事業完了報告
2026/01/20更新
事業概要
| 事業期間 | 開始日 2024/03/15 | 終了日 2025/03/31 |
|---|---|---|
| 対象地域 | 沖縄県 | |
| 事業対象者 | 沖縄県内の経済的に困窮家庭、ひとり親家庭、多子世帯の子どもで不登校児童・生徒及び長期欠席者、及び支援が必要なこれらの子どもの保護者。 | |
| 事業対象者人数 | 事業対象者人数 | |
| 事業概要 | 沖縄県内で、不登校の児童・生徒を支援する施設を運営する組織等を支援・育成し、不登校の児童・生徒へ学校以外で学びや体験ができる場所や相談サポート等を緊急的に構築し、地域のこれらの子ども達への支援として社会医療法人葦の会オリブ山病院地域連携室(児童思春期精神科)及び子ども支援・政策研究所(琉球大学)と協働し、地域の不登校の児童・生徒を支援する組織・団体等によるコレクティブインパクトチームの形成と地域連携ネットワーク構築を目指す事業である。 | |
| 実行団体数 | 6 | |
事業の総括およびその価値
本事業は、沖縄県内の不登校支援体制の緊急構築と関連組織の支援・育成を目指し、不登校児童生徒の状況把握と個別支援計画作成のため、家庭・学校・専門機関等との情報共有を図り、寄り添うサポート体制構築を目指すと共にICT活用によるオンライン学習支援の実施、実行団体向け研修会等を通じ、支援の質向上と体制確立を図り、学校及び各学校区コミュニティとの連携や支援組織の協働により、地域全体での課題解決と集合的インパクトの最大化を目指した。
総括として、不登校児の支援事例の少ない沖縄県において、不登校の深刻な現状に真摯に向き合い、関係機関と連携しながら柔軟かつ継続的な支援体制の構築に向け重要な一歩を踏み出せた。今後の課題は、登校困難な児童生徒への新たな学びの場となる教育ICTを活用したオンライン配信拠点学習支援プログラムの設置であり、地域全体の支援体制の質向上に貢献することが期待するものである。
課題設定、事業設計に関する振返り
沖縄県内では不登校支援の前例が少なく、事業開始当初、児童生徒の状況は想定以上に深刻であり、ほぼ手探りの状態ながら、研修会を軸としたサポートを実施。事業を進める中で新たな課題が見えてきた際には、研修会を追加するなど柔軟に対応できた。
当初は不登校による学習の遅れを補う支援を想定していたが、実際には、児童生徒はすぐに勉強に取り組める状態ではなく、生活支援といった基礎的な部分から整える必要であった。さらに、発達特性を持つ子どもへの対応や、長期休み明けでは関係性がリセットされるなど、不登校の児童生徒特有の不安定さも見られた。そのような状況下でも粘り強く支援を続けた結果、一定の成果が得られたのは、研修会をはじめとした支援力・スキルの向上によるものと感じる。
今回の事業実施で達成される状態
短期アウトカム
| 1 | 不登校の児童・生徒の困難や問題への手立てを子どもと共に考えてゆける場所の構築し子ども及び親の安心感を向上させ、家庭・学校・支援機関の連携による支援が強化できている状態 | |
|---|---|---|
| 指標 | ①子ども・親の支援事業への参加意欲・参加率・継続率、理解・信頼感の向上 ②困難や問題の明確化と共に解決に向けた具体的な行動計画の作成及び情報共有の場の構築、関係者による会議の実施 ③家庭・学校・支援機関・地域団体との情報共有と信頼関係・協働支援の構築と共に支援会議の実施 | |
| 目標値・目標状態 | ①子ども・親が援事業へ積極的に参加している状態 ②月1回以上の開催 ③月1回以上の実施 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 各実行団体によって特色はみられるものの、これまで行き場のなかった不登校児童・生徒が自身を肯定してくれる場所や人々に出会ったことで興味関心を見つけるだけでなく、その興味関心を支えてあげられる環境が構築できている。 研修会の実施によって様々な見方が身につき、こどものエネルギー補給を実現できたことによって、こどもたちなりの進歩・変化も見られた。こどもたちの成長は保護者のエネルギー補給へとつながり、悩みを抱えていた保護者も頼れる場所を見つけること ができたおかげで心の余裕が生まれ、不登校支援をよい循環へと導くことができた。 これらの結果が得られたのも、ひとえに地域のネットワーク構築を実現させただけでなく、時には居場所が中心となって繋げ役となることで、地域・保護者からの信頼を得ることができたからである。 | |
| 2 | 不登校の児童・生徒を支援する施設等が組織として不登校問題に対応ができる状態で、虐待を含む高リスク対応ができると共に、多くの子どもに寄り添い、関係者や保護者に対してもメンタルケアのサポートができる状態 | |
