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休眠預金活用事業
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事業完了報告

2026/01/19更新

事業概要

事業期間開始日 2024/03/11終了日 2025/03/31
対象地域全国
事業対象者

ひとり親家庭の親と子ども

事業対象者人数

約300人

事業概要

この事業は、ひとり親家庭の社会的孤立を軽減し、その子どもや親が「本のある地域拠点」で安心して交流でき、地域社会全体が安全で居心地の良い場所となること目指す。ひとり親家庭への生活サポートや相談支援を行なってきた団体と民営の図書館を運営する団体との連携を土台に実施される。ひとり親家庭支援団体は、拠点に図書館機能を持たせ、広く地域の人たちを巻き込んだ居場所整備を、民営の図書館は、ひとり親家庭支援の入り口機能(ひとり親と子どもが安心して立ち寄れ、地域の人とつながる居場所)の整備・強化を、それぞれ連携して行う。具体的な活動は以下の通り。



  1. 本のある拠点とひとり親家庭支援の連携事業


1-1. ひとり親家庭が立ち寄ることができる本のある拠点整備
1-2. ひとり親家庭向けの生活サポートや相談
1-3. 子ども向けのイベント・ワークショップ
1-4. 広報キャンペーンと地元イベントへの参加
2. ひとり親家庭支援の普及事業
2-1. 相談・連携のための支援者育成
2-2. 連携支援ガイドライン作成・配布
2-3. 他団体への活動成果報告会

実行団体数5

事業の総括およびその価値

本事業では、1,972人のひとり親とその子どもが本のある地域拠点に来館(総来館者数15,041人)、うち1,189人(68%)が繰り返し来館した。
ひとり親家庭が自宅から通える地域の居場所として、ライブラリー開館、食料・日用品支援、各種相談、学習支援、交流機会を提供し、多様な支援ニーズに対応した。全団体で支援者養成研修を実施し、その成果はこどもセーフガーディングや支援ガイドライン策定につながり、支援の質を向上させた点も重要な成果である。行政や他団体との連携も進み、地域ネットワークの形成が加速。支援や相談のハードルを下げる工夫を凝らし、「本のある場」でひとり親家庭が地域とつながる仕組みが構築された。本事業は、継続的で包括的な支援体制のモデルとなる価値ある取り組みとなった。

課題設定、事業設計に関する振返り

本事業では、ひとり親家庭とその子どもが直面する居場所の欠如や親の孤立、多様な支援制度の利用制約が明らかになった。誰もが立ち寄れる居場所(ライブラリー)は、「支援」や「相談」を入り口とするのではなく「本のある場」を依代にして継続的に「出会う」「相談する」「支援につながる」という可能性は示された。しかし、課題としては、新規利用者の獲得、外部機関との連携強化や、何より年度では全く区切れない子どもの変化や成長に寄り添う職員への安定した職場環境整備(適正な人件費、継続した専門性向上のための研修)が明確であった。「支援」「相談」を全面に出さずにひとり親とその子どもが地域とつながる場づくりに本のある居場所は大きく貢献するという事業設計は適切であったが、今後が多様なアクターとの連携の上、支援環境を整え、一層ひとり親家庭の孤立を防ぐ工夫を継続することが重要である。

今回の事業実施で達成される状態

短期アウトカム

1ひとり親家庭の子どもと親が快適に過ごせる居心地のよい空間が拡充されることにより、ひとり親家庭親と子どもの社会的孤独を軽減できる場所となる
指標来館者総数、ひとり親家庭の来館者数、ひとり親家庭のリピート来訪者数、イベント参加者数、支援者育成講習回数、ガイドライン完成・運用、他団体との連携回数、利用者/参加者アンケート
目標値・目標状態ひとり親とその子どもが「本のある地域拠点」で安心して交流でき(半数以上が繰り返し来訪)、居心地の良い場所となっている。
アウトカム:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトカム:考察ひとり親家庭の親と子どもが安心して過ごせる居場所が拡充され、社会的孤独の軽減に寄与したことが確認された。ライブラリーが単なる一時的な支援の場ではなく、継続的に利用できる拠点となり、利用者が自然に関係性を築ける環境が形成された。また、スタッフの支援体制の強化により、利用者が気軽に話ができる環境で、支援につながる機会が増えた。新規利用者の獲得には課題が残るものの、継続利用者の定着率の高さは、居場所の必要性と有効性を示している。

