事業完了報告
2026/01/09更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2023/12/26 | 終了日 2025/03/31 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 全国 | |
| 事業対象者 | コロナ禍や物価高の影響を受ける、社会生活に困難を抱える社会的養護を巣立ったケアリーバーの若者(児童養護施設、自立援助ホーム、里親出身者など)や、それに類する若者(虐待被害の経験者など) | |
| 事業対象者人数 | 約240人(平均30人×8団体) | |
| 事業概要 | 社会的養護のもとで育った若者(ケアリーバー)など親に頼ることができない若者たちは独り立ちしたときに社会的孤立や経済的困窮に陥りやすく、また、昨今の物価高はこうした若者たちの家計をより一層厳しいものにしており、若者たちは経済的困窮を引き金に様々な問題を背負いがちである。そのため、当事業では、若者たちが支援者からの支えを感じながら自分の生命、生活を前向きに考え、次の一歩を選択できるようになることを目指す寄り添い型の伴走支援を行う事業に資金的支援を行う。例えば、若者たちの困り感に一緒に向き合う支援、若者たちとつながり、つながり続けるための取り組み、住まいを失った若者が安心して生活を立て直せる短期・中期的な住まいの提供、公的制度や医療などの利用をサポートする支援、生きる意欲を創意工夫でサポートする取り組み、若者が働くことを伴走型で支える取り組みなど。これらは、2024年4月に施行される改正児童福祉法にて新設される社会的養護自立支援拠点事業と重なる部分があるが、初年度から十分に予算 化する自治体は多くないことが予想されるため、当事業にてニーズを顕在化させるとともに、こうした事業を実施できる民間団体を育成し、当該自治体に政策提言を行う。場合によっては、同拠点事業以外の若者支援施策も視野にいれて政策提言を行う。また、若者支援の充実や政策提言に不可欠な要素として、支援団体の連携体制づくり、ネットワーキングもこの事業の非資金的支援として重点的にサポートしていく。 | |
| 実行団体数 | 7 | |
事業の総括およびその価値
親からのネグレクトや虐待、親と折り合いが悪い、施設を出たあと帰住先がないといった親に頼れない若者たちを受け止め、それぞれの人生のスタート地点に立てるよう、7実行団体が創意工夫をして取り組んだ。シェルターなどの住まい支援、協力企業と連携しての就労支援、送迎付き保育の提供などにより危機的な状況を脱する支援をすべての団体ですることができていた。また、スタッフによる地道な関わりだけでなく周囲のボランティアに直接関わってもらう場を創り出すことで、若者たちが視野を広げ、自分の次のステップを考え、動き始めたエピソードが多数聞 かれた。ライフスキルや自身の身を守るために最低限必要な知識に関する独自の自立支援プログラムを開発し、対象者に合わせて活用した団体もあった。若者支援施策が強化されるよう、自治体の関連施策にパブリックコメントを提出し、次年度につなげようとする団体もある。
支援対象実人数:372人
課題設定、事業設計に関する振返り
親に頼れない若者たちは独り立ちのステージで困窮、孤立といった困難に陥りがちで、寄り添い型の伴走支援が必要という課題、事業設定は極めて妥当なものであったと考える。若者たちの困難に対応できる公的サービスが地域にない、アクセスしづらいなか、実行団体が安心、安全な場所を提供したうえで対話、相談を通して困り感を整理し、本人が必要とする支援を行っていた。生きる意欲を回復し、それぞれの次のステップを見つけだすための創意工夫のモデル、重要性も確認できた。
非資金的支援として実施した実行団体の学習交流会では政策提言、プログラム開発やファンドレイズなどのノウハウ共有を行い、良い学び合いができた。
資金分配団体のアウトカム目標「若者が自身の次のステップを考えるられるようになる」に関してスモールステップの成長、変化を事業終了時に考察することについて当初から明確に共通理解にしておけると良かった。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | 若者が深刻な経済的困窮、住居喪失などの危機的な状況から抜け出すことができる。 | |
|---|---|---|
| 指標 | 危機的な状況にあることを把握し、支援した人数 | |
| 目標値・目標状態 | 危機的な状況にあることを把握し、支援した人のうち8割 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 居場所支援、居住支援を行う実行団体につながる若者の多くが困窮していた。一時的な居住場所を提供することで危機的な状況を脱することができ、安心、安全な場で生活の立て直し、再スタートについてスタッフと一緒に考えることができていた。また、協力企業に若者たちが抱える困難を理解しても らい、若者たちが働いて収入を得られるようにした団体もあった。 | |
