | コロナ禍以降増加しているネパール、バングラデシュ、ミャンマーからの日本語学校在籍中の留学生は、経済的に不安を抱えた状態でありながら日本の地域社会との関係性も希薄で、社会的に弱い立場にあります。私たちは本事業を通じて、彼らが日本で安心して生活を送りながら、自分なりのキャリアを描き、自己実現をするサポートをします。 | |
事業の総括およびその価値
本事業では、日本語学校に通う留学生向けのシェアハウスを整備し、外国人留学生の日本語学校入学時から卒業時までの、より詳細な経済状況や生活状況を把握し続けられる環境を整えることができた。26名の外国人留学生の受け入れを行い、住まいの提供と生活相談に加え、日本語教室や交流会等のプログラムを通じた留学生が地域とつながる機会を創出した。その結果、留学生は自国コミュニティにとどまらず、地域住民と顔の見える関係性を築き始めることができた。また、自分の住んでいる地域にも目を向けることができ、ボランティア活動にも参加するようになった。地域住民も、外国人留学生と接点をもつことができ、より彼らの状況と課題に対して理解を深めることができた。さらに今回を機に、複数の事業者と協働の可能性を模索している。本事業は、留学生の生活支援と地域の多文化共生を促進し、他地域への展開が可能なモデルケースと捉えている。
課題設定、事業設計に関する振返り
本事業を通じて、来日したばかりの留学生は経済的に不安を抱 えており、留学生自らが意識的に地域住民との関わりを求めていかない限り、地域社会との関係性は希薄であることを再認識した。アルバイトにおいて、日本語レベルが低くても就くことのできるアルバイト先は多数あるが、身体的負担が大きい業務内容や、休み希望が出しにくい労働環境も多く、外国人労働者として社会的に弱い立場に置かれている現状がある。しかしながら、留学生自身がそういった現状に対して違和感を感じず、それを当たり前に受け入れている現状があることが見えてきた。「留学生ひとりひとりが自分なりのキャリアを描き、自己実現をする」ためには、留学生自身も地域社会の中で、自分たちがどう捉えられているのかを知り、その上で自分がどんなキャリアを描いていきたいのか考えていく必要がある。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | 神戸市中央区内のは異国人留学生の住まいに関するニーズが継続的に把握できている。 | |
|---|---|---|
| 指標 | 事業終了時の居住希望学生数 | |
| 目標値・目標状態 | 入居者の80%が継続希望 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 事業終了時の居住希望調査にて26名中、23名が継続入居希望と回答をし、80%が継続希望している。 | |
| 2 | 外国人留学生を対象としたシェアハウス運営時の入居者モデルや必要な設備・運営条件のノウハウが蓄積されている。 | |
| 指標 | シェアハウス運営マニュアル作成 | |
| 目標値・目標状態 | 事業終了時にシェアハウス運営マニュアルが作成できている | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 外国人留学生を対象としたシェアハウス運営に必要な物件条件や、見守り活動、地域住民と接点を持つプログラム等の運営マニュアルを制作することができた。 | |
| 3 | 入居者が安心して暮らすことができ、次の1年も継続して住みたいと考えている。 | |
| 指標 | 事業終了時の居住希望学生数 | |
| 目標値・目標状態 | 入居者の80%が継続希望 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 事業終了時の居住希望調査にて26名中、23名が継続入居希望と回答をし、80%が継続希望している。 | |
| 4 | ITを活用した外国人留学生の縦断的な支援により神戸市中央区に住む外国人留学生の状況がデータとして蓄積されている。 | |
| 指標 | ①入居者のITシステムに対する満足度 ②入居者以外の神戸市中央区に在住る外国人留学生へのシステム利用者数 | |
| 目標値・目標状態 | ①入居者の80%が導入しているITシステムについて満足と回答する。 ②100名 | |
| アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトカム:考察 | 目標未達。アプリのシステム構築について、より質の高いアプリ開発のため、当初計画をしていなかったチャットボットによる生活相談機能の開発等も組み込んだため、計画より遅れが生じ、事業実施期間内 に実運用まではいかなかった。事業終了時点にて実証実験は終了しており、本運用に向けて地元IT企業と運用方法やマネタイズについて検討を行う。 | |
| 5 | 入居した外国人留学生の日本語力が向上し、日本語を学ぶ意欲が向上する。 | |
| 指標 | ①入居者の日本語力の向上 ②入居者の日本語学習への意欲向上 | |
| 目標値・目標状態 | ①入居者の80%が日本語力が向上したと回答する。 ②入居者の80%が日本語を学ぶ意欲が向上したと回答する。 | |
| アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトカム:考察 | 事業終了時、入居者25名に対してアンケート調査を実施した。 ①「シェアハウスに住んでから日本語力が向上した」と回答したのは34%となり、目標未達。未達成要因として、シェアハウス内でも母国コミュニティが形成されており、日本語の使用頻度が本人に委ねられていることや、本人たちが日本語力が向上していることを自覚できていないことが挙げられる。今後の改善策として入居者に対してシェアハウス内では積極的に日本語を使用するよう働きかけ、日本語力の向上についてフィードバックを行う。 ②入居者の80%以上が「日本語を勉強する気持ちは高まった」と回答をした。 | |