アウトプット

1整備された本のあるひとり親支援地域拠点に来訪者が繰り返し訪問するようになる
資金支援/非資金的支援資金支援
指標・ひとり親家庭リピーター訪問者数 ・子ども向けイベント・ワークショップ開催数、参加者数 ・民営図書館とひとり親家庭支援団体の相談・連携のための支援者育成講習会回数 ・講習会参加者数 ・支援者向け連携支援ガイドラインの発行部数 ・ガイドライン配布実績数 ・他団体への活動報告会の開催数 ・報告会への参加者数
目標値・目標状態1実行団体あたりのリピーター来訪者:延べ10人/月 ・1実行団体あたりの講習会参加延べ4回 ・講習会参加者数:述べ20人 ・アンケートおよび聞き取り回答者の7割から高評価を得る
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察・本事業の資金的支援によって、支援を必要とする人々が繰り返し相談に訪れるような、頼りになる相談支援体制が構築されたと評価できる。具体的な数値目標の達成度合いは次の通り。 ・実行団体あたりのリピーター参加者数: 延べ33人(目標+23) ・実行団体あたりの講習会参加延べ回数: 6回(目標+2) ・講習会参加者延べ人数: 39人(目標+19人) ・アンケート回答者*からの高評価: 8割以上(目標+1)*例:京都での4団体合同報告会 上記のように目標を上回る成果を示している点に加え、こどもセーフガーディングやひとり親支援に関するガイドラインの制定がされたことも大きな成果。
2整備された本のあるひとり親支援地域拠点に来訪者が繰り返し訪問する状態を持続させられる運営体制ができる
資金支援/非資金的支援非資金的支援
指標・実行団体が拠点とする地域資源(本のある拠点とひとり親支援団体等の連携)リスト ・本のある拠点とひとり親家庭支援団体の連携覚書 ・業務フローチャート ・会計報告仕組み ・定期報告の仕組み ・ひとり親家庭の子ども・親の満足度
目標値・目標状態・実行団体ごとにクラウドで地域資源リスト、覚え書き、業務フローチャートが共有され、すべての団体で毎月、会計報告、定期報告がされる。 ・聞き取りまたはアンケート結果でひとり親家庭の来訪者7割から高評価を得る
アウトプット:結果計画より進んでいる/計画どおり進んでいる
アウトプット:考察・来訪者が繰り返し訪問する状態を維持させられる運営体制づくりに向けて、地域資源リスト、子どもセーフガーディングや連携ガイドライン策定に向けての助言、毎月の進捗・会計・予算管理といった伴走支援を行なった。 ・実行団体からは、丁寧な支援や適切なアドバイスが評価され、今後も定期的な伴走支援を希望する団体が複数あった。 ・ひとり親家庭のアンケートでは100%が満足と回答。満足度は高い一方、初期アクセスに困難を感じた人も多く、今後はよりアクセスしやすい場となるよう取り組みの継続が求められている。 ・事業終了後(2024年4月現在)も、各団体の実施可能な範囲で、ひとり親支援事業を継続中である。

