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事業完了報告

2026/01/30更新

事業概要

事業期間開始日 2024/06/25終了日 2025/02/28
対象地域松本市、安曇野市、塩尻市
事業対象者

【最終受益者】
困窮世帯(松本市こども福祉課、生活福祉課など自治体窓口、松本市社会福祉協議会まいさぽ、NPO法人サポートセンターとまり木の利用者)
潜在的な生活困難層、とりわけ子育て世帯(中信地区のこども食堂、および松本市の児童館・児童センターの共働き・ひとり親世帯の利用者)

事業対象者人数

400世帯

事業概要

物価高騰の影響下に置かれた生活困窮世帯、潜在的な生活困難層に着目し、食糧、日用品の提供を中心とした緊急的支援、伴走支援、およびそれに伴う松本市諸機関とのネットワーク強化を行う。


①松本地域でのフードバンク事業を強化し、他機関との連携を推進する
 ワーカーズコープ松本事業所がこれまでのフードバンク事業において培ってきた松本市自治体、社会福祉協議会まいさぽ、NPOサポートセンターとまり木とのつながりを活かし、困窮世帯へスムーズに物資が行き渡る仕組みを構築する。松本市での食糧回収、配布それぞれの機能を強化することで、使われない食品の循環を促進し、低コストで安定的に物資を供給する。


②松本地域での子育て世帯への波及力を活かし、潜在的な困難層へアプローチする
 松本地域子ども応援プラットフォームに属し、松本市児童館・放課後児童クラブ事業を指定管理者として17年間担ってきた強みを活かし、子育て世帯を中心に必ずしも公的なセーフティネットにかからない潜在的な困難層へアプローチする。
 市内のこども食堂利用者、および児童館・児童センター利用者への手上げ方式による広範な支援を行う。「配って終わり」にはせずに世帯の困難に伴走するため、①に記した困窮者支援窓口への接続および継続的な支援への移行、他団体の制服バンクや子ども食堂、松本市ひとり親家庭福祉会など民間団体との連携を行う。

事業の総括およびその価値

これまで中心的に活動してきた松本市を越え、安曇野、塩尻地域の子育て世帯や各窓口団体とつながることができたことは良かった。結果として当初の想定以上の量的な支援を行うことができ、またフードバンクの広報によって支え合いの循環を高めることができた。また、3分の1以上の利用者からアンケートが集まった。母子家庭や低所得世帯が物価高において大変に息詰まる状況にあったこと、またこの支援が救いとなったことが書かれており、やってよかったと感じる反面、根本解決へと未だ至らないことに負い目を感じるところもあった。全体的には緊急事業としての役割は一定果たせたものの、物価高がさらに厳しさを増す以上は継続的な支援が求められる。今後は持続性を高めるために、寄付や、会員制度などの支援の枠組みをさらに強化してゆきたい。

課題設定、事業設計に関する振返り

当初は困窮世帯へ直接物資を提供する仕組みづくりを検討していたが、行政窓口やこども食堂などの団体を対象に食品提供するよう方向転換を行った。理由は、①緊急・短期の事業であることをふまえ、中信地域全域のネットワークの力を活かし、主体を分散させた方が効果的であるように思われたこと、②直接対応をする場合は必然的にソーシャルワークとしての側面が大きくなるが、現行の体制では困難であることが挙げられる。松本地域子ども応援プラットフォームの力も借り、結果としては多くの方へ届けることができたのはよかった。
一方で物価高そのものの終わりが見えない中、アンケートの結果からもまだまだニーズは消えていないことも承知している。その意味では継続的な枠組みが必要であると思われる。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1物価高騰の影響を受けた生活困窮世帯が食糧及び支援によって、食べ物の心配が減少する状態になる。
指標申込件数 申込世帯へのアンケートの回収数(紙・メール)
目標値・目標状態400件以上の申込 食べ物の心配についての声が減少する
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察668世帯から申込。Googleフォームからアンケート268件回収。 多くの世帯から喜びの声が聞かれた。他方、支援の継続を望む声とともに、「募集が始まったら教えてほしい・情報を知りたい」という声が多かった。継続的に困窮世帯を支援してゆくなら、支援の可否について厳格に判断すること、会員制度によるパントリー支援の整備などが求められる。
2経済的、多様な困難を抱えた世帯が多様な要因に対応した支援を受けることで、生活全般への不安が減少した状態になる。
指標各困窮者支援窓口への接続件数 民間諸団体の生活支援・居場所サービスへの接続件数
目標値・目標状態50件以上の他支援窓口、他サービス利用増
アウトカム:結果計画より遅れている
アウトカム:考察松本子ども応援プラットフォーム、制服バンクココ・リンク等と連携して地域の各子ども食堂、学習支援、リユース事業などのリストを食品支援キットに同封した。ただしそこから実際に接続されたかの確認ができていない。

