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事業完了報告

2026/06/03更新

事業概要

事業期間開始日 2025/06/10終了日 2026/02/28
対象地域東京都
事業対象者

東京都内に在住する低所得のひとり親家庭等(一部隣接する千葉県や埼玉県、神奈川県に在住する家庭も含む)

事業対象者人数

・独自のデジタルクーポン(ポイント)を利用した食事や食品の提供に関する支援:のべ親子4,317人(初期値:131人)
・体験活動に参加した家庭に対する食事や食品の提供に関する支援:のべ親子210人
・体験活動に参加した家庭:のべ親子210人

事業概要

近年の急激な物価高騰等による影響で、生活状況が厳しかったひとり親家庭などの低所得家庭が必要な食事や体験の機会が得られず、さらに厳しい状況に置かれている。こども食堂が広がる一方で、開催日数や時間は限られており、困窮家庭の日常を支えることは難しく、また、フードバンクについても個人や企業のSDGsやフードロス削減の観点から食品の確保も難しくなっている。このような背景から生活インフラとなっているスマートフォンを活用し、まちのお店と連携した新たな支援のあり方を展開する。スマートフォンのアプリでデジタルクーポン(ポイント)を提供し、家庭の生活サイクルやニーズに合わせた形で地域の様々なお店から支援を受けることができる。スマートフォンのアプリからは、デジタルクーポン(ポイント)だけでなく、他の支援団体からの子どもの教育や親の就労などに関する支援情報も合わせて提供し、地域の新たなセーフティーネットの構築を目指す。体験の機会については、週末や連休に親子で参加することができる日帰りツアーを造成し、関東近郊で自然や科学文化などに関する体験活動の機会を提供する。ひとり親家庭の多くが経済的な側面だけでなく、親子で時間を共有できる機会も限られており、非日常的な体験活動の機会を通じて親子間でのコミュニケーションを深められるようにし、日常生活の中にも良い効果が得られることを目指す。

事業の総括およびその価値

本事業は、物価高騰に苦しむ低所得のひとり親家庭に対し、デジタル技術を活用した「食の支援」と、親子の絆を深める「体験の機会」を提供し、生活基盤の安定と子どもの体験格差是正に大きく寄与しました。
総括として、スマートフォンを活用した独自のデジタルクーポン提供により、子ども食堂等の既存の枠組みでは難しかった「個々の生活サイクルに合わせた日常的な食のセーフティネット」の構築を実現しました。さらに、親子向けの日帰りツアーの体験活動を通じ、経済的・時間的制約から体験の機会が限定される親子に、自然体験や交流の場を創出しました。
本事業の価値は、単なる物品支援に留まらず、食を入り口としたアウトリーチから支援情報の提供、そして体験による非認知能力の向上へと繋げる「重層的な支援モデル」を確立した点にあります。これは、地域の様々な関係者と協働した持続可能な地域共生社会の基盤となるものです。

課題設定、事業設計に関する振返り

本事業の課題設定および事業設計は、困窮世帯が直面する困難を的確に捉え、家庭のニーズに合致した適切なものであったと総括します。
課題設定においては、単に食糧不足だけでなく、物価高騰下で真っ先に削られる「子どもの体験機会」に着目した点が肝要です。世帯年収による「体験格差」が将来の教育格差につながるという構造的課題に対し、食品や食事を提供する生活支援と、親子での体験支援を合わせて行った設計は、保護者の精神的余裕や子どもの自己肯定感の双方を支える画期的なアプローチとなりました。
また、事業設計面では、スマートフォンを活用したデジタルクーポンが、時間的制約の多いひとり親家庭のライフスタイルに適合し、利用の心理的ハードルを下げつつ、日常的な支援を実現しました。デジタルによる利便性と、対面での体験活動による情緒的交流を組み合わせた支援モデルは、地域の新たなセーフティネットとして有効に機能しました。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1東京東部地域において、低所得のひとり親家庭等(200家庭)の子どもが1日3食のバランスの取れた食事をすることができている。
指標・1日の食事の回数 ・食事の内容(野菜や肉、魚などの頻度等) ・支援家庭数
目標値・目標状態・直近1ヶ月間で1日3食を食べられている家庭の割合が95%以上 ・直近1ヶ月間で野菜や肉、魚などを定期的に食べられている家庭の割合が80%以上 支援家庭数:200家庭
アウトカム:結果・直近1ヶ月間で1日3食を食べられている家庭の割合:84.55% ・直近1ヶ月間で野菜や肉、魚などを定期的に食べられている家庭の割合:70.91% ・支援家庭数:110家庭
アウトカム:考察本プログラムの実施期間中も物価高騰による値上げが断続的に続き、提供する食事や食品を維持・増加させることが困難な場面もあり、目標値にあと一歩届かなかった要因と考えます。
2東京東部地域において、低所得のひとり親家庭等(200家庭)の子どもが年に複数回の体験の機会が得られている。 ※体験:スポーツや文化芸術活動、自然体験、社会体験、文化的体験等
指標・学校外の家庭や地域等での体験の回数 ・学校外の家庭や地域等での体験の内容 ・支援家庭数
目標値・目標状態・直近1年間で子どもの体験の機会が複数回得られている家庭の割合が80% ・支援家庭数:200家庭
アウトカム:結果・直近1年間で子どもの体験の機会が複数回得られている家庭の割合:6.8% ・支援家庭数:102家庭
アウトカム:考察当初の計画よりも多くの家庭から参加の希望があり、できる限り多くの家庭にまずは1回の機会を提供することを優先したため、複数回参加した家庭は一部となりました。