活動

1(1) 本のある拠点とひとり親家庭支援の連携事業: 下記1-1.~1-4.は各実行団体が主体となり独自性をもって企画運営する。下記には実行団体の類型(A~D)ごとの実施モデルを記載した。 1-1. ひとり親家庭が立ち寄ることができる本のある拠点整備: A.本のある拠点があるひとり親支援団体→拠点の追加整備(必要な場合)の実施と年間計画策定 B. 新たに本のある拠点を開設するるひとり親支援団体(夏季または冬季休暇前に開設可能なケースのみ)→民営図書館設置準備研修受講や環境整備を含む年間計画作成と実施 C. 本のある拠点(ひとり親支援団体以外)→拠点の追加整備(必要な場合)の実施と年間計画作成、ひとり親家庭支援者養成講座受講 D. 子どもの居場所(ひとり親支援団体でも本のある拠点でもない)→拠点の追加整備(必要な場合)の実施と年間計画作成、ひとり親家庭支援者養成講座受講
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要3つの実行団体で拠点整備事業(本の購入、本棚設、階段手すり、冷暖房機器などの設置)が行われ、特に夏・冬の長期休暇時、ひとり親家庭の子どもたちが長時間、居心地よく過ごせる環境が整った。新しい本や設備の購入の際に、子どもやひとり親に希望を聞くなどの配慮があり、居場所の繰り返し利用につながった。
2 1-2. ひとり親家庭への生活サポート・相談: A→年間計画に沿って家事・育児サポート、食料・物品支援、相談業務を実施 B→同上 C,D→ひとり親家庭支援団体との連携の上、相談会等の支援を実施
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要全実行団体で食料・日用品支援、相談支援、交流を組み合わせて実施し、1団体では訪問型サポートも実施した。子ども食堂やお弁当配布を通じた食料支援、日用品提供の場や本の読み聞かせ等のイベントと育児・生活・教育相談を同時開催。新しくオンラインに特化した相談やシングルマザー同士が出会える場づくりの試みも行なった。これらを休眠助成以外に地域資源と連携して実施したことで、助成終了後もサポートは継続できている。
31-3. 子ども向けのイベント・ワークショップ A~D共通:0~5歳通年で実施、6〜12歳と13~18歳は夏季と冬季休暇中に集中的に実施 (最大8回)
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要学習支援やレクリエーション、地域の図書館と連携した読み聞かせや親子イベント、長期休暇中のオープンデーを設け、自由研究や工作のワークショップを実施。ひとり親家庭の子どもが無料参加できる機会を設け、学びや交流の場を広げた。特に冬休み、春休みの長期休暇時の居場所や子ども食堂へのニーズが高い一方、それらが安定的に提供できるような財源確保(人件費)が全団体共通の課題。
41-4.広報キャンペーンの展開と地元イベントへの参加 A~D共通:夏季と冬季休暇前に集中的に実施(SNSでの広報、地元メディア掲載、プレスリリース、地域イベント参加でのパンフレット設置など)
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要プレスリリース、メディア取材、SNS発信を強化し、認知度向上に努めた。相談会や食料配布、交流会のある団体はSNSやちらし等で毎月の情報発信をした。地域イベントに新たに参加したり、既存の行政・民間の協働関係を活かした地域イベントに多数参加。新たに実行団体同士で両面印刷ショップカードの作成、アプリ会社やオンライン相談を行う企業との連携を通じて、ひとり親家庭支援の理解促進を図った。
5(2) ひとり親家庭支援の普及事業 下記2-1.~2-3.は各実行団体と分配団体とが協議し、企画運営する。下記には実行団体の類型(A~D)ごとの実施モデルを記載した。 2-1. 相談・連携のための支援者育成講習会(オンラインまたは対面) A: B~Dの団体への情報提供や講師および新しいボランティアやスタッフの講習会参加 B: 本のある拠点との連携内容について講習会 C,D: ひとり親支援団体との連携内容について講習会
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要支援者によって異なっていた子どもへの対応に関し、子どもの権利と子どもセーフガーディング研修を実施。全団体で居場所での大人が守るべきルールを言語化した「子どもとの約束」が完成(1団体:2023年度から既に運用済)。ひとり親支援者向け研修、メンタルヘルス研修を実施したり、支援者養成のための動画教材を完成させた団体もあった。地域の専門家の手を借り、地域連携の強化と支援の質向上を同時に行なった。
62-2. 連携支援ガイドライン作成・配布 A: 団体独自のガイドライン作成(印刷とPDF) B~D共通: Aを参考にガイドライン作成(印刷とPDF)