アウトプット

1松本市内の困窮者支援、ほか様々な困難に対応した窓口を利用する世帯約100世帯に対しフードパントリーによる継続的な食糧支援が行われる。
指標申込件数 提供重量
目標値・目標状態100件以上の申込 2400kg以上の提供
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察個々の世帯への提供ではなく各窓口・団体に対し食品提供を行う方向へシフトした。その結果、87団体に対し3355kgを提供した。団体によって提供世帯が多様になり、量としては捌けるものの実際に困難世帯へ届いているかどうか見えにくくなった。
2中信地域の子ども食堂利用世帯、および共働き・ひとり親世帯としての児童センター登録世帯など計300世帯に対し、1申込につき1回の食糧支援が行われる
指標申込件数 提供重量
目標値・目標状態300件以上の申込 2400kg以上の提供
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察食品支援、緊急的に実施した日用品支援の総申込世帯数668件(推定平均2338名)、6216kg 当初の予算を適切に使うことができた。またフードバンク機能を強化したことで米を筆頭に寄贈が増えたため、想定以上に食品の支援量、世帯数を増やすことができた。アンケート結果をふまえ緊急の日用品支援も実施できた。

活動

1フードバンク回収機能の強化 ①倉庫の拡張(現行拠点からの移転):事務所および常駐の回収・受け渡し拠点とする。 ②発信力の強化:HPの作成、松本市プレスリリース、新聞、広報まつもとへの掲載、チラシ作成。 ②フードドライブの開催:現在主に月1回松本市役所で行っているフードドライブの実施回数を増やす。 ③回収場所の拡大:スーパー、コンビニ、生活クラブ松本、市役所ロビー、図書館、児童館・児童センターなど
活動結果ほぼ計画通り
概要①予算の範囲内で適切な移転先を見つけることができなかった。今回は非常に手狭ではあったものの、現行拠点で回収・受け渡し業務を行った。 ②信濃毎日新聞・市民タイムス・広報まつもとへ各月掲載し、寄贈の申し出が増加した。 情報戦略研究所への依頼によりHPを作成し、フードバンク事業のPRや寄付・寄贈のPRを行うことができた。 ③フードドライブについては松本市役所での提供実施とともに、9/28松本市民活動フェスタ、10/5イオンモール南松本店で実施。
2困窮世帯・ハイリスク世帯を対象としたフードパントリーの実施 ①松本市、社協、とまり木など専門窓口との連携:各窓口での案内を要請。およびこちらで作成したチラシを配布。 ②各窓口への相談実績のある世帯による手上げ方式:登録申込(紙・フォーム) ③配布日を年間スケジュール化し、申込世帯へ所定の場所(現時点では新拠点、あるいは公民館を想定)で配布。  ※緊急を要する場合、即日の手渡しに対応する。
活動結果ほぼ計画通り
概要全体的に民間の困窮者支援団体、子ども食堂団体との連携を深めることができた。とりわけ反貧困セーフティネット・アルプスとの連携で、『きずな村相談会』を通して松本・塩尻・大町・築北など中信地域の困窮者に幅広く食品を届けることができたのは計画以上の成果であった。