アウトプット

1低所得のひとり親家庭等に対して、週1回分程度の食品が提供され、食事をすることができている。
指標食事や食品の提供回数 支援する親子の人数
目標値・目標状態提供回数:のべ1,000回 支援人数:のべ4,317人(初期値:131人)
アウトプット:結果提供回数:のべ1,481回 支援人数:のべ5,171人(初期値:131人)
アウトプット:考察支援家庭については、週1回分程度の食品や食事が得られるデジタルクーポンを提供し、計画以上のニーズがあり、数値目標を上回ることができました。クーポンを提供したとしても、利用できるかつ、利用したいお店がなければ利用はされません。すぐに食べることができる弁当・惣菜や、物価高騰で値上がりの大きかったお米、子どもの好きなお肉など、支援家庭の状況に合わせた利用ができるように取り組んできた成果だと考えています。
2低所得のひとり親家庭等に対して、日帰りツアーを提供し、子どもの体験の機会が得られている。
指標実施回数 参加者数(親子)
目標値・目標状態実施回数:4回 参加者数:のべ210人(初期値:0人)
アウトプット:結果実施回数:4回 参加者数:のべ245人(初期値:0人)
アウトプット:考察魚のつかみ取り、果物狩りなど、非日常的な自然体験を行うプログラム内容を実施しました。多くの参加希望があり、数値目標を上回る支援を行うことができました。参加した家庭からのアンケートからも、経済的、時間的、体力的に家庭だけで実施することが難しかったという声も多く、今後もこのような体験の機会の提供を期待する声も多かったです。どのような内容にニーズがあるのか、また、どこでどんな活動ができるのか、団体設立以来、子どもの体験活動に取り組む中で得てきた知見が活きたと考えています。

活動

1低所得のひとり親家庭等に対する独自のデジタルクーポン(ポイント)を利用した食事や食品の提供に関する支援:公的証書の確認を含めて審査を行った3歳~高校生の子どもがいる家庭に対し、協力加盟店の対象商品で利用できる独自のデジタルクーポン(ポイント)を提供する。協力加盟店は、東京6区内(江東区、中央区、墨田区、江戸川区、葛飾区、足立区)に46店舗(飲食店、弁当・惣菜店、精米店、青果店、精肉店等)ある。
活動結果計画通り
概要提供回数:6/10~2/28でのべ1,481回 支援人数:6/10~2/28で5,171人
2低所得のひとり親家庭等に対する日帰りの体験活動ツアーの提供:申し込み段階で公的証書の確認を行い、高校生までの子どもがいる家庭を対象に、週末や連休に親子で参加することができる日帰りツアーを造成し、関東近郊で自然や科学文化などに関する体験活動の機会を提供する。ツアーの参加者には、食事の提供も行い、持ち帰ることができる食品(生鮮品等)の提供も同時に行い、体験と食の両面からサポートを行う。
活動結果計画通り
概要実施回数:8/31・9/23・10/26・11/30に4回の実施 参加者数:のべ245人

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

今回の事業を通じて、ひとり親家庭・親子を対象とした体験活動を初めて実施することができ、当初想定していた以上に家庭からのニーズがあり、また、参加した家庭から大きな反響がありました。体験活動については、食の支援を受けているか否かに関わらず、参加条件を明示したうえで公募したところ、各回で定員の2~3倍程度の応募がありました。感染症の流行時期に一部の家庭で病欠はあったものの、概ね全家庭が当日も予定に遅れることなく、参加をしました。参加家庭からは、子どもが初めての体験をすることができた、日常ではなかなかできなかった親子のコミュニケーションの深化につながったという感想が多く寄せられました。また、体験活動の終了後も収穫した野菜を食べられるようになったこと、学校や家庭でのコミュニケーションの材料に繰り返しなっていたという感想も寄せられました。食の支援のニーズに対する高さは当初より想定されていたが、体験活動に関するニーズも高く、参加家庭からも大変高い評価を受けられたことで、今後、食の支援に加え、このような体験の機会づくりが必要だという知見を得ることができました。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