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要支援者個人の子育て経験や意見、代表個人の思いが頼りの支援ではなく、本のある居場所では「子どもの権利」を拠り所にし、「子どもとの約束」を完成させた。ルールづくりには居場所を利用する子どもの声を必ず反映させた。自団体以外に、地元の社協や子ども支援団体を含めてひとり親支援研修を実施し、ひとり親支援ガイドラインを作成したり、他団体との連携時やメディア対応時に使用するガイドラインを完成させた団体もあった。
72-3. 他団体への活動成果報告会(対面またはオンライン) A~D共通:全国の本のある拠点、ひとり親支援団体、拠点地域の行政関係者を中心に声をかけて実施(全実行団体で1回開催、団体別に開催を希望する団体は最大1回)
資金支援/非資金的支援資金支援
活動結果計画通り
概要事業終了時までの活動報告会は延べ8回。関西の実行団体3団体が合同で報告会や活動パネル展示会を開催したり、地元の連携団体との定期会議での報告、他団体が主催するイベントでの報告、その後の動画配信などの工夫があった。各報告会では、活動概要、成果、課題が共有された。2025年3~6月にかけて、各団体総会等での報告会も予定されている。
8(1) 本のある拠点とひとり親家庭支援の連携事業: 1-1. 実行団体が拠点とする地域資源(本のある拠点とひとり親支援団体等の連携)の可視化(オンラインまたは対面) A〜D共通:リスト等を作成し、実際に連携経験のある団体/機関と情報共有
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要ひとり親支援団体のネットワークがないところではネットワーク設立支援を行ない、情報共有の場を持った(京都)。またひとり親支援団体が地域にない団体では、既存の子ども支援団体との連携や中間支援団体との情報共有を推奨し、連携にあたっての障壁について、月次ミーティングでの聞き取りや助言を行なった。
91-2. 本のある拠点とひとり親家庭支援団体の連携覚書作成 (オンライン) A~D: 自団体以外の拠点と連携の可能性がある場合に覚書作成、その支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果ほぼ計画通り
概要自団体内部の支援者間のルールが言語化されていない団体が4団体あり、まず自団体内での子どもの権利を中心にしたルールづくりに注力し、他団体との連携覚書作成には至らなかった。残り1団体(たねとしずく)は、連携覚書(他団体との情報共有時、メディア対応時)に関して、子どもの権利条約フォーラムin東京(2024年)への共同参加を通じて視察の機会を提供。
10 1-3. バックオフィス機能(業務フロー、会計、報告システム)強化支援(オンラインおよび現地支援) A~D共通:業務フロー洗い出し、新たな支援者研修のための言語化されていないノウハウの言語化、ひとり親家庭支援に注力できる会計、報告システムの構築と支援
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要(全団体共通)月次ミーティングでの報告様式を決め、毎月の進捗と成果を可視化し、中間・最終報告の作業を簡素化した。また中間・最終報告時には特に業務フロー(休眠預金手続き関連)を共有した。会計は特に予算管理に力を入れ、事業スケジュールと予算執行に無理が生じないよう配慮した。
11(2) ひとり親家庭支援の普及事業(オンライン) 2-1.本のある拠点づくり関連研修やアドバイザー派遣の調整 A: 希望する団体のみ講習会やアドバイザー派遣の紹介、調整 B~D:講習会やアドバイザー派遣の紹介、調整
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果ほぼ計画通り
概要(全団体共通)本のある拠点を新設する団体はなく、研修やアドバイザー派遣を希望する団体がなかったため、実施がなった。
122-2. ひとり親支援者養成講座受講、講師派遣の手配の調整(オンライン) A: 希望する団体のみ講習会やアドバイザー派遣の紹介、調整 B~D:講習会やアドバイザー派遣の紹介、調整
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果ほぼ計画通り
概要シングルマザーサポート団体全国協議会が発表するひとり親家庭の現状調査結果や研修情報の共有を定期的に行う。ひとり親支援者養成研修を希望した団体には、地元のリソースパーソンによる講座を助言し、市のひとり親家庭支援センターの相談員が講師になりガイドライン作成支援も受けた。
132-3. 当事者の声を聴く技術研修(メタファシリテーション)と事後コーチング(オンラインおよび現地支援) A~D共通:当事者の声を聴く技術研修(現状把握方法:2.5時間x2回、課題分析方法:2.5時間x2回  団体ごとに開催または複数団体で開催)、活動現場での実践のためのコーチング(1.5時間/団体x8回)
資金支援/非資金的支援非資金的支援
活動結果計画通り
概要当事者の声を聞く技術(メタファシリテーション)研修(延べとその事後コーチングを、対面/オンラインと各団体のニーズに応じて実施した(2団体は2023年以前に受講済ため事後コーチングのみ実施)。月次ミーティングや業務連絡の合間に、事後コーチングを継続して行なった。ひとり親からの聞き取り、子ども同士のトラブル対応、支援者間の通常のコミュニケーションに活用されている。