| 指標 | ①児童生徒各々の登校状況・学習状況・心理状態・自己肯定感・社会性の確認と共に個別支援計画書の作成 ②教員、スクールカウンセラー、医療機関、行政機関、校区コミュニティとの連携グループの構築、関係者間の信頼関係構築を下にしたケース会議の開催 ③定期的なメンタルヘルス講座の実施、子育て支援講座の実施、家庭環境の確認と共に改善に向けた支援の実施 | |
| 目標値・目標状態 | ①個別支援計画書に基づいて支援が実施されている状態 ②月1回以上の実施 ③月1回以上の実施 | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 各実行団体にて、組織として不登校問題に対応できる状態となっており、深刻なケースに対しても関係機関と連携を綿密に とりながら、その居場所ができるベストなサポートを模索し実行している。 結果、こどもだけでなく、その保護者を含めたメンタルケアをサポートできており、子どもの成長や変化が保護者や学校の先生、さらには居場所スタッフのエネルギー補給へとつながり、良い循環が生まれている。 特に各団体が学校現場とのケース会議や連携支援できていることは大きな成果である。学校が年度で人事異動や切れ目が生まれてしまうことから、居場所が地域の中で切れ目なく子どもと向き合い続けることは、学校や家庭からしても大きな連携といえる。 | |
| 3 | 不登校の児童・生徒を支援する施設を運営する組織等及び学校や地域の支援者を対象に専門家・組織による円卓会議での研修会や勉強会を地域支援ネットワークとして開催できている状態 | |
| 指標 | ①専門家・組織による円卓会議での研修会や勉強会を地域支援ネットワークとして開催した回数 ②施設職員、教員、地域支援者、専門家の高い参加率 ③専門家・組織による円卓会議での研修会や勉強会により知識・スキルの向上、ネットワークの活性化、支援体制の強化による改善がなされている | |
| 目標値・目標状態 | ①月1回以上の研修会・勉強会の実施 ②研修会・勉強会毎の出席率が80%以上 ③アンケートで知識・スキルに変化が見られること | |
| アウトカム:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 事業期間中に専門家による研修会を計13回、療育支援研修を計5回、県外視察を計1回実施。内容として、こども支援・政策研究所の本村先生による「こども支援における重要な視点、アプローチ方法」をベースに展開しながら、事業期間中に見られた居場所の困り感・課題感を拾い上げ、それらの解決に向けてサポートするようなアンガーマネジメント、療育支援などの研修会も適宜加えることで、総合的な支援力の底上げを実現することができた。 そもそも居場所が主体となって参加するような研修会が少ないことからも、11月からの合同研修会では勉強だけでなく、横のつながりやネットワークを意識した研修会も取り入れることで、支援体制がより強化された。 | |
| 4 | 子どもへの支援組織等の協働により課題の解決に取り組み、地域における集合的なアウトカムを最大化することを目的としたチームの運営がなされている状態 | |
| 指標 | ①チーム運営会議が定期的に実施され、情報共有と役割分担により課題解決に積極的に取組んでいる ②子どもたちの状況改善、地域全体の意識改革がなされている | |
| 目標値・目標状態 | ①定期的に会議が実施されている ②毎月のアンケート調査の結果が肯定的である ③毎月のアンケート調査の結果が肯定的である ④毎月啓蒙活動が実施されている | |
| アウトカム:結果 | 計画よ り進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトカム:考察 | 各居場所にて、実行団体を起点としたネットワーク構築が図られ、結果として、不登校問題を抱えるこどもと保護者に対して最善を提供できるような状態となっている。 学校関係者との情報共有やMTGは定期的に開催されており、実行団体の事業アウトカムへ向けた活動に影響を受け感化された地域の関係機関が一体となって、一つの方向を向けるようになった。 結果、地域の教育を考える上で実行団体の存在が必要不可欠なものとなっており、それぞれの地域の特色はあるものの実行団体を中心としたチームの運営がなされている状態となっている。 | |
アウトプット
| 1 | 不登校の児童生徒への支援事業において、寄り添支援員、学校担当者、自治体担当課による連携関係づくりが図られ、支援の円滑化と効果向上につながっている状況 | |
|---|---|---|
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | ①連携会議開催 ②毎月での情報共有 ③連携関係の構築により、支援の円滑化がなされ効果の向上により登校日数、登校意欲が見受けられる状態 | |