3潜在的な生活困難層(子育て世帯)への配布 ①中信地域のこども食堂、松本市児童センター・児童クラブ、ほか民間団体との連携:各団体、およびネットワークからの情報発信(こちらで作成したチラシを利用者へ配布してもらう。および各こども食堂での直接の宣伝) ②申込受付→梱包→期間中の週ごとに発送。  ※梱包作業については大学生および利用者から短期ボランティアを募る。
活動結果計画通り
概要第1回目 ~10/4(金) 135世帯 第2回目 ~1/31(金) 301世帯 第3回目 ~2/20(木) 232世帯 計668世帯から申込。 松本市の各困窮者支援窓口、子ども応援プラットフォームおよび所属団体、多文化共生プラザや保育課、社協、児童センターへの案内、メディア掲載等により上記の件数へ達した。ボランティアについては市民から協力を募った。
4フレッシュフードシェアの強化 ①回収の強化:松本市めぐみの里でいただいた野菜をこども食堂実施団体へ配布している。こうした連携先を他農産物直売所、農家等へ拡大する。 ②月2回の実施:直売所、こども食堂との日程調整
活動結果ほぼ計画通り
概要めぐみの里だけでなく、近隣農家、JA青年部、および企業・市民の方からの提供も相次いだ。参加団体が自ら持ち込んで他団体へ提供する場面も見られ、助け合いの輪をつくることができた。また、松本市環境地域エネルギー課や当事業のフードバンクへ持ち込まれた生鮮食品を提供する受け皿にもなった。 他方で、参加団体が増えることで競争が激しくなっており、トラブルへ発展しないよう適切なルール設定などが求められる。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

・第1回の食品支援事業については、地元紙への掲載により申込が広がった。あくまで「生活困難層へのアプローチ」を行う事業であるため不特定多数の市民へ発信する予定はなかったのだが、地元紙の独断により拡散してしまった。
・適切な移転先が見つからなかった。
・食品配布事業について、市の関連部署や他団体など幅広く回って当事者への宣伝をお願いしたが、温度感はそれぞれだった。比較的当事者との距離が近い活動(窓口業務に留まらず、当事者と共にイベントを企画実施する、多様な困りごとへの伴走支援を行っている等)に従事している団体・窓口においては、積極的な協力をいただけるように思われた。また、「団体が小さいため意思決定がスムーズである」「担当者の独立性が担保されている」などの場合は機動力があり、必ずしも組織規模と宣伝効果が比例しないことがわかった。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

物価高が続いており、1年間の緊急支援事業だけでは生活困難層が「食べ物への心配をしなくてよい状態」を作り出すには至っていないと言ってよい。また物価高を背景として米を筆頭に寄贈そのものが減少しており、フードバンクの機能を維持することにも困難が生じている。他方で消費者庁によるフードバンクの認証制度が26年度から導入されるといった動きもあり、企業などが安心して寄付できるような環境づくり自体は全国的に進んできている。