資金分配団体としての非資金的支援の取り組み総括

1取り組み実行団体が拠点とする地域資源(本のある拠点とひとり親支援団体等の連携)の可視化と情報共有(1-1)
取り組み分類ネットワーク形成・CI促進支援
到達度想定以上の成果があった
概要および考察本のある拠点とひとり親支援団体の連携を可視化し、情報共有を促進するネットワーク形成が進んだ。京都では、ひとり親支援団体のない地域で新たなネットワーク設立を支援し、情報共有の場を設けた。また、支援団体が存在しない地域では、既存の子ども支援団体や中間支援団体との連携を推奨。連携の障壁については、月次ミーティングで聞き取りを行い、助言を重ねた。これにより、想定以上の成果が得られた。
2取り組み連携覚書作成 :自団体以外の拠点と連携の可能性がある場合に覚書作成(1-2)
取り組み分類ネットワーク形成・CI促進支援
到達度想定通りの成果
概要および考察ネットワーク形成・CI促進支援において、団体内部のルール整備が課題となり、4団体では自団体内で子どもの権利を中心としたルール作りに取り組んだ。一方、他団体との連携覚書作成には至らなかった。残り1団体はすでの子どもセーフガーディングを運用していたため、他団体との情報共有やメディア対応に関する覚書を作成し、「子どもの権利条約フォーラムin東京(2024年)」への共同参加を通じた視察の機会を提供。これらの結果から、内部のルール整備が連携促進の前提となることが明確になった。
3取り組みバックオフィス機能(業務フロー、会計、報告システム)強化支援(1-3)
取り組み分類組織基盤構築支援
到達度想定以上の成果があった
概要および考察バックオフィス機能強化支援により、各団体のニーズに即した月ごとの報告様式を導入し、月次ミーティングで進捗と成果を可視化することで、中間・最終報告の作業を効率化できた。特に団体ごとに、休眠預金手続きに関する業務フローを共有し、手続きの円滑化を図った。また、会計面では予算管理を強化し(事業ごとの予算管理を実施していない団体が多かった)、事業スケジュールと予算執行のバランスを重視することで、無理のない運営を可能にした。これらの取り組みは、組織基盤の安定化に大きく寄与したと考える。
4取り組み本のある拠点づくり関連研修やアドバイザー派遣の調整(希望団体のみ 2-1)
取り組み分類事業運営支援
到達度成果がなかった/中止等
概要および考察月次ミーティングを通じて、2団体にライブラリー環境整備に対する技術的支援の必要性が判明したものの、各団体が自力でアドバイザーを見つける等対応策が可能だったので、弊会の介入は中止としました。 丁寧なヒアリングと定期的な現場訪問を通じた実情の把握は、資金的/非資金的支援のベースとして必須であり、資金分配団体と実行団体の関係の非対称性に無自覚な前のめりの助言や提案を避けることは、実行団体との信頼関係の構築に直結すると実感できました。
5取り組みひとり親支援者養成講座受講、講師派遣の手配の調整(希望団体のみ 2-2)
取り組み分類事業運営支援
到達度想定通りの成果
概要および考察ひとり親支援者養成講座の受講や講師派遣の調整支援により、支援団体の専門性が向上した。シングルマザーサポート団体全国協議会の調査結果や研修情報を定期的に共有し、支援の質の向上に寄与した。希望団体には、地元のリソースパーソンによる講座を助言し、市のひとり親家庭支援センターの相談員が講師を務めることで、地域の事情を考慮した具体的な支援ノウハウが蓄積された。さらに、ガイドライン作成支援を受けたことで、持続可能な支援体制の基盤が強化された。
6取り組み当事者の声を聴く技術研修(メタファシリテーション)と事後コーチング(2-3)
取り組み分類組織基盤構築支援
到達度想定以上の成果があった
概要および考察組織基盤構築支援として、当事者の声を聴く技術研修(メタファシリテーション)を3団体に実施。残り2団体は前年度に受講済みであったため、事後コーチングを実施。複数回の研修の場だけでなく、月次ミーティング等での継続的な事後コーチングにより、支援者がひとり親からの相談を受けた際の聞き取りや、子ども同士のトラブル対応、支援者間のコミュニケーションで活用できるようになった。日々の現場での課題解決や支援者間の共通理解の促進に貢献できていることから想定以上の成果があった。また報告会や事業監査で、同技術をスタッフ間のコミュニケーションの核にしているという2団体の事例から、同技術に関心を持つ団体が増えた。