| 目標値・目標状態 | ①20件程度を目安に実施 ②20件程度を目安に実施 ③毎月のアンケート調査の実施 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 各実行団体にて地域の行政・学校や子ども支援の関係機関(児童館・スクールソーシャルワーカー・青少年センター等)との情報交換や連携を実施。 実行団体として繋がりの弱いセクターに関しては、当団体が間に入り、繋ぎの支援も行なった(うるま市の2団体)。また、事業当初は学校からの拒否感が見られた居場所も事業完了期には学校側からのニーズが出るようになり、2月末時点で学校現場やSSWとの面談や情報共有などのつながりを持ち、支援に活かせている。 結果、不登校支援における地域の理解を十分に得ることができ、地域の協力体制が構築され、支援の円滑化や効果の向上が見られた。 | |
| 2 | 専門家による講習会・勉強会及び協議会等の実施により、不登校の児童・生徒を支援する施設を運営する組織等のスタッフのスキルアップがなされている状況 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | ①講習会・勉強会及び協議会等の実施により、スタッフによる児童生徒への支援内容において改善がなされ、課題解決に積極的に取組んでいる ②講習会・勉強会及び協議会等の実施により、関係機関との連携が円滑になされている | |
| 目標値・目標状態 | ①講習会・勉強会毎でのアンケート調査の実施 ②毎月のアンケート調査の実施 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 平均で月1回以上の研修会を実施しており、これまでに当事業の期間中に専門家等による研修会を計13回、県外研修を計1回実施。講師には大学教授・病院長をはじめ、県外支援機関などそれぞれの分野の専門家に依頼。内容は支援スキルやこどもに関する知識、考え方、アセスメント作成だけでなく、事業に取り組む中であがる課題も反映させた。 また、11月からは合同研修会を計4回実施。実行団体のみならず、他の資金分配団体とも連携し、県内で活動する行政の関係者や活動団体等にも呼びかけ、横のつながりづくりを意識した研修会とした。 アンケートでは、研修会の満足度や課題、要望を細かに確認することによって次回の研修会へと反映し、結果、研修会で学んだことが日々の支援活動に積極的に反映できている。 | |
| 3 | 教育ICTを活用した不登校児童・生徒支援として、オンライン配信拠点学習支援プログラムが設置されオンライン学習支援員などによるオンライン学習を実施できている状況 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 指標 | ①教育ICTを活用できる学習環境整備が整っている ②教育ICTを活用したオンライン学習が実施出来てい る ③教育ICTの活用より学習意欲、学習状況、学力向上が見受けられる | |
| 目標値・目標状態 | ①毎月でのアンケート調査の実施 ②毎月でのアンケート調査の実施 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 各実行団体にて、PCやタブレットを活用したオンライン学習の導入も行なっている。 また、教育ICT教材「すらら」を試験的に導入。 「すらら」の特徴として、これまで居場所で学習に取り組む際の課題となっていた<どこでつまづいているのか>をAIが自動で分析し、その子にあった学習レベルへと内容をリアルタイムで変更していく。そのため、学年相応の学力が身についていない子でも対応しやすくなり、スタッフの負担の軽減に加え、より効果的な学習支援の実施となった。 これらのICT教材「すらら」を利用した結果、その不登校の子は受験のスタートダッシュに出遅れながらも無理なく継続して学習に取り組むことができ、無事に高校受験に合格することができた。 | |
| 4 | 不登校の児童・生徒及び保護者への対応スキルが向上し、実行団体である子どもの居場所や学習支援の組織とし対応出来ている状況 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 非資金的支援 | |
| 指標 | ①研修会や勉強会により実行団体として知識・スキルが向上し組織とし対応出来ている状況(支援体制整備) ②不登校の児童生徒への支援組織としてマニュアル整備状況 | |
| 目標値・目標状態 | ①20件程度を目安に実施 ②毎月のアンケート調査の実施 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 月に1回ほどの研修会に加えて、琉球大学の本村先生へのケース毎の相談をオープンにしており、具体的に事例に対する対応案やアドバイスを随時提供できる環境にある(事業期間中に、6団体のうち3団体が個別相談を活用)。 看護師によるMTGを設けることで、保健衛生面に関する提案やアドバイスもしており、各現場での子ども達や保護者、さらにはスタッフへの心理的配慮に関する相談体制を構築している。 これらの結果、事業の開始時点では組織基盤が十分に整っていなかった団体でも、事業完了期にはスタッフ間での役割分担や積極的な情報共有が見られ、支援を効率よく行う土台ができている。 | |