本事業を実施していた期間は、あらゆる食品の値上げが続いていた時期となり、全般の物価上昇が常態化してしまいました。一方で、支援している困窮家庭の中で、賃金・収入が増えた家庭はわずかとなっており、実質賃金がマイナスの状態が続いています。このような状況下では、まず食費や光熱費等を抑え、子どもの体験が二の次、三の次となっている状態です。学習面については、学校や無料塾等でのサポートを受けることができますが、体験の機会については、家庭の余暇やレジャーとして見られているため、食や学習に比べると社会的なフォローも後手となっています。また、安全に体験を実施するには、食や学習に比べても一人あたりの費用や人手なども多くかかります。
本事業を通じて得られた知見を活かし、日常の生活を支え、アウトリーチの役割を果たす食の支援の拡充に取り組みつつ、今後も非日常の体験の機会を継続的に設けていく必要があると強く実感しました。

外部との連携実績

1活動デジタルクーポンの提供
実施内容地域デジタル通貨を提供している事業者と連携し、アプリを通じたポイントの提供、奨学金や給付金等の支援情報の提供を行いました。
結果・成果・影響等・本事業の食の支援について、計画通りにデジタルクーポンを発行し、エラーやトラブルもなく、利用することができました。 ・デジタルクーポンの管理運用に関するシステムパートナー:株式会社フィノバレー
2活動デジタルクーポンを活用した食事や食品の提供
実施内容東京東部7区(江東区、墨田区、中央区、江戸川区、葛飾区、荒川区、足立区)内にある協力加盟店から食事や食品の提供を行いました。
結果・成果・影響等本事業の食の支援について、精米店、精肉店、八百屋、弁当・惣菜店、飲食店等が協力加盟店となり、営業時間内に対応を頂きました。本事業開始前は44箇所となり、終了時は43個所となりました。加盟店数は2件増えたものの、お店側の事情で終了となったお店が3個所ありました。また、江東区教育委員会、江東区社会福祉協議会、江東区青少年交流プラザ、東京都ひとり親家庭支援センター、江戸川区ひとり親相談室すずらん、NPO法人キッズドア、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ、NPO法人ダイバーシティ工房、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンに協力をいただき、食の支援に関する利用者募集の公募を行いました。
3活動体験活動の提供
実施内容埼玉県秩父郡横瀬町、群馬県沼田市にある農園に協力を頂き、マスのつかみ取りや果物狩りを行いました。
結果・成果・影響等夏場は酷暑となったが、天候に応じた対応を頂き、計画通りに体験活動を実施することができました。
4活動体験活動の引率・サポート
実施内容元社会福祉協議会理事、元児童館館長など、地域で福祉活動に取り組まれてきた方にも、一緒に引率をしてもらい、参加家庭のサポートをしてもらいました。
結果・成果・影響等普段とは異なる環境で気軽にコミュニケーションを取ることができ、ちょっとしたお困りごとなどについても話すことができ、参加家庭からもとても好評でした。
5活動支援事業継続のためのファンドレイズ
実施内容助成終了後にも支援が継続できるように、認定ファンドレイザーの資格をもった専門家から寄付を集めていくための助言とサポートを頂きました。
結果・成果・影響等本事業の実績ともとに、150件以上の法人・企業に営業活動を行い、いくつか法人・企業にコンタクトを取ることができました。専門的な観点からサポートをしてもらったことで、今後のファンドレイジング活動のやり方を明確化することができました。

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)なし
広報制作物等あり
内容

・食や体験の支援の実施状況を月に2回前後のペースで掲載(https://tfk.yumeshokunin.org/article)
・食の支援に関する利用者募集を4~5月に江東区内にある放課後児童クラブ61校に募集チラシを配布
・4回実施した親子日帰りバスツアーに関する参加者募集を当法人のウェブサイト、Instagram、Facebook、X、連携団体のLINEを通じて実施

報告書等なし
イベント開催等なし

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て添付・公開をした
内容
変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった
助成金の対象経費に人件費が含まれる場合、当該人件費の水準等を公開をしていますかはい
内容
https://yumeshokunin.org/organization/
の「情報公開」→「各種規程等」欄

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますか
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
内容

各種規程類の整備

報告年度の会計監査はどのように実施しましたか(実施予定の場合含む)内部監査
内容

定款・経理規程に沿った監事による会計帳簿等のチェック

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかはい、受領しているが事業区分が明確に整理できている

シンボルマークの活用状況

自団体のウェブサイトで表示

イベント実施時に表示