想定外のアウトカム、活動、波及効果など

本事業は「誰でも来れる場所」のライブラリーを拠点に実施したが、結果的にひとり親の子どもが多く訪れ、なかでも繰り返し訪問する子どもたち(不登校だったり、親の抑圧から逃れたい子どもなど)の数少ない居場所として必須のインフラとなっていることが判明した。子どもにとっては、ライブラリーには本がありのんびりすることもでき、宿題やテスト勉強ができ、晩御飯が食べられたり、ゲームやイベントなど体験の機会がある。親にとっては食料や日用品の配布やさまざまな相談の入り口となる場所となった。またライブラリーでのイベントを通じて、ひとり親同士が横につながる機会も提供され、そのことが「ひとり親にとっての安心できる場」につながっていくことも判明した。
関西の実行団同士では合同報告会の準備や当日のつながりを通じて、学び合いの機会があり、協力関係が構築された。また京都の2団体は、事業開始直後から連携を始め、京都市内のひとり親支援を行う13の団体(行政も含む)とのネットワークが形成され、事業終了後も情報共有や協働が続いている。

事業終了時の課題を取り巻く環境や対象者の変化と次の活動

課題を取り巻く変化

ライブラリーのひとり親家庭のリピート利用率増加から見えてきたものは、ひとり親家庭の子どもたちが直面する多様な課題―自傷行為、虐待、発達障害、不登校、外国籍、家庭の困窮や不安など―だった。これらの支援を一団体で担い続けるのは限界がある。そのため、本事業では、各団体が地域イベントや学習会を通じ、多様なステークホルダーと日常的に情報共有の場や連携の機会を持ち、緊急の支援や日常の支援を可能にする体制を築いてきた。しかしそれらの多くが、支援団体の各職員の善意や献身に大きく依存する状態で、支援者の安定した職場環境の整備(人件費、管理費の確保、支援の質向上のための継続的な研修など)には至っていない。
また、支援が必要な家庭ほど情報が届きにくい現状を改善していくために、学習・食料・家事育児支援、多言語対応などの支援に加え、「出会い・つながる場」の重要性が明確になった。今後は子ども食堂やユースセンターなどを拠点に、行政、企業、教育機関、他の支援団体を交えた継続的な支援の仕組みづくりが求められる。

本事業を行なっている中で生じた実行団体や受益者のもっとも重要な変化だと感じた点

さいたまユースでは、本のある居場所で、音楽や演劇、ボードゲームといった活動も実施し、子ども同士がつながり、自己表現やコミュニケーション能力が向上する傾向が確認された。孤立していたひとり親とその子どもたちが、地域の人と出会い、つながる場所を持つことができた。
happiness、さいたまユース、たねとしずくでは、緊急時(リストカット、オーバードースなどの自傷行為、親による虐待など)の連絡を受けることもあるが、緊急時以降もつながり続ける場としてひとり親とその子どもたちに認知されたことは大きな変化だった。
全団体共通だが、夏・冬の長期休みに、ひとり親家庭の子どもたちが安心して過ごせる場としての認知度が高まった点が大きく、事業終了後の春休みも子どもたちが継続して訪問している。
全体共通の実行団体の重要な変化として、子どもの意見を反映させた居場所のルール(大人が子どもに約束すること)が言語化され、その運用がスタートしたことだ。

外部との連携実績

1活動ネットワーク構築・連携
実施内容実行団体間の情報共有やノウハウの共有、地域に根差した支援情報の共有、地域団体(自治体、他の支援団体、民生・児童委員、社協)、行政機関(地域連携課、子ども支援課など複数の市町村行政、府や県、国など)、企業、専門機関との連携強化
結果・成果・影響等多様な支援ニーズ、地域に根ざした支援の実現、連携による支援の質の向上
2活動イベント・研修
実施内容地域の社協や子ども食堂を巻き込んだ合同研修、他団体主催のイベントへの参加や協力、ひとり親対象/子ども対象のイベントの実施にあたっての企業や行政との連携、プレスリリースを通じた広報、メディア掲載
結果・成果・影響等専門的な知識・ノウハウの向上、地域全体での認知度の向上、ひとり親同士がゆるやかにつながることで得られる安心感
3活動相談・支援
実施内容ひとり親支援にあたっての複数の専門機関との連携、オンライン教育相談会社やひとり親家庭向けアプリ会社との連携、食料・日用品の定期的支援、ひきこもり・不登校への相談、家事・育児訪支援、ライブラリーでの子ども食堂への企業連携や寄付者とのつながり
結果・成果・影響等関係機関との連携強化、寄付者とのつながりづくり、支援の効率化