| 5 | 実行団体の事業継続に向け地域支援ネットワークや地域の不登校の児童・生徒を支援する組織・団体等によるコレクティブインパクトチームが確立され、自主運営力が上がっている状態 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 非資金的支援 | |
| 指標 | ①関係機関 との連携、地域の法人、地域住民の参加による支援する組織が確立され、自主運営力が上がっている ②関係機関との連携、地域の法人、地域住民の参加により資金的支援・非資金的支援において向上している ③不登校の児童生徒への支援組織としてチームワークが確立できている | |
| 目標値・目標状態 | ①&②必要に応じて活動計画の見直しがなされている状態 ③毎月のアンケート調査の実施 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 各実行団体にて地域内に連携機関を増やすなどして、チームづくりができている状況。 行政や学校との連携に留まらず、地域の様々な方が参画する取り組みも多く、日々の活動の中で子ども達が幅広い大人と交わる機会が創出されている。6団体中のうち4団体は独自の成果発表会のようなイベントを事業完了期に開催。結果、地域の多くの人にも参加してもらう機会となり、不登校への理解が深まっただけでなく、以前よりも各居場所が支援団体として地域に広く認知されている。 また、シンコペーションの代表が中心となった県域のネットワーク作りの動きも見られ、そちらも法人化に向けて様々な団体と連携しながら、取り組んでいる。自団体や活動地域に留まらない、支援のハブとなる動きとなっている。 | |
| 6 | 不登校の児童生徒への支援事業において、寄り添支援員、学校担当者、自治体担当課による連携関係づくりが図られ、支援の円滑化と効果向上につながっている状況 | |
| 資金支援/非資金的支援 | 非資金的支援 | |
| 指標 | ①連携関係づくりが図られ、支援の円滑化と効果向上により登校日数、学習状況、心理状態、地域社会性の理解など改善されている状況 ②連携関係づくりが図られ、目標達成に向けた連携体制・支援内容の調整がなされている状況 ③不登校の児童生徒への支援事業において、効果的な連携方法・支援方法の共有がなされている状況 | |
| 目標値・目標状態 | ①20件程度を目標とする ②20件程度を目安に実施 ③毎月のアンケート調査の実施 | |
| アウトプット:結果 | 計画より進んでいる/計画どおり進んでいる | |
| アウトプット:考察 | 行政・学校との連携は各実行団体にて適宜実施されており、気になる子どもや世帯がある場合は関係者と情報共有を行うなどして支援の方向性を確認できている。 学校現場は想定していた通り、不登校や行き渋りの児童・生徒に対して十分なサポートができておらず、不登校以外の問題でキャパオーバーとなっている場合も見られた。 最初は学校側から拒否感を示されるケースもあったが、粘り強く連携を行なっていく中で、学校も居場所の存在意義・重要性に気づき、事業完了時には来年度以降の話やどうすれば継続してもらえるのかなど、居場所へのニーズ が高まる声があがった。 結果、支援を行なった子どもたちには何らかの成果や進歩が見られ、学校・家庭に次ぐ第3の居場所として、民間による不登校支援の必要性が明確になった。 | |
活動
| 1 | 児童・生徒の問題行動・不登校に対応対応するために資金分配団体が開催する作業部会やプロジェクトチームに参加する | |
|---|---|---|
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 活動結果 | 計画通り | |
| 概要 | 資金分配団体が月1回以上の勉強会を開催して、全ての団体が複数名のスタッフを参加させている。 11月からは「合同研修会」と称し、当事業における実行団体6団体だけでなく、県内で活動する多くの支援団体や関係機関にも声をかけ、横のつながりを意識した研修会を月一回のペースで開催。 その際も毎回アンケートをとることで、参加者のさらなる満足度向上を目指し、次回の研修会に繋げる工夫を行なっている。 | |
| 2 | 児童・生徒の問題行動・不登校に対応するためにニュースレター等などを発行(SNSや広報での発信)する | |
| 資金支援/非資金的支援 | 資金支援 | |
| 活動結果 | ||