| 6 | 入居者が日本人と関わることや日本文化を知ることに対 してポジティブになる。 | |
| 指標 | 入居者の日本人との関わり状況 | |
| 目標値・目標状態 | 入居者の80%が日本人と関わることが楽しいとポジティブな回答をする | |
| アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトカム:考察 | 事業終了時、入居者25名に対してアンケート調査を実施した。 ①「日本人と関わることが楽しいか」という質問に対し、10名が「とても楽しい」と回答、8名が「楽しい」と回答、7名が「どちらとも言えない」と回答をした。ポジティブな回答は全体の72%となり、目標未達。要因として、「どちらとも言えない」と回答をした入居者の意見には、「日本語に自信がないから」「日本語を使うことが恥ずかしい」というものが多かった。今後の改善策として、日本語が分からないことや、失敗することも受け入れてもらえるような安心できる環境の整備を進める。 | |
| 7 | シェアハウスに入居する外国人留学生がボランティア・アルバイト・インターン等の活動を通じて自身のキャリアの選択肢の幅が広がっている状態。 | |
| 指標 | ボランティア・アルバイト・インターンシップへの参加状況 | |
| 目標値・目標状態 | シェアハウスに入居する外国人留学生の80%がシェアハウスに入居してから自身の キャリアの選択肢が広がったと回答する。 | |
| アウトカム:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトカム:考察 | 入居者25名に対してアンケート調査を実施した。 「日本での将来の進路について、どれぐらい考えていますか」という質問に対して、「既に具体的な目標や計画がある」と回答したのは52%となり、目標未達。要因として、目の前の学業とアルバイトを優先した生活になっており、その先のキャリアのことまで考える余裕が無いことや、これまでキャリア教育を受けておらず長期的なキャリアプランを考えたことがないことも一つの要因として挙げられる。今後は、留学生がよりフィードバックを得ることのできる雇用機会の創出に取り組み、アルバイトを通じて自身がどのようにキャリアを選択していきたいのか考えられるようアプローチをしていく。 | |
| 8 | シェアハウスに入居する外国人留学生がトラブルなく入居できている。 | |
| 指標 | 入居者の満足度調査 | |
| 目標値・目標状態 | 入居者の80%がトラブルなく生活できていると回答する。 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 入居者26名に対して満足度調査を実施した。 24名がトラブルなく入居できてい ると回答をし、80%の目標を達成した。「トラブルがある」と回答した2名の理由は、シェアメイトとの関係が上手くいっておらず、継続的にトラブルが起こっていないかどうかのヒアリングし、フォローしている。 | |
アウトプット
| 1 | シェアハウスに入居するような外国人留学生のニーズ調査と新規入居者の募集を行うことができる。 | |
|---|---|---|
| 指標 | 新規連携先の日本語学校数 | |
| 目標値・目標状態 | 3校 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 本事業を通じて、新たに4校(KIJ語学院、神戸住吉国際日本語学校、関西国際大学日本語別科、神戸ワールド学院)の日本語学校と繋がることができ、うち1校とは新規入居者受け入れに関して連携し、継続的にシェアハウスへの入居募集ができている。 | |
| 2 | 外国人留学生26名に住居を提供できている。 | |
| 指標 | 居住人数 | |
| 目標値・目標状態 | 26名 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 継続的な日本語学校との連携により、入居者26名へ住居提供ができている。また、まだまだ外国人留学生のシェアハウスのニーズは高く、現在の1棟では十分に住居提供ができていないこともあり、今後は2棟目の運営を検討している。 | |
| 3 | 入所者が困りごとを抱えた時に気軽に相談できている。 | |
| 指標 | 生活相談者数 | |
| 目標値・目標状態 | のべ100名 | |
| アウトプット:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトプット:考察 | 生活相談者数のべ64名。シェアハウス開始時に特に相談が多かったアルバイト探しや家賃振り込み対応について、多くの時間を割いた。後期の入居者受け入れ時は日本語教室の時間を活用してレクチャーを行った。また、先輩入居者が来日したばかりの入居者へ分からないことを教えるなど、入居者同士でもサポートができる体制を整えた。 | |
| 4 | 入居者26名に対して入居者管理や当団体が実施する交流イベントや食糧支援などの出席管理ができるようなITシステムを導入できている。 | |
| 指標 | システム利用者数 | |
| 目標値・目標状態 | 26名 | |
| アウトプット:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトプット:考察 | アプリ内のシステム構築について、より質の高いアプリ開発のため当初計画をしていなかったチャットボットによる生活相談機能等の開発も組み込んだため、計画より遅れが生じ、事業実施期間内に実運用まではいかなかった。事業終了時点にて実証実験は終了しており、本運用に向けて地元IT企業と運用方法を議論していく段階に来ている。 | |