広報実績

メディア掲載(TV・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等)あり
内容
広報制作物等あり
内容

・実行団体3団体と共催での報告会チラシ(2025年2月22日)
・パネル展示会(2025年2月19日〜22日)*添付資料(公開)参照

報告書等あり
内容

・自団体のニュースレターで本事業の開始を紹介
https://muranomirai.org/wp-content/uploads/Newsletter-202404.pdf
・自団体のニュースレターで本事業の報告(2025年7月発行予定)

イベント開催等あり
内容
・子どもの権利条約フォーラム2024in東京 実行団体2団体(knocks!horikawa運営委員会、たねとしずく)+ムラのミライで分科会参加
https://www.savechildren.or.jp/tokyo-crc-forum/pdf/Report_CRCF_Tokyo_2024.pdf 
・関西の実行団体3団体と共催で報告会の実施(京都)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000156265.html"

ガバナンス・コンプライアンス実績

規程類の整備状況

事業期間に整備が求められている規程類の整備は完了しましたか完了
整備が完了した規程類を自団体のwebサイト上で広く一般公開していますか全て公開
内容
変更があった規程類に関して報告しましたか変更はなかった

ガバナンス・コンプライアンス体制

社員総会、評議会、株主総会、理事会、取締役会などは定款の定める通りに開催されていますかはい
内部通報制度は整備されていますかはい
内容

内部に窓口を設置(内部通報規程及びコンプライアンス規程に定めている)

利益相反防止のための自己申告を定期的に行っていますかはい
コンプライアンス委員会またはコンプライアンス責任者を設置していましたかはい
ガバナンス・コンプライアンスの整備や強化施策を検討・実施しましたかはい
団体の決算書類に対する会計監査はどのように実施しましたか。本事業の最終年度の状況を選択してください(実施予定の場合含む)外部監査および内部監査
内容

事業終了後に公認会計士による外部監査を実施。

事業完了した実行団体へ事業完了時監査を行いましたか実施済み
内容

・評価できる点:多機能な居場所の機能を最大限活用した形でひとり親支援ができた。ライブラリーをハブに、地域との連携も実現。スタッフ間のコミュニケーションの核にメタファシリテーションが活用されていた(団体もあった)。
・課題:多様な人が集まる場での「ひとり親にとっての安心」への配慮が必要。子どもの成長や変化は年度で区切れるものでなく、職員が長期的・安定的に働き続けられる環境整備が必須。

本事業に対して、国や地方公共団体からの補助金・助成金等を申請、または受領していますかいいえ

その他

本助成を通じて組織として強化された事項や新たに認識した課題、今後の対応/あればよいと思う支援や改善を求めたい事項など

1)支援を必要とする子ども・世帯の増加
フードパントリー(食品等の配布)や、居場所での食事の提供(子ども食堂等)の対象者が増加し続けている。寄付や寄贈の募集をしても必要量が集まらない場合は、食材の単価を下げる(安価な調達先に変更する)、提供回数を減らすという対応を取らざるを得ないケースがあった。
2)財源ごとに異なる仕組みや要請への対応
子ども支援の助成・補助・委託事業が増える中で、一定の実績を持つ団体ほど、行政やドナーからの新たな要請や照会に時間をとられている。また、活用している資金源ごとに要求される報告事項など仕組みが異なるため、団体全体の会計や報告に加えての「二重の手間」となり、スタッフの事務的な負担が増している。団体内の事務フローの見直しだけでは解消できない点については、行政を含むドナーへの提言を検討する。
3) 人が集まりすぎない居場所の意義
人が集まり過ぎない居場所のニーズが明らかになった。人口2.5万人以下で、地縁の人間関係が密接になりうる環境では、既存のセーフティネットではカバーできないニーズに配慮した支援が必要。

シンボルマークの活用状況

自団体のウェブサイトで表示

広報制作物に表示

イベント実施時に表示