外部との連携実績

1活動フードバンク回収機能の強化
実施内容①松本市城のまちフードドライブ(松本市環境地域エネルギー課) ②フードドライブBOX設置(元町児童館、南郷児童館)
結果・成果・影響等①月1回、松本市役所で実施。 ②児童館による環境教育の流れと結びつき、BOXの設置と回収が進んだ。
2活動困窮世帯・ハイリスク世帯を対象とした支援活動を実施している団体・窓口への食品提供
実施内容食品提供 連携団体:松本市社協(まいさぽ松本)、長野県地域振興局(松本市子ども応援プラットフォーム)、反貧困セーフティネット・アルプス、ヒッポポ食堂、無料こどもじゅくHATA、ポジ◎ラボ、笑和はうす、信州みんなの食堂、TAMARIBA MOTOJI、こども食堂岡田、なみカフェ他
結果・成果・影響等87団体に対し3355kgを提供 ・とりわけ反貧困セーフティネット・アルプスとの連携が進み、各地で実施されているきずな相談会、きずな昼食会などで多くの生活困難世帯に対し食品支援が行き届いた。
3活動潜在的な生活困難層(子育て世帯)への配布
実施内容①各施設、団体、およびネットワークからの情報発信(こちらで作成したチラシを利用者へ配布してもらう。および各こども食堂等での直接の宣伝) ②申込受付→梱包→期間中の週ごとに発送。 連携団体:松本市社協(まいさぽ松本)、長野県地域振興局(松本市子ども応援プラットフォーム)、反貧困セーフティネット・アルプス 連携自治体:松本市(こども福祉課、生活福祉課、多文化共生プラザ)、安曇野市(子ども家庭支援課)、塩尻市(学校教育課)
結果・成果・影響等食品支援、日用品支援の総申込世帯数668件(推定平均2338名)、6216kg ・松本市、安曇野市、塩尻市からは後援をいただいた。とりわけ松本市多文化共生プラザからは主に困窮状況にある外国人世帯、塩尻市学校教育課からは各児童館の利用者に対し、積極的にPR活動を行ってくださった。 ・アンケートからは感謝の声が多く聞かれたとともに、文具や灯油、貧困層が切り離されやすい文化的な催しなどへのニーズが浮かび上がった。
4活動フレッシュフードシェアの強化
実施内容長野県地域振興局
結果・成果・影響等地元農家、JA青年部からの提供が進み、また通常のフードバンクでは提供に困難が生じる生鮮食品についても一定の受け皿となった。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容

市民タイムス:R6.9.14一面『子育て家庭に食品配布へ 希望世帯27日まで募集』
市民タイムス:R6.9~R7.1 第2・第4水曜日、および2.7、2.12、2.14、2.17、2.21、2.26食品回収の広告
信濃毎日新聞:R6.9.2、10.3、10.21、11.4、12.2、1.6、2.6、2.17、2.25食品回収の広告
広報まつもと:9月号、10月号 食品回収の広告

広報制作物等あり
内容

9月、1月食品配布事業の宣伝チラシ
2月日用品支援事業のチラシ
ホームページ(株式会社情報戦略研究所に製作委託)

報告書等なし
イベント開催等あり
内容
R6.9.28-29松本市民活動フェスタでブースを設け、食品配布事業の宣伝を行った。

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか整備中
内容

内部通報に関する規定、理事会運営規則、経理規定、監査規約、就業規則、情報公開規定、リスク管理規定、報酬等支給規定、役員報酬及び費用に関する規定、定款を整備済み。
組織管理規定・理事職務権限規程について整備進行中。

整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか一部公開
内容

『コンプライアンスを含む内部管理体制の基本方針』https://workers-coop.com/%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%83%97%e3%81%a8%e3%81%af/
その他の規定類については理事会の決議に応じて公開予定。

変更があった規程類に関して報告しましたか変更があり報告済み

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

『内部通報に関する規定』が整備されており、「通報の対象となる事項」「法人内における窓口」「法人外における窓口」「通報の方法」などが正しく整備されている。また、視覚的にわかりやすいA4チラシが作成されており、すべての事業所に掲示されている。

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかいいえ
団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む)外部監査
内容

員外監事3名が決算書類、業務および財産の状況を調査し、指摘事項なく承認済。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

・事業を通して各支援窓口・団体との連携が深まった。
・フードバンクそのものの財政基盤の弱さ自体は変わらず、今後の発展の道筋をどう描くかが問われている。
・緊急事業としての性格は承知しつつも、この問いのように「今後の課題・対応」を見据えるのであれば、やはり持続性を高めるための予算化までしっかりと見込んだ事業にしてほしかった。

シンボルマークの活用状況

広報制作物に表示