| 5 | 入居者が日本語学校の外でも日本語学習の機会を継続的に持つことができている。 | |
| 指標 | ①日本語学習会開催回数 ②参加留学生数 | |
| 目標値・目標状態 | ①11回 ②1人あたりの参加回数8回 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | ①28回実施。 事業開始当初は月に1回の開催を想定していたが、入居者の生活状況を見ていると日常的な日本人との関わりを持てる場が必要だと感じたため、7月より毎週1回開催することとなった。 ②1人当たりの平均参加回数4回 | |
| 6 | 入居者が日本人の地 域住民と交流する機会を継続的に持つことができている。 | |
| 指標 | ①交流イベント開催回数 ②参加留学生数 | |
| 目標値・目標状態 | ①11回 ②1人あたりの参加回数3回 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | ①10回開催(8月は台風のため中止) ②1人あたりの平均参加回数3回 月に1回地域住民との交流イベントを企画、開催した。交流イベントを通じて平日の夜に開催している日本語教室には参加が難しい社会人との交流も生むことができた。 | |
| 7 | 入居者へボランティア活動・アルバイト・インターンシップの紹介窓口が整備されている。 | |
| 指標 | ①ボランティアに参加した留学生数 ②アルバイトをはじめた留学生数 ③インターンシップに参加した留学生数 | |
| 目標値・目標状態 | ①10名 ②10名 ③10名 | |
| アウトプット:結果 | 計画より遅れている | |
| アウトプット:考察 | ①10名 ②25名 ③0名 ①について、法人内イベントだけでなく、行政や企業からもボランティア参加機会の機会をいただき入居者と一緒に地域イベント等へボランティア参加 することができた。 ②入居者26名のうち25名がアルバイトに従事することができ、そのうち8件は当法人にてマッチングすることができた。 ③日本語学校に通う留学生の現状として、来日したばかりの留学生にとって学校の勉強とアルバイトの両立で精一杯でインターンシップへのハードルが高い現状がある。今後は、雇用機会づくりで連携のある事業所と一緒に、アルバイト先におけるフィードバック機会の仕組みづくりを検討していく。 | |
| 8 | 共有分利用時のルール等の項目を含んだシェアハウスの入居者ガイドブックが完成している。 | |
| 指標 | 入居者ガイドブックが完成している | |
| 目標値・目標状態 | 事業終了時に入居者ガイドブックが完成している | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | シェアハウスのコンセプトや入居者としての心構え等を記載した入居者ガイドブックの制作と設置を行った。 | |
活動
| 1 | 神戸市中央区内の日本語学校へヒアリングを実施し、日本語学校の入居者調整の状況を把握する。どういう留学生がどういう場所にいつまで住むの かをヒアリングし、シェアハウスのニーズを把握する。現在繋がりのない神戸市中央区内の日本語学校との連携を図る。(アウトプット1)(担当鳥越 中山) | |
|---|---|---|
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 本事業を通じて、新たに3校の日本語学校、1校の大学と繋がりを持つことができた。日本語学校へのヒアリングを通じて、留学生が来日するまでのスケジュールや学校が運営する寮へ入居するまでの調整状況を、把握することができた。神戸市中央区内の物件の賃料が上がっていることもあり、中央区内での留学生が集住しているエリアについても把握をすることができた。 | |
| 2 | 新神戸エリアにある物件の修繕・改修・家具の手配を行い留学生26名が住むことのできる安価で生活支援のあるシェアハウスを整備する。(アウトプット2)(担当 鳥越) | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 新神戸エリアにある外国人マンションの1階~3階を改修し、26名が住むことのできる家賃25000円の安価なシェアハウスを整備し、留学生の経済的負担を軽減した。 | |
| 3 | 神戸市内や近隣地域の大学から日本人ボランティアやインターンシップを募り、シェアハウスに居住する外国人留学生がいつでも相談できる環境を整える。(アウトプット3)(担当高見) | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 週に2回程度、専属スタッフによる見守り活動を行い、個別相談窓口を設置した。また日本人の大学生スタッフを募集し、日本語教室や交流会を通じて関係性を築きながら「友達のよう」にいつでも相談ができる環境を整えた。 | |
| 4 | 神戸市中央区の地元IT企業と連携を行い、留学生が所持している在留カードもしくは学生証を利用した、来日時のアンケートや食糧支援申し込み時のアンケート、生活相談内容等を連結させ、留学生のデータ蓄積を図ることで、縦断的な支援を行う。(アウトプット4)(担当 鳥越・中山) | |
| 活動結果 | 遅延あり | |
| 概要 | IT系の専門学生と共に、留学生を対象にしたサポートアプリの開発を行った。アプリ開発チームには、実際に当法人の食糧支援を利用している留学生も加わり、当事者目線でアプリ開発を行った。アプリの実証実験まで完了し、神戸の地元IT企業と今後の運用やマネタイズについて、最終調整を行っている。 | |
| 5 | シェアハウスにて居住する外国人留学生同士の日本語勉強会を月1回開催する。チューターとして、日本人ボランティアスタッフの配置を行う。(アウトプット5)(担当鳥越) | |
| 活動結果 | ||