| 2 | 若者が伴走的な支援を受け、自分自身の次のステップを考えることができるようになる。 | |
| 指標 | 若者自身が自分自身の次のステップを選択したケース数 | |
| 目標値・目標状態 | 対面で伴走支援を行ったケースのうち6割 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 相談や様々な活動での実行団体スタッフやボランティアの大人との関りを通して、若者たちが視野を広げ、自分がしたいことを考え、行動を起こし始めた。シェルターを経てアパートでの一人暮らしを決意した人、アルバイトをし始めた人、生活保護を受けると決めた人、進学準備をして大学に入学できた人がいた。また、生育環境に不利が多い中、何事も諦めがちな若者たちが、自分がチャレンジしたいことを突き詰めて考えることに伴走してもらい、ダンスを極めたい若者がダンス教室の先生役の機会を得てチャレンジしたり、地元で若者会議の開催を企画した方もいた。 | |
アウトプット
| 1 | 【想定する目標の例】若者が困窮等の危機的な状況 を脱し、伴走的な支援を受け、自分自身の次のステップを考えることができるようになるために、 A)若者が 1.実行団体とつながり、あるいはつながりを回復し、困窮する前に相談でき、生きる意欲を取り戻せる 2.住む場所を確保できている 3.就労や自立のためのチャレンジができている 4.制度利用、医療受診、学修支援など上記以外の必要な支援を受けられている B)支援者が支援の質を向上するためのサポートを受けられている C)社会的養護等の若者について理解し支援する企業や地域の大人が増えている 等 | |
|---|---|---|
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | A-1①. 相談支援件数等 | |
| 目標値・目標状態 | 全体および各指標について各団体が掲げる目標値の90%(平均)を達成する。 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 各実行団体の項目によって達成度がさまざまであるものの、目標を超える成果が合った項目が多数あった。 | |
| 2 | 同上 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | A-1②. アウトリーチ数(食料支援、情報発信件数等) | |
| 目標値・目標状態 | 全体および各指標について各団体が掲げる目標値の90%(平均)を達成する。 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | メディアで広く紹介された団体はとくに相談件数が増えた。キャパシティを超えると丁寧な伴走支援ができないため、相談受付を一時的にとめる団体もあった。一方で、思うように新規相談数が増えない団体もあり、相談の導線を引くために関係機関にチラシを配布した団体があった。 相談をして住まい確保、就労へと進んだ人もいれば、支援者との対話を通して自身の障害を受容して福祉制度利用を決意した方もいた。 | |
| 3 | 同上 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | A-1③. 事業拠点内外での面白いプログラムの企画・実施(実施回数等) | |
| 目標値・目標状態 | 全体および各指標について各団体が掲げる目標値の90%(平均)を達成する。 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 若者が目にしそうなtiktokやSNSに相談を後押しするような内容を配信をするなど工夫した団体があった。若者が集まる都心の繁華街に出て安全な居場所、相談できる場所があることを知らせる活動をした団体があった。その他の団体も相談者の状況に応じて適宜アウトリーチを行っていた。 | |
| 4 | 同上 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | A-2. シェアハウスやシェルターの入居者数等 | |
| 目標値・目標状態 | 全体および各指標について各団体が掲げる目標値の90%(平均)を達成する。 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | ほとんどの団体がスタッフ以外の大人と若者たちが出会う機会を作っていた。事務所でしゃべる、企業ボランティアと楽しいイベントで一緒に過ごすなど。若者の自己対話により内面の変化を作っていくプログラムや、自分がやりたいことを見つけ出しチャレンジするのことに徹底的に伴走する独自プログラムを実施した団体は長足の進歩を引き出していた。学習交流会を通して、若者の周りに関係性を築き、それを用いて本人が自分の足で進んでいけるノウハウを蓄積できてきた。 | |
| 5 | 同上 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |

